グレゴリーの多機能バックパック「イナーシア」について、購入を検討されていますか。日常での普段使いから本格的なアウトドア活動まで、幅広いシーンで活躍するモデルですが、18Lと25Lのどちらを選ぶべきか、具体的な違いが分からず迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、グレゴリー イナーシアの特徴を深掘りしつつ、18Lモデルと25Lモデルそれぞれの詳細なレビューをお届けします。さらに、多くの方が気になる2つの違いを比較し、登山で使えるか、女性が使うとしたらどちらが適しているか、そして普段使いでのメリット・デメリットまで、あらゆる角度から徹底的に解説します。
あなたのライフスタイルに最適なイナーシアを見つけるための、確かな情報がここにあります。
この記事でわかること
①グレゴリー イナーシア18と25の具体的な特徴
②容量や機能性など2モデルの明確な違い
③登山や普段使いなどシーン別の適性
④性別や体格に合わせた最適なモデルの選び方
グレゴリーのイナーシア18・25レビュー【基本情報】

✅そもそもイナーシアとは・特徴を解説
✅街使いに最適!18レビュー
✅機能性が高い!25レビュー
✅容量だけじゃない2つの違いを比較
そもそもイナーシアとは・特徴
グレゴリーの「イナーシア」シリーズは、ハイキングから日常の街使いまで、シーンを問わずシームレスに活躍することを目指して設計されたバックパックです。バックパック専門ブランドとして約50年の歴史を持つグレゴリーが、その技術と経験を注ぎ込んだ、非常にバランスの取れたモデルと言えます。
最大の特徴は、優れた通気性とフィット感をもたらす背面のシステムにあります。立体的な「3Dフォームバックパネル」を採用しており、背中とバックパックの間に空気の通り道を確保することで、長時間の使用や暑い季節でも蒸れを大幅に軽減します。
これは本格的な登山用ザックにも採用される技術であり、イナーシアがアウトドアシーンで高いパフォーマンスを発揮する理由の一つです。
イナーシアシリーズの主な共通点
ハイドレーションスリーブ(給水パック用ポケット)が標準装備されていますが、このポケットはノートPCやタブレットを収納するスリーブとしても活用できます。そのため、平日は通勤・通学用のバッグとして、週末はハイキング用のザックとして、1つのバックパックで2つの役割をこなせる高い汎用性を持っています。
また、ユーザーの体型に合わせて最適なフィット感を提供するため、メンズモデルとレディースモデルが用意されている点もポイントです。
- メンズモデル: イナーシア (INERTIA)
- レディースモデル: スウィフト (SWIFT)
レディースモデルの「スウィフト」は、女性の骨格に合わせてショルダーハーネスの形状や幅が専用設計されており、より快適な背負い心地を実現しています。このように、イナーシアはグレゴリーの哲学である「最高の背負い心地」を、日常とアウトドアの両方で体感できる多機能バックパックなのです。
街使いに最適!18レビュー
「イナーシア18」は、シリーズの中でも特にコンパクトさと軽さを追求したモデルです。その洗練されたデザインは、アウトドア特有のゴツゴツとした印象が少なく、都市部での普段使いに非常にマッチします。
リニューアルを経て、以前よりもスッキリとしたモダンなシルエットになり、ジャケットスタイルなどのきれいめな服装にも合わせやすくなりました。容量は18L、重量は約553gと非常に軽量で、日常的に持ち運ぶ際の負担をほとんど感じさせません。
この軽さは、荷物を入れていない状態はもちろん、PCや書類などを収納した状態でも大きなメリットとなります。
機能性と収納
コンパクトながら、使い勝手を高める機能が随所に盛り込まれています。
側面には、片方に伸縮性のあるメッシュボトルポケット、もう片方にはリュックを背負ったままでもアクセス可能なジッパー付きポケットが配置されています。このジッパーポケットはスマートフォンやパスケースなど、頻繁に出し入れする小物の収納に最適で、街中での利便性を大きく向上させています。
背面側のハイドレーションコンパートメントは、13インチ程度のノートPCであれば問題なく収納可能です。メインコンパートメントはシンプルな一気室構造で、日常の荷物をざっくりと収納するのに向いています。ウエストストラップは不要であれば取り外せるため、よりシンプルな見た目で使用することもできます。
イナーシア18は、まさに「アーバン・アウトドア」を体現したモデルです。毎日の通勤・通学を快適にしつつ、休日の気軽なハイキングにもそのまま持ち出せる、そんなスマートなライフスタイルを求める方にぴったりのバックパックと言えるでしょう。
機能性が高い!25レビュー
「イナーシア25」は、より多くの荷物を収納できる容量と、アウトドアシーンで役立つ多彩な機能を備えた、シリーズのスタンダードモデルです。(※市場では「イナーシア24」として流通しているモデルがこれに該当します)
容量24L、重量約785gと、日帰り登山や短期の旅行にも十分対応できるスペックを持っています。デザイン面での最大の特徴は、フロントパネルに配置されたバンジーコードです。
このコードを使えば、脱いだ上着やレインウェア、ヘルメットなどを一時的に挟んでおくことができ、非常に便利です。デザイン上のアクセントにもなっており、イナーシア18に比べてよりアクティブでアウトドアライクな印象を与えます。
考え抜かれたポケット配置
イナーシア25は、ポケットの数が豊富で、荷物の整理がしやすい点も魅力です。
- トップポケット: すぐに取り出したい鍵や財布などを収納するのに便利な、キークリップ付きのポケット。
- サイドポケット: 片側は伸縮性メッシュポケット、もう片方はジッパー付きポケットで、ボトルと小物を分けて収納可能。
- メインポケット: 大きく開口し、荷物の出し入れがスムーズ。内生地が明るい色(赤など)のため、中身の視認性が高いのも隠れたポイントです。
- 背面ポケット: ハイドレーションまたはPCスリーブとして使える多目的ポケット。
これらのポケット構成は、日常使いからハイキングまで、様々なシチュエーションで荷物を効率的に管理するのに役立ちます。特に、内生地の色は、暗い場所で荷物を探す際のストレスを軽減してくれる、グレゴリーらしい細やかな配慮です。
注意点:クッション性について
イナーシアシリーズ全体に言えることですが、軽量性を重視しているため、PCスリーブや本体の底面に厚いクッション材は入っていません。ノートPCやカメラなどの精密機器を収納する際は、別途保護ケースを使用することを強く推奨します。
容量だけじゃない2つの違いを比較
イナーシア18と25(24)は、単に容量が違うだけではありません。デザインの方向性や機能性、そして想定される主な使用シーンが異なります。どちらのモデルが自分に合っているかを判断するために、ここで両者の違いを明確にしておきましょう。
以下の表に、主なスペックと特徴の違いをまとめました。
項目 | イナーシア18 | イナーシア25 (24) |
---|---|---|
容量 | 18リットル | 24リットル |
重量 | 約553g | 約785g |
サイズ (高さ×幅×奥行) | 約50×25×15cm | ワンサイズ (非公開情報が多いが18より一回り大きい) |
デザイン | シンプルでモダン (バンジーコードなし) | アクティブでアウトドア寄り (バンジーコードあり) |
ポケット構成 | 基本的な構成 | トップポケットが追加され、より多機能 |
主な想定用途 | 通勤・通学、街歩き、軽ハイキング | 日帰り登山、旅行、荷物が多い日の普段使い |
最も大きな選択のポイントは、「デザインの好み」と「主な用途」です。日常的に使うことがメインで、スッキリとした見た目を重視するならイナーシア18が適しています。一方、週末のアウトドア活動がメインで、拡張性や収納力を重視するならイナーシア25(24)が最適な選択となるでしょう。
グレゴリーのイナーシア18・25レビュー【用途別】

✅登山で使える?機能性をチェック
✅普段使いするメリット・注意点
✅女性が使うとしたらどっち?
✅レディースモデル「スウィフト」のレビューと特徴
✅まとめ:グレゴリーのイナーシア18・25レビュー
登山で使える?機能性をチェック
「見た目がおしゃれだから普段使いメインかな?」「このリュックで本当に登山に行けるの?」と不安に思う登山初心者の方もいらっしゃるかもしれません。結論から言うと、イナーシアは日帰り登山やハイキングに十分すぎるほどの機能を備えており、むしろ初心者の方にこそおすすめしたい快適なバックパックです。
その理由を、登山で重要になるポイントと合わせて、一つひとつ詳しく解説します。
ポイント1:疲れが全然違う!体にフィットする背負い心地
登山では、普段の街歩きと違って長時間荷物を背負い続けます。バックパックが体に合っていないと、重さがすべて肩にのしかかり、すぐにバテてしまう原因になります。イナーシアは、この「背負い心地」に関して、グレゴリーが長年培ってきた技術が惜しみなく投入されています。
- 立体的な背面パネル:背中のカーブに自然にフィットする「3Dフォームバックパネル」が、荷物の重さを背中全体に分散させてくれます。これにより、肩への負担が劇的に減り、荷物が軽く感じられます。
- 体を固定する2本のベルト:胸の位置で留める「チェストストラップ」と、腰で巻く「ウエストベルト」が付いています。これをしっかり締めると、バックパックが体にピタッと固定され、歩行中の揺れを防ぎます。特に下り坂などで荷物が暴れないため、体力の消耗を抑え、安全に歩くことができます。
登山経験者からは「ザックは背負うのではなく、着るものだ」と言われることがあります。イナーシアは、まさにその「着る」ような感覚を味わえるフィット感を提供してくれるため、登山中の疲れを大きく軽減してくれますよ。
ポイント2:汗をかいても快適!背中の優れた通気性
登山は、涼しい季節でも意外なほどたくさんの汗をかきます。特に背中はバックパックと密着しているため、汗でびっしょりになりがちです。背中が濡れたままだと不快なだけでなく、休憩中に風に当たると急激に体が冷え、体調を崩す原因にもなります。
イナーシアの背面パネルは、ただ立体的なだけではありません。表面に凹凸があり、背中とバックパックの間に意図的に隙間(空気の通り道)を作る設計になっています。
この隙間を空気が通り抜けることで、熱や湿気がこもるのを防ぎ、汗による蒸れを大幅に軽減してくれるのです。この通気性の良さは、特に汗をかきやすい夏場の登山で大きなメリットになります。
ポイント3:あると断然便利!登山専用の機能
イナーシアには、一見すると分かりにくいですが、登山を快適にしてくれる便利な機能が標準装備されています。
■ トレッキングポール・アタッチメント
登り下りの際に足腰の負担を軽くしてくれる「トレッキングポール」。とても便利な道具ですが、岩場など使わない場面では手に持っていると邪魔になります。
イナーシアには、このトレッキングポールをバックパックの側面にスマートに固定できる専用のループとコードが付いています。ここにポールを収納すれば両手が自由になるため、写真を撮ったり、水分補給をしたりする際に非常に便利です。
■ハイドレーションシステム対応

「ハイドレーション」とは、水を入れるパックと、そこから伸びるチューブを使って、歩きながら水分補給ができるシステムのことです。登山では、喉が渇く前にこまめに水分を摂ることがバテ防止の鍵となります。
イナーシアの内部には、このハイドレーションパックを収納する専用ポケットと、チューブを肩口まで通すための出口が用意されています。これを使えば、バックパックを下ろす手間なく、いつでも好きな時に水を飲むことができます。
ペットボトルを取り出すのが面倒で水分補給がおろそかになりがちな初心者の方には、特に心強い機能です。
初心者の方が知っておきたい注意点
イナーシアは日帰り登山に最適なバックパックですが、万能ではありません。軽量性を重視しているため、クッション性は最低限です。カメラなどの精密機器や、潰したくないお弁当などは、タオルで包んだり、硬いケースに入れたりする工夫をすると安心です。
また、このバックパックで対応できるのは、基本的に日帰りの範囲です。山小屋に泊まるなど、荷物が増える場合は、より容量の大きい本格的な登山ザックを選びましょう。
普段使いするメリット・注意点
イナーシアシリーズを普段使いする最大のメリットは、アウトドアブランドならではの機能性による快適さです。満員電車での移動や、一日中PCを背負って歩き回るような日でも、その恩恵を実感できます。
普段使いでのメリット
- 背負い心地が良く疲れない: 人間工学に基づいた設計により、肩や背中への負担が少なく、荷物が軽く感じられます。
- 背中が蒸れにくい: 夏場の移動や自転車通勤など、汗をかきやすいシーンでも背面パネルの通気性が快適さを保ちます。
- 整理しやすいポケット: スマートフォンやボトル、PCなどを定位置に収納できるため、バッグの中がごちゃごちゃになりにくいです。
特にイナーシア18は、そのシンプルなデザインからビジネスシーンでも違和感なく使用できます。一方、イナーシア25(24)は、教科書や部活動の道具で荷物が多くなりがちな学生や、仕事帰りにジムへ行くようなライフスタイルの方に便利です。
普段使いでの注意点
メリットが多い一方で、普段使いする上での注意点も存在します。
前述の通り、最大の注意点はクッション性の低さです。特にノートPCを持ち運ぶ場合は、衝撃から保護するためのインナーケースが必須となります。
また、デザイン面では、イナーシア25(24)のバンジーコードが服装やシーンによってはカジュアルすぎる印象を与える可能性があります。フォーマルな場での使用を考えている場合は、よりシンプルなイナーシア18を選ぶのが無難でしょう。
女性が使うとしたらどっち?
女性がイナーシアシリーズを選ぶ場合、小柄な方や荷物が少ない方であれば「イナーシア18」が最もバランスの取れた選択肢となります。高さが約50cmと比較的コンパクトなため、背負った時の見た目のバランスが良く、大きすぎて「背負われている感」が出にくいのが利点です。
もちろん、登山での使用をメインに考えていたり、普段から荷物が多かったりする方であれば、イナーシア25(24)も選択肢に入ります。ただし、購入前には一度試着して、ご自身の体格に合うかどうかを確認することをおすすめします。
レディースモデル「スウィフト」のレビューと特徴
前述の記事で少し触れましたが、グレゴリーの「スウィフト」は、「イナーシア」と対になるレディース専用設計のバックパックシリーズです。単にサイズを小さくしたり色を変えたりしただけではなく、女性の身体的な特徴に合わせて、根本から設計が見直されています。
もしあなたがフィット感を最優先するなら、スウィフトは非常に有力な選択肢となります。なぜなら、男女では骨格、特に肩幅や胸、腰回りの形状が大きく異なるため、メンズモデルをそのまま使うと、どうしても体に合わない部分が出てきてしまうからです。
スウィフトは、その問題を解決し、女性が最高の背負い心地を得られるように作られています。
イナーシア(メンズ)との3つの主な設計の違い
スウィフトがイナーシアと具体的にどう違うのか、その核心となる3つの設計ポイントを解説します。
1. 女性の胸を考慮したショルダーハーネス
最も大きな違いが、ショルダーハーネス(肩にかけるベルト)の形状です。
メンズモデルのハーネスは比較的直線的な形状をしていますが、スウィフトのハーネスは、女性の胸のふくらみを避けるように、内側にS字のカーブを描いて設計されています。これにより、ハーネスが胸に当たって圧迫する不快感をなくし、快適なフィット感を実現しています。また、肩幅の狭い女性に合わせて、ハーネスの取り付け幅も狭く設計されています。
2. 骨盤にフィットするヒップベルト
バックパックの重さを効率的に支えるためには、荷重を肩だけでなく腰(骨盤)に分散させることが重要です。
女性の骨盤は男性に比べて幅が広く、傾斜も異なります。スウィフトのヒップベルト(ウエストベルト)は、その女性特有の骨盤の形状と角度に合わせて、メンズモデルよりも角度をつけて設計されています。これにより、ベルトが骨盤の上にしっかりと乗り、重い荷物でも安定して支えることができるのです。
3. 体格に合わせた背面長の設計
背面長(バックパックの背中部分の長さ)も、フィット感を左右する重要な要素です。
一般的に女性は男性よりも小柄で、 torso length(トルソーレングス:首の付け根から腰骨までの長さ)が短い傾向にあります。スウィフトは、女性の平均的な背面長に合わせて、イナーシアよりも短めに設計されています。これにより、小柄な女性でもバックパックが大きすぎることなく、適切な位置で背負うことが可能になります。
これらの違いがもたらす絶大なメリット
- 体への一体感が向上:バックパックが体に吸い付くようにフィットし、歩行時の揺れが大幅に減少します。
- 長時間の快適性:特定の部位への圧迫や摩擦がなくなるため、長時間背負っていても疲れにくくなります。
- 荷重分散の最適化:重さを効率的に腰で支えられるため、肩への負担が軽減され、荷物が軽く感じられます。
まとめると、スウィフトは「イナーシアを女性向けにしたモデル」というよりも、「女性の体で最高のパフォーマンスを発揮するために作られた、イナーシアと同等の機能を持つモデル」と考えるのが正しいでしょう。
特に、日帰り登山など、比較的長い時間バックパックを背負うシーンでの使用を考えている女性には、イナーシアよりもスウィフトを強くおすすめします。ぜひ一度、店頭などでそのフィット感の違いを体感してみてください。
まとめ:グレゴリー イナーシア18・25レビュー
この記事では、グレゴリーの多機能バックパック「イナーシア18」と「イナーシア25(24)」について、特徴から具体的なレビュー、シーン別の選び方までを詳しく解説しました。最後に、本記事の要点をリスト形式でまとめます。
- イナーシアは街とアウトドアの兼用モデル
- 優れた通気性の3Dフォームバックパネルが特徴
- ハイドレーションスリーブはPC収納にも対応
- 18は容量18Lで重量553gと軽量
- 18はモダンで街に馴染むデザイン
- 25(24)は容量24Lで重量785g
- 25(24)はバンジーコードが特徴的
- 両モデルともトレッキングポールアタッチメントを装備
- 内部のクッション性は低く精密機器は保護ケース推奨
- 18は軽ハイクや通勤通学に最適
- 25(24)は荷物が多い日帰り登山や旅行に便利
- 背負い心地はグレゴリーならではの高品質
- 女性には18またはレディースモデルのスウィフトが推奨
- 用途と荷物の量に合わせて選ぶことが重要
- ポケット数が多く小物の整理がしやすい