スポルティバのスクワマのサイズ感は?伸びやレディースを比較!

スポルティバのスクワマのサイズ感は?伸びやレディースを比較!クライミングシューズ
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「スポルティバ スクワマ」と検索してこの記事にたどり着いたということは、きっとサイズ選びや履き心地について悩んでいる真っ最中ではないでしょうか。実はスクワマは劇的に伸びることで有名なシューズなので、サイズ感の正解を見つけるのが本当に難しいんですよね。

さらに、レディースモデルとの違いや、ソリューションなど他モデルとの比較、そして特殊なソールゆえのリソールの問題など、購入前に知っておくべきポイントがたくさんあります。この記事では、そんな初心者ボルダーの不安を解消できるよう、スクワマの特性を徹底的に掘り下げていきます。

この記事でわかること

①特有の伸びを考慮した失敗しないサイズ選び
②男性がレディースモデルを選ぶメリットと構造的な違い
③ソリューションやドラゴなどライバル機種との性能比較
④長く履くためのメンテナンスとリソール

徹底解説!スポルティバのスクワマ:選び方のポイント

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現代のクライミングシーン、特にジムでのボルダリングにおいて「最強の万能シューズ」との呼び声高いスクワマ。しかし、そのポテンシャルを100%引き出すためには、何よりも「正しい選び方」ができてこそです。

単に足が入れば良いというわけではなく、自分の体重、足型、そして登るスタイルに合わせた選択が必要不可欠になります。ここでは、多くのクライマーを悩ませるサイズ感の真実や、性別にとらわれないモデル選び、そして強力なライバルたちとの比較について、私なりの視点と仲間たちからの情報を交えて詳しく解説していきますね。

✅劇的に伸びるサイズ感と推奨サイズ
✅レディースとの違いや性別の枠超え
✅ソリューションや他社製品との比較
✅強傾斜で活きるS-Heelの評価

劇的に伸びるサイズ感と推奨サイズ

まず最初に、スクワマを選ぶ上で最も覚悟しておかなければならないこと、それはこのシューズが「驚くほど伸びる」という事実です。これは決して大袈裟な表現ではなく、多くのユーザーが口を揃えて言う特徴です。

もし、新品の状態で「ちょっとキツイけど、無理なく履ける快適なサイズ」を選んでしまった場合、1ヶ月後にはカカトが浮き、つま先に力が入らない「ガバガバな靴」になって後悔することになるでしょう。

なぜここまで劇的に伸びるのか。その理由は大きく分けて2つあります。一つはアッパー(甲の部分)の広い範囲に、足馴染みの良い「天然レザー(スエード)」が使用されていること。合成皮革とは異なり、天然皮革は汗や体温、そしてクライミング中の激しい足の動きによって繊維がほぐれ、持ち主の足の形に合わせて柔軟に拡張します。

もう一つは、スクワマのアイデンティティでもある「スプリットソール」構造です。ソールの中央に縦方向のスリット(窓)が入っているため、横方向への剛性が意図的に抜かれており、足幅に合わせて靴全体が広がりやすいのです。

周囲のクライマーの事例を見ても、新品時はビニール袋を使わないと足が入らないレベルのサイズを選び、そこから「修行」と呼ばれるブレークイン期間を経て、最高のフィット感を手に入れるのがスクワマの定石となっています。最初は激痛との戦いですが、馴染んだ後の「足と靴が一体化する感覚」は、他のシューズでは味わえない中毒性があります。

引用元:メルカリ

サイズ選びの核心

基本的に「攻めのサイズ」を選ぶのが正解です。あくまで目安ですが、新品時は実寸からマイナス2.0〜3.0サイズ(EUサイズ)下げるのが一般的です。スニーカーサイズ基準ではなく、必ず「素足の実寸」を基準に考えてください。

具体的なサイズ感の目安を、ユーザーの目的別に表にまとめました。「どこまで攻めるか」の参考にしてみてください。

ユーザータイプサイズダウン目安(実寸比)新品時の感覚馴染んだ後のメリット
快適さ重視-1.5 ~ -2.0痛みは少ないが圧迫感あり長時間履いても痛くない。靴下着用も可能。ただし細かいエッジング性能は落ちる。
パフォーマンス重視-2.0 ~ -2.5かなり痛い(ビニール必須)ジャストフィット。指が拘束され、強傾斜で足が切れない。最も推奨されるゾーン。
エリート志向-2.5 ~ -3.0激痛(短時間しか履けない)究極の一体感。ヒールの隙間ゼロ。コンペなど一発勝負の世界向き。

ブレークイン(慣らし)のコツ

新品のスクワマをいきなりジムで長時間履くのは結構辛いです。おすすめは、自宅でテレビを見ながら10分〜15分履いて、体温で革を温めながら少しずつ伸ばす方法です。また、ジムでは「アップの数本だけ履く」というように徐々に着用時間を延ばしていくと、足への負担を最小限に抑えられます。

注意点

「痛いサイズが良い」というのはあくまで一般論です。無理なサイズダウンは、外反母趾などの障害や慢性的な痛みの原因になります。ご自身の足の形や痛みの耐性と相談しながら、決して無理をしすぎない範囲で選んでください。健康な足あってこそのクライミングです。

レディースとの違いや性別の枠超え

次に深掘りしたいのが、「メンズモデルとウーマン(レディース)モデル、どっちを選べばいいの?」という問題です。店頭で「男性ですがレディースを試着してもいいですか?」と聞くのをためらう方もいるかもしれませんが、クライミングシューズの世界では性別を超えてモデルを選ぶのはごく当たり前の戦略です。

実際、トップ選手を含む多くの男性クライマーが、戦略的にウーマンモデルを選択しています。

メンズ(黄色×黒)とウーマン(アップルグリーン×水色、または新色)の最大の違いは、足型の細さではなく、「構造的な剛性(硬さ)」にあります。カタログスペック上は同じ「XS Grip2 3.5mm」のソール厚に見えることもありますが、内部構造やミッドソールの配置により、ウーマンモデルの方が明らかに柔らかく、しなやかに作られています。

クライミングシューズは、自分の体重をソールに乗せ、ゴムを「たわませる」ことでホールドとの接地面積を増やし、摩擦(フリクション)を生み出します。つまり、体重が軽い人が硬いメンズモデルを履くと、ソールが十分にたわまず、弾かれて滑ってしまう現象が起きるのです。

逆に、体重がある人が柔らかすぎる靴を履くと、ソールが潰れすぎて足裏が疲れてしまいます。

体重60kgがひとつの分岐点?

一般的に、体重が60kg以下の男性であれば、ウーマンモデルの方がソールの性能を引き出しやすいと言われています。また、体重に関わらず、現代のボルダー課題に多い「巨大なボテ」や「スローパー」を多用するスタイルでは、柔らかい靴の方が接地面積を稼げるため、あえてウーマンモデルを選ぶ男性も増えています。

ヒールカップの「シンデレラフィット」問題

日本人男性にとって、ウーマンモデルを選ぶもう一つの大きなメリットが「ヒールカップの大きさ」です。欧米人に比べて踵が小さく、くるぶしの位置が低い傾向にある日本人男性の足には、メンズモデルのヒールは深すぎたり大きすぎたりすることが多々あります。

そこでウーマンモデルを履いてみると、「踵の収まりが完璧!」「くるぶしが当たらない!」という感動的なフィット感に出会えることがあります。食わず嫌いせず、ぜひ両方のモデルを履き比べてみてください。

ソリューションや他社製品との比較

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スクワマの購入を検討する際、必ずと言っていいほど比較対象に挙がるのが、同じスポルティバの「ソリューション」や、スカルパの「ドラゴ」といった名作たちです。これらはどれも素晴らしいシューズですが、得意とするフィールドや特性は明確に異なります。

それぞれの違いを理解することで、自分が求めているのが本当にスクワマなのか、それとも他のモデルなのかが見えてくるはずです。

vs ソリューション(Solution)

引用元:スポルティバ

ソリューションは、長年コンペシーンを支えてきた「課題解決」のためのシューズです。スクワマとの決定的な違いは「硬さとエッジング性能」にあります。ソリューションはP3システムとロックハーネスシステムにより、非常に高い剛性を持っています。

これにより、外岩の微細なカチ(エッジ)や、垂壁での立ち込みにおいては圧倒的な安定感を誇ります。

一方、スクワマは「柔らかさとスメアリング性能」に特化しています。ソリューションでは弾かれてしまうような丸いホールドや、足裏全体で乗るような場面ではスクワマに軍配が上がります。

「点で乗るならソリューション、面で乗るならスクワマ」という使い分けが一般的ですが、インドアの現代的な課題では、スクワマの汎用性の方が扱いやすいと感じる人が多いかもしれません。

vs スカルパ ドラゴ(Scarpa Drago)

引用元:スカルパ

「柔らかいシューズ」の代名詞とも言えるドラゴ。スクワマと比較すると、ドラゴはさらに薄く、柔らかく作られています。極端な言い方をすれば、ドラゴは「ゴム靴下」のような感覚で、足裏の感覚(センシティビティ)は極致に達していますが、その分、足指の力で体を支える必要があります。

対してスクワマは、柔らかいながらも革のアッパーや適度な厚みのソールのおかげで、「靴としてのコシ・剛性」が残っています。ドラゴだと足が疲れてしまう、あるいは柔らかすぎて不安という人にとって、スクワマは「サポート力のあるソフトシューズ」として絶妙なバランスを提供してくれます。

また、耐久性に関しても、アッパーの丈夫さはスクワマの方が一枚上手です。

強傾斜で活きるS-Heelの評価

引用元:メルカリ

スクワマの外見で最も目を引くのが、ヒール部分に配置された独特な形状のラバーパーツ、通称「S-Heel(エス・ヒール)」です。単なるデザイン上のアクセントだと思われがちですが、実はこれこそがスクワマの完成度を高めている重要なテクノロジーなのです。

従来のソフトシューズにおける最大の弱点は、「ヒールの剛性不足」でした。柔らかい靴は足裏感覚が良い反面、強い負荷がかかるヒールフックの動作において、ヒールカップ自体がグニャッと潰れてしまい、ホールドから抜けてしまう(脱げてしまうような感覚になる)ことが多々ありました。

S-Heelはこの問題を解決するために開発されました。ヒールカップの内側(インサイド)に、変形に強い硬質のラバーブリッジを埋め込み、外側の柔らかいグリップラバーと一体化させています。これにより、「縦方向の荷重には潰れず耐える」けれど「横方向やねじれには追従する」という、相反する要素を両立させることに成功しました。

実戦での感覚

実際に強傾斜のルーフなどで、踵だけで体全体を引き上げるようなハードなヒールフックをかけた時、その違いは歴然です。踵がカッチリとロックされ、力が逃げずにダイレクトに壁に伝わる感覚があります。それでいて、ソリューションのヒールカップほど硬すぎないため、ホールドの形状を感じ取る感度(センシティビティ)も損なわれていません。

この「潰れない安心感」があるからこそ、際どい場面でも思い切ったムーブが出せるのです。

このP3システムやS-Heelといった独自の技術については、メーカーも詳細なデータを公表しています。(出典:ラ・スポルティバ ジャパン公式サイト『TECHNOLOGY』)。こうした裏付けのある技術が、私たちの登りを支えてくれているわけですね。

スポルティバのスクワマ:運用とメンテナンス

どれほど高性能なシューズでも、日々のメンテナンスや適切な運用ができなければ、その性能はすぐに失われてしまいます。特にスクワマは、その特殊な構造ゆえに、他のシューズとは少し違った気遣いが必要です。ここでは、相棒(スクワマ)と少しでも長く付き合うための、運用とメンテナンスのリアルな知識をお伝えします。

✅難易度が高いリソールの注意点
✅耐久性と臭い対策のメンテナンス
✅総括:スポルティバのスクワマ

難易度が高いリソールの注意点

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クライミングシューズのソールが減ってきたら、新しいゴムに張り替える「リソール」を行うのが一般的です。履き慣らした最高のアッパー(足型)をそのままに、グリップ力を復活させることができる経済的な手段ですが、スクワマのリソールには一つ大きなハードルが存在します。

それが、スクワマの心臓部とも言える「スプリットソール(底の穴)」の処理です。オリジナルのソールは金型で成形されているため、あの穴の周辺も滑らかに処理されています。

しかし、リソール職人さんが行う作業は、平らなラバーシートをカットして貼り付けるアナログな作業です。そのため、立体的な穴の形状を完全に再現するのは非常に難易度が高いのです。

リソール時の選択肢

リソール店によっては、技術的な理由や耐久性を優先するために、「穴なし(スリットを埋めて一枚のソールにする)」仕上げを提案されることがあります。しかし、穴を埋めてしまうとスクワマ最大の特徴である「横方向への柔軟な広がり」が失われ、少し硬い別の靴のような履き心地になってしまうリスクがあります。

リソール依頼のコツ

スクワマの性能を維持したいなら、スポルティバのオフィシャルリソールネット認定店や、スクワマの構造に精通した専門店を選ぶことを強く推奨します。そして依頼時には、可能であれば「スリット(穴)の再現(またはセパレート仕上げ)」が可能かどうかを確認しましょう。ただし、技術料として追加料金がかかる場合もあります。

スクワマの構造に精通した専門店:ナカダ商店(日本初 ヴィブラム認定工場)

耐久性と臭い対策のメンテナンス

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スクワマのアッパー素材には、足馴染みの良い天然皮革(スエードレザー)と、型崩れを防ぐ人工皮革(マイクロファイバー)が部位ごとに使い分けられています。このハイブリッド構造はフィット感において最強ですが、衛生面においては少々厄介です。

正直に言いますと、「スクワマは臭くなりやすい」部類のシューズです。天然皮革は汗を大量に吸い込みます。

湿った状態で放置すると、雑菌が繁殖し、強烈なニオイの原因になるだけでなく、革自体の劣化(硬化やひび割れ)を招きます。登り終わったら、必ずシューズケースから出し、風通しの良い日陰で十分に乾燥させることが、靴の寿命と周囲へのマナーを守る鍵になります。直射日光はゴムを劣化させるので厳禁です。

ソールの消耗について

採用されている「Vibram XS Grip2」は、粘り気が強くグリップ力は最高ですが、硬い「XS Edge」などに比べると摩耗は早いです。特に、ジムのザラザラした壁に擦り付けるような登り方(足がバタバタしている状態)だと、つま先にあっという間に穴が空いてしまいます。

スクワマの柔らかいソールは、「静かに、正確に足を置く」技術を磨くための先生でもあります。ソールが薄くなってきたら、穴が貫通してアッパー本体を傷つける前に、早めのリソール出しを検討してください。

総括:スポルティバのスクワマ

ここまでスクワマというシューズについて、サイズ感から構造、メンテナンスに至るまで深掘りしてきました。改めて思うのは、このシューズが現代のクライミングシーンにおける「真のマスターピース(傑作)」だということです。

発売から数年が経過し、各メーカーから新しいコンセプトのシューズが次々と登場していますが、スクワマの支持率は一向に衰える気配がありません。それは、「サイズ選びが難しい」「リソールが大変」といった運用上の難しさを補って余りある、「どんなホールドにも対応できる圧倒的な万能性」があるからです。

強傾斜のボルダーで足が切れても残せる、スラブの何もない壁で信じて踏み込める、コーディネーションで着地の衝撃を吸収してくれる。インドアのボルダー課題をメインに楽しむなら、スクワマは間違いなくあなたの最強の武器になってくれるでしょう。

これからスクワマを履いてみようかなと思っている方は、ぜひ「最初は痛いかもしれないけど、自分の足に合わせて育てていく靴なんだ」という気持ちで、じっくりと向き合ってみてください。

修行期間を乗り越えた先には、きっと、今まで登れなかった課題のゴールまであなたを運んでくれる、世界に一足だけの最高の相棒が待っているはずですよ。

※本記事の情報は一般的な目安であり、足の形には個人差があります。サイズ選びの際は必ず店頭で試着を行うことを強く推奨します。また、痛みや違和感を感じた場合は専門家にご相談ください。

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