「カナダグースをおすすめしない」という声を聞き、購入をためらってはいませんか。高価な買い物だからこそ、失敗や後悔は避けたいものです。この記事では、なぜ「おすすめしない」という意見があるのか、その理由を探ります。
カナダグースって何が良いのか、単に「高いだけ」ではないのか、あるいは「重い」と感じるのかといった疑問に答えるため、ブランド独自の素材であるARCTIC TECHの性能にも触れていきます。
また、カナダグースのサイズ感で失敗しない選び方から、アームストロング フーディーとはどんなモデルか、新作のトロント ジャケットとはどのような特徴を持つのかといった具体的な情報も解説します。
さらに、街着のコーデならどう合わせるとオシャレに見えるのか、具体的なスタイリングのヒントまで網羅し、あなたがカナダグースを選ぶべきかどうかの判断材料を多角的に提供します。
この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。
①カナダグースが「おすすめしない」と言われる本当の理由
②価格に見合う品質や素材、ブランドの背景
③自分の体型や用途に合ったモデルとサイズの選び方
④街着としてお洒落に着こなすための具体的なコーディネート術
「カナダグース おすすめしない」と言われる理由と真価

✅そもそもカナダグースって
✅カナダグースって何が良いの?高いだけ?
✅最強の素材、”ARCTIC TECH”
✅独自配合の最高級ダックダウン。フィルパワーは650?
✅本格仕様ゆえに「重い」と感じるのはなぜ
そもそもカナダグースって

カナダグースは、1957年にカナダのトロントで創業した、歴史あるブランドです。元々は、極寒地で活動する人々のためのウールベストやレインコートなどを製造する会社としてスタートしました。そのブランド哲学は創業以来一貫しており、「メイド・イン・カナダ」への強いこだわりを持ち続けています。
ブランドの転換期となったのは、ダウンを大量に充填できる機械が発明されたことです。これにより、カナダグースは機能的なダウンウェアの開発を加速させます。特に、南極の観測隊や登山家など、極限環境で活動するプロフェッショナルたちのデータを基に開発されたパーカは、ブランドの名声を確固たるものにしました。
実際に、1982年には特注のパーカを着用した登山家が、カナダ人として初めてエベレスト登頂を成功させたという実績もあります。
このように、カナダグースは単なるファッションアイテムではなく、厳しい環境下で生命を守るためのギアとして、その歴史を築いてきたのです。そのため、製品は本物の機能性を追求しており、その信頼性の高さがブランドの核となっています。
カナダグースって何が良いの?高いだけ?

カナダグースの製品が高価であることには、明確な理由が存在します。決して「高いだけ」のブランドではなく、その価格は品質とクラフトマンシップに裏打ちされたものです。
第一に、使用されている素材が最高品質であることが挙げられます。例えば、フード周りにあしらわれるファーは、氷点下の環境でも凍りつかないコヨーテのリアルファーが使用されています。これは、顔周りの凍傷を防ぎ、体温を維持するために不可欠な機能を持つ素材です。
第二に、製造工程における徹底したこだわりがあります。カナダグースのジャケットは、一着が完成するまでに13もの工程を経て、約60人もの職人の手が加わると言われています。裁断から縫製、付属品の取り付けに至るまで、その多くが手作業で行われており、卓越した技術を持つ職人によって丁寧に作られています。
そして最後に、ブランドが長年培ってきた信頼性と価値が価格に反映されています。前述の通り、極地探検家や登山家といったプロフェッショナルたちに愛用され続けてきた実績は、他のブランドにはない絶対的な信頼の証です。
これらの理由から、カナダグースの価格は、その卓越した機能性と品質、そしてブランドの歴史そのものを体現していると考えられます。
最強の素材、”ARCTIC TECH”

カナダグースの多くのモデルでシェル素材として採用されている「ARCTIC TECH(アークティックテック)」は、ブランドの機能性を象徴する独自開発の生地です。この素材こそが、カナダグースが過酷な環境で信頼される理由の一つとなっています。
ARCTIC TECHは、ポリエステル85%とコットン15%を混紡した生地に、テフロン加工を施して作られています。この配合により、非常に高い耐久性を実現しており、岩肌や氷に擦れても簡単には破れないほどの頑丈さを誇ります。
カナダ本国では、親から子へと受け継がれて長く着用されることもあるほど、タフな素材として知られています。また、機能面では優れた防風性と保温性を発揮します。冷たい風の侵入をしっかりと防ぎ、内部の暖かさを逃しません。
さらに、テフロン加工によって撥水性も備えているため、雪や小雨程度であれば問題なく弾き、ダウンが濡れて保温性が低下するのを防ぎます。このように、ARCTIC TECHは耐久性、防風性、保温性、撥水性を高いレベルで兼ね備えた、まさに「最強」とも言える素材です。
この生地が、カナダグースのダウンジャケットを、あらゆる厳しい気象条件下で着用者を守るための信頼できるギアたらしめているのです。
独自配合の最高級ダックダウン。フィルパワーは650?
カナダグースの卓越した保温性の核となるのが、内部に充填されている高品質なダウンです。ブランドは、カナダのアルバータ州産を中心とした、最高級のダックダウンを使用することにこだわっています。
アルバータ州は、清浄な水と自然環境に恵まれた土地であり、そこで育つ水鳥からは、非常に高品質で保温性に優れたダウンが採取できます。ダウンの品質を示す指標の一つに「フィルパワー」という単位があります。これは、ダウンが持つ「かさ高さ」を数値化したもので、数値が高いほど多くの空気を含み、保温性が高くなります。
一般的に、600フィルパワー以上あれば良質なダウンとされ、700フィルパワー以上で高品質なダウンと見なされます。カナダグースの多くのモデルでは、625フィルパワーや675フィルパワーのダウンが使用されており、一部の軽量モデルではさらに高い750フィルパワーのダウンが採用されています。
重要なのは、単にフィルパワーの数値を追求するのではなく、各モデルの用途や設計に合わせて、ダウンとフェザーの配合を微調整し、最適な保温性と着心地を実現している点です。
「フィルパワーは650?」という疑問を持つ方もいるかもしれませんが、実際にはモデルによって最適なものが選ばれており、いずれも厳しい寒さに対応できる高品質なダウンが贅沢に使用されていると考えてよいでしょう。この厳選されたダウンが、カナダグースの伝説的な暖かさを生み出しています。
本格仕様ゆえに「重い」と感じるのはなぜ
カナダグースのダウンジャケットに対して、一部で「重い」という意見が見られます。この重さには、ブランドが追求する機能性と耐久性が深く関係しており、本格的な仕様の裏返しとも言えます。
重さを感じる主な原因は、シェル素材として使用されているARCTIC TECHにあります。前述の通り、この生地は極めて頑丈で耐久性が高いため、一般的なナイロン素材などと比較すると、どうしても生地自体の重量が増してしまいます。過酷な環境下での使用を想定しているため、軽量性よりも堅牢性を優先した結果なのです。
また、内部に充填されているダウンの量も理由の一つです。優れた保温性を確保するため、カナダグースはモデルに応じて十分な量の高品質ダウンを使用しています。この豊富なダウン量が、ジャケット全体の重量につながります。
ただし、カナダグースの全てのモデルが重いわけではありません。近年では、都市部での着用や、より軽快な着心地を求める声に応える形で、軽量なモデルも数多く展開されています。
例えば、後述する「アームストロング フーディー」などは、リップストップナイロンのような軽量素材を使用し、保温性を保ちながらも驚くほどの軽さを実現しています。
したがって、重いと感じるのは、主に極寒地仕様の本格的なモデルに見られる特徴です。もし軽さを重視するのであれば、そうした軽量モデルを選択することで、カナ-ダグースの品質と快適さを両立させることが可能になります。
カナダグースをおすすめしない場面とは:用途で考える

✅カナダグースのサイズ感。失敗しない選び方
✅街着のコーデならどう合わせるとオシャレ?
✅軽量なアームストロング フーディー
✅新作モデルのトロント ジャケット
✅まとめ:カナダグースをおすすめしない理由?
カナダグースのサイズ感。失敗しない選び方
カナダグースの購入で最もつまずきやすいのがサイズ選びです。海外ブランドであるため、日本の一般的な衣類とはサイズ感が異なり、普段と同じ感覚で選ぶと失敗してしまう可能性があります。後悔しないためには、フィットの種類と自身の体型を理解することが鍵となります。
カナダグースには、主に3つのフィット(規格)が存在します。
フィットの種類 | 特徴 | サイズ感の目安 |
---|---|---|
Regular Fit (レギュラーフィット) | 世界共通の標準規格。海外の方向けのサイズ感。 | 表記サイズより1〜1.5サイズ程度大きいイメージ。 |
Fusion Fit (フュージョンフィット) | 小柄なアジア人向けに開発された規格。 | 袖丈や着丈が短めで、日本人体型に合いやすい。 |
Japan Fit (ジャパンフィット) | 日本人の体型に合わせて作られた日本専用規格。 | スリムでスタイリッシュなシルエットが特徴。 |
標準体型の方
身長175cm前後で標準体型の方であれば、「Sサイズ」やフュージョンフィットのモデルがジャストサイズになることが多いです。インナーに厚手のものを着込むことを想定するならば、一つ上のサイズも選択肢に入りますが、基本的にはジャストサイズで着用する方が、ブランドが意図する美しいシルエットを活かせます。
小柄・細身の方
身長170cm以下で細身の男性の場合、「XSサイズ」やジャパンフィットのモデルが最適です。特にタイトな着こなしを好む方はXSサイズを選ぶと、すっきりとした印象で着用できます。店頭で見かける機会は少ないかもしれませんが、探してみる価値は十分にあります。
大柄な方
身長180cm以上のがっしりとした体型の方には、「Mサイズ」や「Lサイズ」が推奨されます。ダウン選びで重要なのは肩幅と胸囲です。ファスナーを閉めた際に、窮屈すぎず、かといって余りすぎないフィット感のものを選ぶことが大切です。
最も確実な方法は、やはり実際に店舗で試着することです。もしオンラインで購入する場合は、各モデルのサイズ表(肩幅、身幅、着丈、袖丈)を念入りに確認し、自身の持っているアウターと比較検討することをおすすめします。
街着のコーデならどう合わせるとオシャレ?

カナダグースは機能性だけでなく、その洗練されたデザインから街着としても絶大な人気を誇ります。ただ、ボリューム感があるため、着こなし方を間違えると野暮ったい印象になりかねません。お洒落に見せるには、全体のシルエットのバランスを意識することが何よりも大切です。
細身のボトムスでYラインシルエットを作る
最も簡単で効果的な方法は、細身のパンツを合わせることです。カナダグースのダウンジャケットは上半身にボリュームが出るため、ボトムスをスキニーパンツやスリムなスラックス、テーパードパンツなどで引き締めることで、アルファベットの「Y」のような美しいシルエットが完成します。
これにより、ダウンの存在感が引き立ちつつ、全体としてはスタイリッシュで都会的な印象を与えられます。
色数を抑えてシンプルにまとめる
カナダグース自体に強い存在感があるため、コーディネート全体の色数は抑えるのが無難です。ブラック、ネイビー、カーキといったベーシックカラーのダウンであれば、インナーやパンツもモノトーンや同系色で統一すると、洗練された大人の雰囲気を演出できます。
もしレッドなどの鮮やかなカラーのダウンを選ぶ場合は、他のアイテムをすべて黒でまとめるなど、主役を一つに絞る意識が重要です。
定番モデルをあえて避ける選択肢も
「ジャスパー」や「シャトー」といった定番モデルは非常に人気が高く、街で他の人と被ってしまうことも少なくありません。個性を出したいのであれば、あえてこれらのモデルを避け、「マクミラン」のようなショート丈でデザイン性の高いモデルや、ベストタイプの「フリースタイルクルーベスト」などを選ぶのも一つの手です。
周りと差がつくことで、よりお洒落な印象が強まります。これらのポイントを押さえることで、カナダグースを単なる防寒着としてではなく、冬のコーディネートの主役として格上げすることができるでしょう。
軽量なアームストロング フーディー

「カナダグースは重い」というイメージを覆すモデルが「アームストロング フーディー」です。このモデルは、ブランドが誇る高い保温性を維持しながらも、驚くほどの軽量性と快適性を実現しており、アクティブなシーンからタウンユースまで幅広く対応します。
最大の特徴は、その素材選びにあります。表地には、軽量でありながら引き裂き強度に優れた「フェザーライトリップストップナイロン」を採用。マットな質感が都会的な印象を与えます。さらに、摩耗しやすい肩や肘、脇下といった部分には、非常に丈夫なコーデュラナイロンを配置して補強しており、バックパックを背負う際なども安心です。
これにより、軽さと耐久性という、相反する要素を見事に両立させています。シルエットはスリムフィットで、すっきりとした見た目ですが、アームホール部分には伸縮性のあるパワーストレッチ素材を使用しているため、動きやすさも確保されています。
また、袖口は親指を通せるサムホール付きのリブ仕様になっており、フィット感を高めると同時に、袖からの冷気の侵入を防ぎます。
特筆すべきは、パッカブル機能です。左側のポケットにジャケット全体をコンパクトに収納できるため、旅行やアウトドアへの持ち運びにも非常に便利です。寒暖差の激しい場面でも、手軽に携帯し、必要な時にさっと羽織ることができます。
アームストロング フーディーは、カナダグースの伝統的な機能性を、現代のライフスタイルに合わせて再構築した、汎用性の高い一着と言えます。
新作モデルのトロント ジャケット

「トロント ジャケット」は、カナダグース発祥の地であるトロントに敬意を表して作られた、革新的な機能を持つモデルです。トロントの予測不可能な天候に対応するために設計されており、一つのジャケットで様々な気候に適応できる汎用性の高さが魅力です。
このジャケットの最大の特徴は、2層構造になっている点です。ダウンが充填されたアウターシェルと、軽量なダウンインナーシェルから構成されており、これらを重ね着することで、体感温度マイナス25度という極寒の環境にも耐えうる高い保温性を発揮します。
もちろん、それぞれを単独で着用することも可能です。気候が穏やかな日にはインナーシェルだけを、少し肌寒い日にはアウターシェルだけを羽織るなど、3WAYの着こなしが楽しめます。これにより、秋口から真冬、そして春先まで、非常に長い期間にわたって活躍させることが可能です。
ディテールにも都市生活を意識した工夫が見られます。ジャケットの側面にはサイドジップが備わっており、これを開けることで通気性を確保したり、座った際の裾のもたつきを解消したりできます。また、裾や腕周りにはリフレクターがデザインされており、夜間の視認性を高める安全面への配慮もなされています。
トロント ジャケットは、カナダグースが培ってきた最高の技術と、現代の都市生活者のニーズを融合させた、次世代のダウンジャケットと言えるでしょう。
まとめ:カナダグースをおすすめしない理由?
この記事で解説してきた通り、カナダグースは卓越した品質と機能性を持つブランドですが、万能というわけではありません。その真価を理解した上で選んでください。以下に、ポイントをまとめます。
•元々は極寒地のプロ向けに開発されたブランド
•エベレスト登頂に貢献した実績が品質を物語る
•高価格は高品質な素材と手作業による製造の証
•ARCTIC TECHは防風性と耐久性に優れた独自素材
•モデルによってフィルパワーは異なり最適な保温性を実現
•本格仕様のため一部モデルは重さを感じる可能性がある
•軽量性を求めるならアームストロングフーディーなどが選択肢
•日本人にはフュージョンフィットやジャパンフィットが合いやすい
•サイズ選びの失敗を防ぐには試着やサイズ表の確認が大切
•街着では細身のパンツと合わせるとバランス良く着こなせる
•軽量ダウンが必要な本格的な山岳クライミングには不向き
•汗をかくような激しいスポーツ時の着用には適さない
•カナダグースは街着や一般的なアウトドアでこそ真価を発揮する
•トロントジャケットのように都市生活を意識したモデルも存在する
•「おすすめしない」は使う人や目的によって変わり絶対ではない
•自分のライフスタイルに合う一着を選ぶことが後悔しない鍵