トレイルランニングを始めてみたいけれど、どんな靴を選べばいいか迷っている方は多いですよね。特に未舗装の道を走るトレランでは、地面の状況が刻々と変わるため、シューズ選びが安全性や楽しさに直結します。
トレランシューズのモントレイルは、歴史あるブランドとして多くのランナーに愛されていますが、最近のラインナップがどう進化したのか、自分のレベルに合っているのか気になるところかなと思います。
この記事では、滑りにくいグリップ力や日本人の足に馴染むサイズ感など、選ぶ前に知っておきたいポイントを分かりやすくまとめてみました。これを読めば、山道を軽快に駆け抜けるための相棒がきっと見つかるはずですよ。
①独自のグリップ技術とクッション性
②日本人の足に合うサイズ選びの基準
③新トリニティシリーズ3モデルの得意分野と違い
④長く愛用するためのメンテナンス方法

トレランシューズのモントレイル:4つの技術革新

モントレイルのシューズがなぜ長年支持されているのか、その理由は独自のテクノロジーにあります。山道を安全に、そして快適に走るための工夫が随所に凝らされているんです。
ここでは、筆者が特に注目している4つの核心的な技術について詳しく見ていきましょう。
✅初心者も安心なグリップ力の高いアウトソール
✅疲労を軽減するテックライトプラスのクッション性
✅かかとが浮かないナビックフィットのホールド感
✅非対称のシューレーシング配置の効果
✅日本人の足型に合うサイズ感と選び方のコツ
✅防水性能を求めるならアウトドライ搭載モデル
初心者も安心なグリップ力の高いアウトソール:①Adapt Trax
トレイルランニングにおいて、最もランナーの心理に影響を与えるのは「地面を信じられるかどうか」という点ではないでしょうか。特に初心者の方にとって、ぬかるんだ急斜面や濡れた岩場を下るシーンは、恐怖心から腰が引けてしまい、かえって転倒のリスクを高めてしまうことがあります。

そこで圧倒的な信頼感を提供してくれるのが、モントレイル独自の①Adapt Trax(アダプトトラックス)です。
このアウトソールは、ただ柔らかいゴムを使っているわけではありません。独自のコンパウンド(ゴムの配合)により、ドライな路面での耐摩耗性を維持しつつ、ウェットな路面では分子レベルで路面に吸い付くような高い摩擦係数を生み出しています。
また、ラグ(突起)の形状にも計算し尽くされた工夫があります。前足部には登りで地面を力強く蹴り出すための形状を、かかと部には下りで確実にブレーキをかけるための形状を配置。
さらに、ラグの間隔をあえて広く取ることで、泥詰まりを自動的に解消するセルフクリーニング機能も持たせています。

路面状況に左右されないトラクションの秘密
多くのトレランシューズが、特定のコンディション(例えば乾いた岩場専用など)に特化しがちな中で、モントレイルは「どんな気象条件でも一定のパフォーマンスを出す」ことにこだわっています。筆者も経験がありますが、山の天気は変わりやすく、スタート時は晴れていても標高が上がれば雨や霧で路面が豹変することが多々あります。
そんな時、「この靴なら滑らない」という確信が持てるだけで、足運びは驚くほどスムーズになります。初心者の方が最初の一足を選ぶ際に、このグリップ性能を最優先すべき理由は、まさにこの「安心感」にあるのかなと思います。
疲労を軽減するテックライトプラスのクッション性:②Techlite+
トレイルランニングは、ロードでのランニングと比較して、着地時の衝撃が複雑かつ不規則です。木の根や岩などの障害物を乗り越えるたびに、足首や膝、腰には想像以上の負担がかかっています。
この衝撃をいかに効率よく吸収し、かつランナーのエネルギーを削がずに推進力へ変えるか。その答えが、次世代ミッドソール素材の②Techlite+(テックライトプラス)です。
Techlite+は、従来のEVA素材と比較して圧倒的に軽量でありながら、優れた圧縮回復性(へたりにくさ)を持っています。安価なシューズだと、数十キロ走っただけでクッションが潰れてしまい、後半は地面の硬さがダイレクトに響くことがありますが、モントレイルはこの劣化が極めて少ないのが特徴です。
さらに、この素材は環境にも配慮されており、製造過程での廃棄物を大幅に削減するプロセス(射出成形)で作られています。自然を楽しむスポーツだからこそ、こうしたブランドの姿勢にも筆者は誠実さを感じますね。
長距離走行を支えるエネルギーリターンの仕組み
また、上位モデルにはさらに進化した「Techlite Plush(テックライトプラッシュ)」が採用されており、最高峰のクッション性を体験できます。これは単に「ふわふわして気持ちいい」だけでなく、着地した瞬間にエネルギーを溜め込み、足を離す瞬間にポンと押し出してくれるような感覚です。
100kmを超えるようなロングレース(ウルトラトレイル)では、このわずかなエネルギーの節約が完走の可否を分けることになります。膝の痛みに悩まされているランナーや、翌日の筋肉痛を少しでも和らげたいと考えている方にとって、このクッション性能は代えがたい価値があるはずですよ。
かかとが浮かないナビックフィットのホールド感:③Navic Fit System
どれほど優れたソールを持っていても、シューズの中で足が動いてしまっては宝の持ち腐れです。特にトレイルでは、左右への急な切り返しや、急勾配の登りなど、足に強烈な「ねじれ」の力が加わります。

ここでシューズとの一体感が損なわれると、足指がシューズの先端に当たって「黒爪」になったり、足裏に摩擦熱が溜まって「マメ」ができたりします。これを防ぐために開発されたのが、③Navic Fit System(ナビックフィットシステム)です。
このシステムは、足の解剖学的な構造に基づいています。中足部にある「舟状骨」という骨を、靴紐と連動する内部のウェビングシステムが上から抑え込むことで、足を靴の底にピタッと安定させます。
特筆すべきは、かかとのホールド感です。「かかとが吸い付くような感覚」と表現するランナーも多く、急な登り坂でかかとがパカパカと浮いてしまうストレスがほとんどありません。

ハプティックプリントによる軽量な補強
加えて、アッパー表面には「Haptic Print(ハプティックプリント)」という3D樹脂加工が施されています。これは、重い補強パーツを使わずに、必要な箇所だけに強度を持たせる技術です。
これにより、木の枝や岩に擦れても破れにくい耐久性を確保しつつ、驚くほどの軽量化を実現しています。足を包み込むメッシュ素材の通気性も損なわれていないため、夏場のトレイルでも蒸れにくく、長時間の走行でも快適さが持続します。
この「守られているのに自由」という感覚は、専業ブランドならではの技術力の結晶と言えるでしょう。
非対称のシューレーシング配置の効果
非対称のシューレーシング配置:ストレッチ性のあるシューレースを使用しながらも、左右非対称の配置を行うことによって、足の甲の締め付けプレッシャーをうまく分散。足の圧迫感を軽減しながらも最適なフィット感を実現します。

※筆者はサイズが合っていても、長時間トレイルしていると右側の小指が痛くなる傾向があります。非対称のシューレーシング(メーカーに問わず)にしてからは、結構いい感じですよ。参考までに。(笑)
日本人の足型に合うサイズ感と選び方のコツ
トレランシューズ選びで最も多く寄せられる悩みがサイズ感です。モントレイルはアメリカのブランドですが、実は古くから日本人の足型にも非常に相性が良いことで知られています。
欧米人に多い「細くて甲が低い足」だけでなく、日本人に多い「幅が広くて甲が高い足」にもストレスなくフィットするラスト(木型)を採用しているからです。
筆者が推奨する選び方の鉄則は、「つま先の余裕(捨て寸)」を最低でも1cmは確保することです。ロード用のシューズであればジャストサイズで問題ありませんが、トレイル、特に長い下り坂では、着地のたびに足がシューズの中で前方へわずかにスライドします。
このとき、つま先に余裕がないと指先を痛める原因になります。また、長時間の走行で足がむくむ(膨張する)ことも考慮しなければなりません。
失敗しないフィッティングの手順
- 必ず実際に使用する「厚手のトレラン用ソックス」を履く
- 靴紐をしっかり締め、かかとをトントンと地面に打ち付けて合わせる
- 立った状態でつま先を動かし、指が自由に動かせるか確認する
- 階段などがあれば、下りの姿勢をとってみて指先が当たらないかチェックする

サイズ感の個体差とフィッティングの重要性
モデルによってアッパーの素材(硬さや伸縮性)が異なるため、同じサイズ表記でも履き心地が微妙に変わることがあります。例えば、防水仕様のOutDryモデルは、通常のメッシュモデルよりも素材が伸びにくいため、より慎重なサイズ選びが必要です。
インターネットで購入する場合も、返品交換が可能なショップを選んだり、過去のレビューを参考にしたりするのが良いかなと思います。最終的な判断は、自分の足の感覚を信じることが一番大切ですよ。
防水性能を求めるならアウトドライ搭載モデル:④OutDry
「雨の日は走らない」と決めていても、山では突然の夕立に遭ったり、前日の雨でぬかるんだ水たまりを避けられなかったりする場面が必ずあります。そんな時に足元をドライに保ってくれるのが、コロンビア・モントレイルの誇る④OutDry(アウトドライ)テクノロジーです。
一般的な防水シューズは、靴の内側に靴下状の防水膜(ブーティ)を挿入する構造ですが、これだと表地と防水膜の間に水が溜まり、靴が重くなってしまうという弱点がありました。しかし、アウトドライは最外層の生地に直接防水膜をラミネート(接着)しています。
そのため、水が外側ではじかれ、吸水による重量増加がほとんどありません。これは、1gでも軽く保ちたいランナーにとって非常に大きなメリットです。また、浸入した水の重さで足が冷えるリスクも防いでくれます。

OutDryと通常モデルの使い分け
一方で、防水機能があるということは、内側からの汗の逃げ場も制限される(透湿性には限界がある)ということです。
そのため、気温が高い真夏のレースや、渡渉(川を渡る)が多く、どうしても水が履き口から入ってしまうようなコースでは、あえて水抜けの良い非防水モデルを選ぶのが正解な場合もあります。自身の走るフィールドや季節に合わせて選択することが、快適なトレランへの近道ですね。
トレランシューズのモントレイル:最新モデル比較
現在のモントレイルを代表する「トリニティ」シリーズは、目的別に3つのモデルがラインナップされています。どれも素晴らしい出来栄えですが、それぞれ得意とするフィールドや走法が異なります。それぞれの特徴を深掘りして比較してみましょう。
✅完走を支えるトリニティマックスの圧倒的な厚底
✅スピード重視のトリニティFKTと推進力の秘密
✅岩場も林道もこなすトリニティAG2の汎用性
✅寿命を延ばす正しいメンテナンスと買い替え時期
✅レベルや目的に合わせたモデルの選び方とは?
✅まとめ:トレランシューズはモントレイル!
完走を支えるトリニティマックスの圧倒的な厚底
近年、ロードからトレイルまで席巻している「厚底」トレンド。そのモントレイル流の解答がTrinity MX(トリニティマックス)です。
このシューズの最大の特徴は、見るからにボリュームのある「Techlite Plush」ミッドソールです。この極厚のクッションが、岩の突き上げや硬い林道からの衝撃を魔法のように吸収してくれます。
筆者が特に感銘を受けたのは、厚底でありながら不安定さを感じさせない設計です。ソールベース(地面との接地面)を広く取ることで、左右へのグラつきを物理的に抑えています。
これにより、疲労がピークに達するレース後半や、不整地での安定した足運びを強力にバックアップしてくれます。また、ロッカー構造(つま先が反り上がった形)により、着地から蹴り出しまでがスムーズに行えるため、歩幅が自然と伸びる感覚を味わえます。
完走を目指す100マイルランナーだけでなく、膝を労わりながらトレイルを楽しみたい全てのランナーにおすすめしたいモデルですね。
スピード重視のトリニティFKTと推進力の秘密
「とにかく速く駆け抜けたい」「ライバルに差をつけたい」という競技志向のランナーには、Trinity FKTが相応しいでしょう。
FKTモデルには、高反発なTechlite+に加え、Pebax(ペバックス)プレートという特殊なパーツが内蔵されています。これが板バネのような役割を果たし、着地の衝撃を爆発的な推進力へと変換してくれます。

また、このプレートは単に弾むだけでなく、不整地で足裏を保護する「ロックプレート」の役割も兼ねています。鋭利な岩を踏んでも足裏へのダメージを最小限に抑えつつ、エネルギーをロスすることなく前へと進めるのが強みです。
ソールは比較的硬めに設定されているため、ある程度の脚力があるランナーが履くことで、その真価を100%引き出すことができます。林道や勾配の緩やかなトレイルでのスピード感は、他のモデルの追随を許さない圧倒的なものがあります。
岩場も林道もこなすトリニティAG2の汎用性
シリーズの中でもっともバランスに優れ、日本の山岳地形にフィットするのがTrinity AG IIです。
AGは「All-Terrain(全地形)」を意味しており、まさにその名の通り、どんな路面状況でも高得点を出す万能選手です。適度なクッション性を持ちつつ、地面の情報を足裏で感じ取れるダイレクト感も兼ね備えています。
特に岩場やガレ場(小石の多い斜面)での繊細な足さばきが必要な場面では、Trinity MXのような厚底よりも、このAG IIの操作性が光ります。ソールの屈曲性も良く、足の動きに柔軟に追従してくれるため、バーティカル(急登)なコースでもストレスがありません。
もし「一足で練習からレースまで、低山からアルプスまで使い回したい」と考えるなら、このモデルを選んでおけば間違いありません。筆者も、初めてモントレイルを履くという方には、まずこのAG IIから試してみることを提案しています。

| 項目 | Trinity MX | Trinity FKT | Trinity AG II |
|---|---|---|---|
| メイン用途 | ロングレース・保護重視 | スピード走・ショートレース | オールラウンド・練習 |
| クッション性 | 最高級(ソフト) | 高い(反発・硬め) | 標準〜高い(バランス) |
| 安定性 | 非常に高い | 高い(ねじれに強い) | 高い(路面追従性) |
| 重量目安 | 約290g(27cm) | 約280g(27cm) | 約280g(27cm) |
※数値は一般的な目安です。モデルチェンジ等で変更される場合がありますので、詳細はメーカー公式発表をご確認ください。
寿命を延ばす正しいメンテナンスと買い替え時期
トレランシューズは、過酷な環境で使用されるため、残念ながらロードシューズよりも寿命が短いのが現実です。しかし、適切なケアを行うことで、そのパフォーマンスを最大限に維持し、寿命を延ばすことが可能です。

最も避けるべきは、泥汚れがついたまま放置することです。泥に含まれる水分や微生物が、アッパーの繊維やミッドソールの素材を劣化させてしまうからです。
使用後は、まず乾いたブラシ(使い古しの歯ブラシでもOK)で大きな泥を落としましょう。その後、ぬるま湯と中性洗剤を使用して、優しく手洗いをします。洗濯機での丸洗いは、接着剤の剥がれや型崩れの原因になるためおすすめしません。
また、乾燥させる際も注意が必要です。ドライヤーや直射日光は厳禁です。風通しの良い日陰で、形を整えてからゆっくり乾かしてください。中に新聞紙などを詰めると、内部の水分を吸い取りやすく、型崩れも防げます。
(参照元:モントレイル シューズメンテナンス)

買い替え時の見極めポイント
また、買い替えのタイミングを知ることは、怪我を防ぐためにも非常に重要です。以下のサインが見られたら、新しいシューズの検討を始めてくださいね。

シューズの寿命サイン
- アウトソールのラグが半分以下に削れている(特に滑りやすくなる)
- ミッドソール側面に目立つシワが入り、押しても戻らない(クッションのヘタリ)
- 指先やかかとのアッパー生地が薄くなり、穴が開そう、または開いている
- 履いたときに、以前よりも足首が左右にグラつく感じがする
レベルや目的に合わせたモデルの選び方とは?
ここまで詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。トレランシューズのモントレイルは、40年以上の歴史の中で培われた「山を走るための知恵」が凝縮されたブランドです。
独自技術であるAdapt Traxのグリップ力や、Techlite+のクッション性、そしてNavic Fit Systemのホールド感は、あなたがこれまでに経験したことのない、安全で快適なトレイル体験を提供してくれるはずです。
トレランは時に厳しく、足元が不安定な場面もありますが、信頼できる一足があれば、その困難すらも楽しみに変わります。初心者の方はまず安定性とクッション性を、経験者の方はコース特性に合わせたスペックを重視して選んでみてください。
最新のトリニティシリーズなら、どんな目的のランナーでも必ず納得のいく一足が見つかるかなと思います。

正確な在庫状況やフィッティングについては、お近くの専門店や公式サイトをぜひチェックしてみてください。
(参照元:モントレイル – コロンビア)
(参照元:モントレイルの歴史 コロンビア(Columbia)公式通販)
(参照元:MONTRAIL™ TRINITY FKT )
まとめ:トレランシューズはモントレイル!
この記事で解説した重要なポイントをリストにまとめました。最終チェックとして活用してくださいね。
- 1982年にシアトルで誕生したトレイル専用設計の先駆的ブランド
- ドライからウェットまで路面に吸い付くアダプトトラックスのグリップ力
- 前足部は推進力を生みかかと部はブレーキをかける計算されたラグ形状
- 泥詰まりを自然に解消しトラクションを維持する広めのラグ間隔
- 軽量かつ高反発で着地の衝撃を推進力に変えるテックライトプラス
- 長距離走行でもクッションが潰れにくくランナーの脚を守り抜く耐久性
- 舟状骨を固定しかかとの浮きや靴擦れを防止するナビックフィット
- 岩や枝などの障害物から足を保護する3D樹脂加工のハプティックプリント
- 幅広や甲高が多い日本人の足型にも馴染みやすい設計思想
- 下り坂での指先の衝突を防ぐためつま先に1センチの余裕を持つサイズ選び
- 厚手の靴下を履きかかとを合わせてから紐を締める失敗しない試着手順
- 水を含まず重くならない完全防水のアウトドライと通気性重視のメッシュ
- 極厚クッションで膝を保護し完走を目的とするトリニティマックス
- 反発プレートを搭載し林道などでスピードを追求するトリニティエフケーティー
- 日本の山に適したバランス型で最初の一足に最適なトリニティエージーツー
- ブラシでの泥落としや陰干しによる適切なメンテナンスでの寿命延長
- ラグの摩耗やミッドソールの深いシワを見極める怪我防止の買い替えサイン
シューズ選びに正解はありませんが、自分の足を大切にし、自然をリスペクトする気持ちを忘れずに、素敵なトレイルライフを楽しんでくださいね。いってらっしゃい!


