北欧スウェーデン発のアウトドアブランド、クレッタルムーセン。その独創的なデザインと高い機能性で注目を集めていますが、実際のところクレッタルムーセンの評判はどうなのでしょうか。
価格帯も高めなため、購入を検討している方は、具体的なサイズ感、例えば身長175㎝・65㎏の男性や、レディースで160㎝の場合のフィット感が気になるかもしれません。
また、クレッタルムーセンのダウンジャケットには、主力モデルのアトレ3.0やアルパイン向けのアトレ2.0、最高峰の保温性を持つボーレ3.0、さらに軽量なロプト(Lopht) フードダウンやロー(Rau) フードダウンなど、複数のモデルが存在します。
この記事では、これら５つの人気モデルを比較しながら、それぞれの特徴や評判、適切な活用シーンについて詳しく解説していきます。
この記事でわかること
①ブランドとしての独創性と全体的な評判
②身長別（175cm/65kg男性・160cm女性）のサイズ選びの目安
③人気ダウンジャケット5モデルの性能と違い
④利用シーンに基づいた最適なダウンの選び方
クレッタルムーセンの評判：ブランド概要
✅クレッタルムーセンの評判と独創性
✅サイズ感175㎝・65㎏ レディース160㎝
クレッタルムーセンの評判と独創性
クレッタルムーセンの評判を調べると、「デザインが個性的でかっこいい」という声と、「デザインが独特すぎる」という声の両方が見受けられます。これは、ブランドの持つ強い独創性の表れと言えるでしょう。
例えば、多くのジャケットで採用されている「斜めに走るフロントジッパー」は、クレッタルムーセンの象徴的なデザインの一つです。これはデザイン性だけでなく、ジッパーが顎に当たる不快感を軽減し、インナーのジッパーとの干渉を防ぐという機能的な理由に基づいています。
また、環境への配慮もクレッタルムーセンの核となる哲学です。
サステナビリティへの徹底したこだわり
クレッタルムーセンは、アウトドアブランドとしてはいち早くリサイクル素材やバイオベース素材（ヒマシ豆由来など）を積極的に採用しています。有害なフッ素化合物（PFOA）を排除した撥水加工など、環境負荷を最小限に抑えるための素材開発（Levitend®など）を自社で行っている点も、高く評価されています。
機能面では、ゴアテックス(GORE-TEX)のような有名な防水透湿素材に頼らず、自社で開発した機能素材を使用している点が特徴です。これにより、独自の品質基準（MFR – Mass Flow Resistance）を設け、徹底した品質管理を実現しています。
【ライターの視点】
クレッタルムーセンの評判は、「高くても長く使える本物が欲しい」と考えるコアなアウトドア愛好家や、他人と被らないデザインを求めるファッション感度の高い層から特に支持されています。一方で、その価格帯とデザインの強さから、人を選ぶブランドであることも事実です。
サイズ感175㎝・65㎏ レディース160㎝
クレッタルムーセンの製品を選ぶ上で、価格と並んで最も慎重になるべき点がサイズ感です。デザインが気に入っても、サイズが合わなければ性能を正しく発揮できません。
まず大前提として、クレッタルムーセンはスウェーデンのブランドであり、サイズ表記はヨーロッパ基準（海外サイズ）です。これは、一般的な日本のブランドのサイズ表記と比較して、おおむねワンサイズ程度大きい作りになっていることを意味します。国内ブランドでLサイズの方はMサイズが候補になる、という具合です。
また、北欧の体型に合わせて設計されているため、特に「袖丈」や「着丈」が長めに作られている傾向が強い点も、購入前に必ず認識しておく必要があります。
男性：175㎝・65㎏の場合
身長175cm、体重65kgという日本人男性の標準的な体型の場合、選ぶモデルの「設計思想」によって推奨サイズが分かれます。
- Sサイズが適しているケース：
アトレ2.0のようなアルパインクライミング向け（ミッドレイヤー想定）のスリムフィットモデルを選ぶ場合です。インナーに薄手のベースレイヤーやシャツを着て、ジャストサイズでスタイリッシュに着こなしたい方にもSサイズが推奨されます。 - Mサイズが適しているケース：
アトレ3.0のような汎用モデルや、ボーレ3.0のようなアウター前提のモデルを選ぶ場合です。特に、ジャケットの下に厚手のフリースやセーターなど、ミッドレイヤー（中間着）をしっかり着込むことを想定する場合は、Mサイズを選ぶとよいでしょう。
この体型の方がSサイズを選ぶと、袖丈はジャストかやや長め、着丈はすっきり収まることが多いです。Mサイズを選ぶと、袖丈は明確に余る可能性が高くなりますが、インナーを着込んだ際の身幅や肩周りには快適なゆとりが生まれます。どちらのフィット感を優先するかで選択が変わってきます。
女性：レディース160㎝の場合
身長160cmの標準的な体型の女性の場合、XSサイズまたはSサイズが主な候補となります。
ここで重要なのは、選ぶモデルが「ユニセックスモデル」か「レディース専用モデル」かという点です。アトレシリーズなど人気の高いモデルの多くはユニセックス展開です。この場合、160cmの女性であればXSサイズがジャストフィットになる可能性が高いです。
一方、レディース専用モデルは、肩幅を狭くしたり、ウエストを絞ったりと、女性の体型に合わせたカッティングが採用されています。この場合は、XSサイズではタイトすぎ、Sサイズの方が適している場合もあります。
【最重要】サイズ選びで絶対に失敗しないために
クレッタルムーセンのサイズ選びが難しい最大の理由は、「同じSサイズ」表記でも、モデルによって実際の寸法（フィット感）が全く異なるためです。
例えば、アトレ2.0（ミッドレイヤー前提）のSサイズはタイトですが、ボーレ3.0（アウター前提）のSサイズは、シェルの上から着ることを想定しているため非常に大きく作られています。
このため、失敗を避ける最善の方法は以下の2点です。
- 可能な限り試着する：
インナーに何を着るか（薄手のシャツか、厚手のフリースか）を想定した上で試着するのが理想です。 - オンライン購入では「実寸」を徹底比較する：
試着ができない場合は、公式ストアや取扱店が公表している「製品実寸」を必ず確認してください。特に「身幅」と「裄丈（ゆきたけ）」（首の付け根中央から肩を通り袖先までの長さ）の2点を、ご自身が持っているお気に入りのジャケットの実寸と比較することが、失敗を防ぐ最も確実な方法です。
クレッタルムーセンの評判：ダウンジャケットの主要モデル
✅ベストセラー・アトレ3.0活用シーン
✅アルパインクライミング用・アトレ2.0活用シーン
✅究極の保温性・ボーレ 3.0活用シーン
✅コンパクト最軽量・ロプト(Lopht)フードダウン活用シーン
✅冬のアクティビティに最適・ロー(Rau)フードダウン活用シーン
✅５つを比較・違いと選び方
✅総括：クレッタルムーセンの評判
ベストセラー・アトレ3.0活用シーン
アトレ(Atle) 3.0 ジャケットは、クレッタルムーセンのダウン製品群において、まさに「顔」とも言える存在であり、長年にわたり支持され続けるベストセラーモデルです。
このジャケットが広く選ばれる理由は、本格的なアルパイン（登山）活動に対応する高い機能性と、都会のライフスタイルにも違和感なく溶け込む洗練されたデザインが、非常に高いレベルで両立している点にあります。
特徴①：妥協のない保温構造「ボックス・コンストラクション」
アトレ3.0の最大の特徴は、その保温構造にあります。多くの軽量ダウンジャケットが採用する「ステッチスルー構造」（表地と裏地を直接縫い合わせる方法）は、製造コストを抑えられますが、縫い目部分のダウン量が少なくなり、そこから熱が逃げたり冷気が侵入したりする「コールドスポット」が弱点でした。
一方、アトレ3.0は、手間とコストのかかる「ボックス・コンストラクション」を採用しています。これは、生地と生地の間に「壁」となる生地（サイドウォール）を設け、立体的な箱（ボックス）を作る構造です。
この構造により、ダウンが偏ることなく均一な層を維持できるため、コールドスポットの発生を徹底的に抑制します。結果として、800フィルパワー（ダウンの膨らむ力＝保温力を示す数値）の高品質ホワイトグースダウンが持つ保温性能を、最大限に引き出すことに成功しています。
特徴②：考え抜かれた機能ディテール
アルパインでの使用を前提としているため、細部にも工夫が凝らされています。
- ポケッタブル仕様：軽量な素材で作られており、内側のポケットにジャケット本体をコンパクトに収納できるポケッタブル仕様です。登山の際、体温が上がって脱いだ時や、旅行のパッキング時に非常に便利です。
- 動きやすさへの配慮：肩周りの動きを妨げないラグランスリーブを採用しており、バックパックを背負った際の縫い目の干渉も防ぎます。
- 素材：生地には耐久性に優れたリサイクルポリアミドを使用し、環境負荷にも配慮しています。
活用シーン：山から街までシームレスに
アトレ3.0の持つ汎用性の高さは、他のモデルと比較しても際立っています。
アウトドアシーンでは、冬の低山ハイキングやスノーシュー、キャンプサイトでの防寒着として最適です。本来はシェルの下に着るミッドレイヤー（中間着）としての設計ですが、その高い保温力から、日本の多くの地域ではアウターとして十分すぎるほど機能します。
タウンユース（日常）においても、その洗練されたデザインは全く違和感を与えません。機能性をひけらかさないシンプルな見た目は、通勤・通学から休日の外出まで、あらゆる日常シーンにフィットします。まさに「中心的なモデル」と呼ぶにふさわしい一着と言えるでしょう。
購入時の注意点
アトレ3.0は非常に優れたジャケットですが、いくつか注意点もあります。
- 水濡れへの耐性：高品質なダウンですが、素材の特性上、水濡れには弱いです。雨や湿った雪が降る状況では、必ず上に防水のシェルジャケットを羽織る必要があります。
- 価格：複雑なボックス構造を採用しているため、ステッチスルー構造のダウンに比べて価格は高価になる傾向があります。
- サイズ感：前述の通り、ヨーロッパサイズが基準です。国内ブランドの感覚で選ぶと大きすぎることが多いため、必ず試着するか、オンラインの場合は実寸（着丈や身幅、特に袖丈）を厳密に確認してください。
アルパインクライミング用・アトレ2.0活用シーン
アトレ(Atle) 2.0 ジャケットは、ベストセラーであるアトレ3.0と名前を共有しつつも、より専門的かつテクニカルな登山シーンに焦点を当てたモデルです。
アトレ3.0が「汎用性の高いアウター兼ミッドレイヤー」であるならば、アトレ2.0は「ミッドレイヤー（中間着）としての機能性を突き詰めた」一着と言えます。もちろん、800フィルパワーの高品質ホワイトグースダウンや、コールドスポットを排除する「ボックス・コンストラクション」といった、保温性に関する基本設計は3.0の高いレベルを継承しています。
特徴①：ミッドレイヤーに最適化された「スリムフィット」
アトレ2.0と3.0の最も大きな違いは、そのカッティング（裁断）にあります。アトレ2.0は、アウターシェルの下に着込むことを絶対的な前提として設計されており、体に吸い付くようなスリムなフィット感が特徴です。
このスリムフィットには明確な理由があります。
- 保温効率の向上：体に密着することで、体温で暖められた空気の層（デッドエア）を逃しにくくし、保温効率を最大化します。
- レイヤリング（重ね着）の快適性：ハードシェルの下で生地が余ってごわついたり、動きを妨げたりすることを防ぎます。
- 装備との非干渉：クライミングハーネス（安全ベルト）やバックパックのウエストベルトを装着した際に、ジャケットの裾がもたつかず、ギアラックへのアクセスもスムーズに行えます。
特徴②：機能の象徴「アシンメトリー（斜め）ジッパー」
デザインの大きな違いとして、アトレ2.0はクレッタルムーセンを象徴する斜めに走るフロントジッパーを採用しています。これは単なるデザインではなく、テクニカルなシーンで役立つ機能性に基づいています。
ジッパーを斜めに配置することで、ジッパーの終点が顎に直接当たる不快感を解消します。さらに、アウターシェルのジッパーと重なる位置をずらすことができ、ジッパー同士が干渉して首元が硬くなるストレスを軽減する狙いもあります。
活用シーン：シビアな環境での「動ける保温着」
アトレ2.0が真価を発揮するのは、アイスクライミングやテクニカルな冬山登山、バックカントリースキー（登攀時）など、動きやすさと確実な保温性の両立が求められるシビアな環境です。
腕の上げ下げや体のひねりが多い状況でも、スリムなフィット感が動きに追従し、常にハードシェルの下で安定した保温層を維持します。
購入時の注意点
アトレ2.0は、その専門性の高さゆえの注意点があります。
- フィット感：非常にスリムなため、体格によっては窮屈に感じる場合があります。特に、ミッドレイヤーとして厚手のフリースなどを着込みたい場合は、ワンサイズ上げるなどの検討が必要です。
- 汎用性：アウターとしてゆったり着るような使い方には、アトレ3.0の方が適している場合があります。あくまで「ミッドレイヤー特化型」と理解することが重要です。
- 素材：前述の通り、環境に配慮したリサイクルポリアミド素材を使用していますが、ダウン製品共通の弱点として、水濡れには注意が必要です。
究極の保温性・ボーレ 3.0活用シーン
ボーレ(Bore) 3.0 ジャケットは、クレッタルムーセンが誇るダウンラインナップの中で、「究極の保温性」をミッションとして開発された、最強クラスのエクスペディション（遠征）モデルです。
他のモデルが「動きやすさとのバランス」や「軽量性」も考慮しているのに対し、ボーレ3.0は「いかに寒冷地で体温を維持するか」という一点に機能を集中させています。まさに「着る寝袋」と形容される、ブランドの技術の粋を集めた一着です。
特徴①：圧倒的ダウン量とハイブリッド構造
ボーレ3.0の圧倒的な保温力は、まずその充填量にあります。2023年のアップデートでは、800フィルパワーの高品質ホワイトグースダウンが300gも充填されています。これは、一般的な軽量ダウンジャケット（100g前後）の約3倍に相当する量であり、桁違いの暖かさを生み出します。
さらに、このモデルは単なるダウンジャケットではなく、「ハイブリッド構造」を採用している点が重要です。バックパックを背負うことで圧力がかかりやすい肩周りや、汗や外気で濡れやすい腕部分には、ダウンの代わりに濡れに強い化学繊維（プリマロフト®シルバーエコ）が戦略的に配置されています。
ダウンは濡れると保温力を失う弱点がありますが、化学繊維は濡れても保温性を維持します。このハイブリッド設計により、シビアな環境下でも弱点のない、確実な保温性能を追求しています。
特徴②：冷気を遮断する徹底したディテール
前述の通り、クレッタルムーセンの高性能ダウンは「ボックス・コンストラクション」を採用していますが、ボーレ3.0はこの構造を最大限に活かし、コールドスポットの徹底排除を図っています。
加えて、熱が最も逃げやすいフロントジッパー部分にも一切の妥協がありません。ジッパーの外側と内側の両方に、ダウンが充填されたストームフラップ（風よけ）を二重に配置しています。これにより、ジッパーの隙間から侵入しようとする冷気を物理的にシャットアウトし、体温を内部に完全に閉じ込めます。
伸縮性のある袖口や裾のリブデザインも、風の侵入を防ぎ、ジャケット内の暖気を逃がさないための重要な機能です。
活用シーン：運動を伴わない「停滞時」の最強装備
ボーレ3.0の活用シーンは、非常に限定されます。それは、厳冬期の登山や極寒地（北極圏など）での活動です。
重要なのは、「運動中」ではなく「停滞中」に使用するビレイパーカ（※）としての側面が強いことです。例えば、アイスクライミングで仲間をロープで確保している間（ビレイ中）や、テントサイトでの設営・休憩時など、自ら発熱していない状況で体温が奪われるのを防ぐために使われます。
（※）ビレイパーカとは？
ビレイパーカは、登山やクライミングにおいて、休憩中やビレイ中など、動きを止めている際に体温が急激に低下するのを防ぐために着用する、非常に保温力の高いジャケットを指します。多くの場合、ハーネスや他の装備、さらにはシェルの上からでも羽織れるよう、大きめのサイズ感で作られています。
購入時の注意点：オーバースペックの可能性
その究極的な保温力ゆえに、日本の都市部での日常使いには完全なオーバースペック（過剰性能）となります。電車や室内では暑すぎてしまい、そのボリューム感から動きやすいとも言えません。
「大は小を兼ねる」とはならず、「-10℃以下」や「極寒地での停滞」といった明確な使用目的があるユーザー向けの、極めて専門性の高い一着であると理解する必要があります。
コンパクト最軽量・ロプト(Lopht)フードダウン活用シーン
ロプト(Lopht) フードダウンは、クレッタルムーセンのダウン製品群の中で、「軽量性」と「携帯性」を最重要視して設計されたモデルです。アトレやボーレといったモデルが絶対的な保温力や汎用性を追求しているのに対し、ロプトは装備の重量をグラム単位で切り詰めたいユーザーの要求に応えます。
しかし、単に軽いだけでなく、ブランドの哲学である「耐久性」と「高い保温効率」、そして「環境への配慮」も妥協していない点が、このモデルの真価と言えるでしょう。
特徴①：環境配慮と耐久性を両立した最先端素材
ロプトの軽量化を支えているのは、独自開発の「レヴィテンド®・バイオ・リップストップ」という生地です。この生地の最大の特徴は、その原料の60%がヒマシ豆（キャスタービーン）由来のバイオベースポリアミド（ナイロン）で構成されている点です。
石油などの化石燃料への依存を減らすことで、環境負荷を大幅に低減しています。さらに、「リップストップ」（格子状に丈夫な繊維を織り込む）構造を採用することで、生地自体は非常に薄く軽量でありながら、万が一生地が裂けてもそれ以上広がりにくい「引き裂き強度」を確保しています。
特徴②：軽量モデルでも妥協しない「ボックス構造」
一般的に「最軽量」を謳うダウンジャケットの多くは、製造コストと重量を削減できる「ステッチスルー（縫い通し）」構造を採用します。しかし、前述の通り、この構造は縫い目から熱が逃げる「コールドスポット」が避けられません。
クレッタルムーセンは、このロプトにおいても「ボックス・コンストラクション」を採用しています。立体的な箱状の構造で800フィルパワーの高品質ダウンを均一に保持するため、軽量でありながらもコールドスポットが極めて少なく、ダウンの持つ保温力を最大限に引き出します。「軽さ」と「暖かさ」を高い次元で両立させている、まさにクレッタルムーセンらしいこだわりです。
活用シーン：荷物を切り詰める全てのアクティビティ
ロプトの軽量性と優れた携帯性（フロントポケットに収納可能なポケッタブル仕様）は、以下のようなシーンで最大限に活かされます。
- UL（ウルトラライト）志向の登山・ファストパッキング：バックパックの重量を極限まで減らしたいが、休憩時やビバーク（緊急野営）時の信頼できる保温着は譲れない、という要求に応えます。
- 旅行・バックパッキング：気温差のある地域への旅行や、機内持ち込みの手荷物をコンパクトにまとめたい場合に最適です。
- 日常での中間着：非常に軽量でかさばらないため、冬場にコートやシェルの下に着用する「インナーダウン」としても高いパフォーマンスを発揮します。
もちろん、秋口や春先の肌寒い時期のハイキングなどでも、アウターとして活躍します。
購入時の注意点
ロプトは軽量化を優先しているため、そのトレードオフとして理解しておくべき点もあります。
- 絶対的な保温力：アトレ3.0やボーレ3.0のような、厳冬期のアウターとして単体で完結するほどの絶対的なダウン充填量はありません。あくまで「軽量保温着」としての位置づけです。
- 生地の薄さ：リップストップで耐久性を高めているとはいえ、生地自体は非常に薄手です。岩場での擦れや、鋭利な枝などへの引っ掛けには十分な注意が必要です。
冬のアクティビティに最適・ロー(Rau)フードダウン活用シーン
ロー(Rau) フードダウンは、前述のロプト(Lopht)と同様に「軽量性」を軸に開発されたモデルですが、その設計思想は大きく異なります。
ロプトが「グラム単位での軽量化」を最優先するウルトラライト（UL）志向であるのに対し、ローは「軽量性を維持しつつ、より幅広いシーンでの使いやすさ」を追求した、バランス重視のモデルと言えます。
もちろん、クレッタルムーセンのハイエンドモデルとして、基本性能に妥協はありません。800フィルパワーの高品質ホワイトグースダウン、コールドスポットを排除する「ボックス・コンストラクション」（※モデルのバージョンによりステッチスルーの場合もあります）、環境に配慮したバイオベース素材の採用、そしてコンパクトに収納できるパッカブル機能など、ロプトと共通する高いスペックを備えています。
特徴：デザインの「アクセシビリティ（使いやすさ）」
ロー(Rau)の最大の特徴は、そのデザインにあります。クレッタルムーセンの象徴である「斜めのフロントジッパー」は、機能的である反面、デザインとしての個性が非常に強いです。
ロー(Rau)は、デザインが比較的シンプルにまとめられています。これにより、他のブランドのウェアとも合わせやすく、特にタウンユースでの汎用性が格段に向上しています。機能は欲しいけれど、デザインはあまり尖っていない方が良い、という方に最適です。
活用シーン：アウトドアと日常の「シームレスな」架け橋
このモデルが活躍するのは、まさに「アウトドア」と「日常」の境界線です。
冬の低山ハイキングやキャンプといったアクティビティでは、軽量で動きやすく、十分な保温性を発揮します。また、パッカブル機能は旅行などにも非常に便利です。
そして、このモデルの真価が発揮されるのが日常のタウンユースです。アトレ(Atle)ほどのボリューム（厚み）はないため、コートやジャケットの「インナーダウン」として着込んでもごわつきにくいのが利点です。それでいて、一般的なインナーダウンよりも格段に暖かく、アウターとしても十分に機能します。
【ライターの視点】
軽量なダウンを「山でも街でも本気で兼用したい」と考える方にとって、このロー(Rau) フードダウンは最も有力な選択肢の一つとなるでしょう。ロプト(Lopht)ほど切り詰めておらず、アトレ(Atle)ほど本格的すぎない、絶妙な「丁度良さ」が魅力です。
購入時の注意点
- 保温力の位置づけ：あくまで軽量ダウンのカテゴリーです。厳冬期にこれ一枚で過ごせるほどの保温力はありません。
- デザインの確認：クレッタルムーセンは常に製品をアップデートしています。ジッパーの仕様（斜めか中央か）やデザインの細部は、購入するモデルのシーズンによって異なる可能性があるため、事前に確認することをおすすめします。
５つを比較・違いと選び方
これまで紹介した5つの主要ダウンモデルについて、その特徴と選び方をまとめます。
【ライターの視点】
これだけモデルがあると迷ってしまいますが、選ぶ基準は「どのレベルの寒さで」「どれだけ動くか」の2点です。以下の比較表で、ご自身の用途に最適な一着を見つけてください。
| モデル名 | 保温力レベル | 想定シーン | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| アトレ 3.0 | 非常に高い | 登山 / 日常 | ベストセラー。汎用性と保温性のバランスが最強。ポケッタブル。 |
| アトレ 2.0 | 高い | アルパイン | スリムフィット。ミッドレイヤー向き。斜めジップ。 |
| ボーレ 3.0 | 究極 | 厳冬期 / 極寒地 | 最強保温。ダウン300g+プリマロフト。停滞時向き。 |
| ロプト フードダウン | 高い（軽量） | UL / 旅行 / 日常 | 最軽量クラス。ポケッタブル。バイオベース素材。 |
| ロー フードダウン | 高い（軽量） | ハイキング / 日常 | 軽量・バランス型。日常でも使いやすい。ポケッタブル。 |
選び方のポイント
- 究極の暖かさが欲しい場合: 迷わずボーレ 3.0です。ただし、日本の平地ではオーバースペックです。
- 登山も街着も1着でこなしたい場合: アトレ 3.0が最適解です。ブランドの顔とも言えるモデルで、高い満足感が得られます。
- シェルの下に着る中間着が欲しい場合: アトレ 2.0のスリムフィットが最適です。
- 軽さと携帯性を最優先する場合: ロプト フードダウンが候補になります。
- 軽量ダウンを日常メインで使いたい場合: ロー フードダウンがバランスに優れています。
総括：クレッタルムーセンの評判
最後に、クレッタルムーセンのダウンジャケットに関する評判と特徴を、要点としてリストアップします。
- クレッタルムーセンの評判は「デザインが独創的」という点で一致する
- デザインの好みは分かれるが、機能性は非常に高く評価されている
- 斜めに走るジッパーは機能性（顎への干渉防止）とデザイン性を両立
- 環境配慮（リサイクル素材、PFOAフリー）に徹底的に取り組んでいる
- ゴアテックス等に頼らず自社開発素材（Levitend®など）を使用
- サイズ感は日本規格よりワンサイズ大きめが基本
- 175cm/65kgの男性はS（タイト）かM（ジャスト～ゆとり）が目安
- 160cmの女性はXSかSが目安だが、モデルによる差が大きい
- 購入時は実寸サイズの確認、または試着が必須
- アトレ3.0はブランドを代表するベストセラーモデル
- アトレ2.0はアルパインに特化したスリムフィットモデル
- ボーレ3.0は厳冬期向けの最強保温ジャケット
- ロプトは最軽量クラスでUL志向や旅行に最適
- ローは軽量性と汎用性のバランスが良く日常使いにも向く
- 全モデル共通で800FPグースダウンやボックス構造など基本性能が高い
