富士山の登山を犬連れで楽しむ!準備とリスク管理の【完全ガイド】

富士山頂3,776mを目指す愛犬との登山の夢と厳しい現実を伝えるイメージ画像シーズン・目的別登山
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日本最高峰の富士山に、大切なパートナーである愛犬と一緒に登りたいと考えるのは、犬好きな登山者なら誰もが抱く憧れかもしれません。しかし、富士山は標高3,776メートルという極限の環境であり、人間以上に犬への身体的な負担や法的な制約が重くのしかかります。

富士山の登山に犬連れで挑戦するには、事前に国立公園のルールや、高山病のリスク、さらにはマイカー規制によるシャトルバスの利用条件など、把握しておくべきポイントがたくさんあります。

筆者も一人の登山愛好家として、ワンちゃんの安全を第一に考えた計画作りのヒントをまとめました。この記事を読めば、愛犬との富士登山が現実的なのか、どのような準備が必要なのかがはっきりわかるはずです。

この記事でわかること

①五合目以上の特別保護地区における法的な禁止事項
②火山礫や路面熱から愛犬の肉球を守るための装備
③犬特有の高山病サインと緊急時の適切な判断基準
④マイカー規制中のアクセス方法とシャトルバスのルール

富士山の登山を犬連れで楽しむため:法的ルールと注意点

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富士山は誰もが自由に登れる場所と思われがちですが、実は厳しい法律やガイドラインで守られています。

特にワンちゃんを連れて行く場合は、周囲への配慮だけでなく、ルール違反にならないための正しい知識が必要です。まずは、公的に定められたルールを深掘りしていきましょう。

✅国立公園の特別保護地区におけるペットの法的規制
✅山小屋の宿泊や屋内施設への立入禁止という制約
✅須走や吉田など各登山ルートの難易度と適合性
✅マイカー規制時のシャトルバス利用とケージの条件

国立公園の特別保護地区におけるペットの法的規制

富士山の五合目から上は、「富士箱根伊豆国立公園」の「特別保護地区」に指定されています。ここは日本国内でもトップクラスに自然保護が優先されるエリアであり、非常に厳格なルールが存在します。

環境省のガイドラインによれば、生態系を維持し野生動物を保護するため、屋外でペットを放す行為は法律で明確に禁じられています。万が一、ノーリードで愛犬を歩かせてしまった場合、自然公園法に基づき、重い罰則(5年以下の懲役または100万円以下の罰金など)が科せられる可能性もあるんです。(環境省:ペットガイドライン)

<<「絶対にリードを離してはいけません。」>>

富士山五合目以上の特別保護地区におけるペットの放し飼い禁止看板と、違反時の罰則(5年以下の懲役または100万円以下の罰金)を説明する図解
富士山の放し飼い禁止看板と法規制

これは決して脅しではなく、高山植物の保護や他の登山者の安全を確保するための「絶対的な社会的ルール」として運用されています。

なぜ「原則遠慮」という表現が使われるのか

行政や自治体の公式サイトを見ると、「ペット連れの登山は、原則としてご遠慮ください」という強い表現が使われています。これは、富士山が「世界文化遺産」としての価値を持っていることに関係しています。

希少な野生動物へのストレス、犬の排泄物が土壌に与える栄養過多(高山植物への影響)、そして何より過密状態の登山道でのトラブルを未然に防ぐためです。筆者たち愛犬家としては少し寂しい気もしますが、この場所が「特別な保護区」であることを深く認識し、実施する場合は全ての責任を負う覚悟が必要ですね。

知っておきたい法的リスクのポイント

  • 自然公園法第21条第3項に基づき、放し飼いは厳罰の対象となります。
  • 希少な生態系を壊さないよう、登山道以外の立ち入りは厳禁です。
  • (出典:環境省『富士箱根伊豆国立公園 管理計画』)

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山小屋の宿泊や屋内施設への立入禁止という制約

富士山にあるほぼ全ての山小屋、売店、休憩所において、ペットの屋内立ち入りは原則として拒否されます。これは単に「犬が嫌いだから」という理由ではなく、限られたスペースで不特定多数が生活する山小屋の特性上、公衆衛生の維持や、重度の犬アレルギーを持つ登山者への配慮が必要だからです。

宿泊を伴う登山を計画しても、ワンちゃんと一緒に眠れる施設は富士山の上には存在しません。つまり、犬連れ富士登山は実質的に「一気に登って下りる日帰り」か、車中泊や麓の宿を拠点にするしか選択肢がないのが現実です。

悪天候時の避難場所が確保できないリスク

ここで特に注意したいのが、急な雷雨や気温低下に見舞われた際です。通常、人間だけの登山なら近くの山小屋へ逃げ込むことができますが、犬連れの場合は入り口で断られる可能性があります。山小屋の軒下さえも混雑時は難しいかもしれません。

筆者が考えるに、これは「犬を守れる屋根が山の上にはどこにもない」ということを意味します。そのため、飼い主自身が犬用のツェルト(簡易テント)やレインウェアを携行し、いかなる天候急変時も自力で犬を守り抜く「自己完結型」の装備が不可欠になります。

雨の中の山小屋前で立ち往生するイメージと、ペットの屋内立ち入り原則拒否、逃げ込める屋根がないリスクを伝えるスライド
避難場所のない富士山の現実

須走や吉田など各登山ルートの難易度と適合性

富士山には4つの主要な登山ルートがありますが、ワンちゃんの身体への負担や精神的なストレスを考えると、どれを選んでも良いというわけではありません。筆者がそれぞれのルートの特徴を分析してみました。

ルート地形の特性混雑度犬連れへのアドバイス
須走ルート五合目付近に樹林帯があり、日陰を歩ける。下山は砂走り。普通肉球の摩耗に注意すれば、日光を避けられるため比較的適しています。
吉田ルート道は広いが、とにかく登山者が多くて犬が踏まれる危険も。非常に高い数千人の人間とすれ違うストレスは相当なもの。初心者には不向きかも。
富士宮ルート最短で登れるが、急斜面の岩場が連続する。高い大きな段差が犬の股関節や膝に負担をかけます。大型犬は特に注意。
御殿場ルート標高差が大きく距離が非常に長い。影が全くない。低い熱中症のリスクが4ルート中最大。体力に自信があるベテラン向け。

特に「吉田ルート」の混雑は、ワンちゃんにとって想像を絶する恐怖になることがあります。リードが他の登山者のストックに絡まったり、犬が苦手な人に吠えてしまったりと、トラブルの種も尽きません。初めての挑戦なら、比較的落ち着いて歩ける「須走ルート」を検討してみるのが良いかなと思います。

マイカー規制時のシャトルバス利用とケージの条件

夏季の登山シーズン中、富士山の各登山口へ通じる道路では「マイカー規制」が実施されます。この期間、飼い主は麓の駐車場(富士山パーキングや水ヶ塚駐車場など)に車を停め、シャトルバスやタクシーに乗り換える必要があります。

ここで問題になるのが、運行会社が定めている「手回り品(ペット)の持ち込み規定」です。富士急バスなどの規定では、ペットの同伴は「ケージや専用バッグに入れ、全身が完全に隠れている状態」に限定されています。

大型犬やケージ嫌いの犬には厳しい現実

小型犬であればキャリーバッグで対応可能ですが、中型犬や大型犬のように「人間が持って運べるサイズのケージ」に収まらないワンちゃんは、事実上シャトルバスに乗ることができません。

そうなると、マイカー規制が始まる前、あるいは終わった後の「閉山直前・開山直後」の限られた期間を狙うか、規制のない御殿場ルート(ただし非常に過酷)を選ぶしかなくなります。また、バス内は非常に混雑し、エンジン音や揺れも激しいため、ケージに慣れていないワンちゃんにはそれだけで大きな負担になることも忘れないでくださいね。

麓の駐車場から登山口までのシャトルバス利用条件(全身を隠すケージ必須)により、中型・大型犬の利用が困難であることを示す図
富士山マイカー規制とバスの乗車条件

富士山での登山を犬連れで成功させる:装備と安全管理

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法的・物理的な関門を突破したら、いよいよ本番の準備です。富士山という特殊なフィールドでは、いつものお散歩セットは通用しません。愛犬の命を守るための「本気の装備」について詳しく見ていきましょう。

✅火山礫から肉球を守るドッグブーツの重要性
✅高山病の兆候やチアノーゼを見極める体調管理
✅標高による気温低下に備えた防寒着と水分補給
✅万が一の怪我に備えた緊急連絡先と下山の勇気
✅まとめ:富士山での登山と犬連れのマナー

火山礫から肉球を守るドッグブーツの重要性

富士山の登山道は、主に「スコリア」と呼ばれる多孔質の火山岩でできています。これはヤスリのように表面がザラザラしていて、エッジが非常に鋭利です。人間が厚底の登山靴を履くのは、この岩から足を守るためですよね。

しかし、素足のワンちゃんにとって、ここは刃物の上を歩くようなもの。数時間歩くだけで肉球が削れ、出血して歩行不能に陥るケースが多発しています。また、日中の黒い火山岩は 直射日光で50℃〜60℃以上に加熱 されており、火傷のリスクも非常に高いです。

富士山の鋭利な火山礫「スコリア」の拡大写真と、肉球を保護する高耐久ドッグブーツの必要性を説明する画像
鋭利なスコリアとドッグブーツ

失敗しないドッグブーツの選び方と慣らし方

ドッグブーツを選ぶ際は、ソールがビブラム製など耐摩耗性に優れたものを選んでください。使い捨てのラバータイプでは、富士山の鋭い岩には太刀打ちできません。

そして、一番大切なのが「事前のトレーニング」です。登山当日にいきなり履かせると、違和感から犬がパニックになったり、歩くのを拒否したりします。

数ヶ月前から家の中や散歩で履かせ、ブーツを履いたまま走れるくらいまで慣らしておくのが筆者の推奨です。また、脱げた時のために予備を1つ持っておくのも豆知識ですね。

↓↓画像:なんと、ヴィブラムソールです。

高山病の兆候やチアノーゼを見極める体調管理

標高3,776メートルの山頂では、空気の薄さが地上の約3分の2になります。犬も人間と同じように「急性高山病」を発症しますが、彼らは言葉でそれを伝えられません。

飼い主が常にチェックすべきなのは、「可視粘膜の色」です。

唇をめくって歯ぐきを見てください。健康なら鮮やかなピンク色ですが、酸素が足りなくなると紫色っぽくなる(チアノーゼ)か、循環が悪くなって白っぽくなります。これが確認されたら、迷わず高度を下げるべきサインです。

犬の歯茎の色で見る高山病チェック(ピンクは正常、紫・白は危険)と、山頂の低温(0℃)による低体温症のリスクを説明するイラスト
犬の高山病と低体温症のサイン

犬の高山病リスクを減らすためのテクニック

  • 五合目に到着後、すぐに登り始めず1〜2時間は体を気圧に慣らす。
  • 人間以上にこまめに(15分〜30分おき)休憩を入れ、呼吸を整えさせる。
  • 短頭種(パグ、ブルドッグなど)は呼吸器の構造上、リスクが極めて高いため、高地登山は避けるのが賢明。
  • 人間用のパルスオキシメータで動脈血酸素飽和度(SpO2)を測るのも一つの目安(90%以下は要注意)。

標高による気温低下に備えた防寒着と水分補給

「夏山だから暑い」というのは大きな間違い。富士山頂の気温は、真夏でも夜間や早朝は 0℃ 付近まで冷え込みます。風速が1メートル増すごとに体感温度は1℃下がると言われており、風が強い山頂付近では、ワンちゃんも一気に低体温症に陥る危険があります。

特に短毛の犬種や寒さに弱い子は、中綿入りの防寒着や防風性能の高いウェアを準備してあげてください。また、登山中は乾燥した空気を激しく吸い込むため、体内の水分がどんどん蒸発していきます。

水皿を出すだけでなく、スポイトやシリンジを使って直接飲ませる工夫が必要な場面もあるかもしれません。

万が一の怪我に備えた緊急連絡先と下山の勇気

富士山の上には、ワンちゃんを治療してくれる施設はありません。救護所にいるドクターはあくまで人間用です。もし岩場で脚を骨折したり、深刻な高山病で昏睡状態になったりしたら、筆者たちが自力で背負って下りるしかありません。

20kg、30kgある大型犬を背負って数時間のガレ場を下りる自信はありますか?この問いにYesと言えないなら、厳しい言い方ですが、その犬種を富士山へ連れて行くべきではないかもしれません。

動けなくなった愛犬を背負って下山する覚悟を問うスライド
飼い主の覚悟と引き返す勇気

「山頂まであと100メートル」という状況でも、犬が一度でも座り込んだら引き返す。その決断こそが、愛犬家としての本当の強さだと筆者は思います。

愛犬を撫でる手と、異変に気づき引き返す勇気が真の成功であることを伝えるイメージ。
飼い主の覚悟と引き返す勇気

事前に登山口周辺(富士吉田市、御殿場市、富士宮市など)の「24時間対応・救急動物病院」の電話番号をスマホに登録しておきましょう。山の上では電波が不安定なこともあるので、メモに書いてザックに入れておくとより安心ですよ。

まとめ:富士山での登山と犬連れのマナー

最後に、他の登山者との共存についてです。富士山には、犬が大好きな人もいれば、恐怖を感じる人、重いアレルギーを持つ人もいます。

狭い登山道では必ず犬を山側に寄せ、リードを短く持って制御してください。そして排泄物の管理。富士山には「土」がほとんどなく、微生物の働きも弱いため、糞便は放置しても分解されません。必ず完全に密閉できる袋に入れ、麓まで持ち帰りましょう。

こうした細かな配慮の積み重ねが、「犬連れ登山」という文化を未来へ繋ぐ唯一の方法です。安全に、そして謙虚な気持ちで、日本の最高峰を目指しましょう!

※登山計画を立てる際は、必ず最新の情報を富士登山オフィシャルサイトで確認し、天候や交通規制を把握した上で、自己責任に基づいた判断を行ってください。

富士山登山成功のための4つのアイコン(リード遵守、装備準備、15分おきの体調チェック、異変時の下山)をまとめたスライド
富士山犬連れ登山成功の四箇条

まとめ:富士山の登山を犬連れで行うための4箇条

  • 法律とマナーを遵守し、リードは絶対に離さない。
  • ドッグブーツと防寒着、十分な水を準備する。
  • 犬の体調(チアノーゼや呼吸)を15分おきにチェックする。
  • 異変を感じたら、山頂を諦めて即座に下山する勇気を持つ。

愛犬との富士登山は、準備が9割です。この記事が、あなたとパートナーの安全な旅の助けになれば幸いです!

この記事の内容は、2026年現在の公的ガイドラインや一般的な知見に基づいています。登山前の健康診断はかかりつけの獣医師に相談してください。

「準備が9割」というメッセージと、公式情報の確認を促すエンディングスライド
最高の思い出のための準備

※画像は情報源として「Source: NotebookLM / 富士登山オフィシャルサイト」から引用しています。

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