富士山に登ってみたいけれど、富士山の閉山がいつなのか、その時期に登山ができるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。特に2025年からはオーバーツーリズム対策として通行料の義務化や人数制限など、これまでの常識を覆すような新しいルールが導入されています。
筆者も装備を整える中で感じていますが、今の富士山は「行けば登れる場所」ではなく、しっかりとした事前のリサーチと準備が欠かせない聖域になっています。

この記事では、2026年度の最新予測を含めた開閉山スケジュールや、知らないと入山すらできない厳しい規制体系について、初めての方にも分かりやすくお伝えします。
①2026年度のルート別開山・閉山スケジュール予測
②通行料4,000円や事前予約システムの仕組み
③閉山後の過酷な環境に変わるリスク
④閉山期間中の法的責任と義務化された登山届
2026年富士山の閉山はいつ?登山規制と日程を解説

富士山の登山シーズンは、私たちが想像するよりもずっと短く設定されています。
ここでは、各ルートの具体的な日程や、2025年度からガラリと変わった運営体制について詳しく見ていきましょう。計画を立てる第一歩は、このカレンダーを正確に把握することから始まります。
✅吉田ルートと静岡側3ルートの開山期間と閉鎖時刻
✅山小屋の営業終了とトイレや郵便局のインフラ撤退
✅2025年から導入された通行料4000円と人数制限
✅夜間登山の禁止ルールと山小屋宿泊予約の義務化
✅静岡県FUJI NAVIでの事前登録と学習テスト
吉田ルートと静岡側3ルートの開山期間と閉鎖時刻
富士山の開山期間は、残雪の状況や登山道の崩落確認、気象庁の長期予報などを踏まえて毎年慎重に決定されます。2026年度も特段の異常気象がない限り、例年通りのスケジュールが踏襲される見込みです。
山梨県側の吉田ルートは7月1日に開山し、静岡県側の3ルート(須走・御殿場・富士宮)は少し遅れて7月10日に開山するのが一般的です。

| ルート名称 | 管轄 | 開山期間(2025実績/2026予測) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 吉田ルート | 山梨県 | 7月1日 〜 9月10日 | 7月1日午前0時より。下山道は11日正午まで。 |
| 須走ルート | 静岡県 | 7月10日 〜 9月10日 | 10日午後5時閉鎖。樹林帯が特徴。 |
| 御殿場ルート | 静岡県 | 7月10日 〜 9月10日 | 10日午後5時閉鎖。標高差が最大。 |
| 富士宮ルート | 静岡県 | 7月10日 〜 9月10日 | 10日午後5時閉鎖。山頂まで最短。 |
ここで特に注意したいのは、閉山日の9月10日の動きです。静岡側の3ルートは9月10日の午後5時をもって冬期閉鎖のゲートが閉じられ、道路法に基づく通行禁止が発効します。
一方で吉田ルートは、9月10日に宿泊した登山者の下山を考慮し、翌11日の正午頃まで下山ルートのみ通行が許容されることがありますが、登りでの利用は一切認められません。9月に入ると、登山道はいつ閉じてもおかしくないという緊張感が漂い始めます。
筆者も思いますが、この「たった数日の違い」が生死を分ける気象の変化に直結することもあるため、無理な駆け込み登山は絶対に避けたいところですね。
開山日の確定タイミングについて
正式な開山日は、例年5月下旬から6月上旬にかけて各自治体から発表されます。雪解けが遅い場合は開通が遅れることもあるので、梅雨明け時期の計画には柔軟性を持たせておいた方がよさそうです。
山小屋の営業終了とトイレや郵便局のインフラ撤退
閉山日を迎えると、富士山は一気に「観光地」としての側面を剥ぎ取られ、原始の火山へと回帰します。私たちが夏山として富士山を楽しめるのは、山小屋という生命維持インフラがあるからこそ。

しかし、9月10日の閉山を境に、これらは全面的に撤収されます。山小屋はすべて戸締まりを行い、飲料・食料の供給はもちろん、救護所としての機能も停止します。
次に深刻なのが、公衆トイレの消失です。富士山の環境保護を支えるバイオトイレ等は、凍結防止や冬期のメンテナンスのために閉山と同時に閉鎖されます。
山頂付近のトイレは9月10日をもって完全に利用不可能となり、5合目付近でも10月下旬には順次閉鎖されていきます。この時期に登ることは、排泄物をすべて持ち帰るという非常に高いハードルを課せられることを意味します。
山頂郵便局や登山証明書の発行といった季節限定サービスは、閉山よりもかなり早く終了します。2025年度の実績では、山頂郵便局は8月20日頃には営業を終えていました。9月の閉山間際に登っても、記念スタンプや消印、証明書の発行は受けられないケースがほとんどですので注意してください。
インフラの撤退は、山域が「自己責任」という言葉だけでは片付けられないほど過酷な環境に変わる合図です。

筆者も以前、閉山後の富士山を麓から見上げたことがありますが、夏にはキラキラと輝いていた山小屋の明かりが一切消えたその姿は、近寄りがたい畏怖の念を感じさせるものでした。
2025年から導入された通行料4000円と人数制限
富士山のオーバーツーリズム対策と安全確保のため、2025年度から山梨県および静岡県は、これまでの歴史を塗り替える抜本的な規制を導入しました。特に山梨県側の吉田ルートでは、「山梨県富士山における適正な登山の推進に関する条例」に基づき、一人あたり4,000円の通行料(使用料)の支払いが義務化されました。

この4,000円という金額には、従来の任意による「富士山保全協力金(1,000円)」と、新たに設定された「通行料(3,000円)」が含まれています。
この資金は、単なる環境整備だけでなく、遭難防止のための指導員の配置や、5合目に設置された物理的な通行管理ゲートの運営費用に充てられています。また、一日の登山者数を4,000人に制限するという定量的な管理も開始されました。

通行枠の予約はオンラインで事前に行うのが基本です。2025年度は4月24日から予約が開始されましたが、2026年度も同時期に予約プラットフォームが稼働する見込みです。特に週末や「お盆」の時期は予約が殺到し、数分で埋まることもあるため、情報解禁日にはPC前で待機するくらいの構えが必要かもしれません。
筆者の印象では、この有料化と人数制限により、かつてのような「大渋滞で一歩も進めない」といった光景は緩和されつつあるようです。しかし、金銭的な負担が増えた分、登山者にはより高いモラルと準備が求められるようになっています。
夜間登山の禁止ルールと山小屋宿泊予約の義務化
いわゆる「弾丸登山」への対策として、2025年から厳格な時間規制が導入されました。山梨・静岡の両県において、午後2時から翌日午前3時までの時間帯は、山小屋の宿泊予約がある者を除き、通行が禁止されています。

夜通しで山頂を目指し、山頂付近で低体温症に陥るケースを未然に防ぐための強力な措置です。5合目のゲートでは指導員が常駐し、山小屋の宿泊予約の有無を確認しています。予約がない場合、夜間の入山は物理的に拒絶されます。
これにより、以前のような「駐車場で仮眠して夜中に登り始める」といったスタイルは事実上不可能となりました。安全に、そして確実に登るためには、山小屋の予約が「登山許可証」としての役割を果たすようになっています。
山小屋の予約も争奪戦です。早い小屋では3月や4月から予約受付を開始します。宿泊予約があれば、人数制限の4,000人枠とは別枠で通行できる場合が多いので、まずは宿を確保することが富士登山成功の鍵となります。
筆者としても、このルールは非常に合理的だと感じています。富士山の高度感と夜間の冷え込みは、初心者が無防備に耐えられるレベルではないからです。ルールを遵守し、余裕を持った行程で登ることが、結果として最高の景色に出会える近道になります。
静岡県FUJI NAVIでの事前登録と学習テスト
静岡県側(須走・御殿場・富士宮ルート)でも、独自の管理システム「静岡県FUJI NAVI」が導入されました。
こちらは山梨県側とは異なり、事前の入山登録と「eラーニング」の受講が必須となっています。登山者はこのシステムを通じて、富士山の保全や安全登山に関する動画を視聴し、テストに合格しなければなりません。
この教育的なフィルタリングは、富士山の環境負荷を減らし、無知に起因する事故を減らすために非常に有効です。eラーニングを修了し、一人4,000円の入山料(通行料)を納付することで、現地で提示する「入山証(QRコード)」が発行されます。

静岡県側でも、午後2時以降の入山には山小屋の宿泊予約が必要となるため、運用は山梨県側とほぼ足並みが揃っています。
筆者が実際にシステムを触ってみた感想としては、テストがあることで「自分がどれだけ富士山を甘く見ていたか」に気づかされる良い機会になると感じました。
2026年度も内容がアップデートされる可能性があるため、過去に登ったことがある人も改めて学習し直す必要があるでしょう。こうした一つ一つのプロセスが、聖域である富士山を守ることにつながっています。
富士山の閉山はいつ?登山道の通行禁止とリスク

閉山日を過ぎた富士山は、もはや私たちがテレビや雑誌で見る「夏山の富士山」ではありません。法律的にも気象的にも、立ち入るだけで生命の危機に直結する、非常にシビアな環境へと変貌します。
✅9月の気象条件と氷点下になる山頂の体感温度
✅道路法に基づく登山道の通行禁止規制と罰則の可能性
✅山梨県で義務化された閉山期間中の登山届提出
✅富士スバルラインやバス便の運行終了とアクセス
✅まとめ:富士山の閉山はいつ?
9月の気象条件と氷点下になる山頂の体感温度
「閉山直後の9月ならまだ夏でしょ?」と考えるのは、最も危険な誤解です。富士山頂の標高は3,776メートル。平地と山頂では、気温にして20度以上の差があります。
9月の山頂の平均気温は約3.7度で、これは地上でいえば真冬の寒さです。さらに恐ろしいのは、風による体感温度の低下です。
富士山は独立峰のため、遮るものがない強風が常に吹き荒れています。「風速1メートルにつき体感温度は1度下がる」という経験則に基づけば、気温が0度でも風速が10メートルあれば、体感温度はマイナス10度に達します。

この環境下で汗や雨によって衣類が濡れれば、水の熱伝導率は空気の約25倍という物理現象により、瞬く間に体温が奪われ、数時間以内に死に至る低体温症を発症します。
9月下旬になると、富士山では「初冠雪」が観測されることも珍しくありません。2021年には9月6日に最低気温マイナス5.8度を記録し、山頂付近で凍結が見られました。路面が薄い氷の膜(ブラックアイスバーン)に覆われれば、夏用のトレッキングシューズでは一歩も歩けず、そのまま滑落する危険性があります。
閉山間際の富士山は「冬山の入り口」です。筆者の友人でも、9月の強風に煽られて登頂を断念した経験を持つ人がいますが、その判断こそが賢明な登山者の振る舞いと言えます。
道路法に基づく登山道の通行禁止規制と罰則の可能性
行政上の区分において、富士山の5合目から山頂に至る登山道は「県道」などの道路として管理されています。そのため、山梨・静岡の両県は、閉山期間(9月11日から翌年6月末まで)において、道路法第46条第1項に基づき「登山道の全面通行禁止」を宣言しています。

この通行禁止命令は、単なるお願いではありません。法的な効力を持っており、これを無視して入山する行為は形式上、罰則の対象となり得ます。
具体的には「六月以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金」に処される可能性があることが、自治体の注意喚起でも明示されています(出典:静岡県各3登山口における登山規制の実施)。
もちろん、実際に逮捕される事例は稀ですが、遭難事故が発生し、救助隊員の生命を危険に晒すような事態になれば、厳しい社会的・法的責任を問われることになります。筆者としては、ルールを破ってまで登ることに、登山者としての誇りは見出せないかなと感じてしまいます。
山梨県で義務化された閉山期間中の登山届提出
どうしても閉山期間中に立ち入らなければならない特別な理由(学術調査や極めて熟練した冬山登山者など)がある場合、山梨県では「山梨県富士山における適正な登山の推進に関する条例」に基づき、登山計画書(登山届)の提出を「義務」として課しています。

これは、冬の富士山で後を絶たない遭難事故を抑制し、捜索活動の迅速化を図るための最低限のルールです。
登山届には、以下の情報を詳細に記載する必要があります。
- 住所、氏名、緊急連絡先
- 詳細な登山行程(ルートや休憩予定地)
- 冬山専用装備(アイゼン、ピッケル、ビーコン等)の携行状況
- 携帯トイレの所持確認
これらは「コンパス」などの登山届受理システムからオンラインで提出することが推奨されています。ただし、繰り返しますが「登山届を出せば安全に登れる」という意味ではありません。
山梨県側も「原則として閉山期間中の登山は禁止」というスタンスを崩しておらず、届出は万が一の際の救助用であるということを忘れないでください。筆者が見る限り、この時期の富士山は、プロレベルのスキルがなければ足を踏み入れるべきではない「死の世界」です。
富士スバルラインやバス便の運行終了とアクセス
閉山に伴い、富士山の玄関口である5合目へのアクセスも一変します。夏季のマイカー規制は9月10日で解除されますが、これは決して「冬の間中、車で行ける」という意味ではありません。
例年11月中旬頃には、積雪や凍結の危険から、富士スバルラインやふじあざみラインといった有料道路自体が「冬期閉鎖」となり、車両通行が完全に遮断されます。

| 道路・ルート名称 | 冬期閉鎖開始日(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 富士スバルライン(吉田) | 11月下旬 〜 12月上旬 | 積雪状況により変動あり。 |
| ふじあざみライン(須走) | 11月中旬(2025年は11/17) | 静岡県が管理。 |
| 富士山スカイライン(富士宮) | 11月上旬 〜 中旬 | 路面凍結が早い傾向。 |
また、公共交通機関であるバス便も、閉山後は極端に少なくなります。バスタ新宿等からの高速直行バスは夏季限定運行であることが多く、9月11日以降は河口湖駅などから平日数便の路線バスが走るのみとなります。
筆者としても、足となる交通手段がなくなるこの時期に無理をして山へ向かうのは、ロジスティクスの面からも現実的ではないかなと思います。
まとめ:富士山の閉山はいつ?
富士山の閉山がいつなのかを検索している皆さんが、真に知るべきなのは「9月10日」という日付そのものではなく、その日付の向こう側に広がる圧倒的なリスクの質です。閉山後の富士山は、我々が知る「夏山の富士山」とは全く別の表情を持つ、極めて苛烈な山へと変貌します。
2025年から始まった通行料や人数制限、事前予約制度といった新しい規制は、富士山をより安全で、持続可能なものにするための進化です。登山者には「事前の準備」「金銭的な負担」「知識の習得」が明確に求められるようになりました。
筆者も、こうしたルールを遵守することこそが、世界遺産である富士山を守り、そして自分自身の命を守る唯一の方法だと確信しています。
2026年度、皆さんが最高の思い出を作れるよう、まずは9月10日までの開山期間中に、万全の装備と予約を持って挑戦してください。もし閉山後に富士山を訪れたいのであれば、5合目周辺の散策路を楽しむなど、適切な高度での観光を選択することが、賢明な登山者の振る舞いです。
最新の正確な情報は、常に富士登山オフィシャルサイトで確認するようにしてくださいね。安全な登山が、あなたを素晴らしい絶景へと導いてくれるはずです!



