キャンプや登山で使うシュラフカバーは必要か、悩んでいませんか。「荷物になるからいらない」という人もいますが、本当にそうでしょうか。テント内の結露や急な雨からシュラフを守る防水性、そして想像以上の保温効果など、シュラフカバーには多くのメリットが存在します。
一方で、ナンガのオーロラライトにカバーがいらない理由のように、シュラフ自体の性能によっては不要なケースもあります。この記事では、シュラフカバーがいらない人の条件から、賢い選び方、そして高性能なゴアテックス素材やコスパに優れたワークマンのイナレム製品まで徹底比較します。
さらに、軽量コンパクトなモデルの紹介や、シュラフカバーだけで寝ることは可能なのか、また100均アイテムで代用できるのかといった疑問にもお答えします。この記事を読めば、あなたにとってシュラフカバーが本当に必要かどうかが明確になります。
この記事でわかること
①シュラフカバーが不要なケースと必要なケースの具体的な違い
②結露防止や保温向上などシュラフカバーが持つ本当の効果
③失敗しないシュラフカバーの選び方と人気ブランドの製品情報
④100均アイテムなどを使ったシュラフカバーの代用方法の可否
シュラフカバーはいらない?その必要性を徹底検証

✅シュラフカバーは必要ですか?
✅いらない人の意見とは
✅保温効果を解説
✅結露問題を考える
✅ナンガのオーロラライトにカバーがいらない理由
シュラフカバーは必要ですか
キャンプコーナーです🏕
— 石井スポーツ リンクス梅田店 (@ishii_links_umd) March 6, 2021
本日は寝袋のご紹介‼️
石井スポーツナンガ特注モデルです😃
NANGA ナンガ e-Ventバック400DX
ダウン量 400g
総重量 880g
快適使用温度3℃
防水透湿素材を使用しているので、シュラフカバー無しで使えます‼️
結露対策もこれで安心ですね😊 pic.twitter.com/VUhYQEtvGi
シュラフカバーは必ずしも全ての人にとって必須のアイテムではありません。しかし、特定の状況下では、登山の快適性と安全性を大きく向上させる非常に有用な道具となります。
シュラフカバーの主な役割は「シュラフの保護」と「保温力の補助」の2点です。 まず、最大の役割は、シュラフを水濡れから守ることです。テント泊では、外気温との差によって内壁に発生する結露や、雨の吹き込みなどでシュラフが濡れてしまうリスクが常にあります。
特にダウン素材のシュラフは、濡れると保温力が著しく低下するため、シュラフカバーによる防水対策がとても大切になります。また、シュラフを汚れから守る役割も担います。テント内で食事の汁をこぼしてしまったり、泥がついたりといったアクシデントから高価なシュラフを守ってくれます。
次に、保温力の補助です。シュラフと体の間に一枚追加することで空気の層が生まれ、シュラフ単体よりも暖かく眠ることができます。
これらのことから、シュラフカバーは不要な場合もありますが、持っていることで対応できる状況の幅が広がり、より安心してアウトドア活動を楽しめるようになると考えられます。
いらない人の意見とは
NANGAオーロラライト450DX.
— BH_RYO@RiverForester (@BH_01_Master) January 28, 2025
5年使い込んでる450DXロングに比べると少し狭く感じるがその分包み込むような温かさがあり冷え込みには強い。
このシュラフの特徴は生地にオーロラテックスライトを使用していることからシュラフカバー要らずの防水性能を持ちあわせている。… pic.twitter.com/SNr69ldpwn
シュラフカバーは有用なアイテムですが、一方で「いらない」と判断する人がいるのも事実です。どのような場合に不要と考えられるのか、その主な意見をまとめました。
①化繊シュラフを使用している場合です。ポリエステルなど化学繊維で作られたシュラフは、ダウンシュラフと比べて水濡れに強いという特徴があります。多少結露で湿っても保温力の低下が緩やかなため、シュラフカバーの防水機能の必要性を感じにくいのです。
②キャンプをする季節や環境が限定されている場合です。春から秋の暖かい時期にしかキャンプをせず、天候が安定している日を選ぶのであれば、結露のリスクも低く、保温力を補助する必要性もあまりありません。
③使用しているシュラフ自体に高い防水機能が備わっているケースです。後述するナンガのオーロラライトシリーズのように、シュラフの表生地そのものが防水透湿素材で作られている製品であれば、別途シュラフカバーを用意する必要性は低くなります。
最後に、荷物を少しでも減らしたいというミニマリスト志向の方も、シュラフカバーを省くことがあります。これらの意見は、それぞれのキャンプスタイルや持っている道具によって、シュラフカバーの必要性が変わってくることを示しています。
保温効果を解説
SOLのエスケープヴィヴィを軽量シュラフカバーとして利用する人は多い。透湿性はあるけど結露は多め。雪山テント泊で使うと翌朝、内壁に霜が付いてます。一泊逃げ切り向き。山頂往復時、ツェルトにプラスして携行すると心強いです。 pic.twitter.com/L4a1NUKXa2
— 神山オンライン (@kamiyama_online) February 1, 2020
シュラフカバーが持つ重要な役割の一つに、保温効果の向上が挙げられます。シュラフの上からカバーを一枚重ねるだけで、なぜ暖かくなるのでしょうか。
その主な理由は、シュラフとシュラフカバーの間に新たな「空気の層」が作られるためです。動かない空気(デッドエア)は熱を伝えにくい性質があり、優れた断熱材として機能します。この空気層が、体から発せられた熱が外に逃げるのを防ぎ、同時に外からの冷気がシュラフに直接伝わるのを和らげてくれるのです。
メーカーや製品によって差はありますが、一般的にシュラフカバーを使用することで、体感温度が2℃から3℃程度上がると言われています。これは、手持ちの3シーズンシュラフの対応温度を少しだけ広げたい、といった場合に非常に有効です。
さらに、製品によっては保温効果をより高める工夫が施されています。例えば「SOL エスケープヴィヴィ」のように、内側にアルミ蒸着加工を施したモデルもあります。このアルミが体から出る熱(輻射熱)を反射して内側に戻すため、通常の生地よりも高い保温効果を期待できます。
このように、シュラフカバーは防水だけでなく、寒い環境下での快適な睡眠をサポートする保温アイテムとしても機能します。
結露問題を考える
寒さが厳しくなって来ました。寝袋だけだと寒いし、毛布を掛けると結露で濡れるので、シュラフカバーを導入しました。一晩試すと、明け方までは暖かく過ごせました。でも、インナーも必要ですね。#シュラフカバー #イスカ #寝袋 #ゴアテックス pic.twitter.com/PIJdMzJJBo
— あきすての (@akisutenono) December 21, 2024
シュラフカバーはテント内の結露からシュラフを守る一方で、使い方を誤ると「内部結露」という新たな問題を引き起こす可能性があります。これはシュラフカバーのデメリットとして理解しておくべき点です。
内部結露とは、シュラフカバーの内側、つまりシュラフとシュラフカバーの間で発生する結露のことです。人間は睡眠中に汗や呼気を通じて、一晩で数百ミリリットルの水分を放出しています。この湿気がシュラフを通過し、外側の冷たいシュラフカバーの内壁に触れることで冷やされ、水滴となってしまうのです。
この現象は、シュラフカバーの「透湿性」が低い場合に特に起こりやすくなります。透湿性とは、水蒸気を外に逃がす能力のことです。防水性だけを重視したビニールのような素材では、湿気の逃げ場がなくなり、シュラフカバーの内側がびしょ濡れになってしまうこともあります。
結果として、シュラフ自体を濡らしてしまい、保温力を低下させるという本末転倒の事態に陥りかねません。
この問題を避けるためには、防水性だけでなく、高い「透湿性」を備えた素材を選ぶことが極めて大切です。後述するゴアテックスなどの高機能素材は、この透湿性に優れているため、内部結露のリスクを最小限に抑えることができます。
ナンガのオーロラライトにカバーがいらない理由
#登山本店 です。
— 石井スポーツ 登山本店 (@MtshiiT) December 7, 2023
ナンガ オーロラライト750DX
スペイン産ダックダウン760フィルパワーの良質なダウンを750g使用。
オーロラテックスという独自の防水透湿素材を使っているので、シュラフカバー不要。
詳しくは👇👇https://t.co/KdF2vLtlu9 pic.twitter.com/aym1vRUggJ
シュラフカバーの必要性を考える上で、ナンガの「オーロラライト」シリーズは象徴的な存在です。このシリーズのシュラフには、基本的にシュラフカバーがいらないとされていますが、その理由を理解することが、カバーの役割を深く知る手がかりになります。
その理由は、オーロラライトシリーズの表生地に「オーロラテックス®」というナンガ独自の防水透湿素材が採用されている点にあります。この素材は、外部からの水の侵入を防ぐ高い防水性と、内部の湿気を外に逃がす優れた透湿性を両立しています。
つまり、シュラフカバーが担う最も重要な役割である「防水透湿機能」を、シュラフの生地自体が持っているのです。このため、テント内の結露や軽い雨などからダウンを守るために、わざわざシュラフカバーを重ねる必要がありません。
結果として、装備の軽量化とコンパクト化に繋がり、設営・撤収の手間も省けるという大きなメリットが生まれます。ただし、これはあくまで「防水目的では」カバーが不要という意味です。
より厳しい環境での保温力強化や、シュラフ本体を汚れから守りたいという衛生的な目的で、あえてオーロラライトにシュラフカバーを組み合わせるという選択肢も存在します。この事例は、シュラフカバーの必要性が、自分の目的や使用する道具の性能によって変化することを示しています。
シュラフカバーはいらない派も納得|選び方と使い方

✅賢いシュラフカバー選び方のポイント
✅高性能なゴアテックス
✅ワークマンのイナレム
✅シュラフカバーだけで寝ることは可能か
✅注目すべきシュラフカバー: 軽量コンパクトモデル
✅代用は100均でできる?
✅まとめ:シュラフカバーはいらない
賢いシュラフカバー選び方のポイント
シュラフカバーが必要だと判断した場合、次に重要になるのが、数ある製品の中から自分に最適なものを選ぶことです。ここでは、失敗しないための選び方のポイントを解説します。
レイヤー(層)数で選ぶ
シュラフカバーは生地の構造によって、主に「2レイヤー」と「3レイヤー」に分けられます。
- 2レイヤー: 表地と防水透湿素材の2層構造です。薄くて軽量、コンパクトになるのが最大のメリット。荷物を少しでも軽くしたい登山に向いています。ただし、内側の防水透湿膜が直接擦れに弱いため、耐久性は3レイヤーに劣ります。
- 3レイヤー: 表地、防水透湿素材、裏地の3層構造です。裏地が防水透湿膜を保護するため耐久性が高く、単体での使用にも耐えやすいのが特徴。2レイヤーに比べて少し重くかさばりますが、長く安心して使いたい方におすすめです。
- 2.5レイヤー: 3レイヤーの裏地の代わりに、防水透湿膜に特殊なプリントを施したものです。2レイヤーの軽さと3レイヤーの耐久性の良いとこ取りを目指したタイプです。
機能性(防水性と透湿性)で選ぶ
前述の通り、防水性と同じくらい透湿性が大切です。製品スペックに「耐水圧」と「透湿性」の数値が記載されていることが多いので、参考にしましょう。一般的に、登山のレインウェアに求められるレベル(耐水圧10,000mm以上、透湿性5,000g/m²/24h以上)が一つの目安になります。ゴアテックスなどの高性能素材は、これらの数値を大きく上回ります。
サイズで選ぶ
シュラフカバーには、3シーズン用シュラフ向けの「レギュラー」と、冬用シュラフ向けの「ワイド」や「ロング」サイズがあります。手持ちのシュラフが無理なく収まるサイズを選びましょう。
特に冬用の厚いシュラフにレギュラーサイズをかぶせると、ダウンが圧迫されて保温力が発揮できなくなるため注意が必要です。迷った場合は、少し大きめのワイドタイプを選ぶと汎用性が高まります。
以下の表にレイヤーごとの特徴をまとめました。
レイヤー数 | 主な特徴 | メリット | デメリット | おすすめの用途 |
3レイヤー | 表地+防水膜+裏地の3層 | 耐久性が高い、肌触りが良い | 重く、かさばりやすい、高価 | 厳冬期登山、長く使いたい人 |
2.5レイヤー | 表地+特殊加工防水膜の2.5層 | 3層と2層の中間の性能 | 製品による性能差が大きい | バランスを重視する人 |
2レイヤー | 表地+防水膜の2層 | 軽量、コンパクト、安価 | 耐久性が低い、ベタつきやすい | 夏山登山、軽量化を求める人 |
これらのポイントを総合的に考慮し、自分の登山スタイルや予算に合った一品を見つけることが、満足のいく選択に繋がります。
高性能なゴアテックス
レジで、「シュラフカバー2000円くらいにしちゃあ合計額高くね?」と思ったら桁が違った(^。^)ゴアテックス(^。^)
— 𝐏 𝐱 𝐍 𝐱 𝐓 (@PxNxT) August 10, 2019
耐寒性とコンパクト化のUPには大成功したからオールオーケーズ! pic.twitter.com/kp08R5J1eB
シュラフカバーの素材を語る上で、ゴアテックス(GORE-TEX)は外すことができません。多くの登山者に絶大な信頼を寄せられる高性能素材であり、その特徴を理解することはシュラフカバー選びの重要な指標となります。
ゴアテックスの最大の特徴は、極めて高いレベルの「防水性」と「透湿性」を両立している点です。ゴアテックスメンブレンという特殊な膜には、水滴の数万分の一という微細な孔が無数に開いています。この孔は、雨などの水滴は通さない一方で、水蒸気の分子は通り抜けられる大きさになっています。
この構造により、外部からの雨や結露は完全にシャットアウトしながら、体から発せられる汗や水蒸気はスムーズに外へ排出し、カバー内部の蒸れや結露を最小限に抑えることができるのです。
また、ゴアテックス製品は耐久性にも優れています。厳しい品質基準をクリアした製品だけが市場に出るため、長期間にわたって性能を維持します。ポリウレタン系の防水素材が経年劣化(加水分解)により5年程度で寿命を迎えることがあるのに対し、ゴアテックスは適切なメンテナンスを行えば10年以上使えることも珍しくありません。
もちろん、その高性能さゆえに価格は高価になります。しかし、厳冬期の登山や長期縦走など、シュラフの濡れが深刻なリスクに繋がるようなシビアな環境では、ゴアテックスの信頼性は何物にも代えがたい安心感をもたらします。イスカの「ゴアテックスインフィニアムシュラフカバー」などは、その代表的な製品です。
ワークマンのイナレム
ワークマンの「イナレム ギア シュラフカバー」を入手。
— tosaken (@tosaken3) August 1, 2023
試しに水道水をぶっかけてみましたが、完全に水を弾きまったく濡れませんでした。
薄く中綿が入っているので少し嵩張りますが、ダウンシェラフの結露の心配がなくなり保温性アップに期待が高まります。#ワークマン pic.twitter.com/FUqyshvWCL
近年、驚異的なコストパフォーマンスでアウトドア市場を席巻しているワークマンも、シュラフカバーをラインナップしています。その代表格が、独自開発の防水透湿素材「イナレム(INAREM)」を使用したモデルです。
イナレムの最大の特徴は、高い機能性を持ちながら、圧倒的な低価格を実現している点です。製品にもよりますが、耐水圧10,000mm、透湿性10,000g/m²/24hといった、登山のレインウェアとしても通用するレベルのスペックを備えながら、価格は数千円台に抑えられています。
これは、専門アウトドアブランドの製品と比較すると破格の安さです。また、ワークマンのシュラフカバーには、ユーザーの使い勝手を考えたユニークな機能が搭載されていることもあります。
例えば、ファスナーを全開にすると一枚の大きなブランケットとして使える2WAY仕様や、取り外し可能なフードが付いているモデルなど、キャンプシーンでの汎用性を高める工夫が見られます。
一方で、デメリットとして挙げられるのが、収納サイズと重量です。専門ブランドの軽量モデルと比較すると、どうしても大きく重くなる傾向があります。このため、バックパックでの登山など、荷物の軽量化が求められるシーンには不向きな場合があります。
総じて、ワークマンのイナレムシュラフカバーは、オートキャンプや車中泊、防災用など、携帯性よりも価格と汎用性を重視するシーンで非常に魅力的な選択肢になると言えるでしょう。
シュラフカバーだけで寝ることは可能か
登山口到着。南御室小屋経由1泊2日でオベリスクまで行きます。
— りょうた⛰ギアざんまい (@ryotamatsu2) September 20, 2020
テーマ
ツェルトとシュラフカバーだけで寝る。軽量装備で秋口の気温に耐えられるか検証します。
7時40分現在、駐車場は30 〜40台ほど空きがあるようです🙋♂️ pic.twitter.com/JPOHK0eS03
「夏のキャンプなら、シュラフは持っていかずにシュラフカバーだけで寝られるのでは?」と考える方もいるでしょう。荷物の軽量化に繋がるこのアイデアは、果たして現実的なのでしょうか。
結論から言うと、「条件付きで可能」です。 最も重要な条件は気温です。真夏の平地のキャンプ場や、標高の低い山でのテント泊など、夜間の最低気温が十分に高い(例えば20℃以上)状況であれば、シュラフカバー単体でも寒さを感じずに眠れる可能性があります。
特に3レイヤーのシュラフカバーは生地に厚みがあり、多少の保温性も期待できます。しかし、いくつかの大きな注意点があります。まず、寒さの感じ方には大きな個人差があるということです。同じ気温でも、体質やその日の体調によって寒く感じる人もいます。
また、山の天気は変わりやすく、予想外に気温が下がることも少なくありません。さらに、寝心地の面でもシュラフには及びません。シュラフカバーはあくまで「カバー」であり、クッション性やふかふかとした快適さは期待できません。
以上のことから、シュラフカバーだけで寝るという選択は、あくまで「気温が高いことが確実で、寝心地よりも軽量化を優先したい」という限定的な状況でのみ検討すべきでしょう。実践する場合は、フリースやダウンジャケットなどの防寒着を必ず携行し、寒さに対応できる準備をしておくことが賢明です。
注目すべきシュラフカバー:軽量コンパクトモデル
先日注文した、BROOKLYN OUTDOOR COMPANYさんのシュラフカバーが届いた。
— chicken (@chicken) June 12, 2024
タイベック製なのですが、内側にアルミ蒸着?されていて中々期待できそう。
以前使っていたのはゴアテックス製だったんですが、かなり劣化していたので入れ替え。#BROOKLYNOUTDOORCOMPANY pic.twitter.com/9gJk5OSWqX
登山の世界では「グラム単位で荷物を削る」と言われるほど、軽量化は重要なテーマです。シュラフカバーも例外ではなく、各メーカーから驚くほど軽量でコンパクトなモデルが発売されています。
これらの軽量コンパクトモデルは、主に2つのアプローチで軽量化を実現しています。
一つは「素材」の工夫です。ファイントラックの「エバーブレススリーピングバッグカバーUL」のように、極薄のナイロン生地と高性能な防水透湿膜を組み合わせることで、200g台前半という驚異的な軽さを達成しています。

また、モンベルの「タイベックスリーピングバッグカバー」は、デュポン社が開発した高密度ポリエチレン不織布「タイベック」を使用し、約150gという超軽量を実現しています。タイベックは完全防水ではありませんが、優れた透湿性と防風性を備えています。
もう一つのアプローチは「構造」の簡素化です。軽量モデルの多くは、重量増の原因となるサイドファスナーを省略した「ファスナーレス」構造を採用しています。これにより、数十グラムの軽量化と、縫い目を減らすことによる防水性の向上を両立させています。
出入りは上から潜り込む形になりますが、軽量化を最優先するユーザーにとっては合理的な設計です。これらの軽量コンパクトモデルは、荷物の総重量を少しでも減らしたい長期縦走や、ファストパッキングスタイルの登山者に特に支持されています。
ただし、軽量化のために耐久性や快適性が多少犠牲になっている場合もあるため、自分の登山スタイルと製品の特性をよく理解した上で選ぶことが大切です。
代用は100均でできる?
ダイソーのエマージェンシーシート、北アルプス標高2,600mのテント場で使ってみたら初めてホッカイロ、湯たんぽなしのあったかビバーク泊に成功したのであと一歩保温したい時には抜群かもしれない…!シュラフカバーの中に突っ込んで寝たらまさかの結露なしで感動✨ pic.twitter.com/iKHMfiHXBz
— れん (@xRENZAURx) August 5, 2024
シュラフカバーの必要性は感じつつも、使用頻度を考えると購入をためらってしまう場合、100円ショップのアイテムで代用できないかと考えるのは自然なことです。
現状、ダイソーやセリアなどの100円ショップで、シュラフカバーとして販売されている専用品はありません。しかし、工夫次第で代用品として使えるアイテムはいくつか存在します。
最もよく挙げられるのが、レインコートやポンチョです。これらをシュラフの上にかぶせることで、ある程度の防水効果は期待できます。また、大きなレジャーシートや、緊急用のアルミシートでシュラフを包むという方法もあります。アルミシートであれば、保温効果も多少見込めるでしょう。
ただし、これらはあくまで「緊急時の応急処置」と考えるべきです。これらの代用品には、アウトドア専用のシュラフカバーが持つ「透湿性」がほとんどありません。そのため、体から出る湿気が内部にこもり、シュラフカバーの内側、つまりシュラフ自体が結露で濡れてしまう可能性が非常に高くなります。
快適な睡眠を確保し、大切なシュラフを湿気から守るという本来の目的を考えると、100均アイテムでの代用は推奨されません。もしコストを抑えたいのであれば、後述するワークマンの製品や、ネット通販で探せる安価なシュラフカバーを検討する方が、結果的に満足度は高くなるでしょう。
まとめ:シュラフカバーはいらない
この記事では、「シュラフカバーはいらない」という疑問に対し、その必要性や選び方、具体的な製品までを多角的に解説してきました。最終的な結論として、以下のポイントを参考に、ご自身にとっての必要性を判断してください。
• シュラフカバーは全てのキャンパーや登山者に必須ではない
• ダウンシュラフを悪天候や冬期に使う人には必要性が高い
• 化繊シュラフの使用や暖かい時期のみの活動なら不要な場合も多い
• 主な役割は「防水・防風」と「保温力の補助」
• テント内の結露からシュラフを守る効果は大きい
• デメリットとしてカバーの内側で結露する可能性もある
• 透湿性の高い素材(ゴアテックスなど)を選ぶことが重要
• ナンガのオーロラライトのようにカバー不要の防水シュラフも存在する
• 選び方はレイヤー数、機能性、サイズの3点が基本
• 高性能なゴアテックスは高価だが信頼性と耐久性に優れる
• ワークマンのイナレムは圧倒的なコストパフォーマンスが魅力
• 真夏など限定的な状況ではシュラフカバーだけで寝ることも可能
• 登山では軽量コンパクトなモデルが有利
• 100均アイテムでの代用は透湿性がなく推奨できない
• 自分のキャンプスタイルと道具に合わせて必要性を判断するのが最善