冬の本格的なアウターとして高い人気を誇るカナダグース。その中でも、すっきりとしたショート丈が魅力の「ラブラドール」に関心を持つ方が増えています。
しかし、実際に購入を検討するとなると、その特徴や自分に合ったサイズ感、おしゃれに見せるためのコーデなど、気になる点が多く出てくるのではないでしょうか。
また、ラブラドールのベースとなったチリワックボンバーとは何が違うのか、モデル名にあるヘリテージとは何を指すのか、といった専門的な情報や、登山に向かない4つの理由も合わせて解説します。
高価な買い物だからこそ失敗や後悔はしたくありませんし、何年くらい使えるのか、長持ちさせるための手入れ方法、そして万が一の偽物を避けるための本物と偽物の違いや具体的な見分け方は、購入前に必ず押さえておきたいポイントです。
さらに、近年話題になったカナダグースのファーはなぜ禁止されたのかという背景や、実際のターゲット層についても気になります。
この記事では、これらのあらゆる疑問に分かりやすくお答えし、カナダグースのラブラドールがなぜ冬の街着として最適なのか、その理由を徹底的に解説します。
①ラブラドールの特徴とベースモデルとの違い
②失敗しないためのサイズ感の選び方とコーデのヒント
③長く愛用するための手入れ方法や本物の見分け方
④ブランドの背景やファー問題に関する最新情報
カナダグース ラブラドールの魅力と基本情報

✅ラブラドールの特徴を解説
✅ラブラドールが登山に向かない4つの理由
✅ベースモデルのチリワックボンバーとは
✅ラブラドールのヘリテージとは何?
✅最適なラブラドールのサイズ感
✅ラブラドールのレディースモデルなぜ人気?
✅街着に映えるラブラドールのレディースコーデ
ラブラドールの特徴を解説

カナダグースのラブラドールボンバーは、ミリタリーウェアをベースにした日本限定のショート丈モデルです。元々はアメリカ空軍のフライトジャケット「N-2B」のデザインを踏襲しており、機能的でありながら都会的なスタイルに合うよう洗練されています。
このモデルの大きな特徴は、日本人の体型に合わせて作られている点です。海外モデルに比べて着丈が短く、シルエットもすっきりしているため、アクティブな印象を与えます。ボリューム感はありつつも、着膨れしにくいデザインは、さまざまなコーディネートに合わせやすいと言えます。
ディテールにもこだわりが見られます。右腕にはおなじみのロゴワッペンが配置され、左腕にはN-2B由来のシガレットポケットが採用されており、デザインのアクセントになっています。
また、フロントポケットはジッパー付きで、ハンドウォーマーとしても機能するため実用性も高いです。手袋をしたままでも開閉しやすい大きなパラシュートボタンも、使い勝手を高める要素の一つです。
ラブラドールが登山に向かない4つの理由

ラブラドールが登山に向かない理由について、その設計思想と登山に求められる機能性の観点から考察します。
結論から言うと、ラブラドールが登山に向かない最大の理由は、そのジャケットが「極寒地の日常やファッション(タウンユース)」に最適化されており、「運動量が多く、状況が刻々と変化する登山」というアクティビティの要求とは設計思想が根本的に異なるためです。
具体的な理由を4つのポイントに分けて解説します。
- オーバースペックな保温性と「温度調節の難しさ」
登山では、歩き始めは寒くても、登り始めると大量の汗をかくほど体温が上昇します。そして休憩中は汗が冷えて急激に体温が奪われます。この体温変化に対応するため、登山ウェアは「レイヤリング(重ね着)」が基本です。
薄手のウェアを複数枚重ね、暑ければ脱ぎ、寒ければ着ることで、こまめに体温を調節します。
ラブラドールは、-10℃から-20℃の環境に対応する「TEI 3」という非常に高い保温性を持ちます。これは、一枚で完結する防寒着としては非常に優秀ですが、登山の行動着としては暑すぎ(オーバースペック)ます。
汗だくになるのが目に見えており、脱いだとしても次項の理由で持ち運びにくいため、適切な温度管理が極めて困難です。結果として、汗をかきすぎて体力を消耗したり、汗冷えによる低体温症のリスクを高めたりする可能性があります。
- 行動の妨げとなる「重量と収納性の問題」
登山ウェアには、行動中のパフォーマンスを妨げない軽量性と、不要な時にバックパックに収納できるコンパクト性が強く求められます。
ラブラドールは、耐久性の高い「アークティックテック®」生地と、豊富なダウンを使用しているため、本格的な登山ウェアと比較すると非常に重く、かさばります。
登山の行動中に暑くなって脱いでも、大きなラブラドールをバックパックに収納するスペースを確保するのは困難であり、持ち運ぶこと自体が大きな負担となります。
- 汗冷えを招く「透湿性と素材の問題」
登山ウェアで最も重要な機能の一つが、雨や雪から体を守る「防水性」と、汗による蒸れを外に逃がす「透湿性」です。
ラブラドールに使われる「アークティックテック®」素材は、耐久性と撥水性には優れていますが、主成分はポリエステルとコットン(綿)です。コットンは汗を吸うと乾きにくい性質があり、気化熱で体温を奪うため、登山では避けるべき素材の代表格です。
また、登山の激しい発汗に対応するほどの高い透湿性は、専門の登山用シェル(例:GORE-TEX®製品など)には及びません。内部に汗がこもりやすく、不快なだけでなく、汗冷えのリスクを著しく高めてしまいます。
- 動きを妨げる「運動性とデザインの不適合」
登山では、岩場を登ったり、急な斜面を歩いたり、大きな動きが連続します。そのため、ウェアには腕の上げ下げや足の動きを妨げない立体裁断やストレッチ性が求められます。
ラブラドールは、タウンユースでの着用を前提としたファッション性の高いシルエットであり、登山に特化したウェアほどの運動性はありません。また、ショート丈のデザインは、雪山などで転倒した際や、深い雪の中を歩く際に腰回りから雪が侵入しやすく、体を濡らす原因にもなり得ます。
結論:ラブラドールは「適材適所」で輝くジャケット
これらの理由から、カナダグースのラブラドールは登山活動には不向きと言えます。
しかし、これはラブラドールの性能が低いという意味では決してありません。その真価は、「冬のタウンユース」「雪国での日常生活」「オートキャンプの防寒着」「アウトドアテイストのファッション」といったシーンでこそ最大限に発揮されます。
登山には登山専用の機能を持つウェアを選び、ラブラドールはその優れたデザインと防寒性を、最適なフィールドで楽しむことが賢明な選択と言えます。
ベースモデルのチリワックボンバーとは
ラブラドールボンバーを理解する上で、その原型となった「チリワックボンバー」の存在は欠かせません。チリワックボンバーは、第二次世界大戦後にカナダ北部の辺境地で活動したブッシュパイロット(未開地を飛ぶ飛行機乗り)のために開発された、ブランドを象徴する歴史的なモデルの一つです。
彼らが必要としたのは、極寒の滑走路で作業を行う際の優れた耐久性、保温性、そしてコックピット内での動きやすさでした。チリワックボンバーは、これらの要求を満たすために作られた機能性の高いジャケットです。
ラブラドールは、このチリワックボンバーをベースに、日本人向けに改良したモデルと言えます。例えば、肩のラインがラグランスリーブからセットインスリーブに変更されたり、フロントポケットがより使いやすいスラッシュポケットに変わったりと、タウンユースを意識した変更が加えられています。
つまり、チリワックの持つタフなDNAを受け継ぎながら、より日本の街着として着こなしやすいように進化させたのがラブラドールなのです。
ラブラドールのヘリテージとは何?

商品名に見られる「ヘリテージ(Heritage)」という言葉は、カナダグースの伝統と本質を象徴するモデルであることを示しています。ヘリテージスタイルは、ブランドが長年培ってきたオリジナルのデザイン、機能性、そして素材を特徴とした製品群です。
具体的には、カナダグースが誇る高機能生地「アークティックテック®」を使用している点が挙げられます。この素材はポリエステルとコットンを混合した生地で、極めて頑丈で耐久性に優れ、雨や雪をはじく撥水性も備えています。
また、フィット感は「レギュラーフィット」が採用されており、中に着込んでも動きやすいように、適度なゆとりを持たせています。後ろの裾が少し長めに設計されているのも特徴で、これによりカバー力と保護力が高められています。
言ってしまえば、「ヘリテージ」と付くモデルは、カナダグースの原点ともいえるクラシックな魅力と、過酷な環境で証明されてきた確かな機能性を兼ね備えた、信頼の証なのです。
最適なラブラドールのサイズ感
ラブラドールボンバーの購入で最も悩むのがサイズ感ではないでしょうか。このモデルは、インナーに厚手のニットやスウェットを着込むことを想定しているため、やや身幅にゆとりのあるサイズ感で作られています。
そのため、基本的には普段着用している洋服と同じサイズを選ぶと、適度なゆとりを持って着こなせます。例えば身長160cmの方がSサイズを着用した場合、インナーにニットを着込んでも快適に過ごせるフィット感です。
身長157cmの方がMサイズを着用しても大きすぎると感じることはなく、むしろ少しゆったりとしたシルエットを楽しめます。どのように着こなしたいかによって、選ぶサイズは変わってきます。
ジャストサイズですっきりと着たい方は普段通りのサイズを、少しオーバーサイズ気味に現代的なシルエットで楽しみたい方はワンサイズ上を選ぶのも一つの方法です。
可能であれば、購入前に試着をして、インナーに何を合わせたいかを考えながらフィット感を確かめることをお勧めします。
ラブラドールのレディースモデルなぜ人気?
ラブラドールボンバーは、女性のファッションアイテムとしても非常に人気が高いモデルです。その最大の理由は、ショート丈ならではのスタイリングのしやすさにあります。
ロング丈のダウンコートとは異なり、丈の短いラブラドールは、ロングスカートやワンピースといったフェミニンなアイテムとの相性が抜群です。ダウンジャケットの持つカジュアルでタフな印象と、女性らしいアイテムを組み合わせることで、甘すぎないバランスの取れたコーディネートが完成します。
着こなしのポイントとしては、襟元を開いて少し肩を落として羽織るように着ると、こなれた印象になります。また、襟元が大きく開くデザインなので、インナーにタートルネックやハイネックのセーターを合わせると、首元がすっきりと見え、防寒性も高まります。
ミリタリーテイストのデザインでありながら、着こなし次第で女性らしさを引き立てることができるのが、レディースモデルの大きな魅力です。
街着に映えるラブラドールのレディースコーデ

ラブラドールボンバーの汎用性の高さは、冬の街着として大きな強みとなります。そのすっきりとしたショート丈は、合わせるボトムスを選ばず、多様なコーディネートを可能にします。
・カジュアルなデニムスタイル
王道の組み合わせは、やはりデニムパンツとのコーディネートです。インナーにシンプルなスウェットやニットを合わせるだけで、気取らない大人のカジュアルスタイルが完成します。足元はスニーカーでアクティブに、あるいはレザーブーツで少し引き締めると、また違った表情を見せてくれます。
・きれいめパンツスタイル
細身のパンツやスラックスと合わせれば、ぐっと都会的で洗練された印象になります。ジャケットのボリューム感と、ボトムスのシャープなラインの対比が、スタイルを良く見せる効果も期待できます。インナーにはシャツやハイゲージのニットを選ぶと、より上品な雰囲気に仕上がります。
・フェミニンなスカートスタイル
前述の通り、ロングスカートやプリーツスカートとの組み合わせもおすすめです。カジュアルなアウターとフェミニンなボトムスのミックススタイルは、おしゃれ上級者の着こなしです。重くなりがちな冬のコーディネートに軽やかさを与えてくれます。
このように、ラブラドールは一着で幅広いスタイルに対応できるため、冬のファッションの主役として活躍してくれるはずです。
後悔しないカナダグース ラブラドールの選び方

✅ラブラドール以外の人気レディースモデルを3つを解説
✅人気レディースモデル比較表
✅ターゲット層はどの年代
✅何年くらい使える?手入れ方法も解説
✅ファーはなぜ禁止
✅本物と偽物の違いは何?見分け方
✅まとめ:カナダグースのラブラドール
ラブラドール以外の人気レディースモデルを3つを解説

カナダグースのレディースモデルの中から、ラブラドールを除いた、特におすすめの3モデルを詳しく解説します。
冬の厳しい寒さから身を守りながら、ファッション性も高く評価されているカナダグース。レディースモデルは、着丈やシルエット、フィット感によって多くのバリエーションが存在します。
今回は、その中でも特に人気が高く、それぞれに違った魅力を持つ「シェルバーン パーカ」「マッケンジー パーカ」「ブロンテ パーカ」の3つを厳選しました。ご自身のライフスタイルや理想の着こなしに合う一着を見つけるための参考にしてください。
1. SHELBURNE PARKA(シェルバーン パーカ)
■きれいめで都会的なスタイルを好む方に最適なロング丈
シェルバーン パーカは、世界的に人気が高いカナダグースの定番ロング丈モデルです。ヒップから太ももまでを完全に覆う着丈と、体にフィットする現代的で洗練されたシルエットが特徴。ダウンジャケット特有の着膨れ感を抑え、すっきりとエレガントに着こなしたい方から絶大な支持を得ています。
・デザインとシルエット
アジア人向けの「フュージョンフィット」が展開されており、日本人女性の体型にも合いやすいのが魅力です。ウエスト部分は緩やかにシェイプされており、美しいAラインを描きます。フロントはスナップボタン付きのプラケット(比翼仕立て)で、ジッパーを隠すことで、よりクリーンで上品な印象を与えます。
シンプルなデザインは、通勤時のきれいめな服装から休日のカジュアルスタイルまで、シーンを選ばずに活躍します。
・機能性と保温性
保温性は、-10℃から-20℃の寒冷地でのデイリー使いに適した「TEI 3」に分類されます。カナダグースが誇る高機能生地「アークティックテック®」を使用しており、優れた耐久性と撥水性を備えています。
袖口には冷気の侵入を防ぐリブニットが内蔵されており、細部まで防寒対策が施されています。機能性とファッション性を高いレベルで両立させた、まさに都会派のためのダウンコートです。
2. MACKENZIE PARKA(マッケンジー パーカ)
■防寒性と着痩せ効果を両立させた日本規格最長モデル
マッケンジー パーカは、日本人女性の体型に合わせて作られた「ジャパンフィット」モデルの中で、最も着丈が長いデザインです。その最大の特徴は、ダウン量を抑えめにし、体に沿うようなタイトで美しいIラインのシルエット。
ダウンジャケットでありながら、着痩せして見えると評判で、スタイリッシュさを何よりも重視する方に最適です。
・デザインとシルエット
膝上まで届くロング丈が、優れた防寒性と安心感を提供します。体のラインをシャープに見せるため、カジュアルさよりもクールでドレッシーな印象が際立ちます。フロントに並んだ大きめのドットボタンが、シンプルなデザインの中でアクセントとして効いています。フードは取り外し可能で、シーンに応じて着こなしをアレンジできます。
・機能性と保温性
保温レベルは、-15℃から-25℃の極寒地に対応する「TEI 4」と非常に高く、カナダグースが誇る優れた暖かさを実感できます。シェルバーン同様、「アークティックテック®」素材を使用しているため、タフな環境でも安心です。最高の防寒性を確保しつつ、一切の妥協なく美しいシルエットを追求した、日本市場で絶大な人気を誇るモデルと言えます。
3. BRONTE PARKA(ブロンテ パーカ)
■機能性と着回しやすさを両立した万能ミドル丈
ブロンテ パーカもまた、日本人の体型に合わせてデザインされた「ジャパンフィット」の人気モデルです。ヒップがすっぽりと隠れるミドル丈で、防寒性と動きやすさのバランスが絶妙な一着。カジュアルな雰囲気と機能的なディテールが特徴で、アクティブな休日にも、日常使いにも幅広く対応します。
・デザインとシルエット
カナダグースの象徴的なディテールである、手袋をしたままでも留めやすい大きめのパラシュートボタンがフロントにあしらわれており、デザインのポイントになっています。ウエスト部分には内側にドローコードが付いており、絞ることでシルエットの調整が可能です。
ストレートラインでメンズライクに着こなすことも、ウエストをシェイプして女性らしいAラインで着こなすこともできます。
・機能性と保温性
保温レベルは「TEI3」で、日本の冬の気候には十分な暖かさを提供します。ハンドウォーマーポケットを含む合計4つのフロントポケットや、袖口のリブなど、カナダグースならではの機能的な作り込みは健在です。
シェルバーンやマッケンジーに比べて少しカジュアルでラフな印象があり、パンツスタイルとの相性も抜群。デイリーユースでの着回しやすさを重視する方に、特におすすめしたいモデルです。
人気レディースモデル比較表

■「シェルバーン」「マッケンジー」「ブロンテ」に、人気のショート丈モデル「ラブラドール」を加えた、合計4モデルの比較表です。
それぞれのモデルが持つ着丈、シルエット、保温性などの違いが一目でわかるようにまとめていますので、ご自身のライフスタイルやファッションの好みに最も合う一着を見つけるための参考にしてください。
カナダグース レディース人気モデル比較表
項目 | ラブラドールボンバー | シェルバーン パーカ | マッケンジー パーカ | ブロンテ パーカ |
---|---|---|---|---|
着丈の長さ | ショート丈 | ロング丈 | 最長丈(ロング) | ミドル丈 |
シルエット | ややゆったりめ(レギュラーフィット) | スリムなAライン | 最もタイトなIライン | ややゆったり(ウエスト調整可) |
フィット規格 | ジャパンフィット | フュージョンフィットあり | ジャパンフィット | ジャパンフィット |
保温レベル | (-10℃ / -20℃) | (-10℃ / -20℃) | (-15℃ / -25℃) | (-10℃ / -20℃) |
デザインの特徴 | ミリタリー調デザイン大きなパラシュートボタン | きれいめな比翼仕立てキルティング加工 | スタイリッシュな印象大きなドットボタン | 機能的なポケットパラシュートボタン |
おすすめのスタイル | カジュアルでアクティブ着回しやすさ重視の方 | エレガントで都会的通勤にも使いたい方 | 最高の防寒性と着痩せ効果シャープに見せたい方 | 機能性と防寒性の両立休日に活躍させたい方 |
ターゲット層はどの年代

カナダグースの主なターゲット層は、日本市場においては30代から40代の男女と考えられています。この世代は、ファッションにおいても「本物志向」の価値観を持つ人が増える傾向にあります。
単なる流行り廃りではなく、ブランドの歴史や背景、そして製品の持つ確かな品質に価値を見出す方が多いため、カナダグースの高い機能性やこだわりが支持されています。
しかし、これはあくまで主なターゲット層であり、実際には幅広い世代から愛用されているのが実情です。デザインがシンプルで流行に左右されないため、50代以上の方がスタイリッシュに着こなすことも珍しくありません。
一方で、20代の若い世代が「一生モノのダウンジャケット」として購入するケースも増えています。決して安価ではありませんが、その優れた耐久性を考えれば、長期的に見てコストパフォーマンスが高いと判断できるからです。
つまり、カナダグースは特定の年齢層に限定されるブランドではなく、品質とデザインを重視するすべての人に向けたブランドと言えるでしょう。
何年くらい使える?手入れ方法も解説
カナダグースのダウンジャケットは、その頑丈な作りから「一生モノ」と評されることがあります。一般的なダウンジャケットの寿命が3~4年といわれる中で、カナダグースのような高品質な製品は、適切なお手入れを行うことで5年から10年、あるいはそれ以上長く着続けることが可能です。
長持ちさせるためには、日頃のお手入れと保管方法が鍵となります。
・長持ちさせる手入れ方法
まず、クリーニングについてですが、カナダグース製品の多くは「ドライクリーニングのみ」と表示されています。自宅での洗濯は、ダウンの油分を損なったり生地を傷めたりする原因となるため、必ず専門のクリーニング店に依頼してください。
オフシーズンの保管も大切です。保管前には、風通しの良い日陰で2~3日干して、内部の湿気をしっかりと飛ばします。湿気がこもりやすいビニールカバーは避け、通気性の良い不織布のカバーをかけてください。
ハンガーは、肩の部分に厚みのあるものを選ぶと型崩れを防げます。また、クローゼットに長期間保管する際は、市販の防虫剤を使用して虫食いを防ぐことも忘れないようにしましょう。
これらの手間をかけることで、ジャケットの寿命は大きく延び、長く快適に愛用することができます。
ファーはなぜ禁止?

はい、その情報は事実です。カナダグースは、2021年6月に製品へのリアルファー(毛皮)の使用を段階的に廃止し、2022年末までに完全に終了することを発表しました。
この決定の背景には、長年にわたる動物愛護団体からの批判や、サステナビリティ(持続可能性)を重視する世界的な潮流があります。特に、動物の倫理的な扱いを求める声が世界的に高まる中で、多くのファッションブランドが毛皮の使用を取りやめる方針を打ち出しており、カナダグースもこの動きに追随した形です。
かつてカナダグースのフード周りには、凍傷を防ぐ目的でコヨーテのファーが使用されていました。しかし、現在生産・販売されている新品の製品には、リアルファーは一切使われていません。
この方針転換は、カナダグースが動物福祉や環境問題に対して真摯に向き合う、責任ある企業であることを示すものです。これから製品を購入する方は、この点を理解しておくことが大切です。
本物と偽物の違いは何?見分け方
カナダグースは人気ブランドであるがゆえに、残念ながら精巧な偽物(偽造品)が多く出回っています。高価な買い物を失敗しないためにも、本物と偽物を見分けるポイントをいくつか押さえておくことが不可欠です。
チェックポイント | 本物の特徴 | 偽物の特徴 |
---|---|---|
ロゴワッペン | 刺繍が精巧でカエデの葉の形が細かい。文字も鮮明 | 刺繍が雑で潰れていることが多い。スペルミスがある場合も |
ファー(旧モデル) | コヨーテファーでボリュームがあり柔らかい質感 | ボリュームがなく、毛並みが不揃いでゴワゴワしている |
商品タグ | 角度で絵柄が変わるホログラムタグ(2011年以降)が付く | ホログラムタグがない、または精巧でない。縫製が雑 |
生地 | ハリがあり、高い撥水性と耐久性を持つアークティックテック® | ハリがなく柔らかい。撥水性が低いことがある |
ダウン | ダウンがしっかり詰まっており、ジャケット全体に厚みがある | 中身が少なく、ボリュームに欠け、保温性が低い |
型番 | タグの型番を検索すると公式情報と一致する | 検索しても商品が出てこない、または違う商品がヒットする |
・特に注意すべきポイント
最も分かりやすいのは、腕についている円形の「ロゴワッペン」です。本物は北極図やカエデの葉の刺繍が非常に細かく丁寧ですが、偽物は刺繍が雑で、デザインが潰れていたり、文字のフォントが異なったりします。
また、2011年以降のモデルには、偽造防止のためにホログラムのタグが内側に付けられています。このタグがない、あるいはデザインが単純なものは偽物の可能性が非常に高いと考えられます。正規販売店以外で購入する際は、これらの点を特に注意深く確認することが大切です。
まとめ:カナダグースのラブラドール
この記事を通じて解説してきたポイントをまとめます。
•ラブラドールは日本限定で展開されるショート丈モデル
•デザインのベースはミリタリーフライトジャケットのN-2B
•原型はカナダ北部のパイロット向けに作られたチリワックボンバー
•ヘリテージとはブランドの伝統的なデザインと機能を継承する証
•サイズ感はインナーを着込めるようにややゆったりめに作られている
•レディースモデルはスカートやワンピースとも相性が良い
•ショート丈のため多様な街着コーデが楽しめる汎用性を持つ
•主なターゲット層は本物志向の30代から40代
•流行に左右されないデザインで全世代で着用可能
•適切なお手入れをすれば10年以上愛用できる高い耐久性
•シーズンオフの保管時は通気性の良いカバーと防虫剤が必須
•環境や動物福祉への配慮から2022年末でリアルファーの使用は終了した
•本物か偽物かを見分けるにはロゴワッペンやタグの確認が基本
•2011年以降のモデルには偽造防止のホログラムタグが付いている
•過酷な環境での使用より冬のタウンユースでこそ真価を発揮する