オスプレーのハイクライト26・18レビュー!蒸れない背中の実力

バックパック
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梅雨の晴れ間や真夏の低山ハイク、あるいは湿度がまとわりつくような時期のトレッキングで、背中が汗でびっしょり濡れて不快な思いをしたことはありませんか?Tシャツが肌に張り付き、休憩中にザックを下ろすと急激に冷えて寒さを感じる「汗冷え」。

これは単に不快なだけでなく、体力を消耗させ、最悪の場合は低体温症のリスクすら招く、ハイカーにとっての天敵です。

背中が汗で濡れている男性のイラスト。不快感や体温低下、体力消耗のリスクを示している。
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そんな根深い悩みを抱える多くのハイカーたちの間で、今、オスプレーの「ハイクライト26」および「ハイクライト18」のレビューが熱い注目を集めています。

特に気温が高いシーズンの登山において、バックパックの「背面の通気性」は、クッション性や収納力以上に、その日の快適さを左右する最大の決定要因といっても過言ではありません。オスプレーは長年この課題に取り組み、「AirSpeed」という革新的な答えを導き出しました。

また、その洗練されたシンプルなデザインから、山だけでなく「通勤ラン」や「自転車通勤」での利用を検討している方や、小柄な女性でも快適に背負えるサイズ感なのか気になっている方も多いはずです。

この記事では、実際にフィールドで使い倒して感じたリアルな使い心地や、18リットルと26リットルの決定的な違い、さらにはメリットだけでなく、購入前に必ず知っておくべき「構造上のクセ」やデメリットまで、包み隠さずお伝えしていきます。カタログスペックだけでは見えてこない、現場目線の情報を詰め込みました。

この記事でわかること

①蒸れを解消する「AirSpeedサスペンション」のメカニズム
②「18L」と「26L」の積載能力差と具体的なパッキング例
③PC収納の可否や自立問題に対する具体的な対策
④ストラトスやドイターなどの競合モデルとの比較

オスプレーのハイクライト26・18のレビューと特徴

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ハイクライトシリーズ最大の特徴といえば、多くのレビュアーが口を揃えるその「圧倒的な通気性」と「軽さ」にあります。しかし、単に「涼しい」だけがこのバックパックの価値ではありません。

実際に荷物を詰めてトレイルを歩いたときに感じる、軽快なバランス感覚や、必要な機能だけを厳選して搭載した「引き算の美学」も、多くのユーザーに支持される理由です。ここでは、このバックパックの核となる技術や、迷いがちなサイズ選びのポイント、そして女性ユーザーが気をつけるべきフィッティングの注意点について、詳細に解説していきます。

✅背中の汗を防ぐ蒸れない通気性
✅18と26はどっち?サイズ感の違い
✅レディースや女性用としての注意点
✅登山以外や通勤利用での実力

背中の汗を防ぐ蒸れない通気性

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ハイクライトシリーズを語る上で、絶対に避けて通れないのが、オスプレーが誇る核心技術「AirSpeed(エアスピード)サスペンション」です。これは、バックパック本体とユーザーの背中の間に、物理的な「空気の層」を強制的に作り出すシステムのことを指します。

一般的なバックパック、特に軽量モデルの多くは、ウレタンフォームなどのパッドが直接背中に触れる構造になっています。これには荷物の重心を体に近づけ、安定させるというメリットがある反面、どうしても体温と湿気が逃げ場を失い、背中が蒸し風呂状態になってしまうという欠点がありました。

筆者も以前は、夏山を登り始めると30分もしないうちに背中が汗でグショグショになり、不快感と戦いながら登っていたものです。しかし、ハイクライトのAirSpeedシステムは、この問題を根底から解決します。

軽量合金製の「LightWireフレーム」がバックパックの外周を支え、そこに「3Dテンションメッシュ」と呼ばれる通気性抜群のパネルを、太鼓の皮のようにピンと張っています。これにより、背中と荷物室の間には常に数センチメートルの空間が確保され、歩くたびに空気が通り抜ける「煙突効果」のような現象が生まれます。

オスプレーハイクライトの断面図。背面のメッシュパネルと本体の間に空間があり、空気が通り抜ける様子を示す青い矢印。
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実際に真夏の低山(気温30度超)で使用してみましたが、その差は歴然でした。風が吹くと、背中の隙間を空気がスッと抜けていくのが肌で感じられるのです。「背中が涼しい」という感覚は、これまでの登山の常識を覆すほどの快適さでした。

生理学的なメリットも大きい

単に「涼しい」だけでなく、健康面でのメリットも無視できません。背中にかいた汗が素早く蒸発することで、気化熱による冷却効果が効率的に働き、体温の上昇を抑えてくれます。また、休憩時にバックパックを下ろした際、シャツが濡れていない(あるいは乾きが早い)ため、急激に体温を奪われる「汗冷え」のリスクを大幅に軽減できます。これは体力消耗を防ぐ上で非常に重要な要素です。

さらに、このメッシュ構造はフィット感の向上にも寄与しています。従来のパッド式だと、ゴツゴツした荷物(クッカーやカメラなど)が背中に当たって痛いことがありましたが、AirSpeedならメッシュがハンモックのように背中全体を優しく包み込んでくれるため、パッキングが多少雑でも背負い心地が損なわれません。

18と26はどっち?サイズ感の違い

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購入を検討する際、最も頭を悩ませるのが「18リットルにするか、26リットルにするか」というサイズ選びの問題でしょう。カタログ上の数字で見ればたった8リットルの差ですが、実際のフィールドにおける使い勝手や、対応できるアクティビティの幅には明確な違いがあります。

まず、ハイクライト18は、「とにかく身軽に、速く動きたい」というニーズに特化したモデルです。容量の実感としては、レインウェア(上下)、1リットルの水筒、行動食、財布、スマートフォン、そして薄手のウィンドブレーカーを入れると、ほぼ満杯になるイメージです。

「もしものための厚手のフリース」や「山頂で凝った料理をするための調理器具セット」を入れる余裕はほとんどありません。そのため、余計な装備を削ぎ落とした「ウルトラライトハイキング」の入門用として、あるいはコースタイムを短縮して歩くスピードハイク用として、非常に高い適性を持っています。

一方、ハイクライト26は、多くのデイハイカーにとって「最適解」となり得る汎用性を持っています。18Lの装備に加え、コンパクトなバーナーとコッヘル、食材、さらには予備の防寒着や着替えのTシャツまで飲み込む容量があります。

比較項目ハイクライト 18ハイクライト 26
推奨アクティビティスピードハイク、半日ハイク、アタックザック日帰り登山全般、山ごはん、温泉セット持参
フロントポケットなし(またはコンプレッションのみ)あり(ショーブイット・ポケット)
重量約0.68kg約0.74kg
パッキングの自由度工夫が必要(隙間を埋める技術)ラフに詰め込める余裕あり
左側にハイクライト18、右側にハイクライト26のイラスト。26Lにはフロントポケットがあることが視覚的に強調されている。
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そして、サイズ選びの決定打となるのが、26Lモデルにのみ装備されている「フロント・ショーブイット・ポケット(Front Shove-it Pocket)」の存在です。これはメイン気室の外側にある、バックルで留められた伸縮性のあるポケットのこと。ここが本当に便利なんです。

例えば、雨上がりに濡れたレインウェアや、結露したテントのフライシート、脱いだばかりで汗を含んだジャケットなどを、メインの荷物を濡らすことなく「とりあえず突っ込んでおく」ことができます。

18Lモデルにはこの機能がなく、コンプレッションコード等で代用する必要があるため、使い勝手の面では26Lに軍配が上がります。重量差もわずか60g程度ですので、迷ったら「大は小を兼ねる」で26Lを選ぶのが無難かなと思います。

レディースや女性用としての注意点

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ハイクライトシリーズのデザインやカラーリングに惹かれて購入を検討している女性の方から、よく「女性用モデル(Women’s fit)はありますか?」という質問を受けます。結論からいうと、現行のハイクライトシリーズは「ユニセックス(男女兼用)」のワンサイズ展開となっており、女性専用設計モデルは存在しません。

これが具体的にどう影響するかというと、特に小柄な女性(身長155cm以下の方など)や、背面長(トルソー)が短い方の場合、フィッティングに難が生じる可能性があります。

オスプレーの女性用モデル(シラスやテンペストなど)は、ショルダーハーネスがバストのふくらみを避けるようにカーブしていたり、ヒップベルトの角度が女性の骨盤に合わせて設計されていたり、背面長が短く設定されていたりします。

しかし、ハイクライトはユニセックス設計のため、フレームの長さが固定されています。そのため、背面長が短い方が背負うと、以下のような現象が起きることがあります。

  • ショルダーハーネスの浮き: 肩の上部とハーネスの間に指が入るほどの隙間ができ、荷重が肩全体に分散されず、特定の点に集中してしまう。
  • ボトムの干渉: バックパックの底部分が腰骨よりも下の、お尻の上部に当たってしまい、歩行時に擦れて不快感がある。
  • ヘッドクリアランスの問題: バックパックの上部が頭(後頭部)に近く、顔を上げたときにヘルメットや帽子が干渉する。

購入前のフィッティングは必須

身長160cm前後、あるいはそれ以上の方であれば、ユニセックスモデルでも問題なくフィットするケースが多いですが、小柄な方は注意が必要です。可能であればアウトドアショップの店頭で、実際に5kg程度のウェイト(重り)を入れて試着し、店内を少し歩いてみることを強くおすすめします。もし「大きすぎる」「しっくりこない」と感じた場合は、無理をせず、女性専用設計(Women’s)が用意されている「シラス(Sirrus)」シリーズや「テンペスト(Tempest)」シリーズを検討するのが賢明です。

登山以外や通勤利用での実力

ハイクライトの、アウトドアギア特有の「ゴチャゴチャ感」を抑えたシンプルで洗練されたデザインは、山だけでなく都市部での利用にも違和感なく溶け込みます。実際、「通勤ラン」ならぬ「通勤ハイク」的なウォーキング通勤や、自転車通勤用のバックパックとして購入される方も非常に多いモデルです。

スーツ姿でバックパックを背負い自転車に乗る男性の後ろ姿。PC収納時にはケースが必要であることの注意書き
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ここでも最大のメリットとして働くのが、やはり「背中の汗対策」です。真夏の朝、自転車で20分も走れば、会社に着く頃にはリュックを背負っていた部分のシャツが汗で変色し、肌に張り付いて不快な思いをすることは「夏の通勤あるある」ですよね。

しかし、AirSpeedサスペンションを搭載したハイクライトなら、背中を風が通り抜けるため、その不快感を劇的に軽減できます。汗染みを気にして着替えを持ち歩く必要がなくなるかもしれません。

一方で、ビジネス用途、特にPCや書類を持ち運ぶ場合には、いくつかの工夫と注意が必要です。

  1. PC収納の課題: ハイクライトの背面は、通気性を確保するためにアーチ状に強く湾曲しています。そのため、背中の内部空間も湾曲しており、硬くて平らなノートPC(特に13インチ以上)をそのまま入れると、フレームのカーブに圧迫されて収納しづらかったり、最悪の場合はPCに負荷がかかったりするリスクがあります。
  2. 保護ケースの必要性: 内部には「ハイドレーションスリーブ(水筒用のポケット)」があり、ここにPCを入れることは可能ですが、クッション性は皆無です。衝撃から守るために、厚手のパッドが入ったPCケースに入れることは必須条件です。
  3. 自立問題: 後述しますが、このバックパックは床に置いても自立しません。オフィスのデスク脇に置く際、常に何かに立てかけるか、寝かせて置く必要があります。

これらの点さえクリアできれば、1泊2日の出張や旅行のサブバッグとしても非常に優秀です。特に旅行中は意外と歩く距離が長くなるものですが、登山用バックパックならではの「疲れにくさ」は、旅の質をワンランク上げてくれるはずです。

オスプレーのハイクライト26・18のレビューと競合モデル

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ハイクライトは非常に完成度の高いバックパックですが、もちろん市場には他にも魅力的なライバル製品が多数存在します。賢い買い物をするためには、比較検討が欠かせません。

ここでは、よく比較対象として挙がる他ブランドのモデルや、オスプレー内の上位機種との違い、そしてハイクライト独自のメリット・デメリット、長く愛用するためのメンテナンス方法について深掘りしていきます。

✅ストラトスなど他モデルとの比較
✅自立しない?欠点やデメリット
✅付属レインカバーと雨への耐性
✅長持ちさせる洗濯と手入れの方法
✅総括:オスプレーハイクライト26・18のレビュー

ストラトスなど他モデルとの比較

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オスプレーのラインナップの中で、ハイクライトの上位互換的な立ち位置にあるのが「ストラトス(Stratos)」シリーズです。どちらも「AirSpeed」による背面メッシュ構造を採用しており、一見すると似ていますが、その設計思想(コンセプト)は明確に異なります。

ストラトスは、より本格的なトレッキングを想定して設計されています。最大の違いは「荷重分散システム」です。ストラトスには、しっかりとした厚みのあるフォームパッド入りのヒップベルトが装備されており、荷物の重量を「肩」ではなく「腰(骨盤)」で支えることができます。

また、背面長の調整機能(アジャスタブル・バックパネル)も搭載されているため、自分の体に完璧にフィットさせることが可能です。

対してハイクライトは、それらの機能を潔く削ぎ落とし、「圧倒的な軽さとコストパフォーマンス」を追求したモデルです。ヒップベルトはパッドのない単なるウェビングテープ(紐状のベルト)であり、荷重を腰で支える能力は低いです。これは「揺れ止め」としての役割が主となります。

オスプレーのハイクライト、ストラトス、ドイター製品の性能比較図。ハイクライトが軽さと涼しさに特化していることを示す
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競合モデルとの比較まとめ

  • ドイター ACライト (Deuter AC Lite): ハイクライトの最大のライバル。スプリングスチールフレームを採用しており、ハイクライトより少し重いが、剛性感と耐久性が高い。ドイツブランドらしい質実剛健さが魅力。
  • グレゴリー ナノ (Gregory Nano): 軽量デイパックの人気モデル。背面はメッシュではなくダイカットフォームを採用。体への密着感が高く、ブレにくいが、真夏の通気性・涼しさではハイクライトに軍配が上がる。
  • オスプレー ストラトス: 10kg近い荷物を背負って5時間以上歩くなら、重量増(+約500g)を受け入れてでもストラトスを選ぶべき。逆に、荷物が軽く、気軽なハイキングがメインならハイクライトの軽快さが勝る。

結論として、「荷物はできるだけ軽くし、日帰り登山がメインで、とにかく背中の涼しさを最優先したい」という方にとっては、ハイクライトこそが最強の選択肢になります。

自立しない?欠点やデメリット

どんなに優れたギアにも、必ず弱点やデメリットは存在します。ハイクライトを使っていて、多くのユーザーが最初に感じる不便さは、「バックパックを地面に置いたとき」に訪れます。

このバックパックは、通気性を確保するための湾曲したフレーム構造と、ボトム(底部)が斜めにカットされたデザインのため、平らな地面に置いても自立しません。ベンチや岩の上に「ポン」と置こうとすると、高い確率で「コロン」と手前(背面側)に倒れてきます。

バックパックが自立せずに倒れてしまう様子を描いたアイコンと、重心が体から離れる構造についての注意書き
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これは中身のパッキングを工夫してもなかなか解消しづらい構造的な特性です。休憩時には、木や壁に立てかけるか、初めから寝かせて置く習慣をつける必要があります。

また、「重心の位置」についても理解しておく必要があります。背中に空間を作るということは、物理的に「荷物の重心が体から数センチ遠ざかる」ことを意味します。

これにより、重い荷物を入れた状態で体を激しく動かすと、バックパックが遠心力で振られるような感覚を覚えることがあります。

整備された登山道を歩く分には全く問題ありませんが、ハシゴや鎖場が連続するような岩稜帯や、バランス感覚が求められる難易度の高いルートでは、この「重心のズレ」がストレスになる可能性があります。そういったシビアな環境では、背面に密着するタイプ(例えばオスプレーの「タロン」シリーズなど)の方が安定性は高いと言えるでしょう。

付属レインカバーと雨への耐性

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ハイクライトシリーズの大きな魅力の一つが、専用のレインカバーが標準装備されている点です。通常、別売りのレインカバーを購入しようとすると2,000円〜3,000円程度の出費になりますが、これが最初から製品価格に含まれているのは、コストパフォーマンスの面で非常に大きいと感じます。

レインカバーは底部の専用ジッパーポケットに収納されており、急な雨でもバックパックを下ろさずに(慣れれば)サッと取り出して装着可能です。カバーの色は視認性の高いブライトカラー(明るい緑や青など)が採用されていることが多く、雨天時や霧の中での遭難防止・被視認性向上にも一役買っています。

バックパック本体のメイン生地には、環境への負荷を低減した「PFASフリー(有機フッ素化合物を含まない)」のDWR(耐久撥水)加工が施されています。小雨程度なら水を弾いてくれますが、あくまで「撥水」であり「防水」ではありません。

特にAirSpeedのようなメッシュ構造を持つバックパックは、背面側の構造が複雑なため、長時間の大雨にさらされると、隙間から水が浸入するリスクがゼロではありません。

しかし、付属のレインカバーはバックパック全体をすっぽりと覆うように設計されており、背面のメッシュ部分もある程度カバーしてくれるため、通常の雨であれば中身が濡れる心配はほとんどありません。

過信は禁物ですが、レインカバーを正しく装着し、濡れては困る着替えや電子機器をドライバッグ(防水スタッフバッグ)に入れておけば、雨対策は万全です。

長持ちさせる洗濯と手入れの方法

青いレインカバーを装着したバックパックのイラストと、洗濯機不可・手洗い推奨を示すアイコン
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お気に入りのギアを長く愛用するためには、適切なメンテナンスが欠かせません。特にハイクライトのような、背中に直接触れるメッシュパネルを持つバックパックは、想像以上に汗(塩分)や皮脂を吸い込んでいます。

これらを放置すると、バクテリアが繁殖して嫌な臭いの原因になるだけでなく、生地やコーティングの劣化を早めることになります。

洗濯の際の鉄則は、「洗濯機は絶対に使わない」ことです。内部に金属製のLightWireフレームが入っているため、洗濯機に入れるとフレームが歪んだり、洗濯槽を破損させたりする恐れがあります。また、メッシュ素材が回転中に他のパーツに引っかかって破れるリスクも高いです。

推奨される洗い方(ステップバイステップ)

  1. 準備: 全てのポケットを空にし、レインカバーを取り外します。浴槽や大きなタライにぬるま湯(30℃〜40℃)を張ります。
  2. 洗剤: アウトドアウェア専用の洗剤(ニクワックスやグランジャーズなど)または、蛍光漂白剤を含まない中性洗剤を適量溶かします。
  3. 手洗い: バックパック全体を浸し、優しく押し洗いします。特に汗をたっぷり吸った背面のメッシュパネル、ショルダーハーネス、ウエストベルト部分は、スポンジや柔らかいブラシを使って念入りに汚れを落としましょう。
  4. すすぎ: 洗剤成分が残らないよう、水を替えながら十分にすすぎます。洗剤残りは撥水性の低下や皮膚トラブルの原因になります。
  5. 乾燥: 直射日光(紫外線)はナイロン生地を劣化させる最大の敵です。必ず風通しの良い日陰で、開口部を全て開けて吊るし干しにします。パッド内部まで完全に乾くまで、数日かかることもありますが、生乾きはカビや加水分解の原因になるため、焦らずじっくり乾燥させてください。

また、保管場所にも注意が必要です。湿気の多い押し入れの奥などに長期間しまい込むと、生地の裏側のポリウレタンコーティングが加水分解を起こし、ベタベタになったり、「銀杏のような特異臭」を発したりすることがあります。

「使ったら陰干し、保管は風通しの良い場所で」を習慣にするだけで、バックパックの寿命は5年も10年も変わってきます。

総括:オスプレーハイクライト26・18のレビュー

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オスプレーのハイクライト26および18は、日本の高温多湿な夏山環境において、その真価を遺憾なく発揮してくれる傑作バックパックです。「背中が蒸れない」という快適さは、一度体験してしまうと、もう従来の密着型バックパックには戻れないほどの強烈な魅力があります。

「ハイクライト18」は、荷物を極限まで減らして軽快に野山を駆け回りたいミニマリストやスピードハイカーに。「ハイクライト26」は、汎用性と拡張性を重視し、街使いから日帰り登山、旅行まで幅広く使い倒したいオールラウンダーにおすすめです。

10kgを超えるような重い荷物を背負うのには向きませんが、ライトな日帰りハイキングや、夏の低山、そして通勤ランなどの用途においては、これ以上ない頼れる相棒になってくれるはずです。

価格と機能のバランス、そして何より「風が通り抜ける背中の快感」。まずは最寄りのアウトドアショップで実物を背負い、その軽さと、背中との間に生まれる「魔法の空間」を体験してみてください。きっと、次の週末のハイキングが待ち遠しくなるはずです。

※本記事の情報は執筆時点のものです。製品の仕様や価格、カラー展開はメーカーの都合により変更される場合がありますので、正確な最新情報は公式サイトをご確認ください。また、登山装備の選定や安全管理については、ご自身の経験や体力を考慮し、自己責任において行ってください。

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