アプローチシューズとクライミングの基本!選び方やおすすめモデルを解説

登山靴 
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岩場への移動をもっと快適にしたい、あるいは簡単な岩登りにも挑戦してみたい。そんな風に考えている時、真っ先に候補に上がるのがアプローチシューズですよね。

でも、アプローチシューズとクライミングの関係や、普通の登山靴との違いが分からず、どれを選べばいいか迷っている方も多いはず。

実はアプローチシューズは、登山口から岩壁の基部までの歩行だけでなく、その後のテクニカルな岩稜帯でのクライミング性能も兼ね備えた非常に便利なギアなんです。

この記事では、登山・トレッキング装備に興味がある筆者が、アプローチシューズの技術的な特徴や、失敗しないサイズ感の選び方、さらには最新のトレンドまでを分かりやすくまとめてみました。

この記事を読めば、あなたの山行スタイルにぴったりの一足が見つかり、岩場での行動がもっと自由で安全なものになるはずですよ。

①岩場での歩行と登攀を両立する仕組み
②グリップ性能の違いと自分に合った選び方
③登山靴とは異なる特有のサイズ感
④人気ブランド比較と街歩きで使えるモデル

引用元:好日山荘

アプローチシューズでクライミングを支える選び方

アプローチシューズを単なる「歩きやすい靴」だと思っていませんか?実は、その構造には岩場でのパフォーマンスを最大化するための驚くべき技術が詰まっています。ここでは、筆者が調べた情報を元に、なぜこの靴がクライミングにおいて重要なのか、その核心に迫ります。

アプローチシューズが水平移動(歩行)と垂直移動(登攀)を繋ぎ、登山口からテクニカルな岩稜帯までカバーする役割を説明するスライド
アプローチシューズの役割とハイブリッドな特性

✅岩場での歩行と登攀を両立する技術特性の解説
✅ビブラムなどソールの種類とグリップ性能の違い
✅失敗しないサイズ感とフィッティングのコツを伝授
✅防水性と通気性を左右するゴアテックスの有無と利点
✅普段履きでも人気の高いおすすめブランドの紹介
✅スポルティバなど主要メーカーの人気比較と特徴

岩場での歩行と登攀を両立する技術特性の解説

アプローチシューズの最大の特徴は、何と言っても「クライミングゾーン」の存在ですね。アウトソールのつま先部分をよく見てみると、あえて溝(ラグ)を無くしてフラットにしてあるのが分かります。

これは、物理学的な摩擦の原理に基づき、岩との接触面積を最大化することで、微細な突起や傾斜面(スラブ)において最大限のフリクションを発生させる仕組みなんです。一般的なトレッキングシューズが泥や土を掴むための深い溝を持つのに対し、アプローチシューズは「岩に吸い付くこと」を最優先に設計されているわけですね。

さらに、シャンク(芯材)の設計も絶妙です。つま先側は岩のエッジに立ち込むために硬く、土踏まずからかかとにかけては歩行の衝撃を吸収し、スムーズな足運びを助ける柔軟性を持たせています。

このように「エッジング(端に立つ)」と「ウォーキング(歩く)」という二律背反の課題を解決しているのが、現代のアプローチシューズの凄さかなと思います。また、アッパー素材には岩との摩擦に強いスエードレザーや、高強度のシンセティック素材が使われており、厳しい岩稜帯での使用に耐えうる堅牢性を備えています。

テクニカルな登攀を支える細部のこだわり

つま先まで伸びたシューレース(靴紐)も、見逃せないポイントです。一般的なスニーカーよりも低い位置から紐が始まっているのは、つま先周辺のフィット感をミリ単位で調整するためなんです。

これにより、足が靴の中で遊ぶのを防ぎ、クライミング時の精密な感覚を指先に伝えることができます。筆者も初めて履いた時は、その一体感の高さに驚きました。

まさに、水平移動と垂直移動をシームレスに繋ぐための「精密なギア」と言えるでしょう。

ロングシューレース、ランドラバー、適度な剛性、クライミングゾーンという岩場を制するための4つの機能を解説したスライド
アプローチシューズを形作る4つの主要機能

アプローチシューズの4つの構造的特徴

  • クライミングゾーン:つま先のフラットな面で岩を確実に捉える
  • 適度なソールの剛性:エッジに立ち込んでも足裏がたわみにくい
  • ロング・シューレース:つま先まで締め上げることで究極の一体感を生む
  • ランドラバー:岩の擦れからアッパーを保護し耐久性を高める

ビブラムなどソールの種類とグリップ性能の違い

アプローチシューズの性能を決定づける「心臓部」と言えるのが、アウトソールのラバーコンパウンドです。現在、市場をリードしているのはイタリアのVibram(ヴィブラム)社ですね。

特に有名な「メガグリップ(Megagrip)」は、乾いた岩場はもちろん、濡れた岩や泥道でも圧倒的な制動力を発揮します。日本の山は湿度が高く、樹林帯の根っこや濡れた岩場が多いため、この汎用性の高さは非常に大きなメリットになります。

濡れた岩に強いVibram MegaGripと、乾いた花崗岩に強いFive Ten Stealthの特徴と推奨フィールドを比較するスライド
代表的なソール「Vibram」と「Five Ten」の比較

一方で、クライミング性能を極限まで追求するなら、ファイブテン(Five Ten)社の「ステルスラバー」のような超高摩擦ラバーも見逃せません。これは「岩に吸い付く」ような感覚が強く、テクニカルな登攀がメインのルートでは無類の強さを発揮します。

ただし、一般的にグリップ力が高いラバーほど素材が柔らかく、舗装路などを長く歩くと摩耗が早いという特性もあります。自分のよく行く山が「乾いた岩場が多いのか」「濡れた場所が多いのか」によって、最適なラバーを選ぶのが賢い方法かなと思います。

ラバー名称主な特性推奨される環境・シーン
Vibram MegaGrip濡れた路面での圧倒的な制動力と高い耐久性のバランス日本の梅雨時期や沢沿い、湿った岩稜帯
Five Ten Stealthクライミングシューズ譲りの超高摩擦特性乾いた花崗岩やテクニカルなフリークライミング
Vibram Idrogrip水中や非常に濡れた岩場に特化した特殊配合沢登りやキャニオニングのアプローチ
Black Labelフリクションとエッジングのバランスを重視多目的アプローチ、スクランブリング

最近では、各メーカーが独自のラバーを開発しており、選択肢はさらに広がっています。ソールの質は安全に直結する部分ですので、数値や評判だけでなく、実際に行くフィールドの特性を考えて選ぶのが一番ですね。

最終的な判断は、経験豊富なショップスタッフさんなど専門家に相談することをおすすめします。

失敗しないサイズ感とフィッティングのコツを伝授

アプローチシューズ選びで最も難しく、かつ重要なのがサイズ感です。一般的な登山靴では、下りでのトラブルを防ぐために「つま先に1cm程度の余裕(捨て寸)」を作るのがセオリーですが、アプローチシューズでこれをやってしまうと、岩場での登攀性能が著しく低下してしまいます。

逆につま先を曲げて履くクライミングシューズのようなサイズ選びをすると、数時間のアプローチ歩行で足が悲鳴を上げてしまいます。

理想的なのは、「つま先に2〜5mm程度のわずかな隙間があり、靴紐を締めた際に足が前後に動かない」タイトフィットです。この「グローブのように包み込まれる感覚」が、岩場での精密な足運びを可能にします。

捨て寸を1cm取らず、つま先の隙間を2〜5mmにするタイトフィットの重要性と試着のポイントを説明するスライド
アプローチシューズの正しいフィッティング基準

また、試着の際は必ず、実際に山で使用する厚手のソックス(または薄手のクライミングソックス)を履いて確認してください。足の形は人それぞれなので、幅広なのか細身なのか、自分の足型に合ったラスト(木型)を採用しているブランドを見つけることが、失敗しないための近道です。

店内でできる具体的なチェック方法

試着の際は、ただ歩くだけでなく「立ち込み」の動作を確認しましょう。お店に設置されている突起や階段の縁に、つま先だけで立ってみてください。

この時、土踏まず(アーチ)が崩れたり、かかとが靴の中で浮き上がったりしないかを確認します。かかとがしっかりホールドされていないと、不安定な岩場でバランスを崩す原因になりかねません。

また、指の付け根が曲がる位置と、靴の屈曲ポイントが一致しているかも重要です。ここがズレていると、一歩ごとにアッパーが甲に食い込み、痛みや炎症の原因になってしまいます。

サイズ選びの注意点

足は夕方になるとむくんで大きくなる傾向があります。可能であれば、午後の時間帯に試着に行くのがおすすめですよ。また、左右の足の大きさが違うことも多いので、必ず両足とも履いて、実際に歩き回って違和感がないか確かめてください。少しでも「当たる」感覚がある場合は、無理をせず別のサイズやモデルを検討しましょう。

防水性と通気性を左右するゴアテックスの有無と利点

アプローチシューズ選びの大きな分かれ道が、ゴアテックス(GORE-TEX)などの防水透湿メンブレンの有無ですね。これは正直、使う人のスタイルや行く山によって正解が変わるポイントかなと思います。

防水モデルの最大のメリットは、雨天時はもちろん、朝露に濡れた草むらやぬかるみ、小さな渡渉でも足を濡らさずに済むことです。足が濡れると皮膚がふやけて靴ずれが起きやすくなりますし、低温下では凍傷のリスクも高まります。

一泊以上の縦走を伴う山行や、天候の急変が予想される3,000m級の稜線では、防水機能はまさに生命線になりますね。

一方で、非防水モデル(メッシュタイプなど)にも独自の強みがあります。一番のメリットは圧倒的な「通気性」と「軽さ」です。防水膜がない分、内部の湿気が逃げやすく、真夏の低山でも足が蒸れにくいのが特徴です。

また、万が一水没しても、歩いているうちに体温と風で乾きやすいという「速乾性」の高さも見逃せません。軽量なため、クライミング中にシューズをハーネスに吊るして持ち運ぶ際も負担が少なくなります。

乾燥した岩場がメインの方や、スピードを重視するスピードハイク派の方には、非防水モデルが好まれる傾向にあります。

雨や泥に対応する防水モデルと、通気性・軽さに優れる非防水モデルのメリットと推奨シーンをまとめたスライド
防水モデルと非防水モデルのメリット比較

ゴアテックスモデルを選ぶべき人・シーン

  • 天候に関わらず山に入る予定がある
  • ぬかるみや残雪があるルートを歩く
  • 一足でハイキングから岩場まで汎用的に使いたい
  • 足の冷えを最小限に抑えたい

結論としては、自分の活動の「重心」がどこにあるかで決めるのが良さそうです。

筆者個人の意見としては、最初の1足なら天候への対応力が高い防水モデル、2足目として特化型を狙うなら通気性の良い非防水モデル、という選び方もスマートかもしれません。最終的には自分のスタイルに合わせて、慎重に判断してくださいね。

普段履きでも人気の高いおすすめブランドの紹介

近年、アウトドアウェアをファッションに取り入れる「ゴープコア」のトレンドもあり、アプローチシューズを街で履くスタイルが非常に人気です。でも、単におしゃれだからという理由だけでなく、実は都市生活においてもその機能性が非常に優秀なんですよ。

例えば、雨の日の駅の階段やマンホール、コンビニの床などは意外と滑りやすいもの。そんな時、クライミング譲りの高フリクションソールを備えたアプローチシューズは、圧倒的な安心感をもたらしてくれます。

デザイン面でも、多くのブランドが街中に馴染む洗練されたモデルをリリースしています。例えば、カナダのARC’TERYX(アークテリクス)は、登山靴の野暮ったさを一切感じさせないミニマルで都会的なシルエットが特徴です。

また、イギリスのMountain EquipmentBlack Diamondなども、スエード素材を活かした発色の良いモデルを展開しており、デニムやチノパンとの相性も抜群です。本格的なアルパイン性能を秘めつつ、カフェやショッピングにも違和感なく履いていける。

そんな「ギャップ」が、多くのユーザーを惹きつけている理由なのかなと思います。

都市部での使用における意外なメリット

実は、アプローチシューズは「立ち仕事」や「長距離の歩行」にも適しています。もともと重い荷物を背負って不整地を歩くために設計されているため、土踏まずのサポートがしっかりしており、足裏の疲労を軽減してくれる効果があるんです。

筆者も、今日はたくさん歩くぞという日の外出には、ついアプローチシューズを手に取ってしまいます。一足持っておけば、週末の本格的な山行から平日の通勤・通学まで、文字通り毎日活躍してくれる頼もしい相棒になってくれますよ。

スポルティバなど主要メーカーの人気比較と特徴

アプローチシューズを選ぶ際に、避けて通れないのがブランドの選択です。現在、最も信頼と実績があるのはイタリアのLA SPORTIVA(ラ・スポルティバ)でしょう。

特に「TX4 EVO」などのトラバースシリーズは、岩場での圧倒的な安定感と、長時間歩いても疲れにくいクッション性を高次元で両立しており、世界中のクライマーから「迷ったらこれ」と言われるほどの傑作です。独自のリソール可能な構造など、長く使うための工夫も素晴らしいですね。

また、同じくイタリアのSCARPA(スカルパ)は、職人気質の精密な造りが魅力。特に「メスカリート」などのモデルは、軽量でありながら剛性が高く、足裏感覚が優れているため、よりテクニカルな岩場を好む層に支持されています。

さらに、近年勢いがあるのがクライミングギアの老舗Black Diamond(ブラックダイヤモンド)です。彼らのシューズは、実際のクライマーの声をダイレクトに反映した実戦的な設計が特徴で、非常にコストパフォーマンスが高いモデルも多いです。

各社それぞれに得意分野やサイズ感のクセがあるため、自分の足型や用途に合わせてじっくり比較するのが、運命の一足に出会うコツですね。

スポルティバ、スカルパ、ブラックダイヤモンドの各ブランドの特徴と、TX4 EVOやメスカリートなどの代表モデルを紹介するスライド
主要3大ブランドの特徴と代表作の比較
メーカー代表モデルブランドの特徴
LA SPORTIVATX4 EVO / TX5アプローチシューズの世界的リーダー。堅牢性とフィット感が抜群。
SCARPAメスカリート / イグアナ精密な造りと日本人の足に合いやすいラスト。テクニカルな動きに強い。
Black Diamondミッション / テクニシャンクライミングに特化した設計。シンプルかつ機能的でコスパも良好。
Mammutアルティメット / デュカンデザイン性と機能の融合。最新テクノロジーを積極的に採用。

各ブランドの公式発表や最新のラインナップについては、常に進化しています。

正確な情報は各メーカーの公式サイトなどで確認しつつ、自分の足に最もフィットするものを選んでください。登山靴選びは「ブランド名」よりも「自分の足との相性」が最優先ですよ!

アプローチシューズのクライミングで役立つ最新知識

アプローチシューズを手に入れたら、次に気になるのはそのメンテナンスや最新のトレンドですよね。

高機能な靴を最高の状態で使い続けるための豆知識や、これからの技術革新について、筆者が収集した最新情報をシェアしたいと思います。これを知っておけば、あなたもアプローチシューズ通になれるかも!

✅街歩きでも使えるおしゃれなモデルの魅力とは
✅加水分解を防ぎ寿命を延ばす正しい手入れの方法
✅2025年から2026年の将来展望と技術革新の動向
✅リソールによる経済的なメンテナンスのすすめ
✅アプローチシューズとクライミングで広がる自由な世界
✅まとめ:アプローチシューズでのクライミング

街歩きでも使えるおしゃれなモデルの魅力とは

先ほども少し触れましたが、アプローチシューズの「街履き」としての魅力は、その独特のビジュアルと圧倒的な機能性のギャップにあります。最近のモデルは、いかにも「登山靴です!」という主張が控えめで、洗練されたカラーリングや異素材の組み合わせが非常に上手いです。

雨の駅やコンビニでの安全性、疲労軽減効果、ゴープコアとしてのトレンドを解説するスライド
タウンユースにおけるメリットとトレンド

特にアークテリクスなどのブランドが牽引するスタイリッシュなデザインは、テック系ファッションのアイコンとしても定着しています。しかし、本当の魅力はやはりその履き心地にあります。

アプローチシューズは本来、岩場で滑落を防ぐために作られているため、駅の濡れた階段や滑りやすいタイル路面でも、普通の靴とは比較にならないほどのグリップ力を発揮します。また、踵のホールドがしっかりしているため、足が靴の中で動かず、長時間の立ち仕事や移動でも疲れにくいんです。

さらに、つま先がラバーで保護されているため、人混みで足を踏まれたり、不意にどこかにぶつけたりしても痛くないという、街ならではの隠れたメリットもあります。機能的なものを日常に取り入れる快適さを、ぜひ一度味わってみてほしいですね。

加水分解を防ぎ寿命を延ばす正しい手入れの方法

せっかく買った高価なアプローチシューズ、少しでも長く履きたいですよね。そこで知っておかなければならないのが、ソールの劣化原因となる「加水分解」です。

多くのシューズのミッドソールにはポリウレタン(PU)が使われていますが、これは空気中の水分と反応して、時間が経つとボロボロに崩れてしまうという宿命を持っています。これを防ぐためには、まず「湿気」を徹底的に遠ざけることが大切です。

下山後、泥だらけのまま放置するのは厳禁です。泥に含まれる水分が劣化を早めるだけでなく、汚れが素材を痛める原因になります。

まずはブラシで汚れを落とし、汚れがひどい場合は水拭きをしてから、風通しの良い日陰でしっかりと乾燥させましょう。保管場所も重要です。湿気がこもる下駄箱やビニール袋の中ではなく、除湿剤と一緒に保管するか、時々箱から出して空気に触れさせてあげてください。

また、意外なことに「たまに履いてあげる」ことも重要と言われています。適度な荷重がかかることで、素材内部の水分が押し出され、劣化が遅れる傾向にあるようです。

大切にしすぎてしまっておくよりも、たくさん連れ出してあげるのが一番のメンテナンスかもしれませんね。

加水分解を防ぐ保管方法、サステナブルなリソールの選択、2025-26年の最新技術動向をまとめたスライド
加水分解対策とリソール・未来の技術

加水分解を防ぐためのチェックリスト

  • 使用後は必ず泥や汚れをブラッシングで落とす
  • 完全に乾かしてから、風通しの良い場所に保管する
  • 直射日光はゴムの硬化や色褪せを招くので避ける
  • 製造から5年を目安に、ソールの剥がれがないか定期点検する

2025年から2026年の将来展望と技術革新の動向

2025年から2026年にかけてのアプローチシューズ業界は、非常にエキサイティングな進化を遂げています。キーワードは「環境への配慮(サステナビリティ)」と「デジタル技術の融合」です。

まず、環境面では再生ラバーやリサイクルポリエステルを使用したモデルが一般的になり、環境負荷を抑えつつ高いグリップ力を維持する技術が各社で確立されています。こうした背景には、消費者側の環境意識の高まりも大きく影響していますね。

また、技術面で注目なのは、一部のトップモデルで採用が始まっている「3Dプリンティング・ミッドソール」や「BOAフィットシステム」の進化です。ダイヤルを回すだけで均一な締め付けが可能なBOAシステムは、手袋をしたままでも調整でき、登攀セクションと歩行セクションで瞬時にフィッティングを切り替えられるため、非常に便利です。

さらに、将来的には3Dスキャニングで個人の足型を測定し、その人に最適化された硬度や形状のインソールやシューズを提供するサービスも普及してくると予想されています。もはや靴は単なる既製品ではなく、個々の能力を最大化する「カスタマイズギア」へと変貌しつつありますね。

(参照元:Newbalance・3Dプリントミッドソール)

加速するサステナビリティの波

(出典:環境省『サステナブルなファッションのあり方』https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/)のように、近年はアパレル・フットウェア業界全体で環境負荷の低減が強く求められています。

アプローチシューズにおいても、単に新しいものを買うだけでなく、スポルティバのリソールプラットフォームのように、メンテナンスして長く使うための設計が評価される時代になっています。最新の素材科学と、古くからある「修理して使う」という文化が融合し、より成熟したギアへと進化しているのが現在のトレンドかなと思います。

リソールによる経済的なメンテナンスのすすめ

お気に入りのシューズのアウトソールがツルツルになってしまった……。そんな時、すぐに買い換えるのはちょっと待ってください!アプローチシューズの多くは、ソールの張り替え(リソール)が可能です。

特にアッパー(靴の上部)が自分の足に馴染んで最高の状態になっている場合、リソールを行うことで、新品同様のグリップ力を手に入れつつ、履き慣れた快適さを維持できるという大きなメリットがあります。

リソールには、つま先だけを直す「部分リソール」や、全体を新しくする「オールリソール」などがあります。費用は状態によりますが、新品を購入する半分以下のコストで済むことも多いです。

何より、一つの道具を長く使い続けるという行為は、登山者としての経験値や道具への愛着を感じさせてくれますよね。ただし、アッパーに大きな穴が開いていたり、ミッドソールが加水分解していたりする場合はリソールできないこともあるので、ソールの溝が完全になくなる一歩手前で修理に出すのが、賢くメンテナンスするコツです。

修理メニュー費用の目安(税込)主なメリット
つま先ハーフリソール7,000円 〜 9,000円摩耗が激しいつま先のみを安価に修復可能。
全面リソール11,000円 〜 14,000円全体のグリップ力が均一に復活。新品に近い感覚に。
ランドラバー補強1,000円 〜 2,000円岩との擦れによるアッパーの穴あきを未然に防ぐ。

リソールは専門の職人さんが一足ずつ丁寧に作業してくれるため、納期が数週間から一ヶ月程度かかることもあります。オフシーズンなど、山に行かない時期を狙って出すのがおすすめですよ。自分の相棒を育てるような感覚で、ぜひリソールを活用してみてくださいね。

(参照元:ナカダ商会 靴修理大好き工房)

自由な山行への第一歩とは?

アプローチシューズを履いて山へ行く。それは、今までただの「壁」や「危ない場所」に見えていた岩稜帯が、ワクワクするような「遊び場」に変わる瞬間でもあります。

本格的なクライミングシューズほどストイックではなく、登山靴よりも軽快で攻めた動きができるアプローチシューズは、まさに自由の象徴と言えるかもしれません。

適切なギアを選び、その特性を理解し、しっかりとメンテナンスを行う。こうしたプロセス自体も、登山やクライミングという趣味の深い楽しみの一部ですよね。

アプローチシューズ一足で、アプローチの歩行から簡単な岩登り、そして帰りの長い下山までを快適にこなせるようになった時、あなたの山行の質は確実に向上するはずです。この記事で紹介したアプローチシューズとクライミングの知識が、あなたの次なる冒険の助けになれば嬉しいです。

フィールド選択、タイトなフィット感、メンテナンスの3点について、最適な1足を選ぶための要点をまとめたスライド
理想の1足を見つけるための3つのステップ

🔶最適な一足を選ぶために

  • 自分の主なフィールド(乾いた岩場か、濡れた道か)を明確にする
  • ブランド名だけでなく、自分の足型とのフィット感を最優先する
  • 防水の必要性やメンテナンスのしやすさも考慮に入れる
  • 迷ったら信頼できるショップで、実際に履き比べてみる

※記事内で紹介した数値や仕様は一般的な目安です。モデルチェンジ等で変更される場合もありますので、最終的なスペックやサイズ感の確認は、必ずメーカー公式サイトや正規販売店で行うようにしてくださいね。安全な山行を楽しみましょう!

↑↑これ、SALEWA:クライミングハーネスやヘルメットなどが有名です。シューズも良いですよ。サイズ感、注意!(笑)

まとめ:アプローチシューズでのクライミング

この記事で解説した重要なポイントをリストにまとめました。最終チェックとして活用してくださいね。

  • 水平移動の歩行性能と垂直移動の登攀性能を兼ね備えたハイブリッドなギアである
  • つま先にラグのないクライミングゾーンを設けることで岩場でのフリクションを最大化している
  • つま先まで伸びたロングシューレースにより指先の感覚を鋭敏にする高い一体感を実現する
  • ランドラバーの採用により岩との激しい擦れからアッパーを保護し耐久性を高めている
  • エッジングに必要な適度な剛性と歩行時の柔軟性をシャンクの設計により両立させている
  • ビブラム社のメガグリップは濡れた岩や泥道など日本の高温多湿な山岳環境に適している
  • ファイブテン社のステルスラバーは乾いた花崗岩などで圧倒的な摩擦力を発揮する
  • サイズ選びでは登山靴のセオリーである捨て寸1cmを適用せずタイトにフィットさせる
  • つま先の隙間を2mmから5mm程度に抑えることで岩場での精密な登攀性能を確保する
  • 防水のゴアテックスモデルは雨や泥だけでなく残雪期の冷え対策としても有効である
  • 非防水モデルは圧倒的な通気性と軽さを備え濡れてもすぐ乾く速乾性が魅力である
  • ラスポルティバのTX4シリーズは堅牢性とフィット感のバランスが良く世界的定番となっている
  • スカルパのメスカリートは精密な職人技による高い剛性を備えテクニカルな岩場に強い
  • 滑りにくいグリップ力と高いサポート力により雨の日の街歩きや長時間の移動でも重宝する
  • ソールの張り替えであるリソールを行うことで履き慣れたアッパーを活かしつつ経済的に使い続けられる
  • 2025年から2026年にかけては3Dプリント技術やBOAシステムの導入などさらなるハイテク化が進む

さあ、あなたにぴったりの一足を見つけて、まだ見ぬ絶景を目指して歩き出しましょう。いってらっしゃい!

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