こんにちは、リュウセイです。お気に入りのレインウェアや登山用のアウター、しっかりメンテナンスしていますか。せっかく高いお金を払って揃えた装備も、雨を弾かなくなると本来の性能を発揮できず、登山中に体が冷えてしまうリスクが高まってしまいます。
そこで頼りになるのがニクワックスですが、洗濯機での使い方がいまいち分からなかったり、ネットで効果なしという口コミを見て不安になったりしている人も多いのではないでしょうか。
実は、ニクワックスと洗濯機の組み合わせは、正しい手順さえ守れば自宅でプロ並みのメンテナンスができる最強の手段なんです。ただ、ドラム式洗濯機特有の注意点や、ダウンウォッシュダイレクトを使った羽毛製品の扱いなど、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
失敗して白いシミを作ってしまわないためにも、筆者が普段から実践している方法を分かりやすく解説していきますね。この記事を読めば、雨の日でも安心して山を楽しめる撥水パワーを復活させることができますよ。
この記事でわかること
①性能を引き出す正しい洗浄と撥水の二段構え
②洗濯機のタイプに合わせた溶液とムラを防ぐ工夫
③ダウンのロフトを潰さずに撥水加工を施す乾燥の秘訣
④失敗したときのリカバリー方法と洗濯槽を清潔に保つコツ
ニクワックスと洗濯機で撥水機能を再生する手順

まずは、愛用のウェアを蘇らせるための具体的なフローを見ていきましょう。ニクワックスは「洗う」と「撥水させる」の2ステップを洗濯機で連続して行うのが基本です。
この順番を間違えないことが、撥水機能を最大限に引き出すための絶対条件になります。筆者も最初は面倒に感じていましたが、やってみると意外と簡単ですよ。
✅正しい使い方と効果を最大化するコツ
✅効果なしと感じる原因と解決策
✅ドラム式洗濯機でニクワックスを均一に定着させる方法
✅ダウンウォッシュダイレクトを用いた羽毛の高度な洗浄
正しい使い方と効果を最大化するコツ
ニクワックスを使ってウェアの撥水力を限界まで高めるための最大のコツは、「洗浄と撥水加工をセットで行うこと」、そして「ウェアが濡れた状態のまま撥水工程に移る」という2点に集約されます。
多くの人がやりがちなのが、汚れが目立たないからといって洗浄をスキップして撥水剤だけを使ってしまうことですが、これは非常にもったいないですね。繊維の奥に皮脂や泥が残っていると、撥水成分がうまく定着せず、すぐに効果が落ちてしまいます。
具体的な手順としては、まず「テックウォッシュ」を使用して洗濯機でウェアを洗います。このテックウォッシュは一般的な合成洗剤とは違い、撥水層を傷めずに汚れだけを浮き上がらせる特殊な石鹸系洗剤です。
洗い終わったら、ウェアを乾かさずにそのままの状態で「TX.ダイレクト」を投入します。筆者の経験上、繊維が水分を含んで膨らんでいる状態の方が、ニクワックス独自の撥水ポリマー「TX.10i」が奥深くまで浸透し、繊維一本一本を格子状にコーティングしてくれるからかなと思います。
この格子状の構造のおかげで、ゴアテックスなどの透湿防水素材が持つ「蒸れを逃がすための微細な穴」を塞ぐことなく、水滴だけを完璧に弾くことができるようになるんです。まさに化学の力ですね。
なお、水量は20Lに対してニクワックス150ml(キャップ3杯分)という黄金比を守ることが、仕上がりを左右する重要なポイントになります。

ニクワックスはフッ素化合物(PFCs)を使用しない環境に優しい水溶性ポリマーを採用しています。そのため、熱処理が必須ではなく、自然乾燥だけでも100%の撥水効果を発現できるのが大きな特徴です。乾燥機がない家庭でも安心して使えるのは嬉しいですよね。
「効果なし」と感じる原因と解決策
せっかく時間をかけてメンテナンスしたのに、雨の日に使ってみたら「全然水を弾かない、効果なしじゃないか」とガッカリした経験がある方もいるかもしれません。筆者も昔、適当な手順でやった時に同じ思いをしたことがあります。
しかし、これには明確な原因があることがほとんどなんです。最も多い原因は、「市販の合成洗剤の残留成分」です。
一般的な洗濯洗剤には、衣類を柔らかく見せる柔軟剤や香料といった「親水性(水を引き寄せる性質)」の成分が含まれています。これらが生地に残っていると、その上からニクワックスを使っても、親水成分が水を呼び込んでしまい、結果として撥水効果が相殺されてしまうんですね。
もう一つの原因は、単純に撥水剤の濃度が薄すぎることです。全自動洗濯機の「自動水量設定」に任せきりにすると、撥水剤の量に対して水が多すぎて、繊維をコーティングするための分子密度が不足してしまうことがあります。
もし「効果なし」と感じたら、まずはぬるま湯(40度程度)を使ってテックウォッシュで念入りに二度洗いし、繊維に残った余計な成分を完全にリセットしてみてください。その上で、手動で水量を最小限に設定し、規定量のTX.ダイレクトを投入すれば、見違えるような水弾きが復活するはずですよ。
※(もしダメなら、最初からもう一度確認しながらやり直す。面倒くさいようですが、全ての物事に共通することですよね。笑)
また、古いウェアで生地自体が摩耗している場合は、一度の処理で諦めず、二度塗り(重ねがけ)を試してみるのも一つの解決策かなと思います。
吸水性裏地があるウェアの注意点

ソフトシェルのように、裏地が汗を吸い上げる仕組みになっているウェアに「漬け込みタイプ(ウォッシュイン)」のニクワックスを使うと、裏地まで撥水してしまい、蒸れが激しくなって「失敗した」と感じることがあります。
そのような場合は、洗濯機ではなくスプレータイプのニクワックスを使って表面だけを狙い撃ちするのが正解ですね。
↑↑これ、筆者は失敗しました。サーマルウェア系注意してくださいね。(笑)
ドラム式洗濯機でニクワックスを均一に定着させる方法
最近の家庭で普及しているドラム式洗濯機ですが、実はニクワックスとの相性にはちょっとしたコツが必要です。ドラム式は少ない水で叩き洗いをするのが得意な反面、ウェア全体を撥水液に「浸す」という作業が苦手なんですね。
そのまま普通に回してしまうと、ウェアの重なり合った部分に液が行き渡らず、撥水ムラができたり、特定の場所に原液が付着して白いシミになったりするリスクがあります。筆者もドラム式に買い換えた当初は、仕上がりのムラに悩まされました。
ドラム式で成功させるための秘策は、「事前の希釈」と「一時停止」です。

ニクワックスを直接洗剤投入口に入れるのではなく、あらかじめ洗面器などで水と混ぜてサラサラの液状にしてから投入してください。
そして、洗濯が始まって給水が終わったタイミングで一度洗濯機を一時停止させます。ドアを開けて(水が溢れないことを確認してくださいね)、ウェアを上下左右に入れ替えたり、手でギュッギュッと押し込んで中の空気を抜き、溶液を繊維の奥まで強制的に染み込ませるんです。
これをやるだけで、ドラム式でも縦型洗濯機に負けない均一な仕上がりになります。また、ドラム式は脱水時の振動が大きくなりやすいため、脱水時間は最短の1分程度に設定し、あとはタオルで水分を吸い取るくらいの手間をかけるのが、ウェアにも洗濯機にも優しい方法かもですね。
ドラム式洗濯機は節水性が高いため、ニクワックスの使用量を抑えられるメリットがありますが、ウェアがドラム内で偏るとエラーで停止しやすいです。特に耐水性の高いハードシェルを洗う際は、1着ずつ処理するのが最も確実で安全な方法です。
ダウンウォッシュダイレクトを用いた羽毛の高度な洗浄
ダウンジャケットや寝袋(シュラフ)のメンテナンスは、ハードシェル以上に気を使いますよね。ここで普通の洗剤を使ってしまうと、ダウンが持つ天然の油分が失われ、保温力の源である「ロフト(かさ高)」が死んでしまいます。
そこで登場するのが「ダウンウォッシュダイレクト」です。この洗剤の凄いところは、羽毛の油分を守りながら汚れを落とし、さらに羽毛自体に撥水性を与えてくれる点にあります。
撥水ダウンに生まれ変わることで、登山中の汗や結露でダウンが濡れてペシャンコになるのを防いでくれるんです。
洗濯機での作業時、ダウン製品は空気を大量に含んでいるため、まるで浮き輪のように水面にプカプカと浮いてしまいます。そのまま回しても表面が濡れるだけで、中の羽毛まで洗えません。筆者が実践しているのは、洗濯槽の中でウェアをしっかり水に沈め、手で空気を絞り出すように押し洗いをすることです。
この「予備浸水」を行ってから洗濯コースをスタートさせるのが鉄則ですね。そして、最も重要なのが乾燥工程です。

脱水後のダウンは濡れて「ダマ」になっていますが、これを乾燥機にテニスボールを2〜3個入れて低温で回すと、ボールがダウンを叩いて物理的にほぐしてくれます。数時間じっくり時間をかけると、驚くほどボリュームが復活し、新品のようなフワフワ感を取り戻せますよ。
もし乾燥機がない場合は、数日間かけて陰干ししながら、数時間おきに手でパンパンと叩いてほぐす根気が必要になりますが、その分愛着も湧くというものです。
| 工程 | ダウン製品の注意点 | 成功のポイント |
|---|---|---|
| 洗浄 | 空気を抱き込んで水に浮く | 事前に手で押し込んで空気を完全に抜く |
| 撥水 | 羽毛の固まり(ダマ)の発生 | ダウンプルーフを併用して一本一本をコーティング |
| 乾燥 | ロフトの喪失 | テニスボールと一緒に低温乾燥機で長時間回す |
失敗を防ぐニクワックスの洗濯機利用法
メンテナンス自体は順調でも、意外な落とし穴になるのが「洗濯機のトラブル」や「見た目の悪化」です。高価なウェアを綺麗にするつもりが、洗濯機を壊してしまったり、ウェアにシミを作ってしまったりしては元も子もありませんよね。
ここでは、筆者が失敗から学んだ、より実践的なリスク回避術をご紹介します。
✅失敗を招く残留洗剤と汚れの影響
✅衣類に白いシミを残さないためのすすぎと脱水の工夫
✅使用後の洗濯槽のメンテナンスと掃除
✅メンテナンスは「安全」への投資とは?
✅まとめ:ニクワックスと洗濯機
失敗を招く残留洗剤と汚れの影響
「ニクワックスは高いのに効果が出にくい」と言われることがありますが、その背景には必ずと言っていいほど「不純物の妨害」があります。これはウェア側の汚れだけでなく、洗濯機側の汚れも含まれます。
例えば、前日に柔軟剤をたっぷり使って洗濯をしていた場合、洗濯槽の裏側や糸くずフィルターに柔軟剤の成分が残留していることがよくあります。これがニクワックスの撥水ポリマーと混ざり合うと、本来の格子構造が形成されず、撥水力が大幅に低下してしまうんです。
筆者がおすすめする対策は、メンテナンスの前に「ウェアの予洗いを手作業でする」こと。特に襟元や袖口、ザックのショルダーハーネスが当たる部分は、皮脂汚れが繊維の奥まで入り込んでいます。
ここにテックウォッシュの原液を直接塗り、古くなった歯ブラシなどで優しくブラッシングしてあげてください。洗濯機に放り込む前のこの5分間の手間が、仕上がりの撥水持続期間を数ヶ月単位で変えてくれます。
また、ウェアに付いているベルクロ(マジックテープ)やジッパーはすべて閉じておきましょう。開いたままだと、鋭利なパーツが他の生地を傷つけたり、撥水液がポケットの中に溜まって不均一な乾燥の原因になったりします。こうした細かな準備こそが、失敗しないための王道ですね。
衣類に白いシミを残さないためのすすぎと脱水の工夫
メンテナンスが終わってウェアを乾かしてみたら、表面に白い粉を吹いたようなシミや、白い点々が残ってしまった……。これはニクワックス初心者が最も遭遇しやすい失敗の一つです。
この正体は、撥水ポリマーが水の中で溶けきらず、あるいはすすぎが不十分で濃縮されてしまい、特定の場所で固まってしまったものです。見た目が悪くなるだけでなく、その部分は通気性が損なわれてしまうので、何とか避けたい事態ですよね。
白いシミを防ぐためには、脱水工程を工夫する必要があります。防水ウェアは水を通さないため、洗濯機の中で「水の逃げ場」がなくなります。
すると遠心力で一箇所に水と撥水成分が押し付けられ、そこで成分が凝固してしまうんです。これを防ぐには、脱水をかける前に一度ウェアを取り出し、裏返してから再度セットするか、あるいは脱水を極めて短時間(30秒〜1分)で切り上げ、まだ水が滴るくらいの状態で干し始めるのがコツです。
干す際も、液だまりができやすい裾の部分などをタオルで軽く押さえて、余分な成分を吸い取ってあげると完璧です。もしシミができてしまったら、慌てずにお湯(40度以上)とテックウォッシュでその部分だけを部分洗いすれば、ポリマーを再溶解させて消すことができますよ。

失敗してもリカバーできるのがニクワックスの良いところかもですね。
防水素材を長時間脱水にかけると、洗濯槽の中でウェアが偏り、異常振動を起こして洗濯機が移動したり、最悪の場合は破損したりする事故も報告されています。脱水時は必ず洗濯機のそばを離れないようにしてくださいね。
使用後の洗濯槽のメンテナンスと掃除
忘れがちなのが、作業が終わった後の「洗濯機へのアフターケア」です。ニクワックスは非常に定着力の高い撥水剤ですから、ウェアだけでなく洗濯槽の金属面やプラスチック部分にも微細なコーティングを施してしまいます。
これを放置したまま翌日に普段着を洗うと、シャツやタオルが水を吸わなくなってしまうという、家族からの大クレームに繋がりかねない事態が起こります。実際に筆者も、お風呂上がりのバスタオルが水を弾いてしまったことがあり、かなり焦りました(笑)。
ニクワックスを使った後は、必ず「洗濯槽の空回し洗浄」を行ってください。

できれば40〜50度のお湯を溜め、酸素系クリーナー(過炭酸ナトリウム)を投入して、1サイクル回すのが理想的です。
酸素系のクリーナーは発泡作用があるため、洗濯槽の裏側にこびりついたポリマーの残渣を物理的に剥がし落としてくれます。また、糸くずフィルターには撥水成分と繊維クズが混ざった粘着性の高い汚れが溜まっているはずなので、ここも取り外してブラシで綺麗に掃除しておくといいですよ。
ここまでやって初めて、ニクワックスによるメンテナンスが完結したと言えます。家庭用洗濯機という共通のインフラを使わせてもらっている以上、後片付けもスマートにこなしたいものですね。
もし酸素系クリーナーで取りきれない汚れが気になる場合は、塩素系のクリーナーを数ヶ月に一度併用すると、有機的な汚れが分解されて、より清潔な状態を保つことができます。ただし、酸素系と塩素系は絶対に混ぜないように注意してくださいね!
メンテナンスは「安全」への投資とは?
さて、ここまでニクワックスと洗濯機をフル活用して、お気に入りのアウトドアウェアを完璧に復活させる方法を詳しく見てきましたがいかがでしたか。
最初は「なんだか準備が大変そう」「失敗したら怖いな」と感じるかもしれませんが、一度この劇的な撥水効果を目の当たりにすると、もう元のメンテナンスには戻れないはずです。雨粒がコロコロと真珠のように転がり落ちるウェアを着て歩くのは、登山者にとって最高の快感ですからね。
大切なのは、ニクワックスを単なる「後付けのコーティング」ではなく、ウェアの寿命を延ばし、安全性を確保するための「定期的な健康診断」だと考えることです。撥水力が落ちたウェアは保水して重くなり、透湿性が失われて内部が結露し、結果として体温を奪う原因になります。
自分自身で洗濯機を回し、ウェアの状態を確認しながらメンテナンスを行うことは、厳しい自然環境に挑むための準備として、とても価値のある時間かなと思います。
もちろん、ウェアの劣化具合によっては完全に元通りにならないこともありますし、最新の特殊素材などはメーカー独自の推奨ケアがある場合もあります。まずはウェアのタグをしっかり確認し、迷ったときは他の記事も参考にしながら、最適なケアを見つけてみてください。

ニクワックスと洗濯機を賢く使ったメンテナンス術、ぜひ次回の山行前に試してみてくださいね。
まとめ:ニクワックスと洗濯機
この記事で解説した重要なポイントをリストにまとめました。最終チェックとして活用してくださいね。
- ウェアが雨を弾かなくなると登山の安全を脅かす体温低下のリスクに直結する
- ニクワックスのメンテナンスは洗浄と撥水加工を必ずセットで行うのが鉄則である
- 目に見えない皮脂や泥などの汚れが残っていると撥水成分は定着しない
- 撥水剤は繊維が水分を含んで膨らんでいる濡れた状態のまま施工する
- 独自のTX.10iポリマーが繊維の一本一本に格子状のバリアを形成する
- 繊維間の隙間を埋めない格子状構造により透湿性を損なわず水だけを弾く
- 成功のための黄金比として20Lの水に対してニクワックス150mlを使用する
- 柔軟剤入りの合成洗剤が残留していると撥水効果を著しく相殺してしまう
- ドラム式洗濯機の場合は薬剤を直接入れずあらかじめ水で希釈しておく
- 給水後に一時停止して手でウェアを押し込み空気を抜くと均一に染み込む
- 羽毛製品のメンテナンスには天然の油分を守る専用の洗剤を使用する
- 乾燥機にテニスボールを数個入れると羽毛が叩きほぐされ新品のようなロフトが戻る
- 吸水性裏地のあるソフトシェルは機能低下を防ぐためスプレー加工を選択する
- 白いシミが発生した際は40度以上のお湯とテックウォッシュで部分洗いして解消する
- 家族の洗濯物に影響が出ないよう使用後は酸素系漂白剤とお湯で洗濯槽を空回しする
万全に整備されたギアと一緒に、これからも素敵な山の景色をたくさん見に行きましょう。それでは、安全で楽しいアウトドアライフを!
(参照元:NIKWAX公式)


