グレゴリーの人気モデル、ズールLT24の購入を検討されていますね。日帰り登山ザックの決定版とも言われるこのモデルですが、「実際の使い心地はどうなの?」「どんな機能があるの?」と気になる点も多いのではないでしょうか。
この記事では、グレゴリーのズールLTとは何か、そして女性向けモデルであるジェイドLTとの違いから、具体的なレビューと機能性を徹底解説します。さらに、本来の用途である登山シーンでの実力はもちろん、普段使いでの使用感、そしてユーザーが感じるかもしれない残念なところにまで踏み込んで、あなたの疑問にすべてお答えします。
この記事でわかること
①ズールLT24の基本性能と特徴
②登山と普段使い、両方での使用感
③メリットだけでなくデメリットも把握
④購入すべきかどうかの判断材料
グレゴリーのズールLT24 レビュー【基本性能】

✅そもそもグレゴリーのズールLTとは
✅女性モデルのジェイドLTとは
✅ズール24LT レビューと機能性を紹介
そもそもグレゴリーのズールLTとは
グレゴリー新商品
— 石井スポーツ さいたま新都心駅前店 (@Ishii_Saitama) May 16, 2024
日帰り登山・ハイキングにオススメ
「ジェイドLT・ズールLT」
ジェイド・ズールシリーズをより軽量化したモデル
背面がメッシュで空間を作っているため
汗ぬけしやすく、蒸れにくい作りになってます🥵💦
腰ベルトのお作りも立体的でフィット感が抜群😁
店頭にてお試しください! pic.twitter.com/2s2gd9EkxF
グレゴリーのズールLTとは、長年にわたり多くの登山者から支持されてきた定番バックパック「ズール」シリーズの軽量(Lightweight)コンパクトモデルです。ズールシリーズが持つ「パックは背負うのではなく、着るもの」というグレゴリーの哲学、つまり卓越したフィット感と背負い心地を継承しつつ、日帰りハイキングや低山歩きに最適化されています。
従来のズールがテント泊なども視野に入れた30L以上のラインナップが中心だったのに対し、ズールLTは20L、24L、28Lといった、より気軽なアクティビティに焦点を当てた容量で展開されています。これにより、装備が比較的少ないシーンでもオーバースペックになることなく、軽快な山行を楽しめるようになりました。
ズールLTシリーズの主な特徴
ズールLTは、ただの小型版ではありません。本家ズールのDNAを受け継ぎながら、現代のニーズに合わせて再設計された、快適性と軽さを両立した新シリーズと言えます。特に、日本の高温多湿な夏場の登山において、その真価を発揮するでしょう。
最大の特徴は、背面の通気性を確保するサスペンションシステムです。これにより、汗による背中の蒸れを大幅に軽減し、長時間の行動でも快適さを維持します。デザインも従来の登山用ザックに比べてスタイリッシュで、街中でも違和感なく使える点が魅力となっています。
女性モデルのジェイドLTとは
ジェイドLTとは、ズールLTの女性向けモデルです。グレゴリーは男性と女性の体格の違いを重視しており、多くのモデルで性別に合わせた専用設計を採用しています。ジェイドLTもその一つで、基本的な機能やコンセプトはズールLTと共通ですが、女性の体に最適にフィットするよう、細部が調整されています。
[売れ筋!] http://t.co/knRYFbFnTE グレゴリー GREGORY ジェイド24 ラバレッド ジェイド24は、CrossFlo DTSテクノロジーと女性専用に設計され開発されたハー… (15540円) pic.twitter.com/8rfpEOJB7G
— キャンプ用品.net (@campgoods) July 22, 2013
具体的には、ショルダーハーネスの形状やヒップベルトのデザインが、女性の骨格や体の曲線に合わせて再設計されています。これにより、男性モデルを小柄な女性が背負った際に感じがちな、肩周りの圧迫感や腰骨への不快な当たりを解消し、長時間でも疲れにくい、最高のフィット感を実現しています。
ズールLTとジェイドLTの選び方
機能は全く同じなので、ご自身の性別や体格に合わせて選ぶのが基本です。男性はズールLT、女性はジェイドLTを選ぶことで、グレゴリーが誇る「オーダーメイドのようなフィット感」を最大限に体感できます。カラーバリエーションもそれぞれ専用のものが用意されており、デザインの好みで選ぶ楽しみもあります。
容量展開はズールLTと同じく20L、24L、28Lの3種類です。パートナーとお揃いで、それぞれ自分の体に合ったモデルを選ぶといった楽しみ方もできますね。
ズール24LT レビューと機能性を紹介
ここでは、ズールLTシリーズの中核をなす「ズール24LT」の具体的な機能性を詳しく見ていきましょう。日帰り登山に最適な容量と、考え抜かれた機能の数々が、このバックパックの人気の理由です。
バックパック界の雄 グレゴリーのロングセラーパック「ズール」と「ジェイド」の新モデルが登場した!
— Akimama 最新アウトドアニュース (@AkimamaNews) February 21, 2023
いままでAkimamaではホーボージュンさんや高橋庄太郎さんなどといった、名だたるアウトドアライターによって紹介されてきたバックパックであり、その性能は折り紙つき。https://t.co/Rcz3bUbYtT
ベイパースパン通気性バックパネル
ズールLTの快適性を支える心臓部が、この「ベイパースパン通気性バックパネル」です。バックパック本体と背中の間に空間を作ることで空気の流れを生み出し、驚くほどの通気性を実現します。
実際に風が吹くと、背中を空気が通り抜ける感覚があり、汗をかいてもすぐに乾くため、汗冷えのリスクを軽減できます。また、メッシュパネルは体の曲線に沿うように設計されており、フィット感も抜群です。
シームレス構造のヒップベルト
グレゴリーの背負い心地の良さは、荷重を腰でしっかりと支えるヒップベルトに秘密があります。ズールLTでは、バックパネルからヒップベルトまでが継ぎ目なく一体化したデザインを採用。
これにより、背中から腰にかけて大きな面で体を包み込み、荷重を効果的に分散させます。歩行中のパックのブレも少なくなり、安定した歩行をサポートします。
このヒップベルトのフィット感は本当に素晴らしいです!まるで体の一部になったかのようにフィットするので、パックの重さを忘れさせてくれます。
多彩で便利な収納機能
コンパクトながら、収納機能も非常に充実しています。
- 大型のヒップベルトポケット:両サイドに配置され、スマートフォンや行動食など、頻繁に出し入れする小物の収納に便利です。
- フロントストレッチポケット:脱いだシェルや地図などをサッと挟んでおける伸縮性のあるポケットです。
- サイドメッシュポケット:大きめのボトルも楽々収納できるストレッチポケット。背負ったままアクセスすることも可能です。
- パネルローディング:メインの荷室はU字型ファスナーで大きく開くため、荷物の出し入れや整理が非常に簡単です。
製品仕様まとめ
ズール24LTの基本的なスペックを以下の表にまとめました。
項目 | 仕様詳細 |
---|---|
モデル名 | GREGORY ZULU 24 LT(グレゴリー ズール 24 LT) |
容量 | 24 L |
重量 | 1.05 kg |
最大積載重量 | 9.1 kg |
背面システム | ベイパースパン・サスペンション |
主な素材 | リサイクルポリエステル |
カラー展開 | フォリッジグリーン、ホライゾンブルー、ボルケニックブラック |
価格(税込) | 25,300円 |
これらの機能性が組み合わさることで、ズール24LTは日帰りハイキングにおいて非常にバランスの取れた、使いやすいバックパックとなっています。
グレゴリーのズールLT24 レビュー【使用感】

✅登山の快適性
✅普段使いを検証
✅残念なところは?
✅まとめ:グレゴリーのズールlt24 レビュー
登山の快適性
ズール24LTの真価が最も発揮されるのは、やはり登山のフィールドに立った時でしょう。特に、気温と湿度が高くなる夏場の低山ハイキングや、風の通りにくい樹林帯の登りなど、汗をかきやすい状況でこそ、このバックパックが持つ快適性をはっきりと体感できます。
結論から言えば、ズール24LTは「背中の不快な蒸れ」という、多くの登山者が抱える大きなストレスから解放してくれる存在です。その秘密は、前述の通り、背面のメッシュパネルとバックパック本体の間に物理的な空間を作り出す「ベイパースパン・サスペンション」にあります。
これが単なる隙間ではなく、熱と湿気を効率的に排出するための「空気の通り道」として機能するのです。
まるで背中に扇風機があるような感覚
#PR 夏も背中が蒸れない|グレゴリーの「ズール LT/ジェイド LT」で快適登山
— YAMAP / ヤマップ(登山アプリ) (@yamap_inc) July 8, 2024
グレゴリーから通気性とフィット感に優れた「ズール LT」「ジェイド LT」が新登場。暑がりで背中の汗に悩まされているライターの平野美紀子さんに、日本百名山・霧ヶ峰で試してもらいました。https://t.co/3GQRUxfzMv pic.twitter.com/dziSM6swpd
汗をかいて体温が上がると、背中とザックの間で暖められた空気が自然に上昇し、煙突のように上部から抜けていきます。そして、ふとした瞬間に涼しい風が吹くと、メッシュパネルを通り抜けて直接背中に届くため、まるで自分専用の扇風機を背負っているかのような爽快感が得られます。
休憩時にザックを下ろした際の、汗でびっしょり濡れたベースレイヤーの不快感が大幅に軽減されるのは、本当にありがたいポイントとなります。
もちろん、この快適性は夏場に限りません。汗は気化する際に体温を奪うため、秋や春先の肌寒い時期でも汗をかきすぎると「汗冷え」の原因になります。しかし、ズール24LTは常に背中をドライに保とうとするため、休憩中の急な体温低下を防ぎ、体力の消耗を抑えることにも繋がるのです。
「パックは背負うのではなく、着るものだ」というグレゴリーの哲学を、このフィット感と安定性が雄弁に物語っていますね。パックが体の一部になったかのように追従してくれる感覚は、一度体験すると他のモデルに戻れなくなるかもしれません。
また、卓越したフィット感がもたらす行動中の安定性も見逃せません。例えば、岩がちな道や木の根が張り出した急な下りなど、体が左右に振られやすい場面を想像してみてください。
フィット感が低いパックだと、体の動きに対して荷物がワンテンポ遅れて揺さぶられるため、バランスを保とうと無意識に体幹の筋肉を使い、余計なエネルギーを消耗してしまいます。
しかし、ズール24LTは腰と背中を一体で包み込むようにホールドするため、パックがブレにくく、まるで自分の体の一部であるかのように重心移動がスムーズに行えます。これは疲労軽減だけでなく、転倒リスクを減らすという安全面においても非常に重要な要素です。
そして、こうした優れた荷重分散設計の結果として、多くのユーザーが「実際の重量以上に軽く感じる」という感想を抱きます。体全体でバランス良く荷物を支える感覚なので、肩や腰の特定の部分に負担が集中することがありません。
結果として、行動中のストレスが減り、景色や仲間との会話を心から楽しむ余裕が生まれ、登山全体の満足度を大きく向上させてくれるでしょう。
普段使いを検証
ズール24LTは、そのスタイリッシュなデザインから「普段使いもできるのでは?」と考える方も多いでしょう。実際に、タウンユースでも十分に活躍できるポテンシャルを持っています。
いかにも「登山用」といったゴツゴツした印象が少なく、シンプルなデザインは私服にも合わせやすいです。特に、モノトーン系のウェアなど、クリーンなスタイルとの相性も良いでしょう。満員電車などでも邪魔になりにくいスリムな形状も、街中ではメリットになります。
PCや書類を持ち運ぶ用途には少し不向きかもしれませんが、休日の外出やジム通いなど、ラフな荷物で出かける際には最高の相棒になりますよ。
ただし、一点注意したいのは内部の構造です。メインの荷室には仕切りやオーガナイザーがほとんどないため、細かいものを多く入れる場合は、バッグインバッグやポーチを活用して整理する工夫が必要になります。この点を理解した上で使えば、登山だけでなく日常の幅広いシーンでその快適さを享受できるはずです。
残念なところは?
ここまで多くのメリットを挙げてきましたが、どんな製品にも完璧はありません。購入後に「思っていたのと違った」とならないよう、考えられる残念なところにも触れておきます。
ズール24LTの注意点
- 重量:UL(ウルトラライト)系のバックパックと比較すると、1.05kgという重量はやや重く感じるかもしれません。背面のしっかりしたフレーム構造による快適性とトレードオフの関係にあります。
- 内部の仕切り:前述の通り、メインコンパートメントが大きな一気室構造のため、荷物の整理には工夫が必要です。PCスリーブなどもありません。
- レインカバーが付属しない:旧型のズールシリーズには付属していましたが、LTモデルにはレインカバーが付いていません。雨天での使用を想定する場合は、別途用意する必要があります。
特に重量に関しては、軽さだけを追求するユーザーには向かない可能性があります。しかし、グレゴリーが提供するのは「数字上の軽さ」ではなく、優れたフィット感による「背負い心地の軽さ」です。この点をどう捉えるかが、ズールLT24を選ぶ上での重要な判断基準になるでしょう。
これらの点をデメリットと感じるか、あるいは許容範囲と考えるかは、個人のスタイルや優先順位によって異なります。ご自身の使い方をイメージしながら、これらの注意点を検討してみてください。
総括!グレゴリーのズールlt24 レビュー
最後に、この記事の要点をリスト形式でまとめます。
- ズールLTはグレゴリーの定番モデル「ズール」の軽量コンパクト版
- 日帰りハイキングや低山歩きに最適化されている
- ジェイドLTはズールLTの女性向け専用設計モデル
- 最大の特徴は背面の高い通気性を実現するベイパースパンシステム
- 汗による背中の蒸れや汗冷えのリスクを大幅に軽減する
- 体と一体化するようなシームレス構造のヒップベルトが最高のフィット感を提供
- スマホも入る大型ヒップベルトポケットなど収納が充実
- メイン荷室はU字ファスナーで大きく開きパッキングしやすい
- 登山中のパックのブレが少なく安定した歩行をサポート
- 実際の重量以上に軽く感じる「背負い心地の軽さ」が魅力
- スタイリッシュなデザインで普段使いにも対応可能
- ただし内部に仕切りが少ないため荷物の整理には工夫が必要
- UL系ザックと比べるとやや重いが快適性と安定性は高い
- レインカバーは付属しないため別途購入が必要
- 背中の汗に悩むハイカーには特におすすめできるモデル