富士山の雄大な姿を眺めながらの登山、そして疲れを癒やす温泉。この贅沢な組み合わせを日帰りで楽しみたいと考えている方は多いのではないでしょうか。特に静岡県側は駿河湾とのコントラストやダイナミックな火口の造形など、他では味わえない絶景の宝庫です。
しかし、いざ計画を立てようとすると、初心者でも登れるルートはどこか、冬の積雪や路面凍結のリスクはどうなのか、あるいは駐車場の混雑状況が心配など、意外と悩みは尽きないものかなと思います。
筆者も以前は、どの山が自分に合っているのか、下山後にスムーズに温泉へ行ける動線はどう作ればいいのか迷った経験があります。
この記事では、静岡県内で富士山を望む絶景登山と日帰り温泉をセットで楽しむための具体的なルートや、安全のための装備、失敗しないためのタイムスケジュールについて詳しくお伝えします。読後には、あなたにぴったりの週末プランが明確に見えているはずですよ。
この記事でわかること
①初心者でも安心の富士山展望登山の名所
②冬の低山ハイクで注意すべき軽アイゼン装備
③週末の混雑を回避するための時間配分
④車なしでも楽しめる公共交通機関の活用術
富士山が見える日帰り温泉と低山ハイク:静岡の最適ルート

まずは、筆者が実際に歩いて「ここは間違いない」と感じた、静岡ならではの富士山展望ルートを厳選してご紹介します。各ルートの難易度や見どころを整理したので、自分の体力に合わせて選んでみてくださいね。
✅初心者でも安心な歩行時間と整備された登山道の魅力
✅越前岳や金時山で積雪や凍結に備える冬の必須装備
✅満車を避ける駐車場の混雑状況とおすすめの到着時間
✅カップルでのデートや女子旅に最適な絶景コース
初心者でも安心な歩行時間と整備された登山道の魅力
登山を始めたばかりの方や、体力にあまり自信がない方でも楽しめるのが静岡の低山の良いところです。例えば、浜石岳(標高707m)は、山頂付近まで車でアクセスできる「野外センター」を利用すれば、実質の歩行時間は片道20分から30分程度。(浜石岳ハイキングコース)
それにもかかわらず、山頂は360度の大パノラマが広がり、富士山だけでなく南アルプスや駿河湾まで一望できるんです。まさに「コスパ最強」の絶景スポットと言えますね。
また、西伊豆にある達磨山や金冠山も、整備された「アセビのトンネル」や芝生の道が続く、ハイキングに最適なコースです。標高差が少なく、スニーカーに近い感覚で歩ける場所も多いですが、階段状の登りはあるので、しっかりしたソールのある靴を推奨します。(西伊豆・達磨山や金冠山:ヤマケイ)
こうした「歩行時間が短く、道が明瞭」な場所を選ぶことが、日帰り旅を成功させる秘訣かなと思います。

体力に自信がなくても楽しめる「ズルい」絶景術
静岡の山々の特徴は、中腹まで車道が通っているケースが多いことです。例えば浜石岳なら、由比駅から歩けば往復6〜7時間のハードな登山になりますが、山頂下の駐車場を使えば「お散歩気分」で日本屈指の展望を手に入れることができます。
これはずるい手法ではなく、限られた日帰り時間の中で温泉やグルメを楽しむための賢い戦略です。登山=苦しいものという固定観念を捨てて、まずは「景色を楽しむための移動」として登山を捉えてみるのが、初心者の方が継続して楽しむコツかもしれませんね。
筆者のワンポイント:初心者のうちは、登りの累計標高差が500m以内のルートを選ぶと、筋肉痛を最小限に抑えつつ、下山後の温泉を心ゆくまで楽しめますよ。
さらに、静岡の低山は「表富士」と呼ばれる、宝永火口がハッキリ見えるダイナミックな富士山の姿を拝めるのが特権です。
山梨側(裏富士)の左右対称な優美さも素敵ですが、荒々しい山肌を感じられるのは静岡ならでは。整備された登山道といえど、木の根や小石はありますので、くるぶしまで守れる登山靴を履いていくと、捻挫のリスクを減らせて安心です。
越前岳や金時山で積雪や凍結に備える冬の必須装備

冬は空気が澄んで富士山が最も綺麗に見える季節ですが、静岡の山でも1,000mを超えると積雪や凍結のリスクが一気に高まります。特に愛鷹山塊の最高峰である「越前岳(1,504m)」や、箱根外輪山の「金時山(1,212m)」は、1月から2月にかけて登山道がアイスバーン状態になることが珍しくありません。(YAMAP:越前岳)
「低山だから大丈夫」と油断するのは禁物です。気温が低い日は、日中に溶けた雪が夜間に凍り、朝方にはカチカチの氷の斜面になっていることがあります。
転倒して滑落や怪我をしないためにも、アイゼン等の装備は絶対に妥協しないでください。特に越前岳の「富士見台」付近や金時山の山頂直下は、急な斜面が多いため、しっかりとしたグリップ力が必要になります。(YAMAP:金時山)
| 装備品 | 選定のポイント | 重要度 |
|---|---|---|
| チェーンスパイク・軽アイゼン | 4〜6本爪のもの。脱着が簡単なゴムバンド式が初心者にはおすすめ。 | 必須 |
| 防水透湿登山靴 | ゴアテックス等。雪が靴の中に染みると、足先が凍えて行動不能になります。 | 必須 |
| 登山用ゲイター | 靴とパンツの間からの雪の侵入を防ぐ「泥除け」の役割。 | 推奨 |
| 吸汗速乾アンダーウェア | 化学繊維やウール素材。綿は汗冷えを招き低体温症のリスクに。 | 絶対条件 |
低体温症を防ぐ「レイヤリング」の知識
冬の日帰り登山で怖いのは、歩いている時の「暑さ」と、立ち止まった瞬間の「冷え」です。風速1mごとに体感温度は1度下がると言われており、山頂で記念撮影をしている数分の間に体温が奪われます。
そこで重要なのが、こまめに脱ぎ着して体温調節をするレイヤリング(重ね着)です。筆者は、休憩中にさっと羽織れるコンパクトなダウンジャケットを常にザックの出しやすい場所に入れています。
また、保温ボトルに熱いお茶やコーヒーを入れて持っていくと、内臓から温まることができるので本当におすすめですよ。
冬山登山の安全については、装備だけでなく当日の気象情報の確認も不可欠です。最新の登山道の状況は、SNSの投稿や登山アプリの記録をチェックするのが一番確実かもしれませんね。
初心者の方は、前日に雨や雪が降った場合は無理をせず、平地に近い薩埵峠などに目的地を変更する柔軟さも持っておきましょう。
満車を避ける駐車場の混雑状況とおすすめの到着時間
せっかく静岡まで来たのに、登山口の駐車場がいっぱいで立ち往生……なんて事態は避けたいですよね。人気の十里木高原駐車場(越前岳)や乙女峠周辺(金時山)は、週末の晴天日ともなると、午前8時前には満車になってしまうことがよくあります。
特に十里木高原は、登山者だけでなく富士山の写真を撮るためだけに訪れる方も多いため、夜明け前から埋まっていることも珍しくありません。
筆者のおすすめは、「午前7時30分までの現地到着」です。少し早いと感じるかもしれませんが、早朝のキリッとした空気の中で登り始めるほうが富士山も鮮明に見えますし、
何より駐車場探しのストレスから解放されます。また、お昼頃に下山することで、ちょうど温泉施設が混み始める前の時間を狙えるという、まさに「三方よし」のスケジュールが組めるんです。

駐車トラブルを防ぐための事前準備
もし、目的の駐車場が満車だった場合の「プランB」を用意しておくのもベテランの知恵です。
- 十里木高原の場合:少し離れた場所にある路肩スペース(駐車禁止でないか確認必須)や、やや離れた展望ポイントへ目的地を変更する。
- 乙女峠・金時山の場合:御殿場駅周辺の有料駐車場に停め、バスで登山口に向かう。この方法は確実性が高く、筆者もよく利用します。
現地でのタイムロスは、その後の温泉やランチの時間に大きく響きます。駐車場の収容台数や、ヤフーマップの最新のクチコミを確認して、リアルな混雑傾向を掴んでおくといいですよ。
特に紅葉シーズンやゴールデンウィークは、さらに1時間前倒しするくらいの気概が必要です。
注意:登山口付近での路上駐車は、緊急車両の通行妨害や近隣住民への迷惑になります。必ず指定の駐車場を利用し、満車の場合は潔く別の山へ向かうか、公共交通機関への切り替えを検討しましょう。
カップルでのデートや女子旅に最適な絶景コース
「ガッツリ登山というよりは、お洒落に景色を楽しみたい」という方には、薩埵(さった)峠がぴったりです。ここは標高こそ低いものの、歌川広重の浮世絵にも描かれた「富士山と海と東海道」が重なる、まさに日本を代表する構図が楽しめます。(静岡市:薩埵(さった)峠)
2025年1月22日に遊歩道の復旧工事が完了し、待ちに待った展望台への立ち入りが可能になったのも、今が旬のホットなニュースですね。
ハイキングの後は、近くの由比港で新鮮な桜えびを堪能し、その足で御殿場方面の温泉へ向かう……。そんな贅沢な1日を過ごせます。
また、西伊豆の達磨山へと続く稜線歩きも、まるで海外のスカイラインを歩いているような開放感があり、360度の青空と富士山のコントラストは写真映えすること間違いなし。女子旅なら、お気に入りの山ごはんを作って山頂で楽しむのも最高ですよ。
「映え」と「癒やし」を両立させるコツ
こうしたデート登山の成功の秘訣は、相手の体力を考慮した「ゆとりある設計」です。筆者の経験上、最初から急登があるルートよりは、薩埵峠のようにフラットな区間が多い場所のほうが会話も弾みます。
また、途中にトイレがあるか、道中に泥濘みがないかといった細かい情報が、同行者の安心感に繋がります。下山後に向かう温泉施設に「美肌の湯」や「お洒落なレストラン」が併設されているかどうかも、プラン全体の満足度を左右する大きなポイントになるかなと思います。
もし時間に余裕があれば、御殿場プレミアム・アウトレットでのショッピングを旅の終わりに組み込むのもいいですね。登山装備をチェックしながら、最新のアウトドアウェアを物色するのも、このエリアならではの楽しみ方です。
静岡の山は、ただ登るだけではない「観光」としての側面が非常に強いので、ぜひ自由に組み合わせてみてください。
富士山が見える日帰り温泉と低山ハイク:静岡で満喫する計画術

山を下りた後の後半戦、ここからは登山の疲れを極上のリラックスへと変える温泉選びと、効率的なタイムスケジュールについて深掘りしていきましょう。静岡には「富士山を見るため」に設計された素晴らしい施設が揃っています。
✅木の花の湯や湯~トピアかんなみの露天風呂と泉質
✅下山後に立ち寄れる御殿場周辺の利便性の高い施設
✅薩埵峠の復旧情報と公共交通機関を活用したアクセス
✅まとめ:富士山が見える日帰り温泉と低山ハイク・静岡編
木の花の湯や湯~トピアかんなみの露天風呂と泉質
筆者が特にお気に入りなのが、御殿場プレミアム・アウトレット内にある「公式:木の花の湯」です。ここの露天風呂は圧巻の一言。
特に幅約10メートルの展望風呂や、深さ130cmの「立ち湯」に浸かりながら眺める富士山は、余計なものが一切目に入らず、まるで自分が風景に溶け込んだような没入感を味わえます。弱アルカリ性の泉質は「美肌の湯」としても知られ、登山の後の乾燥した肌を優しくケアしてくれます。
一方、伊豆方面の登山帰りに便利なのが「湯~トピアかんなみ」です。町営施設なので料金がリーズナブル(大人700円〜)ながら、広大な露天風呂からは富士山や箱根山系を贅沢に望めます。
ここは広大な無料休憩室(畳敷き)があり、登山の疲れを文字通り横になって癒やすことが可能です。また、地元産の粉を使った手打ちそばが非常に美味しく、失ったエネルギーを補給するのに最適なんですよ。

温泉選びのチェックリスト:
・露天風呂から富士山が正面に、遮るものなく見えるか
・登山後の筋肉疲労に効果的な泉質(ナトリウム塩化物泉など)か
・お風呂上がりにゆっくり横になれる休憩スペースがあるか
温泉でのマナーとリカバリーの秘訣
登山後、汗だくのまま湯船に浸かるのは当然マナー違反ですが、冷えた体をいきなり熱いお湯に入れるのも心臓に負担がかかります。まずは「かけ湯」で体を慣らし、足を重点的にマッサージしながら入浴すると、翌日の筋肉痛が和らぐと言われています。
筆者は、脱衣所にある冷水機でしっかり水分を補給することも忘れないようにしています。静岡の温泉は成分が濃厚な場所も多いため、長湯による「湯あたり」にも注意しながら、15分〜20分程度の分割入浴を心がけると、より効果的に疲れが取れるかなと思います。
また、これらの施設は非常に人気があるため、可能であれば「15時前」までに入館することをおすすめします。それ以降は、一般の観光客が押し寄せ、洗い場を待つことになるケースも多いからです。早出早帰りの登山スケジュールは、温泉をゆったり楽しむためにも合理的な選択と言えますね。
下山後に立ち寄れる御殿場周辺の利便性の高い施設
御殿場エリアは、金時山や越前岳、愛鷹山塊からのアクセスが非常に良く、まさに「登山の聖地」とも呼べる温泉の激戦区です。
乙女峠の中腹にある「富士八景の湯」は、金時山登山口のすぐそばという最高の立地。内湯の大きな窓からも富士山がドーンと見えるので、天候が悪くても「富士山を見た!」という満足感を得られます。
3時間利用設定が登山者の滞在時間に絶妙にフィットしている点も、筆者がここを高く評価する理由の一つです。(御殿場市観光協会:富士八景の湯)
また、富士宮市側まで足を伸ばすなら「天母(あんも)の湯」も外せません。1時間利用という短時間設定(410円〜)は、忙しい日帰り旅にはありがたい存在。(富士宮市観光協会:天母(あんも)の湯)
薬湯や檜風呂、ジェットバスなど、筋肉疲労に効く浴槽がコンパクトにまとまっており、コスパ重視の登山者にはたまらない施設です。ここからの夜景も非常に美しく、冬場の下山後なら宝石を散りばめたような富士宮市街の明かりを楽しむことができますよ。
| 施設名 | 特徴 | 大人料金目安 | 登山ルートとの相性 |
|---|---|---|---|
| 木の花の湯 | 高級感・圧倒的展望 | 1,700円〜 | 足柄峠・金時山 |
| 富士八景の湯 | 登山口至近・天然温泉 | 1,000円〜 | 金時山(乙女峠) |
| 天母の湯 | 格安・薬湯・夜景 | 410円〜 | 富士宮口・天子ヶ岳 |
| 風の湯 | バナジウム温泉 | 900円〜 | 朝霧高原周辺 |
なお、正確な営業時間や定休日は季節によって変動することがあるので、必ず公式サイト等で最新情報を確認するようにしてくださいね。特に、メンテナンスによる臨時休業に当たってしまうと悲しいので、筆者はいつも車の中でスマホを使って最終確認をしています。
注意:週末の夕方は東名高速道路の渋滞が激しくなります。温泉でゆっくりしすぎると、帰りの運転でさらに疲れてしまう可能性も。16時頃には現地を出発するスケジュールが理想的です。
薩埵峠の復旧情報と公共交通機関を活用したアクセス

「車を持っていないけれど、富士山登山を楽しみたい」という方もご安心を。静岡には公共交通機関でアクセスしやすいスポットが意外とあります。先ほど触れた薩埵(さった)峠は、JR由比駅から徒歩で行ける希少な絶景ポイントです。
また、金時山もJR御殿場駅から「乙女峠」方面へのバスが頻繁に出ており、初心者でも迷わずアプローチ可能です。
特筆すべきは、2022年の台風の影響で長らく閉鎖されていた薩埵峠の遊歩道が、2025年1月に全面復旧したことです。これにより、JR由比駅から峠を越えてJR興津駅へと抜ける、約3時間の歴史ハイキングが再び楽しめるようになりました。
このルートはアップダウンが緩やかで、常に右手に海と富士山を感じながら歩けるため、筆者も友人を案内する際によく利用する「鉄板ルート」です。
電車登山のメリット:地元の味とアルコール
車を使わない最大のメリットは、下山後にお酒を楽しめることです。由比駅から徒歩数分の場所には、地元の名産「桜えび」をかき揚げや刺身で提供する店が軒を連ねています。
(出典:農林水産省「うちの郷土料理:桜えびのかき揚げ」)
登山の心地よい疲れとともに、静岡の地酒と桜えびを堪能するのは、まさに大人の休日。重い荷物を背負う必要がない薩埵峠のようなコースなら、電車でのアクセスは非常におすすめです。
ただし、バスの運行本数が少ないエリア(達磨山など)では、事前に時刻表をスマホに保存しておくなど、乗り遅れ対策を万全にしておきましょう。また、富士山周辺は「富士山世界遺産センター」などの文化施設も充実しています。
(静岡県:富士山世界遺産センター)・(山梨県:富士山世界遺産センター)
登山とセットでこうした施設を巡ることで、富士山に対する理解が深まり、ただ「綺麗だった」だけで終わらない、深みのある旅になるかなと思います。公共交通機関を使いこなすことで、静岡の旅のバリエーションは無限に広がりますよ。
まとめ:富士山が見える日帰り温泉と低山ハイク・静岡編

静岡県で楽しむ富士山が見える日帰り温泉や低山ハイクは、心身ともにリフレッシュできる最高の休日プランです。越前岳や金時山のような本格的な山から、薩埵峠や浜石岳のような手軽な絶景スポットまで、自分のスタイルに合わせて選べる懐の広さが魅力ですね。
ただし、冬場の装備(軽アイゼンやレイヤリング)には十分注意し、現地の気象条件や混雑状況を事前に把握しておくことが、安全で楽しい山行の鍵となります。
筆者としては、まずは難易度の低いコースから始めて、静岡の「温泉・絶景・食」のサイクルをぜひ体験してみてほしいなと思います。一度あの山頂からの富士山を見て、その後に露天風呂で足を伸ばす快感を覚えてしまうと、もう病みつきになってしまいますよ。
この記事が、あなたの週末を彩る最高の富士山体験の助けになれば幸いです。
最後に:山での行動は自己責任が原則です。当日の天候変化や体調には常に気を配り、少しでも「危ない」と感じたら引き返す勇気を持ってください。安全第一で、素晴らしい静岡の自然を満喫してくださいね!それでは、気をつけて行ってらっしゃい!


