ブラックダイヤモンドのミッション75:現行モデル徹底レビュー!

ブラックダイヤモンドのミッション75:現行モデル徹底レビュー!バックパック
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こんにちは、「登山・トレッキング装備完全ガイド:初心者入門」運営者のRYUSEIです。

アルパインクライミングや本格的な冬山登山を見据えると、やっぱり「ブラックダイヤモンド ミッション75」は気になりますよね。デナリ遠征などで使われるような、タフな大型パックというイメージです。

ただ、いざ購入しようと情報を集めると、「あれ?」と思うことが多くないですか?

旧モデルのレビューが混在していて現行モデルとの違いが分かりにくかったり、特に便利だと評判だったサイドジッパーが廃止されたという噂があったり…。ミッション55と75でサイズを迷ったり、ライバルのオスプレー ミュータントと比較してどうなのか、実際のところ背負い心地は重いのか、など、気になる点が多いと思います。

この記事では、そうした疑問を解消するために、ブラックダイヤモンド ミッション75の「現行モデル」に絞って、仕様の変更点、注目の機能、そしてリアルな評価やパッキングのコツまで、しっかり掘り下げていこうと思います。

この記事でわかること

①現行モデルと旧モデルの決定的な違い
②サイドジッパーの有無と実際のアクセス方法
③ミッション55やライバルモデルとの比較
④失敗しないサイズ選びのコツとパッキング方法

ブラックダイヤモンドのミッション75:現行仕様

ブラックダイヤモンドのミッション75:現行モデル徹底レビュー!・ブラックダイヤモンドのミッション75:現行仕様
登山・トレッキング装備完全ガイド:初心者入門イメージ

まずは一番大事な「今、私たちが買える現行モデル」の仕様について、しっかり確認していきましょう。特に2022年に行われたアップデートで、ミッション75は大きく進化しているんです。古い情報と混同しないように、ポイントを整理しますね。

✅旧モデルとの決定的な違いを解説
✅サイドジッパーは廃止?アクセス方法
✅進化した耐久性とサスペンション
✅デナリや冬山での使用レビュー
✅ミッション55と75、どちらを選ぶ

旧モデルとの決定的な違いを解説

引用元:メルカリ

2022年のアップデート を経て、現行のミッション75は旧モデルからいくつかの重要な変更が加えられました。私が特に注目したのは以下の点です。

  1. 素材の大幅な強化:新しい素材「BD “X-rip” 420d Nylon with UTS™ coating」 が採用されました。これにより、耐摩耗性、引き裂き強度、撥水性が格段に向上したそうです。まさに「タフなアルパインパック」としての信頼性が増していますね。
  2. アイスツールアタッチメントの改良:ピッケルやアイスアックスを固定する方法が、従来のバックル式から「新型メタルドッグボーン」フック に変更されました。これにより、行動中にツールがブレにくく、より確実に固定できるようになったみたいです。
  3. サスペンションの変更:現行モデルは、体の動きに追従する「SwingArm™ ショルダーストラップ」 を搭載しています。旧モデル(のレビュー)で採用されていた固定式の “reACTIV XP” からの明確なアップグレードと言えそうです。
  4. 重量の変化:耐久性が上がった分、実は重量は少し増えています。現行モデルのS/Mサイズが1.85kg に対し、旧モデルのレビューでは約1.63kg との記載も。これは、軽量性よりも「堅牢性」を優先した結果かなと思います。

サイドジッパーは廃止?アクセス方法

ここが一番の混乱ポイントかもしれません。旧モデルのレビュー では、メイン気室に直接アクセスできる「サイドジッパー(フルオープンZIP)」が非常に便利だと絶賛されていました。

私も「これは便利!」と思って現行モデルを調べたのですが…。

Black Diamondの米国公式サイト のスペック表には、アクセス方法が「トップローディング」 としか記載されておらず、サイドジッパーの記述がないんです 。「え、廃止されたの?」と焦りました。

ところが、です。

日本の正規代理店であるロストアローさんのサイト や、国内の主要な登山用品店の製品説明 を見ると、機能一覧に「側面の両引きジッパー」 とハッキリ記載されています。他の国(ニュージーランド やカナダ)の販売サイトでも、UTSコーティングの現行モデルに「サイドジップがある」と書かれている例を見つけました。

これは、仕向け地(販売する国)によって仕様が異なる可能性があるか、あるいはアップデートの時期によって仕様が混在しているのかもしれません。

重要】サイドジッパーの有無について
このように情報が錯綜しているため、ミッション75の購入を検討されている方は、必ず購入予定の販売店で「現物にサイドジッパーが付いているか」を直接確認することを強くおすすめします。

ちなみに、2022年のアップデート直後の国内ショップのブログ でも「今まで通り、サイドのフルオープンZIPでパッキングが楽」と言及されているので、日本国内の正規流通品には付いている可能性が高いと私は思っていますが、念のため確認してみてくださいね。

進化した耐久性とサスペンション

引用元:maunga

先ほども少し触れましたが、現行モデルの最大の売りは、やはりその「タフさ」だと思います。

新素材の「UTS™コーティング」 は、従来のコーティングより引き裂き強度や耐摩耗性が格段に上がっている そうで、岩や氷、クランポンのスパイク など、シビアな環境での酷使に耐える設計思想が伝わってきます。

そして、背負い心地を左右するサスペンションには「SwingArm™ ショルダーストラップ」 が採用されています。これは、クライミング中の体のひねりや動きに合わせてストラップが動くことで、パックの重心変動を抑え、バランスを維持してくれる機能です。

重い荷物を背負いながらテクニカルな動きをする際には、この機能がかなり効いてきそうですね。

他にも、フィット感が向上した新型ショルダーベルト や、汗をかいても快適さを保つ吸湿発散性のバックパネル など、快適性への配慮もアップデートされています。

最大の売りは、なんといってもこれでしょうね!

■SwingArmTM ショルダーストラップの概要
この技術は、ショルダーストラップが独立して動き、体の動きに追従するように設計されています。これにより、歩行時の安定性が向上し、快適な背負い心地を実現します。

■主な特徴
・体の動きへの追従: ショルダーストラップが独立して動くため、体の自然な動きを妨げません。
・安定性の向上: 荷物の揺れを抑え、バックパックの安定性を高めます。
・快適な背負い心地: 長時間の使用でも肩への負担を軽減し、快適さを維持します。

デナリや冬山での使用レビュー

ミッション75は、そのタフな仕様から、「デナリ(アラスカ山脈)」「寒冷地遠征」「冬山テント泊」 といったシビアな環境での使用を想定して設計されています。

海外のレビューでは、デナリで使用した人から「快適性に不満はない」 という声や、「3週間未満の遠征に最適」 という評価が見られます。また、その堅牢さから「Bomber Pack(極めて堅牢なパック)」 と評されることも多いようです。

国内のレビューでも、冬山テント泊で愛用している方の声 があり、やはりタフな環境でこそ真価を発揮するパックのようですね。

ミッション55と75、どちらを選ぶ

これは本当に悩ましい問題ですよね。ミッションシリーズには55Lモデルもあり 、どちらを選ぶべきか…。

まず、ミッション55は「スイートスポット」と評されることもあり、日帰りのアイスクライミングから軽量なオーバーナイト山行まで、非常に汎用性が高いようです 。

一方で、ミッション55と75のパック自体の重量差は、実は「わずか数オンス(100g程度)」 しかありません。

もし、少しでもデナリ のような長期遠征や、装備が多くなる冬山テント泊 を視野に入れているのであれば、容量に余裕がある75Lを選ぶのは賢明な選択かもしれません。

ミッション75の優れた点は、「大容量なのにスリムに圧縮できること」 です。荷物が少ないアタック時には、コンプレッションストラップを締め上げることで、まるで60Lクラス、あるいは50Lクラスのパックのようにスリムになり、機動性を損なわない と評価されています。

まさに「大は小を兼ねる」を体現したパックと言えそうですね 。

ブラックダイヤモンドのミッション75:評価と使い方

ブラックダイヤモンドのミッション75:評価と使い方
登山・トレッキング装備完全ガイド:初心者入門イメージ

次に、実際の使い勝手、特に賛否が分かれがちな「快適性」について掘り下げてみます。また、このパックの性能を100%引き出すための、サイズ選びやパッキングのコツも見ていきましょう。

✅重い?快適性に関する評価の真相
✅失敗しないサイズ選びと背面長
✅オスプレーのミュータントとの比較
✅上手なパッキング方法とメンテナンス
✅総括:ブラックダイヤモンドのミッション75

重い?快適性に関する評価の真相

ミッション75のレビューを調べていると、「快適」という声 と、「重い荷物だと肩にくる」 という声の両方を見かけます。

評価が分かれる理由:比較対象の違い
この評価のズレは、「何と比較しているか」によって生じている可能性が非常に高いです。

ネガティブ評価(重い、快適でない):「ヒップベルトが薄い」 、「40ポンド(約18kg)を超えると肩にくる」 といった評価は、多くの場合、オスプレーのイーサー (Aether) のような、分厚いパッドを備えた「トレッキング(バックパッキング)用パック」と比較されています 。

ポジティブ評価(快適):「50ポンド(約23kg) や60ポンド(約27kg) でも快適に運べた」 という評価は、他の「アルパインパック」と比較した場合のものです 。

つまり、ミッション75は、一般的な登山道をとにかく快適に「歩く」ことを最優先したパックではない、ということです。

そのスリムな設計や(トレッキングパックに比べれば)薄いヒップベルトは、クライミングハーネスとの干渉を避け、岩場や氷壁での「登攀動作(テクニカルなムーブ)」を妨げないための、意図的なデザインなんです 。

ミッション75に期待すべきは、トレッキングパックのような豪華な快適性ではなく、「テクニカルな環境下での運動性」と「重荷重を運ぶための必要十分なサポート性能」との高度なバランス なんですね。

失敗しないサイズ選びと背面長

どんなに良いパックも、サイズが合っていなければ性能は発揮できません。特にミッション75のようなテクニカルパックでは、フィット感がパフォーマンスに直結します。

サイズ選びの基準は「背面長(トルソー)」です。これは自分では測りにくいので、できれば誰かに手伝ってもらいましょう。首を前に倒したときに一番出っ張る骨(第七頸椎)から、腰骨の出っ張りの一番高い位置(腸骨稜)までの直線の長さ を測ります。

※サイズ情報は Black Diamond 公式サイト のデータを基にしています。

【RYUSEIの豆知識】サイズ境界線の選び方
この表を見ると、S/Mの最大(48cm)とM/Lの最小(47cm)が重なっていますよね。こういう「境界線上」のサイズ選びは本当に迷います。

ここで非常に参考になるレビュー を見つけました。あるユーザーは、背面長がちょうど19インチ(約48.3cm)だったのでS/Mを選んだところ、「小さすぎた (way too small)」ため、返品してM/Lサイズに変更したそうです。

この実例から、もし背面長が47cm~48cmあたりで迷ったら、M/Lサイズを選ぶ方が失敗が少ないかもしれません。もちろん、最終的にはお店で実際にフィッティングしてみるのが一番ですよ!

オスプレーのミュータントとの比較

引用元:メルカリ

アルパインパックの比較対象として、必ずと言っていいほど名前が挙がるのが「オスプレー ミュータント (Osprey Mutant)」シリーズですよね 。

両者を比較した場合、以下のような違いがありそうです。

  • 快適性:純粋な「背負い心地」、特に重い荷物を背負った時の快適性では、ミュータント(特に52L)に軍配が上がる、という評価が多いようです 。
  • 用途の焦点:ミュータント52は「ほとんどの一般的な登山ニーズ」 に対応できる、バランスの取れた優等生。対してミッション75は、より長く(3週間未満) 、よりシビアな(寒冷地)環境での「エクスペディション」 に、より焦点を当てた設計と言えそうです。

どちらも素晴らしいパックですが、自分の登山スタイルが「快適性重視の万能型」なのか、「タフさ重視の遠征型」なのかで選ぶと良さそうですね。

上手なパッキング方法とメンテナンス

登山・トレッキング装備完全ガイド:初心者入門イメージ

ミッション75の性能を引き出すには、パッキング(荷物の詰め方) とメンテナンス も大切です。

パッキングの基本(トップローディング)

ミッション75は基本的にトップローディング(上から詰める)方式 です(※国内モデルはサイドジッパー がある可能性が高いですが、基本は同じです)。効率的なパッキング を心がけましょう。

① 底部 (Bottom Zone):寝袋、スリーピングパッド、キャンプ用の着替えなど、「キャンプ地に着くまで使わない、かさばる物」を入れます 。

② 中核部 (Core Zone):最重要ポイントです。クライミングギア(ロープやカム)、食料、燃料、水など、「パックの中で最も重い物」を、背中に一番近い位置(肩甲骨の間あたり)に配置します 。
ミッション75は重心が後ろに傾きやすい傾向がある との指摘もあるため、重い物をいかに背中側に寄せるかが快適性のカギになりそうです。

③ 上部 (Top Zone):ハードシェル、インサレーション(防寒着)、昼食など、「行動中に使う可能性がある物」を入れます 。

外部ポケットの戦略的活用

雨蓋(リッド):ミッション75の雨蓋は「非常に容量が大きい (cavernous)」 と評判です。行動食、地図、GPS、ヘッドランプ、日焼け止めなど、頻繁に取り出す小物はここにまとめると効率的ですね 。

フロントクランポンポケット:名前の通りクランポン を入れるためのポケットですが、これが万能です。濡れたシェルやグローブ、スノーショベル 、夏場はトレッキングポール など、メイン気室と分けて素早くアクセスしたいギアの収納に最適です 。

UTSコーティング素材のメンテナンス

タフなUTSコーティング も、性能を維持するには適切なお手入れが必要です。

洗浄: パック全体を洗濯機で洗うのは避けましょう 。目立つ汚れは、中性洗剤 を含ませたスポンジやブラシで優しくこすって落とします。

乾燥: これが一番大事です。洗剤が残らないよう十分すすいだら、背面パッドなどの水分をタオルで押し出し 、風通しの良い日陰で完全に乾燥させます。直射日光や高温多湿(車内や屋外倉庫など )は、コーティングの劣化(加水分解) を早める原因になるので絶対に避けてくださいね。

総括:ブラックダイヤモンドのミッション75

さて、ここまでブラックダイヤモンド ミッション75の現行モデルについて詳しく見てきました。最後に、このパックがどんな人に最適なのか、私なりの結論をまとめてみたいと思います。

ミッション75は、「快適性」よりも「タフさ」と「機動性」を最優先する、経験豊富な登山者向けの専門的なアルパインパック だと感じました。

こんな人におすすめ!

(1) テクニカル・アルピニスト:装備が多くなる冬山登山、アイスクライミング、ミックスクライミング を行う方。ハーネスと干渉しにくいスリムな設計 と堅牢なアタッチメント が光ります。

(2) ライト・エクスペディショナー:デナリ や南米遠征 など、3週間未満の中期遠征 を計画している方。ベースキャンプまでの運搬能力と、アタック時の機動性を1つで両立させたい場合に最適です 。

(3) 耐久性至上主義者:軽量性や快適性よりも、岩、氷、悪天候に耐える「Bomber(堅牢)」な信頼性 を最優先する方。進化したUTSコーティング素材 は、まさにその要求に応えるものです。

こういう人には不向きかも…

(1) 一般的なバックパッカー / ハイカー:主な目的が「歩行」で、快適性を最優先する場合。ミッション75の機能はオーバースペックですし、パッドの厚い専用トレッキングパック の方が快適だと思います。

(2) ファスト&ライト・アルピニスト:スピードと軽量性を最優先する場合。ミッション75(約1.9kg) は少し重いかも。同社のSpeedシリーズ など、より軽量なパックが適しています。

(3) 超重量運搬者:常に27kg(約60ポンド)を超えるような荷物を「快適に」運びたい場合。ミッション75は40~50ポンド(約18~23kg)あたりで最もバランス良く機能する と思われるため、それ以上が常態なら、マウンテンハードウェア AMG 75 やグレゴリー デナリ100 のような、重量運搬に特化したモデルを検討した方が良いかもしれません。

この記事が、あなたのパック選びの参考になれば嬉しいです!

※免責事項
この記事に掲載されている情報(特に価格 や製品仕様)は、記事作成時点のものです。特に「サイドジッパーの有無」 については情報が分かれているため、購入前には必ず公式サイトや正規販売店で最新の正確な情報をご確認ください。

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