LEKIのトレッキングポールが締まらない?原因別の直し方とメンテ術

LEKIトレッキングポールが締まらない時の現場での直し方とメンテナンスの極意をまとめたスライドの表紙。トレッキングポール
スポンサーリンク

せっかくの登山中にLEKIのトレッキングポールが締まらない状態になると、バランスを崩しやすくなって本当に焦りますよね。特に急な下り坂でポールに体重をかけた瞬間にスルスルと縮んでしまうのは、転倒のリスクもあってかなり危険です。

こうした固定できないトラブルや空回りする現象は、実はちょっとしたコツや正しいメンテナンス知識があれば自分でも解決できることが多いんです。

この記事では、シャフトが空回りしてロックがかからない時の具体的な直し方や、スピードロックの調整方法、さらには長く愛用するための保管のコツまで詳しくお伝えします。正しい対処法を知って、次の山行を安全に楽しんでくださいね。

この記事でわかること

①スーパーロック(SLS)が空回りした時の分離と復旧
②スピードロック(SPD)のスリップを防ぐダイヤル調整
③白サビや油分を取り除くための洗浄メンテナンス
④パーツの交換サインと正規代理店への修理相談

LEKIのトレッキングポールが締まらない:原因と対策

SLS(スーパーロック)とSPD(スピードロック)のタイプ別に、空回りや縮む原因を解説した比較スライド。
ロッキングシステムのタイプ別原因診断

LEKIのポールが固定できなくなるトラブルには、内部でパーツが空回りしているケースと、外側のレバーの締め付けが足りないケースの2パターンがあります。それぞれの仕組みに合わせた対処法を見ていきましょう。

①スーパーロック(SLS)が空回りした時の分離と復旧
②スピードロック(SPD)のスリップを防ぐダイヤル調整
③白サビや油分を取り除くための洗浄メンテナンス
④パーツの交換サインと正規代理店への修理相談

登山・トレッキング装備完全ガイド:初心者入門イメージ

SLSの空回りを直すエキスパンダーの調整方法

内回転式の「スーパーロックシステム(SLS)」を使っている時、いくら回しても手応えがなく「無限にくるくる回る」状態になることがあります。

これは故障ではなく、内部のオレンジ色(モデルにより緑や赤)の樹脂パーツ、通称「エキスパンダー」がシャフトの内壁に接触せず、ネジと一緒に共回りしてしまっているのが原因です。筆者も初めてこれに遭遇した時は「壊れた!」と思いましたが、実は構造を理解すれば現場ですぐに直せるんですよ。

空回りを解消する具体的なステップ

SLS(内回転式)ポールのシャフトを引き抜き、オレンジ色のエキスパンダーを手で広げて摩擦を復活させる手順の図解
SLSシステムの空回りを直す3ステップ

まず、ロックがかからない状態のまま、シャフトを「STOP MAX」ラインを越えて真っ直ぐ引き抜いてみてください。もし固くて抜けない場合は、軸線方向に沿ってグッと力を入れるのがコツです。

引き抜くと、先端に樹脂製のエキスパンダーが付いたネジが現れます。このパーツを指で少しだけ外側に広げてから、再びシャフトに差し込みます。

これだけで、内壁との摩擦が復活し、回転させた時にエキスパンダーが内壁に食いつき、ネジ山に沿ってパーツがせり上がって(拡張して)固定されるようになります。

SLS復旧のポイント
・シャフトを真っ直ぐ引き抜く(ひねらない)
・オレンジ色のパーツを軽く手で広げる
・ネジの初期位置(黒い突起付近)にパーツがあるか確認する

また、内部のウィングナット(ロケット)と呼ばれる小さな部品が、無理な締め込みによってネジ山を潰してしまっている場合も、同様に空回りが発生します。この場合はセルフケアでの調整が難しいため、後述するパーツ交換を検討しましょう。

SLSは世界最高レベルの保持力を誇るシステムですが、その分「摩擦」に対して非常にデリケートな一面を持っています。急峻な地形で信頼性を発揮させるためにも、この「手動調整」はぜひ覚えておきたいテクニックですね。

内部の汚れや錆を落とすシャフトの清掃手順

長年愛用していると、シャフトの内部に泥や砂、そしてアルミ特有の「白サビ」が発生します。

アルミの腐食(白サビ)や泥がこびりついたシャフト内部の断面写真と、清掃メンテナンスの重要性の解説。
シャフト内部に溜まった白サビと汚れの様子

これが実は「締まらない」トラブルの隠れた主犯格。内部に白い粉のようなものが溜まると、エキスパンダーが滑ってしまったり、逆に固着して動かなくなったりします。

筆者の経験上、現場でトラブルが起きる多くの原因は、この内部の汚れに起因しています。登山後のわずか数分の清掃で、次回のトラブルは劇的に減らせるんです。

プロも実践する内部清掃のやり方

まずは全てのシャフトをバラバラに分解しましょう。そして、長い棒状のブラシ(哺乳瓶洗い用や専用ブラシ)を使って、シャフトの内壁を優しく、かつしっかりとこすり落とします。

特に下段シャフトの内部は泥が侵入しやすいため念入りに行いましょう。乾いた布を棒に巻き付けて、内側の水分と汚れを完全に拭き取るのが理想的です。

頑固な白サビの落とし方
どうしても落ちない白サビがある場合は、スチールウールを細い棒の先に巻き、内部を軽く研磨するようにこすってみてください。金属表面が滑らかになれば、エキスパンダーの樹脂が均一に密着し、本来の強力なロック機能が復活します。ただし、削りすぎると内径が変わってしまうので、力加減には注意してくださいね。

こうしたメンテナンスは、単に「締まるようにする」だけでなく、ポールの寿命そのものを延ばすことにも繋がります。

特に海辺に近い山や、雪山で使用した後は塩分や湿気の影響を受けやすいため、帰宅後すぐに清掃する習慣をつけるのがベストです。清潔な状態を保つことが、LEKIの高いパフォーマンスを維持する一番の近道かなと思います。

油分は厳禁!脱脂洗浄による固定力の回復

スプレー式の潤滑剤に禁止マークがついたイラスト。「摩擦力」で止まるポールにオイルを塗ると滑落事故に繋がる警告。
潤滑剤使用禁止の警告

「動きが渋いから」といって、玄関にあるような防錆潤滑剤(WD-40やKURE 5-56など)をシャフトやエキスパンダーに吹きかけるのは絶対厳禁、最大のタブーです。

LEKIのポールは、シャフト内壁と樹脂パーツが「乾いた状態で擦れ合う摩擦力」だけで体重を支えています。ほんの少しの油分が付着するだけで、どんなに腕力で強く締め上げても、斜面で体重を乗せた瞬間にストンと縮んでしまいます。これは命に関わる重大な事故に直結しかねません。

もし油分をつけてしまったら?

もし良かれと思ってオイルを塗ってしまった場合は、早急に「脱脂作業」を行ってください。市販のパーツクリーナー(プラスチックを傷めないタイプ)をシャフト内部に吹き付けるか、中性洗剤を濃いめに溶かしたお湯で内部パーツを徹底的に洗浄します。

樹脂パーツの隙間に残った油分も綿棒などで丁寧に取り除きましょう。洗浄後は、水分が一切残らないよう丸一日陰干しして、完全に乾いたことを確認してから組み立てます。

一度でも油分が付着したポールは、一見直ったように見えても、荷重時に突然滑る性質を持ちます。徹底的な洗浄が難しい場合や、滑りが止まらない場合は、安全のために内部のエキスパンダーを新品に交換することを強く推奨します。

トレッキングポールの安全性については、公的機関でも注意喚起がなされることがあります。例えば、製品の不具合による事故防止の観点からは、メーカーの指定するメンテナンス方法を守ることが極めて重要です。(参照元:LEKI | 登山靴のキャラバン公式サイト)

「滑りを良くする」のではなく「摩擦を維持する」のがポールのメンテナンスの本質。これを忘れずにいたいですね。

スピードロックのダイヤル調整と保持力の高め方

外部レバーでパチンと固定する「スピードロック(SPD)」システム。グローブをしたままでも操作しやすく筆者も大好きな機能ですが、ここでも「締まらない」という相談をよく受けます。

SPDタイプでスリップが発生する原因の9割は、レバーの反対側にある「調整ダイヤル」の設定ミスです。このダイヤルは、長期使用による素材の馴染みや、気温の変化による膨張・収縮に合わせてユーザーが微調整することを前提に設計されています。

SPD(スピードロック)のレバーを開放し、ダイヤルを時計回りに回して締め付け強度を調整している様子。
スピードロックのダイヤル調整方法

ベストな固定強度の見つけ方

調整は必ず「レバーを開いた状態」で行います。ダイヤルを時計回りに回すと締め付けが強くなり、反時計回りに回すと弱くなります。

コツは「一度にたくさん回さないこと」。数ミリずつ回してはレバーを閉じ、手応えを確認する作業を繰り返します。レバーを閉じる時に指の腹に少し抵抗を感じ、最後に「カチッ」と収まる感触が理想的な強度です。

スピードロックの世代別特徴
システム名保持力の目安特徴・調整のポイント
スピードロック175kg以上初期型。ダイヤルの脱落に注意が必要。
スピードロック295kg以上小型軽量化。金属カラーで耐久性が高い。
スピードロック・プラス95kg以上最新型。ダイヤルの紛失防止機能付き。

最近のSPD2やSPD+モデルは非常に精度が高いですが、過度に締めすぎるとプラスチック製のクランプが割れてしまうリスクもあります。

特に冬場の雪山ではプラスチックが硬く脆くなるため、無理な力をかけないようにしましょう。「ちょうど良い強さ」を見極めることが、機材を長持ちさせる秘訣ですね。

パーツの摩耗や破損を診断して交換するタイミング

どんなに大切に使っていても、トレッキングポールは「消耗品の塊」です。セルフケアで改善しない「締まらない」トラブルは、物理的な寿命が原因かもしれません。

特に注目すべきはSLSのエキスパンダーです。樹脂パーツに深い溝が刻まれていたり、色が不自然に変色してカチカチに硬くなっていたりする場合、それは交換時期のサインです。

柔軟性を失った樹脂はシャフト内壁に密着できず、本来の保持力を発揮できません。

ここをチェック!主要パーツの寿命診断

まずはエキスパンダーのネジ山を確認しましょう。山が潰れていると、回転させてもパーツが広がりません。

また、SPDタイプであればレバーのヒンジ部分に亀裂が入っていないか、調整ダイヤルのネジ山が舐めていないかをチェックします。意外と見落としがちなのが、シャフト自体の歪みです。

ポールを平らな場所に置いて転がした時に、カタカタと跳ねるようならシャフトが曲がっています。曲がったシャフトはロック機構に偏った負荷をかけ、固定不良の直接的な原因になります。

交換を推奨する症状リスト
・エキスパンダーを手で広げても、すぐ空回りする
・調整ダイヤルを最大まで締めてもレバーがスカスカ
・シャフトに目視でわかる深い傷や凹みがある
・荷重をかけた時に「ピキッ」という異音がする

LEKIの最大のメリットは、こうした消耗パーツが数百円から購入でき、ユーザー自身で交換可能な点にあります。筆者も予備のエキスパンダーは常にザックに忍ばせています。

山行中に致命的な故障が起きる前に、シーズンオフに一度しっかり「健康診断」をしてあげるのが、長く安全に付き合うコツかなと思います。

LEKIのトレッキングポールが締まらない:修理と管理

登山・トレッキング装備完全ガイド:初心者入門イメージ

自分での調整には限界がある場合や、重大な破損が見つかった時のプロへの頼り方、そしてトラブルを未然に防ぐ保管術についてまとめました。

✅正規代理店への修理依頼とパーツ交換の進め方
✅固着や凍結を防ぐ使用後の分解乾燥プロトコル
✅アンチショックの沈み込みとスリップを見分けるコツ
✅まとめ:LEKIのトレッキングポールが締まらない

正規代理店への修理依頼とパーツ交換の進め方

登山・トレッキング装備完全ガイド:初心者入門イメージ

自分の手には負えないと感じたら、プロの診断を仰ぐのが一番です。LEKIの日本正規代理店である株式会社キャラバンは、修理体制が非常に充実していることで知られています。

例えば、中段のシャフトだけが折れてしまった、あるいは内部のネジが根本から脱落したといった場合でも、該当するセクションだけを「セクション交換」することが可能です。丸ごと買い替えるよりずっと安く済みますよ。

修理を依頼する際の手順

まずは購入したショップに持ち込むのが基本ですが、引越しなどで購入店が遠い場合は、近隣のLEKI取扱店(登山用品店など)でも相談に乗ってくれます。東京都内であれば「キャラバン巣鴨店」のような直営店に持ち込めば、その場で適切なアドバイスが受けられます。

【ヤフーマップ:株式会社キャラバン・巣鴨】

古い廃盤モデルであっても、現行モデルのパーツが流用できるケースが多いのも、老舗ブランドLEKIの頼もしいところです。

修理依頼時のコツ
修理に出す際は、どのセクションが「締まらない」のか、どのような状況で滑るのかを付箋などで明記しておくと、技術スタッフの方に意図が伝わりやすく、見積もりもスムーズに出ます。保証書がある場合は、忘れずに持参しましょう。

ただし、カーボンシャフトの縦割れや広範囲の剥離など、安全上の理由から修理不能と判断されるケースもあります。トレッキングポールは体重を預ける「命の支え」ですから、プロが「交換が必要」と言ったときは、潔くパーツを新調するのが登山の安全管理として正しい判断だと言えますね。

正確な情報は必ず公式サイトや店頭で確認するようにしてください。

固着や凍結を防ぐ使用後の分解乾燥プロトコル

帰宅後に全てのシャフトをバラバラに引き抜き、日陰で乾燥させている様子。保管時のロック状態についても記載。
トレッキングポールの正しい分解乾燥と保管方法

「締まらない」トラブルの対極にあるのが、シャフトが抜けない・動かない「固着」です。これも保管方法一つで防ぐことができます。登山が終わって帰宅したら、面倒でも必ず「全てのシャフトを抜き去る」ことを徹底しましょう。

一見乾いているように見えても、山行中の結露や雨水がシャフトの重なり部分に残留しており、それが時間の経過とともに腐食やカビを発生させるからです。

理想的な保管手順

シャフトを分解したら、内側と外側を乾いた布で拭き、風通しの良い日陰で最低でも一晩は乾燥させます。

特に雪山で使用した後は、内部で水分が凍結して膨張し、パーツを傷めることがあるので、常温でしっかり解凍・乾燥させることが不可欠です。完全に乾いたら、パーツ紛失を防ぐために軽く組み立て直しますが、この時は絶対にロックを締め込まないでください。

保管時の状態まとめ
・SLSタイプ:エキスパンダーが広がらないよう「ゆるゆる」の状態で差し込む
・SPDタイプ:クランプの変形を防ぐため、レバーは「開放」したままにする
・バスケットや石突ゴムも外して乾燥させると、金属のサビ防止に効果的

筆者も昔、濡れたまま放置してしまい、次に使う時に石のように固まって動かなくなった失敗があります。その時は沸騰したお湯に固着部分を浸して、熱膨張を利用してなんとか抜きましたが、パーツにダメージを与えてしまいました。

そんな苦労をしないためにも、山行後の「バラして乾かす」ルーチンを、登山靴を洗うのと同じくらい大切にしてほしいなと思います。

アンチショックの沈み込みとスリップを見分けるコツ

最後に、よくある「勘違い」についても触れておきます。「ロックを締めたのに、荷重をかけるとガクッと下がる。やっぱり締まっていない!」という相談を受け、実際に見てみると、それは不具合ではなく「アンチショック(AS)機能」が正常に働いているだけのケースがよくあります。

特にLEKIの「マカルー AS」や「クレシダ AS」といったモデルを使っている方は、この挙動を正しく理解しておく必要があります。

沈み込みの正体を確認する方法

アンチショック搭載モデルの内部スプリング構造図。1〜2cmの沈み込みは正常動作であることと、パーツ交換が必要な基準の解説。
アンチショック(AS)の仕組みと交換サイン

アンチショックは、内部のスプリングやエラストマーが衝撃を吸収するために、接地時に数センチ(1〜2cm程度)沈む設計になっています。これが「不具合によるスリップ」なのか「正常な衝撃吸収」なのかを見分ける方法は簡単です。

平らな場所でポールにグッと体重を乗せてみてください。ある一定の地点でカチッと止まり、それ以上縮まないのであれば、それは正常なアンチショックです。

逆に、力を入れ続ける限りジリジリと縮み続け、最終的に最短まで短くなってしまう場合は、ロック不足や内部の摩耗によるスリップです。

アンチショックの恩恵
この沈み込みは、長時間の歩行で手首や肩にかかる負担を劇的に軽減してくれます。慣れるまでは少し違和感があるかもしれませんが、膝を労わりたい登山者には最高の機能です。自分のポールがAS搭載モデルかどうか、一度カタログやロゴを確認してみるのもいいですね。

もしアンチショック搭載モデルなのに全く沈まない場合は、逆に内部でスプリングが固着している可能性があります。その場合も清掃と注油(この場合は可動部のみ極少量)が必要になりますが、判断が難しい場合はショップの店員さんに「これって正常ですか?」と気軽に聞いてみるのが一番安心かなと思います。

まとめ:LEKIのトレッキングポールが締まらない

LEKIのポールは、世界中のトップクライマーからハイカーまで愛される、まさにトレッキングポールの代名詞。そんな名品が「締まらない」という理由だけで物置に眠ってしまうのは本当にもったいないことです。

今回見てきたように、LEKIのトレッキングポールが締まらない現象のほとんどは、日頃の清掃と適切な調整で解決できます。

スーパーロック(SLS)ならエキスパンダーの手動調整、スピードロック(SPD)ならダイヤルの微調整、そして何より全てのモデルにおいて「分解・清掃・乾燥」のサイクルを守ること。これさえ実践すれば、トラブルの多くは未然に防げます。万が一パーツが壊れても、LEKIなら修理して使い続ける道が残されています。

道具を慈しみ、自分自身でメンテナンスをすることで、その道具への信頼と愛着はさらに深まっていくはずです。ぜひ、完璧に調整されたポールを手に、次の素晴らしい景色を目指して一歩を踏み出してください。

山の風景をバックにしたLEKIポールと、現場対応・絶対厳禁・習慣の3つの重要ポイントをまとめたスライド。
LEKIポールと長く付き合うためのメンテナンス習慣

なお、最終的な判断や構造的な不安については、必ず(LEKI公式サイト)をご確認いただくか、専門知識を持つスタッフにご相談くださいね。安全第一で、楽しい山歩きを!

※(LEKI | 登山靴のキャラバン公式サイト)

タイトルとURLをコピーしました