フランスを代表するダウンブランド、ピレネックス。その品質の高さは広く知られていますが、冬の重ね着に欠かせないインナーダウンも豊富なラインナップが揃っています。そもそもインナーダウンとはどのようなものなのか、その特徴とレビューが気になります。
ピレネックスにはVIGO(ヴィーゴ)、SIRIUS(シリウス)、ASCENT(アセント)、PATH(パス)といった魅力的なモデルがありますが、これら4つを比較したときの違いが分からず、どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いでしょう。
また、ご自身の体型に合ったサイズ感、例えば身長173㎝・体重64㎏の男性や、158cmの女性が着た場合のフィット感、さらには購入後に登山で使えるのかどうか、といった具体的な疑問も解決したいポイントのはずです。
この記事では、ピレネックスのインナーダウン選びに関するあらゆる疑問を解消し、あなたに最適な一着を見つけるお手伝いをします。
この記事でわかること
①ピレネックスの主要インナーダウンモデルの特徴
②各モデルの違いと自分に合った選び方
③身長別のリアルなサイズ感が把握
④登山などアウトドアシーンでの活用方法
モデル別徹底解説!あなたに合うピレネックスのインナーダウン

✅VIGO(ヴィーゴ):バッグ要らずの収納力が魅力のショートジャケット
✅SIRIUS(シリウス):スマートに着こなすVネックライトダウン
✅ASCENT(アセント):圧倒的コストパフォーマンスを誇る万能モデル
✅PATH(パス):登山にも対応する軽量・高機能リップストップモデル
✅4つのモデルを徹底比較!それぞれの違いと選び方のポイント
VIGO(ヴィーゴ):バッグ要らずの収納力が魅力のショートジャケット

ピレネックスのラインナップの中でも、特に個性と実用性を兼ね備えているのが「VIGO(ヴィーゴ)」です。これは単なるインナーダウンではなく、アウターとしても主役級の存在感を放つユーティリティウェアと言えるでしょう。
最大の特徴は、なんといってもその圧倒的な収納力です。フロントに4つ、サイドシームに2つ、さらに内側に3つと、合計9つものポケットを備えています。スマートフォンや財布はもちろん、ペットボトルやモバイルバッテリーまで楽々収納できるため、荷物が少ない日であれば文字通り「バッグ要らず」で外出が可能です。
デザイン面では、すっきりとしたノーカラーのVネック仕様がポイントです。このため、インナーにシャツやタートルネックを合わせたり、マフラーを巻いたりと、様々なレイヤードスタイルを楽しめます。ダウンジャケット特有のカジュアルさを抑えつつ、大人っぽい着こなしにも対応できる絶妙なバランスが魅力と言えるでしょう。
素材には、ブランドを代表するナイロンタフタを使用し、高品質なフレンチダウンがたっぷりと充填されています。ゆったりとしたリラックスフィットなので、厚手のスウェットやニットの上からでもストレスなく羽織ることが可能です。
VIGO(ヴィーゴ)はこんな人におすすめ!
- 手ぶらで出かけたい、収納力の高いアウターを探している人
- インナーだけでなく、アウターとしても使えるダウンが欲しい人
- 定番とは一味違う、デザイン性の高いアイテムを好む人
- ゆったりとしたリラックス感のある着こなしが好きな人
注意点
VIGOはインナーダウンとしてはややボリュームがあり、タイトなコートの中に着込むのは難しい場合があります。また、ポケットが多いデザインが特徴的なため、シンプルなスタイルを好む方には少し派手に見えるかもしれません。
SIRIUS(シリウス):スマートに着こなすVネックライトダウン
「SIRIUS(シリウス)」は、ピレネックスのインナーダウンの中でも特にスマートさと機能性を両立させたモデルです。アウターとしてはもちろん、コートのインナーとして着用した際に真価を発揮します。
特徴は、身体にフィットする洗練されたシルエットです。ダウンのボリュームを抑え、細かなキルティングを施すことで、着ぶくれすることなくスッキリと着こなせます。フロントは比翼仕立てのVネックで、ジャケットやコートの襟元と干渉しにくく、コーディネートを邪魔しません。
素材には超軽量なナイロンを使用し、中には850フィルパワーという高品質なフレンチダックダウンが封入されています。このため、驚くほど軽い着心地でありながら、非常に高い保温性を実現しています。冬の寒い日でも、これを一枚インナーに挟むだけで暖かさが格段に向上するでしょう。
さらに、専用のスタッフサックが付属しており、コンパクトに収納して持ち運べる点も大きな魅力です。旅行や出張の際にバッグに忍ばせておけば、急な気温の変化にもスマートに対応できます。
SIRIUSは本当に使い勝手が良い一枚です。Vネックなのでビジネスシーンでジャケットの下に着ても違和感がありませんし、休日にパーカーの上から羽織るスタイルも決まります。まさに万能選手ですね。
SIRIUS(シリウス)はこんな人におすすめ!
- コートやジャケットのインナーとして使いたい人
- 着ぶくれしない、スマートなシルエットを求める人
- 軽さと保温性を両立したダウンを探している人
- 旅行や出張など、持ち運びやすさを重視する人
ASCENT(アセント):圧倒的コストパフォーマンスを誇る万能モデル
「ASCENT(アセント)」は、「高品質なダウンは欲しいけれど、価格は抑えたい」という方に最適なモデルです。ピレネックスの品質を、驚くほどのコストパフォーマンスで体感できます。
インナーダウンに近い薄手の作りでありながら、セミシャイニーな質感の生地がさりげない高級感を演出します。軽量かつ保温性が高いため、秋口や春先にはライトアウターとして、冬本番にはミドルレイヤーとして、非常に長いシーズン活躍してくれるのが特徴です。
デザインはシンプルで、様々なスタイルに合わせやすい汎用性の高さが魅力と言えるでしょう。スーツやジャケットに合わせるジャケパンスタイルから、カジュアルな普段着まで、シーンを選ばずに着用できます。
電車やバスなど、冬の屋内は意外と暑いことがありますが、ASCENTのような身軽に羽織れる一着があると体温調節がしやすく非常に便利です。
このモデルもSIRIUS同様、パッカブル仕様でコンパクトに持ち運ぶことが可能です。3万円台から手に入るという価格設定は、他のハイブランドダウンと比較しても非常に魅力的であり、初めてピレネックスを購入する方にもおすすめです。
豆知識:ピレネックスのブランドポジション
ピレネックスは、他の有名ダウンブランドと比較して、非常にバランスの取れた位置に存在すると言われています。例えば、CANADA GOOSEほどカジュアルではなく、TATRASほどスタイリッシュすぎず、MONCLERほど高価ではない。まさに「ほど良い大人」のためのブランドです。
ASCENT(アセント)はこんな人におすすめ!
- コストパフォーマンスを重視する人
- 初めてピレネックスのダウンを購入する人
- オン・オフ問わず使える汎用性の高いアウターが欲しい人
- 秋から春まで長い期間使えるライトダウンを探している人
PATH(パス):登山にも対応する軽量・高機能リップストップモデル

「PATH(パス)」は、ピレネックスのラインナップの中でも特にアウトドアシーンでの使用を意識した高機能モデルです。タウンユースはもちろん、本格的なアクティビティにも対応できるスペックを誇ります。
最大の特徴は、軽量性と耐久性を両立したリップストップナイロンをシェル素材に採用している点です。この生地は格子状に繊維が縫い込まれているため、万が一生地が裂けてもそれ以上広がりにくく、登山などでのハードな使用にも耐えられます。さらに、撥水加工も施されているため、多少の雨や雪なら弾いてくれます。
中綿には800フィルパワーという高品質なフレンチダックダウンを使用しており、軽量でありながら十分な保温力を確保。肩と身頃でキルティングの方向を変えたデザインは、デザイン的なアクセントになるだけでなく、動きやすさにも貢献しています。
もちろん、このモデルもパッカブル仕様で付属の袋にコンパクトに収納可能です。その携帯性の高さと機能性から、トレッキングやキャンプの際の防寒着として非常に優れた選択肢となるでしょう。
PATH(パス)はこんな人におすすめ!
- 登山やキャンプなど、アウトドアでダウンを使いたい人
- 軽量性、耐久性、撥水性など機能性を重視する人
- 旅行用のサブアウターを探している人
- 機能的でありながら、デザイン性も求める人
注意点
前述の通り、PATHはアウトドアでの使用に適した高い機能性を持ちますが、本格的な冬山登山など、極めて過酷な環境においては専用の山岳ウェアが必要です。あくまで保温着(ミドルレイヤー)として活用するのが良いでしょう。
4つのモデルを徹底比較!それぞれの違いと選び方のポイント
これまでご紹介してきた4つのモデル「VIGO」「SIRIUS」「ASCENT」「PATH」の特徴を一覧で比較してみましょう。それぞれの違いを理解することで、あなたに最適な一着がきっと見つかります。
モデル名 | VIGO (ヴィーゴ) | SIRIUS (シリウス) | ASCENT (アセント) | PATH (パス) |
---|---|---|---|---|
デザイン | ノーカラー・Vネック ショートジャケット | Vネック カーディガンタイプ | スタンドカラー ジャケットタイプ | スタンドカラー ジャケットタイプ |
最大の特徴 | 圧倒的な収納力 (9ポケット) | スマートなシルエット | 高いコストパフォーマンス | アウトドア仕様 (撥水・耐久性) |
フィルパワー | – (十分な保温性) | 850FP | – (軽量かつ高保温) | 800FP |
パッカブル | ✕ | ○ | ○ | ○ |
おすすめシーン | タウンユース、日帰りレジャー | ビジネス、タウンユース、インナー全般 | タウンユース、通勤、ライトアウター | アウトドア、旅行、タウンユース |
こんな人に最適 | 手ぶら派・個性派 | 着ぶくれしたくない・スマート派 | コスパ重視・汎用性重視派 | アクティブ派・機能性重視派 |
このように、一口にピレネックスのインナーダウンと言っても、モデルごとに全く異なる個性を持っています。あなたのライフスタイルや、ダウンを着用する主なシーンを想像しながら選ぶことが、最適な一枚を見つけるための重要な鍵となります。
ピレネックスのインナーダウンを賢く選ぶためのサイズ感と活用術

✅サイズ感を解説【173cm/64kg・158cmの着用イメージ】
✅インナーダウンは登山で使える?モデル別の適性を検証
✅まとめ:ピレネックスのインナーダウン
サイズ感を解説【173cm/64kg・158cmの着用イメージ】

インナーダウンを選ぶ上で、デザインと同じくらい重要なのがサイズ感です。用途によって最適なサイズは変わってくるため、具体的な着用イメージを掴んでおきましょう。
インナーとして使うならジャストサイズが基本
コートやジャケットの中に着込むことを主目的とする場合、基本的にはジャストサイズ、もしくは少しタイトめを選ぶのがおすすめです。大きすぎるサイズを選ぶと、アウターの中で生地がごわついてしまい、着心地が悪くなるだけでなく、着ぶくれして見えてしまいます。
特にSIRIUSのようなモデルは、身体にフィットさせてこそ、そのスマートさが活きてきます。
アウターとして使うなら少しゆとりを
一方で、秋口のライトアウターとして、あるいはVIGOのようにアウターとしての側面が強いモデルを選ぶ場合は、インナーにスウェットやニットを着込むことを想定し、少しゆとりのあるサイズを選ぶのが良いでしょう。ただし、あまり大きすぎると保温効率が下がってしまうため、あくまで「程よいゆとり」を意識することが大切です。
着用イメージ:身長・体重別
【173cm/64kg 標準体型の男性の場合】
標準的な日本人男性の体型であれば、多くのモデルでMサイズが基準となるでしょう。インナー使いをメインに考えるならSサイズも選択肢に入ります。
VIGOのようなリラックスフィットのモデルはSサイズでもゆとりを持って着用できる可能性があります。購入前には、必ず試着するか、オンラインストアのサイズチャートを詳細に確認することをおすすめします。
【158cm 標準体型の女性の場合】
ピレネックスはメンズモデルが中心ですが、XSやSサイズであれば女性でも素敵に着こなすことができます。特にSIRIUSやASCENTのようなシンプルなモデルは、女性が少しオーバーサイズ気味に着るのも現代的でおしゃれです。
その場合、袖丈が長くなる可能性があるので、袖をまくったり、お直しを検討したりするのも良いかもしれません。ジャストで着たい場合は、レディースモデルから探すのが確実です。
サイズ選びの注意点
同じブランドでも、モデルによってサイズ感が異なることはよくあります。特にVIGOは他のモデルよりゆったりとした作りになっています。過去にピレネックスの製品を購入したことがある方でも、新しいモデルを検討する際は改めてサイズを確認するようにしてください。
インナーダウンは登山で使える?モデル別の適性を検証

「高品質なピレネックスのダウンを、ぜひ登山でも活用したい」と考える方も多いでしょう。結論から言うと、モデルを選べば登山での使用も可能ですが、注意点もあります。
登山に適しているモデルは?
前述の通り、最も登山に適しているのは「PATH」です。リップストップナイロンによる耐久性と撥水性、そして800フィルパワーの保温力と携帯性は、まさにアウトドアシーンで求められる要素を備えています。
次点として「SIRIUS」も選択肢に入ります。超軽量でコンパクトに収納できる点は大きなメリットです。ただし、シェル素材の耐久性や撥水性はPATHに劣るため、アウターとしてではなく、あくまで雨風をしっかり防げるハードシェルの下に着る「保温着(ミドルレイヤー)」としての役割に徹するのが良いでしょう。
登山での使用を検討する際の注意点
一方で、「VIGO」や「ASCENT」は、どちらかと言えばタウンユース向けのデザインと機能性です。
- VIGO:収納力は魅力ですが、登山においてはポケットの多さが逆に木の枝などに引っかかるリスクになり得ます。また、パッカブル仕様ではないため携帯性にも欠けます。
- ASCENT:タウンユースでの汎用性は高いものの、本格的なアウトドアウェアに求められる耐久性や撥水性といった機能は限定的です。
登山では、軽量性・コンパクト性・保温性・耐久性・速乾性など、多くの要素が求められます。ピレネックスは素晴らしいブランドですが、やはり本格的な登山では、その用途に特化した専門ブランドのウェアを選ぶのが最も安全で快適です。
ピレネックスを登山で使うなら、比較的気候が安定した低山でのハイキングや、山小屋での防寒着といったシーンがおすすめです。
まとめ:ピレネックスのインナーダウン
今回は、ピレネックスのインナーダウンとして人気の4モデルを徹底的に比較・解説しました。以下にポイント記します。
- ピレネックスはフランス発祥の歴史あるダウンブランド
- インナーダウンはモデルごとに全く異なる特徴を持つ
- VIGOは9つのポケットを備えた圧倒的な収納力が魅力
- VIGOはノーカラーでレイヤードが楽しめるアウターとしても優秀
- SIRIUSは着ぶくれしないスマートなシルエットが特徴
- SIRIUSは850FPと高い保温性を誇りインナーに最適
- ASCENTは3万円台から購入できる高いコストパフォーマンスが魅力
- ASCENTはオンオフ問わず使える汎用性の高いデザイン
- PATHはリップストップナイロン採用でアウトドア向き
- PATHは撥水性と耐久性を備え登山でも活躍する
- 4モデルを比較する際はデザイン・機能性・価格のバランスを見る
- インナー目的ならジャストサイズ、アウター目的なら少しゆとりを持たせるのが基本
- 身長173cm/64kgの男性ならMサイズが基準になることが多い
- 登山で使うならPATHが最も適しており、SIRIUSもミドルレイヤーとして活用可能
- 自分のライフスタイルや主な使用シーンを考えて選ぶことが最も重要