キャンプの楽しみといえば外で食べる料理ですが、なかでもお肉を焼く時間は格別ですよね。最近SNSやキャンプ場で見かける機会が増えたユニフレームのラウンド鉄板ですが、2キロを超えるその重さに「本当に使いこなせるのかな?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
ネットで検索してみると、ユニフレームのラウンド鉄板に関するシーズニングの方法や、お手入れのコツ、さらには人気のST-310で安全に使えるのかといった適合性が気になっている方が多いようです。筆者も最初は、重い鉄板よりも手軽なフライパンで十分じゃないかと思っていました。
でも、実際に使ってみると、分厚い鉄板だからこそ出せるプロのような焼き上がりには驚かされました。この記事では、気になっているけど購入を迷っているという方に向けて、リアルな使用感や注意点を整理してお伝えします。自分にぴったりの道具かどうか、一緒にチェックしていきましょう。
この記事でわかること
①ラウンド鉄板が持つ蓄熱性と調理のメリット
②黒皮鉄板のシーズニングと手入れのコツ
③バーナーで使用する注意点と輻射熱対策
④重い鉄板を持ち運ぶ代用ケースや収納の知恵
ユニフレームのラウンド鉄板とリッドが持つ調理の魅力

ユニフレームのラウンド鉄板とリッドのセットは、単なる焼き物用の道具ではありません。新潟県燕三条の高度な金属加工技術が詰まったこの道具が、なぜ多くのキャンパーに支持されているのか、その理由を調理性能の視点から徹底的に深掘りしていきます。
厚さ4.5mmというスペックが、あなたのキャンプ飯をどう変えるのか、その秘密に迫ります。
✅黒皮鉄板の厚みがもたらす蓄熱性と焼き上がりの違い
✅初心者でも安心なラッカー焼き切りとシーズニング手順
✅焦げ付きや錆びを防止する正しいメンテナンスと手入れ
✅蓋を活用した蒸し焼きでキャンプ飯のレシピを広げる
黒皮鉄板の厚みがもたらす蓄熱性と焼き上がりの違い
この鉄板の最大の特徴は、なんといっても4.5mmという圧倒的な厚みです。一般的なアウトドア用フライパンや薄手の鉄板が1.5mmから2.0mm程度であることを考えると、その差は倍以上。
鉄板が厚いということは、物理学的に見てそれだけ熱を蓄える「熱容量」が大きいということです。一度温まった鉄板は、まさに熱の貯金箱のような状態になります。
キャンプ場の外気は常に変化し、風が吹けば火力が乱れます。また、冷蔵庫やクーラーボックスから出したばかりの冷たいお肉を乗せた瞬間、薄いフライパンでは表面温度が急激に下がってしまいます。
しかし、蓄熱性の高いこの鉄板なら、食材を乗せても温度がびくともしません。これにより、お肉の表面を瞬時に焼き固めて旨味を閉じ込める「メイラード反応」を最大限に引き出すことが可能になります。
筆者の体感では、安いスーパーの厚切り肉でも、表面はカリッと香ばしく、中は驚くほどジューシーに仕上がります。これは薄い板では決して真似できない、厚い鉄板だけの特権ですね。

焼きムラを防ぐ「均一な熱伝導」
また、厚みがあることで熱源の「火の当たり」が一点に集中せず、鉄板全体にゆっくりと、かつ均一に広がります。
バーナーの炎が当たっている場所だけが焦げるという「焼きムラ」が起きにくいため、大きなステーキ肉や、数枚同時に焼くハンバーグでも、すべての食材に等しく熱を届けることができるんです。この「安定感」こそが、失敗しないキャンプ飯の秘訣かなと思います。

初心者でも安心なラッカー焼き切りとシーズニング手順
新品のユニフレーム製品には、出荷時の錆を完全に防ぐために、食品衛生法に適合したクリアラッカーが塗装されています。これを「剥がす」のではなく、強火で「焼き切る」のが最初のステップ。
難しいイメージがあるかもしれませんが、コツさえ掴めば初心者でも大丈夫。むしろ、自分の手で道具を完成させるワクワクする工程です。
失敗しないシーズニングの詳細ステップ
- 洗浄:まずは製造時の油や汚れを落とすため、中性洗剤と温水でしっかり洗います。
- 空焼き(ラッカー分解):カセットコンロや焚き火の強火にかけます。しばらくすると煙が出てきますが、これがラッカーが焼けている証拠です。煙が収まり、鉄板の色が青白く変化するまでじっくり焼きましょう。
- 油の塗布:火を止め、少し冷めたところでキッチンペーパーを使い、食用油(乾性油がおすすめ)を薄く、ムラなく全体に塗ります。
- 油ならし:再度弱火で加熱し、油が鉄の表面の微細な凹凸に浸透するのを待ちます。これを2〜3回繰り返すと、黒光りする皮膜が育ちます。
- クズ野菜炒め:最後にネギやショウガなどのクズ野菜を多めの油で炒めます。これで鉄特有の金属臭が消え、最高の状態になります。
一度しっかりシーズニングを施せば、あとは使い込むほどに油が馴染み、テフロン加工にも負けない「くっつきにくさ」を手に入れることができます。自分だけの道具に育てていく感覚は、愛着を深めてくれる大切なプロセスですね。

焦げ付きや錆びを防止する正しいメンテナンスと手入れ
「鉄製品は手入れが大変」という先入観を持っている方も多いですが、実はユニフレームの黒皮鉄板はメンテナンスが非常に楽です。
一般的な鋳鉄製のスキレットやダッチオーブンは「洗剤厳禁」とされることが多いですが、この黒皮鉄板は表面に強固な酸化皮膜(ミルスケール)があるため、中性洗剤を使って洗っても問題ありません。むしろ、調理で出た古い脂をしっかり落とすことが、酸化した脂の臭いを防ぐコツになります。
万が一焦げ付いてしまっても、金タワシや金属ヘラでガシガシと擦り落とせるタフさがあります。洗った後は、火にかけて水分を100%飛ばすこと。
これさえ守れば、錆びる心配はほとんどありません。「洗う・乾かす・(長期保管前なら)薄く油を塗る」。このシンプルなルーチンだけで、数十年と使い続けることができるんです。
もし、うっかり雨に濡らして赤錆が出てしまったとしても、サンドペーパーで削って再度シーズニングをすれば新品同様の性能が復活します。

※この「再生の容易さ」こそ、一生モノと言われる所以ですね。
筆者のワンポイントアドバイス
キャンプ場での撤収時に忙しい時は、お湯で汚れを浮かせてからサッと洗うだけでOK。完全に乾かすことだけは忘れずに。新聞紙に包んで保管すると、余計な湿気を吸ってくれるので錆防止にさらに効果的ですよ。
蓋を活用した蒸し焼きでキャンプ飯のレシピを広げる
この製品を語る上で欠かせないのが、セットになっているステンレス製のリッド(蓋)です。鉄板単体では「焼く」ことしかできませんが、蓋があることで「蒸す」「煮込む」「オーブン調理」という機能が追加されます。これこそが、ラウンド鉄板が「魔法の調理器具」に化ける理由です。
例えば、厚みが3cm以上あるような極厚のステーキ。蓋をせずに焼くと表面だけが焦げて中は生になりがちですが、リッドを被せることで熱が鉄板の中で反射し、食材を包み込むように加熱できます。
また、キャンプで人気の餃子も、鉄板の余熱で底をカリッとさせつつ、少量の水を入れて蓋をすれば、上部はモチモチの蒸し餃子状態に仕上がります。さらに、冷凍のハンバーグや鶏肉も、蒸気を活用することで中までふっくらと、失敗なく火を通すことができます。
2.5cmという絶妙な「深さ」があるおかげで、パエリアのようなお米料理や、少し汁気のあるアクアパッツァなども楽しめる。まさに「アウトドアにおける多機能パン」としての地位を確立しています。

ユニフレームのラウンド鉄板を安全に使いこなすコツ

素晴らしい調理性能を持つ一方で、2.1kgという重量と鉄板特有の熱特性ゆえに、使用する際にはいくつか注意すべきポイントがあります。特に安全面については、事故を防ぐためにも事前にしっかりと把握しておきましょう。筆者も最初は見落としていたポイントがいくつかあります。
✅人気のST-310で使う際の輻射熱対策と遮熱板
✅持ち運びに便利なケースの代用と収納の工夫
✅マルチグリドルと比較して分かる重さゆえのメリット
✅まとめ:ユニフレームのラウンド鉄板
人気のST-310で使う際の輻射熱対策と遮熱板
多くのソロキャンパーが愛用しているSOTOの「レギュレーターストーブ ST-310」。このバーナーでラウンド鉄板を使いたいというニーズは非常に高いですが、ここには注意が必要です。
4.5mmの厚い鉄板は、熱を蓄えるだけでなく、強力な「輻射熱(赤外線による熱)」を下方へも放出します。ST-310のようなカセットガス(CB缶)がバーナーのすぐ横にあるタイプでは、この熱がボンベを直接加熱し、最悪の場合、爆発事故に繋がる危険性があります。

安全に使用するためのチェックリスト
- 遮熱板の装着:標準装備の小さな遮熱板だけでなく、より広範囲をカバーする社外品の遮熱テーブルや大型遮熱板を併用してください。
- 連続使用の制限:1時間を超えるような長時間の煮込み料理などは避け、時折ボンベを手で触って熱くなっていないか確認しましょう。
- 風防の扱いに注意:バーナー全体を隙間なく囲う風防は、熱を逃がさずボンベ温度を急上昇させるため、鉄板使用時は特に危険です。
※SOTOの公式発表では、ST-310で使用可能な鍋の直径は最大19cmまでとされています。ラウンド鉄板は23cmですので、この基準を超えています。正確な情報は(出典:新富士バーナー株式会社『レギュレーターストーブ ST-310取扱説明書』)などの公式サイトを必ずご確認ください。
※(↓↓画像はST-340です。筆者は愛妻と2人キャンプが多いので、こっちを使っています。笑)
記事の最後にもST-340のセットを貼ってあります。

持ち運びに便利なケースの代用と収納の工夫
この鉄板には専用の収納ケースが付属していません。2.1kgの重量物を、エッジが立った状態でバックパックやコンテナに放り込むのは、他のギアを傷つける原因になります。
そこで、多くのユーザーが工夫して代用ケースを探しています。現在、最も「シンデレラフィット」と言われているのが、オレゴニアンキャンパーのセミハードケースです。
| ケース候補名 | 適合感・特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| オレゴニアンキャンパー M-Flat | 高さ10cm。鉄板とリッドを重ねてジャストサイズ。 | ★★★★★ |
| ユニフレーム 10インチケース | ダッチオーブン用。余裕があるが、ハンドル類も一緒に。 | ★★★☆☆ |
| 100均 30cmスクエアポーチ | コスト最優先。ただし重量で破れる恐れあり。 | ★★☆☆☆ |
また、収納時の「電食(異種金属接触による錆)」にも注意が必要です。ステンレスのリッドと鉄の本体を密着させたまま湿気の多い場所に置くと、接地面から錆びやすくなります。保管時は、間にキッチンペーパーを1枚挟むだけで、傷防止と錆防止の両方を兼ね備えることができますよ。
マルチグリドルと比較して分かる重さゆえのメリット
最近のキャンプシーンでは、アルミ製で軽量な「マルチグリドル」が爆発的にヒットしています。あちらは1kgを切る軽さと、焦げ付かない特殊コーティングが魅力。一方、ユニフレームのラウンド鉄板は2.1kg。数値だけ見ればデメリットに見える「重さ」ですが、調理の質においてはこれが最大のメリットに転換されます。
マルチグリドルは熱伝導が早すぎて、火加減を細かく調整しないと中心部だけが高温になりがちです。また、コーティングはいつか剥がれます。対してこちらの鉄板は、強靭な鋼。焚き火の高温に直接放り込んでも歪まず、金属ヘラでガシガシ擦ってもビクともしません。
何より、「一度温まったら冷めない」という安定感は、プロの鉄板焼き屋さんのようなクオリティをキャンプ場で再現してくれます。軽さを選ぶか、旨さを選ぶか。
登山なら軽量さ一択ですが、ベースキャンプで料理を楽しむなら、筆者は迷わずこの重量感を選びます。

まとめ:ユニフレームのラウンド鉄板
最後になりますが、ユニフレームのラウンド鉄板に関する情報を整理してみると、この道具の本質は「キャンプ料理のグレードを強制的に引き上げる装置」であると言えるかなと思います。2.1kgという重さは、確かにパッキングの際には悩みの種になるかもしれません。
しかし、その重さが生み出す安定した熱と、リッドによる多彩な調理法は、一度味わうと手放せなくなる魅力があります。適切なシーズニングを施し、使い終わったらサッと洗って乾かす。そのシンプルな繰り返しで、10年、20年と使い続けることができる。
流行に左右されない燕三条の職人気質な道具は、使うたびに黒光りし、あなただけの思い出を刻んでいきます。決して「手軽」な道具ではありませんが、手間をかける価値がここにはあります。
ぜひ、ユニフレームのラウンド鉄板をあなたのキャンプギアに加えて、最高の一皿を作り上げてみてください。その味は、きっと重さの苦労を吹き飛ばしてくれるはずです。

※最新の製品仕様や安全な取り扱いについては、必ずユニフレーム公式サイトをご確認ください。また、バーナーとの適合については各メーカーの推奨基準を守り、安全第一でアウトドアを楽しみましょう。


