こんにちは、リュウセイです。富士山といえば夏の風物詩ですが、閉山したあとの静かな山頂に憧れる人も多いですよね。でも、ネットで調べてみると富士山の閉山後の登山が違法ではないかという声や、遭難事故のニュースをよく目にします。
実際のところ、閉山期間中に山に入るのは法律や条例でどう決まっているのか、登山届の提出義務や冬山特有の危険性など、気になるポイントがたくさんあるかなと思います。筆者も装備や安全については常に慎重に考えていますが、近年のルール変更はかなり複雑です。
この記事では、富士山における閉山後の登山が違法性に触れるのかどうかや、2024年以降の新しい規制、および行政的な措置に関する最新情報を、筆者の視点でお伝えしていきますね。
この記事でわかること
①閉山後に通行することが法的にどう扱われるか
②山梨と静岡で異なる最新の条例や登山届
③冬の富士が日本最大の滑り台と呼ばれる危険性
④遭難した際の救助費用や山岳保険の注意点
富士山の閉山後の登山は違法?法的根拠を解説!

まずは一番気になる「法律的にアウトなのか」という部分について見ていきましょう。富士山は閉山期間に入ると全てのルートが通行止めになりますが、これが単なるお願いなのか、それとも罰則がある強制力を持ったものなのか、詳しく深掘りしてみます。
✅道路法に基づく通行止めと罰則の対象
✅山梨県条例による冬期の登山届提出義務化
✅閉鎖された山小屋への無断立ち入りと住居侵入罪
✅静岡県側で導入された事前登録制度と入山料の義務

道路法に基づく通行止めと罰則の対象
富士山の五合目から山頂までの登山道は、実は法律上「道路」として管理されているんです。
そのため、道路管理者は道路法第46条第1項に基づいて、災害防止や交通の危険防止のために通行禁止の措置を講じることができます。この通行禁止は、単なる行政からの呼びかけではなく、法的な強制力を伴うものです。
行政当局や警察の公式見解でも、この道路法に基づく規制は明確な法的根拠を持っており、違反した場合には「6ヶ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金」という刑事罰が科される可能性が示唆されています。
もちろん、実態として登山口にいるすべての人を現行犯逮捕するような運用は稀ですが、遭難して救助された後に、この法律違反を根拠とした厳しい処分が検討されるリスクは否定できません。
道路法第46条に基づく規制のポイント
- 対象区間:富士山五合目から山頂まで
- 法的根拠:道路法第46条第1項(道路の構造保存および危険防止)
- 罰則規定:30万円以下の罰金など刑事罰の対象
また、登山口に設置された物理的なゲートを乗り越えたり、看板を損壊したりして侵入する行為は、道路法とは別に「器物損壊罪」や「業務妨害罪」に問われる可能性もあります。
筆者としては、ルールを破ってまで入山することは、法治国家としての日本で非常に重いリスクを背負うことになると感じています。詳しい規制の詳細は「(出典:静岡県・富士宮市公式サイト『富士山閉山期間中の登山禁止について』)」などの一次情報を必ず確認してくださいね。
山梨県条例による冬期の登山届提出義務化

2024年以降、富士山の管理体制は「自己責任」のグレーゾーンから、明確な「義務と違反」のフェーズへと移行しました。特に山梨県側では「山梨県富士山における登山の適正化に関する条例」が強化され、12月1日から3月31日までの厳冬期において、標高3,000m以上を目指す登山者に対して登山届の提出を義務化しました。(出典:富士吉田市観光ガイド)
この条例が画期的なのは、これまでの「自粛要請」という曖昧な表現ではなく、提出を「義務」とした点です。義務化されている期間中に届け出なしで入山することは、法令遵守の観点から明白な過失となります。
もし指示に従わない場合には、5万円以下の過料(行政罰)が科される規定もあり、自治体の本気度が伺えます。筆者も装備を整える前に、まずはこの「手続きという装備」を忘れないことが、現代の登山者のマナーかなと思います。
また、山梨県側では「富士登山適正化指導員」が巡回しており、不適切な登山者に対しては強い口調で指導や下山勧告を行う体制が整っています。夏場の観光登山の延長で閉山後に入ろうとすれば、厳しい現実が待っていることを覚悟しなければなりません。
閉鎖された山小屋への無断立ち入りと住居侵入罪
閉山期間中の富士山において、登山者がやりがちな「法的なアウト行為」に、閉鎖された山小屋の利用があります。冬の富士山は風速が30m/sを超えることも珍しくなく、あまりの寒さに耐えかねて、山小屋の軒先や物陰に避難しようとする心理はわかります。
しかし、山小屋は私有財産であり、閉山期は完全に閉鎖されています。窓ガラスを割って中に入るのは論外ですが、鍵のかかっていない隙間から入り込んだり、敷地内に無断でテントを張ったりする行為は、刑法第130条の「住居侵入罪(建物侵入罪)」に該当する恐れがあります。
管理者が不在だからといって、「緊急避難」という言い訳が常に通用するわけではありません。特に富士山のような特殊環境では、不法侵入によって建物が破損したり、火災が発生したりするリスクを避けるため、所有者は非常に敏感になっています。
また、山小屋周辺に排泄物を放置する行為も、環境保護の観点だけでなく、軽犯罪法や廃棄物処理法に抵触する可能性があります。閉山後の富士山には「借りられる場所」は一つも存在しないという現実を、しっかりと認識しておく必要がありますね。

静岡県側で導入された事前登録制度と入山料の義務
山梨県だけでなく、静岡県側(富士宮・御殿場・須走ルート)の動きも活発です。2025年からは、富士山のオーバーツーリズム対策と安全確保を目的として、新しい入山管理システムが本格導入されました。
登山者は「静岡県FUJI NAVI」などを通じて、事前に入山登録を行い、保全やマナーに関するeラーニングを修了することが求められています。さらに注目すべきは、1人4,000円の入山料(通行料)の支払い義務化です。
これは夏山シーズンを主眼に置いたものですが、閉山期であっても「安全で快適な富士登山の実現」という通年的な目的のもとに運用されています。閉山後にこれらの手続きを無視して入山することは、山を管理する自治体や地元住民との信頼関係を根底から覆す行為です。
静岡県側の新規制(2025年〜)の内容
- 事前登録:オンラインシステムによる入山予約
- eラーニング:富士山のルールやマナーの事前学習
- 入山管理料:1人4,000円の支払い義務
静岡県側でも、午後2時から翌午前3時までの時間帯は山小屋宿泊者以外の入山が厳しく制限されています。閉山期は山小屋が営業していないため、実質的に夜間の行動はすべて「ルール違反」となる可能性が高いです。
筆者としては、こうした厳しい規制が生まれる背景には、これまでの無謀な登山者による事故やトラブルが積み重なった結果があるのだと感じています。詳細は、公式の最新情報をチェックしてみてくださいね。
富士山の閉山後の登山は違法?命のリスクと自己負担

法律の問題もさることながら、筆者が最も強調したいのは「物理的な危なさ」です。夏の富士山とは全く別次元の、死と隣り合わせの環境がそこにはあります。安易な気持ちで近づくことがどれほど無謀か、具体的なリスクを見ていきましょう。
✅滑落のリスクが高いアイスバーンと暴風の脅威
✅救助費用の自己負担や高額な民間捜索費の実態
✅万が一の遭難時に山岳保険が適用されない可能性
✅まとめ:富士山の閉山後に登山するのは違法?
滑落のリスクが高いアイスバーンと暴風の脅威

冬の富士山が、熟練のアルピニストですら恐れる理由は、その特殊な地形と気象にあります。独立峰である富士山には、遮るものがないため猛烈な強風が吹き荒れます。
風速が1m/s増すごとに体感温度は約1度下がると言われており、実気温がマイナス30度で風速30m/sなら、体感温度はマイナス60度という、もはや宇宙空間のような過酷さです。

この強風によって雪が飛ばされ、斜面は「ブルーアイス」と呼ばれる極めて硬く凍結した氷に覆われます。これが「日本最大の滑り台」と呼ばれる正体です。
このアイスバーンで一度足を滑らせれば、制動不能のまま時速100km近いスピードで滑り落ち、途中の岩場に激突して命を落とします。一般登山者が使う12本爪のアイゼンやピッケルですら、刃が立たないほど氷は硬くなっています。
ベテラン登山家も、「冬の富士山は、登攀技術よりも、その場に立っていられるかどうかの耐風勝負になる」と言っていました。最新のレイヤリングや高級な装備を揃えても、自然の猛威の前では無力であることを痛感します。決して「夏に登れたから冬も大丈夫」なんて思わないでくださいね。
救助費用の自己負担や高額な民間捜索費の実態

「もし遭難しても、警察が助けてくれるでしょ?」と考えるのは非常に危険です。
近年、無謀な登山による遭難事故が増加したことを受け、救助コストを税金で賄うことへの批判が高まっています。その結果、受益者負担(救助の有料化)に向けた動きが加速しています。
警察や消防の救助隊だけでは対応できない場合、地元の山岳会などの「民間救助隊」に協力が依頼されます。この場合、発生する費用はすべて遭難者の自己負担です。
隊員1人あたり1日数万円の日当に加え、特殊な機材や搬送費が加算されます。例えば、5人の隊員が3日間捜索するだけで、人件費だけで数十万円、総額では100万円を超える請求が届くこともあります。
| 救助項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 民間救助隊日当 | 1人 2万〜5万円 / 日 | 複数名で数日間活動するのが一般的 |
| 警察ヘリ出動 | 数万円〜(燃料費の一部) | 山梨県や埼玉県などで有料化が進行中 |
| 民間ヘリチャーター | 50万〜80万円 / 1回 | 民間機が必要になった場合の平均額 |
さらに、低温下ではスマートフォンのバッテリーの放電が極端に早まり、救助要請そのものができない事態も想定されます。経済的な破滅と、命の喪失。閉山後の登山には、その両方のリスクが常に付きまといます。
万が一の遭難時に山岳保険が適用されない可能性

「自分は山岳保険に入っているから大丈夫」という考えも、過信は禁物です。保険契約には必ず「免責条項(保険金が支払われない条件)」があります。
特に、道路法や条例で「通行禁止」とされている期間・区域での事故は、登山者の「重大な過失」や「不法行為」とみなされ、保険金の支払いが拒絶されるケースがあります。
多くの一般的なレジャー保険では、アイゼンやピッケルを使用する「本格的な雪山登山」を危険な運動として除外しています。たとえ高額な専門の山岳保険であっても、冬期の富士山という極限環境がカバー範囲内かどうか、個別の特約を詳細に確認しなければなりません。
筆者としては、法を犯して登っている状況で「助けて、さらにお金も出して」というのは、保険会社としても首を縦に振りづらいだろうな、と感じます。
保険に関するチェックポイント
- 「ピッケル・アイゼンを使用する登山」が対象に含まれているか
- 「通行禁止区域」での遭難が免責事項になっていないか
- 捜索救助費用が最低でも300万円〜500万円以上設定されているか
保険が降りなければ、先ほど挙げた高額な救助費用はすべて貯金から支払うか、家族に負わせることになります。最終的な判断や契約内容の確認は、必ず保険会社や専門家にご相談ください。安全を買うための保険が、ルール違反によって紙屑にならないよう注意が必要です。
まとめ:富士山の閉山後に登山するのは違法?

さて、ここまで「富士山の閉山後の登山は違法か?」というテーマで、法的・物理的・経済的な側面から詳しくお伝えしてきました。筆者の見解としては、閉山後の富士登山は、法的・安全面・社会的責任のすべての観点において、決して行うべきではないという結論に達します。
道路法第46条による通行禁止は明確な法的根拠を持ち、山梨県の条例による登山届の義務化も進んでいます。そして何より、インフラが全て閉鎖された「マイナス60度の世界」は、人間の生存を許さない極限環境です。
山小屋のトイレすら使えない状況で、環境を汚染しながら、救助隊員の命を危険にさらしてまで登る価値が、そこにあるでしょうか。
富士山を愛する登山者であればこそ、山を敬い、ルールを守ることが、世界遺産としての富士山を次世代へ繋ぐことに繋がります。
もし冬の景色を楽しみたければ、公式な冬山ガイドツアーに参加するか、山麓の展望スポットからその雄姿を眺めるのが、最も誠実な楽しみ方かなと思います。自分自身の命、そして大切な家族や社会への影響を最優先に考え、賢明な判断を下してくださいね。
この記事のまとめ
- 閉山後の通行は道路法第46条に基づく刑事罰の対象になり得る
- 山梨県側では12月〜3月の登山届提出が条例で義務化されている
- 冬の富士山は「日本最大の滑り台」であり、滑落は死に直結する
- 遭難時の救助費用は高額で、ルール違反時は保険が降りないリスクがある
この記事が、皆さんの安全な登山ライフの助けになれば幸いです。もしルールや装備について不安がある方は、まずは開山期間中にしっかりと準備をして挑戦することをおすすめします!

※この記事に含まれる法律や救助費用の情報は執筆時点のものであり、変更される可能性があります。正確な最新情報は山梨県・静岡県警察や自治体の公式サイト、または法的な専門家へご確認ください。<<※全ての情報は【富士登山オフィシャルサイト】で確認できます。>>


