せっかくのキャンプや登山で、美味しい山ごはんを楽しもうとした瞬間にSOTOのガスバーナーがつかない状況になると、本当に焦ってしまいますよね。筆者も山の上で火がつかず、冷たいおにぎりを寂しく頬張った苦い経験があります。
SOTOの製品は非常に精密で信頼性が高いのですが、その繊細さゆえに、ちょっとした環境の変化やメンテナンス不足で機嫌を損ねてしまうことがあるんです。
この記事では、SOTOのガスバーナーがつかないときにチェックすべきポイントや、現場ですぐに試せるトラブルシューティングを分かりやすく解説します。
カセットボンベの種類によるドロップダウン現象や、点火装置の寿命、さらには長持ちさせるための掃除のコツまで、筆者が実際に試して効果があった方法をまとめました。この記事を読み終える頃には、きっとあなたのバーナーも力強い炎を取り戻しているはずですよ。
この記事でわかること
①ガスが出ない・火花が飛ばない症状別の解決策
②気温や標高などの環境要因が点火に与える影響
③ST-310など人気モデルを快適に使う専用カスタム術
④修理に出すタイミングと日常点検項目
SOTOのガスバーナーがつかない:原因と対策

バーナーが点火しない原因は、大きく分けて「ガスの供給不足」か「火花の不具合」のどちらかです。
まずは落ち着いて、どこのステップで止まっているのかを確認してみましょう。ここでは現場でパッと確認できる基本的なチェック項目を紹介しますね。
✅燃料切れやガス缶のセットミスを確認する
✅圧電点火装置の電極ギャップを調整する方法
✅ST-310特有の点火しにくい問題を解決する
✅気温や標高が原因で火がつかない時の対処法
燃料切れやガス缶のセットミスを確認する
「そんなの当たり前だよ」と思うかもしれませんが、現場でパニックになると意外と見落としてしまうのが物理的な燃料切れです。特に「スライドガストーチ」や「ポケットトーチ」といった小型の充填式モデルの場合、燃料確認窓から液体ガスの有無を目視することが鉄則です。
このとき、本体を水平にして軽く揺らしてみてください。液面が動いたり、気泡が移動したりすればガスが入っていますが、全く動かない場合はガス欠です。空に見えても少しだけ残っている場合、気化圧が足りずに「つかない」という現象が起こります。
また、CB缶(カセットボンベ)やOD缶を使用するシングルバーナーの場合、ガス缶の装着が不完全であるケースも非常に多いです。SOTOのバーナーは安全性が高いため、接続部がしっかり奥まで噛み合っていないとガスが流れない構造になっています。
一度ガス缶を外し、接続部の切り欠きが正しく合っているか、ゴミが挟まっていないかを確認して、もう一度「カチッ」と手応えがあるまでセットし直してみましょう。これだけで解決することも多いですよ。

ガス残量と気化性能の目安
ガスの残量が少なくなると、内部の圧力が下がってしまい、燃焼に必要な濃度のガスが噴出しなくなります。特に中身が1/4以下になると、外気温の影響をより強く受けるようになるため、新品の予備缶に交換して点火するかどうかを試すのが、最も早い原因切り分け方法となります。
ガス缶をセットする際、接続部から「シャー」という音が漏れ続けている場合は、Oリングの劣化やセットミスの可能性があります。引火の危険があるため、すぐに取り外して確認してくださいね。また、ガスの臭いが強い場合は火気に近づけないことが絶対条件です。
圧電点火装置の電極ギャップを調整する方法
ガスが出ている音(シューという音)はするのに火がつかない場合、原因のほとんどは「電極」にあります。SOTOのバーナーには圧電点火方式(ピエゾ方式)が採用されていますが、この仕組みは「ハンマーで素子を叩いて高電圧を発生させ、電極間に火花を飛ばす」というもの。
この火花が飛ぶ距離、つまり「ギャップ」が適切でないと、どれだけカチカチやっても着火しません。理想的なギャップの距離は、先端と受電部の間で約2mmから3mmです。

これより離れすぎると火花そのものが飛びませんし、近すぎても火花が弱くなってしまいます。パッキングの際の衝撃や、調理器具が当たった拍子にこの電極が曲がってしまうことがよくあります。
現場で直すなら、ペン先や細いマルチツールの先を使って、ゆっくりと電極の角度を調整してみましょう。また、火花が飛んでいても「飛ぶ場所」が重要です。ガスの出口から少し離れた「ガスと空気が混ざりやすい場所」を火花が通るように調整するのがコツですね。
電極の清掃も忘れずに
電極に煤(すす)や煮こぼれのカス、あるいは油分がついていると、そこから電気が逃げてしまい(リーク)、本来火花が飛ぶべき先端でスパークが発生しなくなります。
見た目に汚れている場合は、乾いた布やティッシュで軽く拭き取るだけでも点火性能が劇的に回復することがあります。山行の前に、一度「暗い場所でカチッとやって、青白い火花が力強く飛んでいるか」を確認する習慣をつけると安心ですよ。
※↑↑これ、必ずやってくださいね!(笑)
ST-310特有の点火しにくい問題を解決する
SOTOの超ロングセラーモデル「レギュレーターストーブ ST-310」ですが、このモデルを使っている方から「点火がしにくい」という声をよく聞きます。これは製品の故障というよりも、構造上の「押しにくさ」が原因であることが多いんです。
標準の点火スイッチは器具栓つまみの下、バーナー本体の底部に近い位置にあるため、五徳を広げた状態だと指を入れにくく、しっかり奥までクリックできないことがあるんですね。
この問題を一発で解決するのが、純正オプションの「点火アシストレバー(ST-3104)」の装着です。これを付けることで、大きなレバーを押し下げるだけで点火できるようになり、操作ミスが激減します。
もはや「ST-310を買ったらアシストレバーを付けるまでがセット」と言われるほど定番のカスタムですね。
また、ST-310はマイクロレギュレーターを搭載しているため低温に強いのが売りですが、それでも点火の瞬間は繊細です。火がつきにくいときは、ほんの少し(1/4回転程度)だけガスを出してから、間髪入れずに「カチッ」と押すタイミングを意識してみてください。

もし最新モデルへの買い替えを検討しているなら、ST-310の弱点を克服して火口が大きくなった「レギュレーターストーブ Range(レンジ) ST-340」もおすすめです。点火スイッチが最初から押しやすい位置に改善されていますよ。
気温や標高が原因で火がつかない時の対処法

アウトドアフィールドでは、平地では想像もつかないような「物理の壁」が立ちはだかります。まず直面するのが外気温による「ドロップダウン現象」です。
液化ガスは気化するときに周囲の熱を奪う(気化熱)ため、使い続けるほどガス缶がキンキンに冷えていきます。特に氷点下に近い環境では、ガス缶内部の圧力が上がらず、点火に必要な勢いでガスが出てこなくなります。
これを防ぐには、低温環境に強いプロパンを配合した「パワーガス(ST-760やSOD-725Tなど)」の使用が不可欠です。
次に標高です。標高が2,000m、3,000mと上がると、気圧が下がる影響で圧電点火装置の放電特性が変わります。下界では正常だったのに、山頂に着いた途端に火花が飛ばなくなるのは珍しいことではありません。
また、高所では酸素濃度が薄いため、ガスを全開にしてしまうと「ガスが濃すぎて火がつかない」という現象も起こります。高所で点火する際は、ガス栓を極めて微量に開き、耳を澄ませて「わずかに音がする程度」の状態で点火スイッチを押してみてください。
一度種火がつけば、あとは徐々に火力を上げていけば安定します。

環境に合わせたガス選びの目安
| ガス缶の種類 | 主な成分 | 得意な環境 |
|---|---|---|
| レギュラーガス | ブタン | 夏場のキャンプ、平地(15℃以上) |
| パワーガス | イソブタン・プロパン | 春・秋の登山、寒い朝(5℃前後) |
| トリプルミックス | プロパン・イソブタン等 | 厳冬期、高所登山(氷点下対応) |
SOTOのガスバーナーがつかない:故障を防ぐメンテ術

現場での応急処置も大切ですが、やっぱり日頃のケアが「いざという時」の信頼性に繋がります。お気に入りの道具を長く、安全に使うために筆者が実践しているメンテナンス方法をお伝えします。
バーナーは使えば使うほど、煤(すす)や煮こぼれの汚れが溜まっていくものです。これらを放置すると故障の原因になるだけでなく、思わぬ事故に繋がることもあるので注意しましょう。
特に、SOTOの製品は精密なマイクロレギュレーターを搭載しているモデルが多いため、内部に異物を入れないことが長持ちの秘訣です。
✅ノズルの詰まりを掃除してガス噴出を改善する
✅劣化やガス漏れを防ぐOリングの点検と交換
✅修理費用やアフターサービスの出し方と注意点
✅まとめ:SOTOのガスバーナーがつかない
ノズルの詰まりを掃除してガス噴出を改善する
ガス栓をしっかり開いているのに、噴出音が全くしない、あるいは「弱々しい」ときは、ノズルの微細な閉塞を疑いましょう。特にスライドガストーチなどの小型製品は、火口のノズル径が髪の毛ほどの細さしかありません。
ここにポケットの中の綿ゴミや、調理中に跳ねた油がつくと、それだけでガスが止まってしまいます。対策としては、定期的に「エアブロー」を吹いてゴミを飛ばすのが最も安全で効果的です。
バーナーヘッドが汚れている場合は、使い古した柔らかい歯ブラシを使って、炎が出る小さな穴(炎口)を優しくブラッシングしてください。煮こぼれを放置すると、熱で固着してしまい、不完全燃焼(赤い炎が出る状態)の原因になります。
ただし、絶対にやってはいけないのが「針や細い金属棒でノズル穴を突っつくこと」です。ノズルの穴は精密に設計されており、わずかでも広がってしまうとガスの混合比が狂い、異常燃焼を起こして修理不能になってしまいます。掃除はあくまで表面の汚れを「払う」程度に留めましょう。

劣化やガス漏れを防ぐOリングの点検と交換
ガスバーナーのパーツの中で、最も重要かつ消耗が早いのが、接続部にある「Oリング」と呼ばれるゴムパッキンです。このリングがガス缶との気密性を保っているのですが、ゴムである以上、時間の経過とともに必ず劣化します。
使用頻度が低くても、3〜5年も経てば乾燥してひび割れたり、弾力がなくなって硬くなったりします。これが原因でガス漏れが起きると、点火した瞬間に接続部から火が上がるという恐ろしい事態を招きかねません。
筆者は、シーズンインの前には必ず指先でOリングを触って、ひび割れや変形がないかを確認するようにしています。また、長期間使用しないときは、ガス缶を外して保管するのが基本です(セットしたままだとゴムが圧縮された状態で固まってしまいます)。
Oリングに傷を見つけたら、決してそのまま使わず、SOTOが指定する純正の交換パーツを取り寄せましょう。モデルによってはユーザーが自分で交換できるものと、安全のためにメーカー送付が必要なものがあるため、説明書を再確認してみてくださいね。

修理費用やアフターサービスの出し方と注意点
自分でできるメンテナンスを試しても改善しない場合は、プロの手を借りるのが正解です。SOTO(新富士バーナー)の修理対応は非常に丁寧で、多くのアウトドアユーザーから信頼されています。
修理を依頼する際は、公式サイトのフォームから症状を入力しますが、このときに「どんな環境で、どうつかないのか」を詳しく伝えると診断がスムーズです。例えば「標高2,000m以上でのみつかない」といった具体的な情報は、不具合の特定に大きく役立ちます。
修理費用の目安ですが、部品代と工賃を合わせても数千円程度で済むケースが多く、買い替えるよりも圧倒的に経済的です。しかも、単に壊れた箇所を直すだけでなく、全体のクリーニングや安全点検も併せて行ってくれるため、戻ってきたときには見違えるほど調子が良くなっているはずです。
ただし、連休前や登山シーズン本番は修理が混み合い、返却まで数週間かかることもあるので、余裕を持ってオフシーズンに点検に出すのが賢いやり方ですね。

(参照元:新富士バーナー株式会社『修理のご案内』)
| 点検項目 | チェック内容 | 対応頻度 |
|---|---|---|
| 電極部 | 煤の付着、先端の曲がりがないか | 毎使用後 |
| Oリング | ひび割れ、硬化、ベタつきがないか | 毎使用前 |
| バーナーヘッド | 目詰まり、錆、変形がないか | 月1回程度 |
まとめ:SOTOのガスバーナーがつかない
ここまで、SOTOのガスバーナーがつかない時の様々な要因と対策を見てきましたがいかがでしたでしょうか。火がつかない原因の多くは、実はちょっとした知識と手入れで解決できるものばかりです。
ガスの残量、電極の隙間、そして使用環境に合わせた燃料選び。この3つを意識するだけで、現場での「困った!」は劇的に減るはずです。
筆者自身、何度もフィールドで道具のトラブルに泣かされてきましたが、そのたびに「なぜ動かないのか」を考えることで、道具への愛着がより深まりました。SOTOのバーナーは、正しい知識を持って接すれば、過酷な環境でも必ず応えてくれる最高のギアです。
もし、今回ご紹介した方法を試しても直らない場合は、愛着のある道具をより長く使うためにも、迷わずメーカーのプロに相談してみてくださいね。

最後に、山へ行く際はどんなに信頼しているバーナーでも、点火装置だけに頼らず「予備の火種(防風マッチや100円ライターなど)」をエマージェンシーキットに入れておくことを強くおすすめします。備えあれば憂いなし、安全第一でアウトドアを楽しんでくださいね!
※記事内で紹介したメンテナンス方法や修理に関する最新の情報は、必ずSOTO公式サイトにてご確認ください。ガス機器の取り扱いを誤ると重大な事故に繋がる恐れがあるため、最終的な判断は自身の責任において慎重に行ってください。


