ブラックダイヤモンドのディスタンス8:揺れないフィット感をレビュー!

ブラックダイヤモンドのディスタンス8:揺れないフィット感をレビュー!バックパック
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こんにちは!「登山・トレッキング装備完全ガイド」運営者のリュウセイです。

最近、トレイルランニングでも登山でも使える「ベスト型パック」が人気ですよね。その中でも「ブラックダイヤモンドのディスタンス8」は、ちょっと特別な存在かなと思います。

一見するとシンプルなトレランパックですが、知れば知るほど「これはベストの皮をかぶったアルパインパックだ…」と感じさせられる奥深さがあります。

「普通のランニングベストと何が違うの?」「サロモンと比較してどう?」「Zポールは収納しやすい?」など、気になる点が多いパックです。私自身、購入前はディスタンス15との比較で「容量は8Lで本当に足りるか?」と悩んだり、ウィメンズモデルのサイズ感、フラスクの使い心地に関するレビューを読みあさったりしました。

この記事では、そんな経験も踏まえつつ、ブラックダイヤモンド ディスタンス8の詳しいレビューや機能、そしてどんな人に最適なのかを、私なりに分かりやすく、そして少し深く掘り下げてまとめてみます。このパックの本質が伝われば嬉しいです。

この記事でわかること

①ディスタンス8が「揺れない」理由とハーネスの秘密
②Zポールやピッケルのユニークな収納システム
③サロモンやディスタンス15との決定的な違い
④背中の汗から荷物を守る「ベイパーバリヤー」機能

ブラックダイヤモンドのディスタンス8:機能性とフィット感

ブラックダイヤモンドのディスタンス8:機能性とフィット感
登山・トレッキング装備完全ガイド:初心者入門イメージ

ディスタンス8は、ただの「8Lパック」と考えると、その価値を見誤るかもしれません。これは、トレイルランニングベストが持つ「抜群のフィット感」と、アルパイン(登山用)パックが持つ「堅牢な耐久性」「装備の拡張性」という、本来相反する要素を「融合」させたハイブリッド・ギアです。まずは、その驚くべき機能性の詳細を見ていきましょう。

✅レビューで高評価の揺れないフィット感
✅ウィメンズモデルとサイズ選び
✅Zポールとピッケルの収納方法
✅背中の汗を防ぐ独自パネル

レビューで高評価の揺れないフィット感

このパックで最も多くの人が絶賛しているのが、「とにかく揺れない」ことだと思います。私が見た海外のレビューでも「荷物が入っていることを忘れるほど快適」「まるでレースベストのようだ」という声が圧倒的に多かったです。

この驚異的な「揺れなさ」は、単一の機能ではなく、複数の要素が組み合わさったブラックダイヤモンド独自のハーネスシステムによって実現されています。

BD SETT (ステッチレス・エッジ・テーピング)

まず、このパックの快適性を語る上で欠かせないのが、ショルダーハーネスの縁(ふち)に使われている「BD SETT」という縫い目のない技術です。従来のパックは、縁を折り返して縫製(ステッチ)するため、どうしても硬い「線」ができてしまいます。

これが長距離・長時間の行動になると、肌と擦れて摩擦熱を持ったり、ひどい時には擦り傷になったりするんですよね。ディスタンス8は、この縁を縫製ではなくテーピングで処理しています。

これにより、ハーネス全体が「面」として体に接し、特定の箇所に圧力が集中するのを防いでくれます。薄着になる夏場のランニングはもちろん、長時間背負い続けるファストハイクや登山において、この「擦れない」という快適性は本当に大きなメリットです。

体幹を包む「ウィング」構造

さらに、ハーネスが背面から側面にかけて、鳥の翼のような「ウィング」形状で伸びており、これがユーザーの体幹をギュッと包み込んでくれます。この構造が、パックを「背負う」というより「着る」に近い感覚を生み出しています。

これに加えて、パックの両サイドには荷物を体に引き寄せるためのコンプレッションコード(調整可能な弾性コード)が装備されています。荷物が少ない時はこれを絞ることで、荷物がパック内部で暴れるのを防ぎ、重心を背中側に安定させることができます。

🔶揺れない理由のまとめ

・縫い目のない「BD SETT」ハーネス:肌との摩擦や不快な圧迫感を根本から排除し、「面」で体を支える快適性。

・体幹を包み込む「ウィング」構造:パックを「着る」ように体に密着させ、一体感を高める。

・サイドコンプレッションシステム:荷物の量に関わらず重心を体に引き寄せ、荷物が暴れるのを防ぐ。

これらの相乗効果で、まるでオーダーメイドのレースベストのような「揺れない背負い心地」を実現しているんですね。

ウィメンズモデルとサイズ選び

これは特に女性ユーザーにとって最大の朗報だと思いますが、2023年モデルから、従来のユニセックスモデルが廃止され、ついに専用のウィメンズモデルが登場しました!

これは単なるカラーバリエーションではなく、女性特有の体型に最適化された専用設計になっています。

  • 肩と胸のフィット感:肩幅を狭め、胸周り(特にバスト部分)の圧迫感を軽減する、より流線型でスリムなフィット感に改良されています。
  • ショルダーストラップ形状:首周りの快適性を高めるため、ストラップの湾曲(カーブ)や幅が、女性の骨格に合わせてゼロから調整されています。これにより、首や肩への不快な食い込みを防ぎます。
  • 胴体の長さ(トルソー):一般的に男性より短い女性の胴長(トルソー)に対応した設計になっています。

重量もメンズモデル(Mサイズで355g)に対して、ウィメンズモデルは321gと軽量化されているのも嬉しいポイントです。

🔶【最重要】サイズ選びの注意点

ディスタンスシリーズのサイズ選びは、一般的な「胸囲」ではなく、「下部肋骨(みぞおち周辺)の周囲長」で測る必要があります。これは、パックが最もフィットし、固定されるべき「体幹」部分のサイズを基準にしているためです。
ウィメンズモデルのサイズ目安(公式)は以下の通りです。

S: 60 – 75 cm
M: 67 – 85 cm
L: 80 – 100 cm

このパックはフィット感が命です。購入前には必ずメジャーでご自身の「みぞおち周り」を正確に測定することを強くおすすめします。

Zポールとピッケルの収納方法

このパックが単なるランニングベストではなく「アルパイン・ベスト」と呼ばれる最大の理由が、このユニークなギア収納システムです。特にブラックダイヤモンドのお家芸とも言えるZポール(折りたたみ式トレッキングポール)の収納が、本当に秀逸なんです。

① デュアルZポールスリーブ(固定収納)

私が最も感動した機能がこれです。パックの背面側(両サイド)に、Zポール専用の「スリーブ(筒)」が内蔵されています。ここに折りたたんだポールを上から差し込むだけなんですが、レビューによると「パックが満杯でもポールを簡単に飲み込む」ほどアクセスしやすいそうです。

この収納方法の最大のメリットは、「ポールが絶対にブラブラしない」こと。岩場をよじ登る(スクランブリング)時や、険しい下りで両手を使いたい時、ポールが枝に引っかかったり、足に当たったりするのは非常に危険でストレスですよね。

このスリーブ収納なら、ポールを完全にパックと一体化させて固定できるため、安全かつ快適に行動に集中できます。

② オン・ザ・ゴー・ストレージ(行動中)

もちろん、一般的なベストのように、走りながらポールを着脱できる、ハーネス部の「オン・ザ・ゴー」システムも備えています。これは、ポールを使ったり使わなかったりする、比較的フラットなトレイルで便利です。

この「完全固定」と「行動中着脱」という2種類のポール収納があることで、山の状況に応じて最適な携行方法を選べるのが、ディスタンス8の大きな強みです。

ピッケル(アイスツール)も搭載可能

さらに、さすがクライミングブランドというか、ピッケル(アイスアックス)を2本携行できる「デュアルアイスツールキャリー」まで標準装備しています。しかも、ピック部分を確実に固定するための金属製「ドッグボーン」という専用アタッチメントまで付属する本格仕様です。

🔶まさに「走るクライマー」のための設計

Zポールとピッケルの両方をここまでしっかり収納できるベストは、他にはなかなかないかなと思います。

これにより、ディスタンス8は夏場のトレイルランニングだけでなく、雪渓の残る春先のルートや、クライミング要素のあるテクニカルな山岳ミッションにまで対応できる、「4シーズン・パック」としての顔も持っているんです。

背中の汗を防ぐ独自パネル

ブラックダイヤモンド ディスタンス8の背面パネルに水滴が付着しているクローズアップ画像。水蒸気は通すが水分は通さない「BD Dry™ ベイパーバリヤー」機能の防水透湿性を視覚的に表現している。
登山・トレッキング装備完全ガイド:初心者入門イメージ

これは私が個人的に「すごい!」と思った、隠れた名機能です。背面パネルに「BD Dry™ ベイパーバリヤー」という技術が使われています。

多くのランニングパックの背面は、通気性を重視したメッシュ素材ですよね。でも、あれは「ムレ」は軽減できても、「汗」そのものは通過させてしまいます。

登山やランで、背中の汗でザックの中がジメっと湿気て、予備のダウンジャケットや着替え、モバイルバッテリーなどの電子機器が濡れてしまった経験、ありませんか? あの「最悪なストレス」が、このパックでは劇的に軽減されます。

この「ベイパーバリヤー」は、「背中から出た汗(水蒸気)が、パック内部に侵入するのを防ぐ」防水透湿バリアなんです。汗の湿気は外に逃がしつつ、水滴が内部に入るのをブロックしてくれます。

あるユーザーレビューでは、「従来のパックで感じていた背中の汗でザック内部が湿気るストレスが、このパックでは全くと言っていいほど感じない」と絶賛されていました。

荷物をドライに保てるということは、汗を大量にかく夏場はもちろん、装備の濡れが命取りになる冬場のランニングやクライミングにおいても絶大な安心感をもたらします。さらに、着替えを入れる「通勤ラン」にも最適だという評価もあり、このパックの汎用性を高める中核的な技術だと感じます。

ブラックダイヤモンドのディスタンス8:選び方と比較ポイント

ここまで多機能で魅力的なディスタンス8ですが、購入してから「あ、こっちにしておけば良かった…」と後悔しないために、考えるべき比較ポイントがあります。特に「容量(15Lとの比較)」と「ライバル製品(サロモンとの比較)」は、ディスタンス8を選ぶ上で最も重要な分岐点です。ここでは、その選び方の核心を詳しく解説します。

✅ディスタンス15Lとの容量比較
✅サロモン(ADV Skin 12)との比較でわかる固形物収納
✅フラスクの互換性と注意点
✅総括:ブラックダイヤモンドのディスタンス8

ディスタンス15Lとの容量比較

同じディスタンスシリーズの「ディスタンス15」と悩む人は本当に多いと思います。私もその一人でした。「大は小を兼ねる」で15Lにすべきか、それとも「ファスト&ライト」に8Lを貫くべきか…。

これは単なる容量(8L vs 15L)の違いだけでなく、推奨されるユーザー像や用途が少し異なります。

モデル容量推奨ユーザー像(レビューより)主な用途イメージ
ディスタンス88 L堅牢性を求める

トレイルランナー

日帰りのランやファストハイク。必須装備+αでの活動。「95%のランは8Lで十分」という意見も。
ディスタンス1515 Lスピードを求める

ハイカー/登山者

カメラ機材、小屋泊まりの装備、ヘルメットやロープの携行。冬場で防寒着が増える時期。より汎用性が高い。

あるレビューでは、「95%のランでは8Lで十分」だけれども、より多くの機材(例えばカメラ本体+交換レンズ)や、小屋泊まりの装備(着替えなど)を「快適に」運ぶための汎用性を求めて15Lを選んだ、という声がありました。

あなたの山行スタイルが、日帰りのスピードハイクや必須装備でのランがメインなら8L。一方で、小屋泊まりを見据えたり、カメラ機材をしっかり運びたい、あるいは冬場も使うなど、「運ぶ荷物の種類と量」が多いなら15Lが安心かもしれませんね。

サロモン(ADV Skin 12)との比較でわかる固形物収納

ここが最重要ポイントかもしれません。もう一つの大きな悩みどころが、「サロモン ADV Skin 12」のような、伸縮性メッシュ素材をメインに使った、いわゆる「着るベスト」との比較です。

フィット感や軽さ、柔らかさだけで言えば、サロモンは本当に素晴らしく、体に吸い付くように密着します。

ただし、この2つには決定的な「思想」の違いがあります。

それは「固形物」の運びやすさです。

🔶収納特性の決定的な違い

・サロモン ADV Skin 12:衣類、フラスク、ジェルなど「圧縮できる柔らかいモノ」を運ぶのは最高に得意です。ベスト全体が伸縮するため、荷物の形に合わせてフィットします。しかし、その反面、カメラや大きなモバイルバッテリー、クッカーなどの「固形物」を入れると、その硬い形状が背中に直接当たってしまい、不快になる可能性があります。

・ディスタンス8:メイン気室が「パック」として自立しています。素材は鉄の10倍の強度を持つとされる超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)リップストップという非常にタフな生地でできており、伸縮性はほとんどありません((出典:Black Diamond Equipment 日本代理店ロストアロー))。

そのため、カメラのような「固形物」を入れてもパックの形状が崩れにくく、背中にゴツゴツと当たる不快感を最小限に抑え、はるかに快適に運搬できます。

この構造の違いから、非常に面白い現象が起きます。複数のレビューで、「公称容量はサロモン12Lなのに、ディスタンス8Lの方が大きく感じる」という声があるんです。

これは、サロモンの容量がメッシュの「伸びしろ」に大きく依存するのに対し、ディスタンスの容量は「パックとしての物理的な空間」として確保されているからです。

もしあなたが「荷物は衣類とジェルだけ」というピュアなランナーならサロモンが最適かもしれません。しかし、「カメラや、時にはアルパインギアといった固形物を快適に運びたいランナー」であるならば、ディスタンス8は非常に強力な、そして唯一無二の選択肢になると思います。

フラスクの互換性と注意点

最後に、ディスタンス8を検討する上で、知っておくべき「ちょっとした注意点」も誠実にお伝えしておきます。

🔶注意点①:ソフトフラスクは「別売」です

まず、非常に基本的なことですが、ソフトフラスクは付属していません(別売です)。サロモンのパックのように最初から付いてくると思って購入すると「あれ?」となってしまうので、これは明確に注意が必要ですね。

別途、BD純正フラスク(Hydrapak製 500ml)や、手持ちのフラスクを用意する必要があります。

フラスクポケットのフィット感(と、その改善)

旧モデル(Gen 1)のレビューでは、「フラスクポケットのフィット感がきつい」「サロモン製フラスクだと出し入れしにくい」という指摘がいくつか見られました。

ただし、これはメーカーも把握していたようで、2023年モデルではこの点が改良されています。具体的には、フラスクポケットの位置が従来モデルよりも「高く」なり、走行中の揺れが軽減されるよう変更されました。この改良により、フラスクの収まりやアクセス性が向上している可能性が高いです。

とはいえ、フラスクの形状(特に飲み口の部分)によっては、依然として出し入れがタイトに感じる可能性はゼロではありません。もし可能であれば、店頭で手持ちのフラスクとの相性を試してみるか、BD純正のフラスクを使うのが一番安心かもしれません。

その他のマイナーな点(視認性)

ほかにも、海外のレビューで「パックの内部が黒いので、薄暗い時に中身が見えにくい」、「メイン気室を閉じるドローコードのタブも黒くて見つけにくい」といった、視認性に関するマイナーな指摘もありました。

これらは製品の核となる機能不全ではありませんが、知っておくと「こんなはずじゃなかった」を防げるかもしれませんね。(個人的には、明るい色のコードに付け替えたりするのもカスタムの楽しみかなと思います)

総括:ブラックダイヤモンドのディスタンス8

ここまで色々な機能や比較を見てきましたが、結論として「ブラックダイヤモンドのディスタンス8」は、どんな人に最適なのでしょうか。

私の考えでは、これは「単なるランナー」のためのベストではなく、「山岳地帯でのあらゆるミッションに対応する、走れるアルパイン・パック」だと思います。

🔶ディスタンス8が最適なユーザー像

それは、カメラ、ポール、あるいはクライミングギアといった「固形物」を携行し、岩場をよじ登ったり(スクランブリング)、高難度の山岳ルートに挑戦したりする「アドベンチャー・アスリート」です。

サロモンのようなベストの「軽さ・フィット感」と、アルパインパックの「耐久性・拡張性・固形物の運びやすさ」という、相反する要素をかつてないレベルで両立させています。

  • ① 耐久性: 鉄の10倍の強度を持つUHMWPE素材がもたらす、岩場での擦れも厭わない圧倒的な堅牢性。
  • ② 収納力: カメラやクッカーなどの「固形物」も快適に運搬できる、自立したパック構造。
  • ③ フィット感: BD SETTとウィング構造が生み出す、揺れを徹底的に排除する「着る」ハーネスシステム。
  • ④ 拡張性: Zポールやピッケルを確実に携行できる、アルパイン仕様のギアアタッチメント。
  • ⑤ 保護性: BD Dry™ ベイパーバリヤーが、背中からの汗による内部装備の濡れを防ぐ全天候性能。

もしあなたの山行が「走る」と「登る」をシームレスに融合させたものであり、装備の軽さだけでなく、「信頼性」や「堅牢性」を同じくらい重視するなら、ブラックダイヤモンドのディスタンス8は最高の相棒になってくれる可能性が非常に高いと思います。

価格は2023年モデルで¥27,280(税込)と、ランニングベストとして見ると高価に感じるかもしれません。ですが、これは「ベスト」と「アルパインパック」の2つを買い揃える必要がなく、かつ両方の良いところを併せ持つ「高性能な特殊ギア」への投資だと考えると、その価値は十分にある、と私は感じます。

この記事の情報は、私リュウセイが収集したデータに基づいています。仕様や価格は変更される可能性があるため、最終的なご購入の際は、販売店や公式サイトの情報もあわせてご確認ください。あなたの山行が、より安全で快適なものになることを願っています!

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