夏の登山は、心地よい風や美しい景色を楽しめる一方で、強い日差しや変わりやすい天候への対策が欠かせません。
特に、夏登山用のネックゲイターとフェイスマスクは、多くの方がその必要性を感じつつも、具体的にネックゲイターは夏にどんな効果があるのか、一般的なネックウォーマーとネックゲイターの違いは何か、また、フェイスマスクは効果があるのか、フェイスカバーとフェイスマスクの違いなど、疑問をお持ちかもしれません。
さらに、数ある製品の中から最適なネックゲイターとフェイスマスクの選び方と素材について悩み、おすすめのネックゲイターとフェイスマスクの情報を求める方もいらっしゃるでしょう。登山で顔に日焼けを防ぐにはどうすれば良いかという切実な悩みもよく耳にします。
この記事では、これらの疑問に一つひとつお答えし、夏山を安全かつ快適に楽しむための知識を提供します。
この記事でわかること
①夏登山におけるネックゲイターとフェイスマスクの具体的な役割と重要性
②多様な製品の中から自身に適したネックゲイターやフェイスマスクを選ぶための基準
③それぞれのアイテムの効果的な使用方法と注意点
④夏の厳しい環境から肌を守り、登山をより楽しむためのヒント
夏の登山用ネックゲイターとフェイスマスク:基礎知識

✅なぜ夏山にこれらが必要か?
✅ネックゲイターは夏にどんな効果があるの?
✅ネックウォーマーとネックゲイターの違いは何?
✅ネックゲイターの選び方と素材
✅おすすめのネックゲイター紹介
なぜ夏山にこれらが必要か?
夏の登山では、麓と山頂で気温が大きく異なることが珍しくありません。また、天候が急変しやすく、強い日差しや風、時には急な冷え込みに遭遇することもあります。このような環境下で体温調節を適切に行い、紫外線から肌を保護するために、ネックゲイターやフェイスマスクが役立ちます。
まず、体温調節の観点から見ていきましょう。首元は皮膚が薄く、太い血管が体表近くを通っているため、外気の影響を受けやすい部位です。ここを冷やすと体全体が冷えやすく、逆に温めれば効率よく体を保温できます。
登山中は汗をかき、休憩中や風に吹かれると急に体が冷えることがあります。ネックゲイターは、このような状況で首元を保護し、体温の低下を防ぐのに貢献します。次に、紫外線対策です。夏山の紫外線は標高が上がるにつれて強くなります。
特に森林限界を超えた稜線などでは、遮るものがなく、四方八方から紫外線を浴びることになります。顔や首は日焼けしやすく、対策を怠ると火傷のような状態になったり、長期的な皮膚へのダメージにつながったりする可能性があります。
フェイスマスクやネックゲイターで物理的に肌を覆うことは、日焼け止めと併用することで、より効果的な紫外線対策となるでしょう。さらに、砂埃や虫からの保護という側面も挙げられます。風が強い日には砂埃が舞い上がり、目や口、鼻に入るのを防ぐのに役立ちます。
また、山中では予期せぬ虫との遭遇もありますが、顔周りを覆うことで、ある程度防御することが可能です。これらのアイテムは軽量でコンパクトなものが多いため、万が一の事態に備えて携行することが、安全で快適な登山には不可欠と言えるでしょう。
ネックゲイターは夏にどんな効果があるの?

ネックゲイターが夏の登山でどのような効果を発揮するのか、具体的に見ていきましょう。主な効果としては、日焼け防止、体温調節、そして吸汗速乾による快適性の維持が挙げられます。
日焼け防止効果
夏山での紫外線は非常に強力で、特に首の後ろや顔は日焼けしやすい部分です。ネックゲイターを使用することで、これらの部位を物理的に覆い、紫外線から守ることができます。
多くの夏用ネックゲイターにはUVカット機能が備わっており、日焼けによる肌の炎症や疲労の蓄積を軽減するのに役立ちます。帽子やサングラスと組み合わせることで、より広範囲の紫外線対策が可能です。
体温調節機能
「なぜ夏山にこれらが必要か?」でも触れましたが、ネックゲイターは体温調節に重要な役割を果たします。夏場であっても、山頂付近や風の強い場所、朝晩などは肌寒く感じることがあります。ネックゲイターを一枚首に巻くだけで、体感温度が大きく変わることがあります。
逆に、暑い時には水で濡らして首に巻けば、気化熱を利用してクーリング効果を得ることも可能です。このように、状況に応じて保温と冷却の両方に活用できるのが特徴です。
吸汗速乾による快適性
登山中は大量の汗をかきますが、汗が首筋を伝う不快感は集中力の低下にもつながりかねません。夏用のネックゲイターの多くは、吸汗速乾性に優れた素材で作られています。
汗を素早く吸収し、外部へ発散させることで、肌面をドライに保ち、ベタつきや汗冷えを防ぎます。また、防臭加工が施された製品もあり、長時間の着用でも快適性を維持しやすくなっています。
これらの効果により、ネックゲイターは夏の登山において、快適性と安全性を高めるための重要なアイテムとなるのです。軽量でかさばらないため、常にザックに忍ばせておくことをおすすめします。
ネックウォーマーとネックゲイターの違いは何?

ネックウォーマーとネックゲイターは、どちらも首元を覆うアイテムですが、その主な用途や機能性には違いがあります。これらの違いを理解することは、登山シーンに適したアイテムを選ぶ上で大切です。
一般的に、ネックウォーマーは主に冬の防寒対策として使用されるアイテムを指します。フリース素材や厚手のウールなど、保温性に特化した素材で作られているものが多く、主な目的は首元を温めることです。形状も比較的シンプルな筒状のものが中心となります。
一方、ネックゲイターは、ネックウォーマーが持つ防寒機能に加え、より多機能性を備えたアイテムと言えます。特に夏用のネックゲイターは、UVカット機能、吸汗速乾性、冷感機能など、暑い季節に対応するための機能が充実しています。
素材も薄手で通気性の良いポリエステルやメリノウールなどが用いられることが多いです。また、形状も多様で、口元や頭部まで覆えるようなデザインのものもあります。
主な違いの比較
特徴 | ネックウォーマー | ネックゲイター |
---|---|---|
主な用途 | 冬の防寒 | オールシーズン(特に夏はUVカット、吸汗速乾など多機能) |
主な素材 | フリース、厚手ウールなど保温性の高い素材 | 薄手の化繊(ポリエステル等)、薄手ウールなど機能素材 |
主な機能 | 保温 | 保温、UVカット、吸汗速乾、冷感、防臭など |
使用シーズン | 主に冬季 | 通年(夏用、冬用など季節に応じた製品あり) |
デザイン | シンプルな筒状が多い | 多様な形状、多用途に対応できるデザインあり |
このように、ネックウォーマーは「保温」に特化しているのに対し、ネックゲイターは季節や用途に応じた「多機能性」を持つ点が大きな違いです。夏登山においては、保温性よりも紫外線対策や吸汗速乾性、通気性が求められるため、夏用のネックゲイターが適していると考えられます。
ネックゲイターの選び方と素材
夏の登山で快適にネックゲイターを活用するためには、選び方と素材の理解が鍵となります。ここでは、どのような点に注目して選ぶべきか、そして代表的な素材の特徴について解説します。
選び方のポイント
- 機能性で選ぶ
夏の使用を考えると、まず重視したいのがUVカット機能です。紫外線から肌を守るために、UPF値(紫外線保護指数)が表示されている製品を選ぶと良いでしょう。また、汗をかきやすいため、吸汗速乾性も欠かせません。汗を素早く吸い取り、すぐに乾く素材であれば、肌のベタつきや汗冷えを防ぎ、快適な状態を保てます。
さらに、接触冷感素材や通気性に優れたメッシュ素材を使用したものは、暑い日中の活動をサポートしてくれます。防臭機能が付いていると、長時間の使用でも臭いが気になりにくいでしょう。 - 形状とフィット感で選ぶ
ネックゲイターには、シンプルな筒状のものから、顔の下半分や頭部まで覆える多機能なタイプまで様々な形状があります。登山中にどのように使いたいかを考慮して選びましょう。例えば、日差しが強い稜線歩きでは顔までカバーできるタイプ、着脱のしやすさを重視するならスタンダードな筒状タイプなどが考えられます。
フィット感も大切で、きつすぎると息苦しさを感じたり、緩すぎるとずり落ちてきたりすることがあります。伸縮性の高い素材や、ドローコードなどでフィット感を調整できるものがおすすめです。 - デザインとカラーで選ぶ
機能性だけでなく、デザインやカラーも登山のモチベーションを上げる要素の一つです。ウェアとのコーディネートを楽しんだり、好みの柄を選んだりするのも良いでしょう。ただし、派手すぎる色は虫を寄せ付ける可能性があるとも言われるため、その点も考慮に入れるとより良い選択ができます。
代表的な素材とその特徴
- ポリエステルなどの化学繊維
多くの夏用ネックゲイターに使用されているのがポリエステルをはじめとする化学繊維です。軽量で耐久性があり、吸汗速乾性に優れているのが大きな特徴です。洗濯してもすぐに乾き、型崩れしにくい点もメリットと言えます。
UVカット加工や冷感加工、防臭加工などが施された高機能な製品も多く見られます。デメリットとしては、天然繊維に比べて肌触りが硬く感じられる場合があることや、製品によっては静電気が起きやすいことが挙げられます。 - メリノウール
メリノウールは、保温性と吸湿性に優れた天然繊維です。冬のイメージが強いかもしれませんが、薄手のメリノウールは夏にも適しています。汗をかいても繊維自体が水分を吸湿し、肌面をドライに保つ効果(吸湿発熱・吸湿冷却)があります。
また、天然の抗菌防臭効果も期待できます。肌触りが非常に柔らかく、敏感肌の方にもおすすめです。化学繊維に比べると価格が高めであることや、洗濯に少し気を使う必要がある点がデメリットとして考えられます。 - その他(混合素材など)
上記の素材を組み合わせた混合素材の製品もあります。それぞれの素材の長所を活かし、短所を補うことで、より快適な使用感を実現しています。
これらのポイントや素材の特性を理解し、ご自身の登山スタイルや目的に合ったネックゲイターを選んでください。
おすすめのネックゲイター紹介
ここでは、これまでの情報を踏まえ、夏登山で活躍するおすすめのネックゲイターのタイプやブランドの傾向について触れます。特定の商品を推薦するわけではありませんが、どのような点に着目して製品を探すと良いかのヒントを提供します。
高機能化学繊維タイプ
多くの大手アウトドアブランドからは、ポリエステルやナイロンといった化学繊維を使用した高機能なネックゲイターが多数販売されています。これらの製品は、UVカット性能(UPF50+など高い数値のもの)、優れた吸汗速乾性、そして時には接触冷感機能を備えていることが特徴です。
例えば、独自のクーリング技術(汗を利用して生地温度を下げるなど)を採用しているブランドや、通気性を極限まで高めたメッシュ構造の製品をラインナップしているメーカーがあります。
縫い目を少なくして肌当たりを良くしたり、立体的なカッティングでフィット感を高めたりといった工夫も凝らされています。軽量コンパクト性も追求されており、持ち運びにも便利です。
天然素材(メリノウール)タイプ
肌触りや天然の機能性を重視する方には、スマートウール(Smartwool)やアイスブレーカー(Icebreaker)といったブランドが展開するメリノウール製のネックゲイターが良い選択肢となるでしょう。薄手のメリノウールは夏でも蒸れにくく、汗冷えしにくいという特性があります。
また、天然の抗菌防臭効果も期待できるため、長時間の着用でも比較的快適さが持続します。化学繊維の肌触りが苦手な方や、より自然な素材を好む方から支持されています。ただし、化学繊維製品に比べると価格帯がやや高めになる傾向があります。
多用途・デザイン性タイプ
バフ(Buff)に代表されるような多機能チューブタイプのネックゲイターも人気があります。1枚でネックカバー、ヘッドバンド、キャップ、フェイスマスクなど何通りもの使い方ができるのが魅力です。デザインも豊富で、ファッションアイテムとして楽しむこともできます。素材は化学繊維が主流で、吸汗速乾性やUVカット機能も備わっている製品が多いです。
選ぶ際の注意点としては、実際に試着が可能であればフィット感を確認することをおすすめします。また、レビューや製品情報をよく確認し、自分の求める機能(UVカットの強さ、通気性、肌触りなど)を満たしているかを見極めることが大切です。これらの情報を参考に、ご自身の夏山登山をより快適にする一枚を見つけてください。
夏の登山用ネックゲイターとフェイスマスク:効果的活用

✅顔の日焼け対策も重要!
✅登山で顔の日焼けを防ぐ!フェイスマスクの効果は?
✅フェイスカバーとフェイスマスクの違いは何?
✅フェイスマスクの選び方と素材
✅おすすめのフェイスマスク紹介
✅夏の登山用ネックゲイターとフェイスマスク:総括
顔の日焼け対策も重要!
夏の登山において、顔の日焼け対策は非常に大切です。標高が1000m上がるごとに紫外線量は10%以上増加するとも言われており、森林限界を超えた高山では、想像以上に強い紫外線にさらされます。
日焼けは単に肌が黒くなるだけでなく、シミやそばかすの原因になったり、ひどい場合には水ぶくれや炎症を引き起こしたりすることもあります。また、紫外線は皮膚の乾燥を招き、疲労感の増大にもつながりかねません。
顔の日焼け対策としては、まず日焼け止めをこまめに塗り直すことが基本です。しかし、汗で流れてしまったり、塗りムラができてしまったりすることも少なくありません。そこで効果を発揮するのが、フェイスマスクやネックゲイターといった物理的に肌を覆うアイテムの活用です。
帽子(特にツバの広いハットタイプ)も顔への直射日光を避けるのに有効ですが、横や下からの照り返しまでは防ぎきれない場合があります。フェイスマスクやネックゲイターを併用することで、鼻や頬、首周りといった日焼けしやすい部分をしっかりとガードできます。
特に唇や耳、首の後ろなどは日焼け止めを塗り忘れがちな部分であり、かつデリケートなため、これらのアイテムで保護することは理にかなっています。肌への負担を軽減し、快適な登山を続けるためにも、顔周りの紫外線対策は万全に行いましょう。
登山で顔の日焼けを防ぐ!フェイスマスクの効果は?

登山中に顔の日焼けを効果的に防ぐ手段として、フェイスマスクの着用が挙げられます。では、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。
最大の効果は、やはり紫外線からの物理的な保護です。日焼け止めを塗っていても、汗で流れたり、摩擦で取れたりすることがあります。フェイスマスクは、生地で顔を直接覆うため、日焼け止めが落ちてしまった場合でも、ある程度の紫外線を遮断してくれます。
特に夏用の製品の多くはUVカット加工が施されており、その効果は高いと言えるでしょう。また、帽子やサンバイザーだけでは防ぎきれない、地面や雪渓からの照り返しによる紫外線に対しても、フェイスマスクは有効です。顔の下半分や首元までカバーできるタイプであれば、広範囲を保護できます。
さらに、日焼け防止以外にも、砂埃や花粉、虫などから顔を守る効果も期待できます。風の強い日や、虫が多い季節の登山では、これらの外的要因から顔を保護することで、より快適に行動できるでしょう。
ただし、フェイスマスクを着用することによるデメリットや注意点も存在します。例えば、通気性が悪い製品を選ぶと息苦しさを感じたり、マスク内に熱がこもってしまったりする可能性があります。
また、長時間の着用で肌が擦れたり、汗で蒸れて肌トラブルを引き起こしたりすることも考えられます。これらの点を考慮し、素材選びやこまめな汗のケアが大切になります。総じて、適切に選び、正しく使用すれば、フェイスマスクは登山における顔の日焼け対策として非常に有効なアイテムの一つと言えます。
フェイスカバーとフェイスマスクの違いは何?

「フェイスカバー」と「フェイスマスク」は、顔を覆うアイテムとして混同されやすい言葉ですが、その指す範囲や形状、主な用途にはいくつかの違いが見られます。これらの違いを理解しておくと、自分の目的に合った製品を選びやすくなります。
一般的に「フェイスマスク」と言うと、新型コロナウイルス感染症対策以降に広く普及した、口と鼻を覆う衛生マスクや、美容目的のシートマスクを思い浮かべる方が多いかもしれません。
スポーツやアウトドア用途でのフェイスマスクは、これらとは異なり、運動時の呼吸のしやすさや紫外線対策、防寒などを目的として設計された、口・鼻周りを中心にカバーするアイテムを指すことが多いです。形状としては、耳掛けタイプや頭から被るタイプで顔の下半分を覆うものが典型的です。
一方、「フェイスカバー」は、より広義に使われることがあり、顔全体や首元、時には頭部まで覆うことができるアイテム全般を指す場合があります。ネックゲイターやバラクラバ(目出し帽)なども、広い意味ではフェイスカバーの一種と捉えることができます。
スポーツ用途では、スヌード状やネックゲイター状のものが多く、日焼け対策や防寒、飛沫拡散防止などの目的で使われます。フェイスマスクよりもカバー範囲が広いものが多く、首元から顔、頭部までを一枚で覆えるような製品も存在します。
主な傾向としての違い
特徴 | スポーツ用フェイスマスク | スポーツ用フェイスカバー (広義) |
---|---|---|
主なカバー範囲 | 口・鼻周り、顔の下半分 | 顔全体、首元、頭部など、製品により多様 |
形状の典型 | 耳掛けタイプ、顔下半分を覆う筒状(フィット感重視) | ネックゲイター状、スヌード状、バラクラバ状など |
主な目的 | 呼吸のしやすさ、飛沫対策、UVカット(部分)、防寒(部分) | UVカット(広範囲)、防寒(広範囲)、多用途性 |
重要なのは、メーカーや製品によってこれらの呼称の使い分けが必ずしも一定ではないという点です。そのため、名称だけで判断するのではなく、製品の写真や説明をよく確認し、カバー範囲、素材、機能性などが自分の求めるものに合致しているかを見極めることが肝心です。
夏登山においては、紫外線対策として首元までしっかり覆えるネックゲイタータイプのものを「フェイスカバー」と呼ぶこともありますし、口元を覆う部分を特に「フェイスマスク」機能として捉えることもできます。
フェイスマスクの選び方と素材
夏の登山で快適かつ効果的にフェイスマスクを使用するためには、適切な選び方と素材の知識が求められます。ここでは、特に夏の使用に適したフェイスマスクを選ぶ際のポイントと、代表的な素材について解説します。
選び方のポイント
- 通気性と呼吸のしやすさ
夏場の登山では、呼吸がしやすく、熱がこもりにくいことが最も重要です。メッシュ素材を部分的に使用したり、立体構造にすることで口元に空間を作り、呼吸を確保している製品を選びましょう。
息苦しさを感じるとパフォーマンスの低下や不快感につながるため、試着が可能であれば実際に呼吸のしやすさを確認することをおすすめします。 - UVカット機能
前述の通り、夏山の紫外線は非常に強力です。UPF値(紫外線保護指数)が高い素材や、紫外線遮蔽率の高い生地を使用したフェイスマスクを選び、日焼けを効果的に防ぎましょう。特に、鼻や頬、耳、首元など、日焼けしやすい部分をしっかりカバーできる形状であるかも確認が必要です。 - 吸汗速乾性と肌触り
汗をかいてもすぐに乾き、肌面をドライに保つ吸汗速乾性は、夏のフェイスマスクには必須の機能です。汗によるベタつきや蒸れは不快なだけでなく、肌トラブルの原因にもなり得ます。
また、直接肌に触れるものなので、肌触りの良い素材を選ぶことも大切です。縫い目が肌に当たらないような工夫がされているかもチェックポイントです。 - フィット感とズレにくさ
行動中にフェイスマスクがズレてしまうと、何度も直す手間がかかりストレスになります。耳掛け部分にアジャスターが付いていたり、伸縮性の高い素材を使用したりしていて、顔の形状にしっかりフィットするものを選びましょう。
ネックゲイタータイプであれば、ある程度の長さがあり、首元までしっかり覆えるものがズレにくい傾向にあります。 - お手入れのしやすさ
汗をかく夏場は特に、使用後に洗濯して清潔に保つことが重要です。洗濯機で洗えるか、速乾性があり乾きやすいかなど、お手入れのしやすさも考慮すると良いでしょう。
代表的な素材とその特徴
- ポリエステル、ナイロンなどの化学繊維
軽量で耐久性があり、吸汗速乾性に優れています。UVカット加工や抗菌防臭加工、接触冷感加工などが施されている製品が多く、夏用フェイスマスクの主流素材と言えます。メッシュ構造にしやすいのも特徴で、通気性を高めた製品も豊富です。 - ポリウレタン(スパンデックス)
伸縮性に非常に優れた素材で、フィット感を高めるために他の繊維と混紡されることが多いです。動きやすさをサポートし、フェイスマスクがズレるのを防ぎます。 - 天然繊維(コットン、シルク、薄手ウールなど)
肌触りの良さを重視する場合に選択肢となりますが、夏用としては吸汗速乾性の点で化学繊維に劣る場合があります。コットンは汗を吸うと乾きにくい性質があるため、登山用途では避けた方が無難な場合もあります。
薄手のメリノウールは吸湿性や防臭性に優れていますが、夏用としては化学繊維との組み合わせや薄さに工夫が必要です。
これらの点を総合的に考慮し、ご自身の活動内容や重視するポイントに合わせて最適なフェイスマスクを選びましょう。
おすすめのフェイスマスク紹介

夏登山に適したフェイスマスクを選ぶ際、どのようなブランドや製品タイプに注目すべきか、その傾向についてご紹介します。ここでも特定の商品を推奨するわけではありませんが、製品選びの参考になる情報を提供します。
アウトドアブランドの高機能モデル
コロンビア(Columbia)、ミレー(Millet)、アウトドアリサーチ(Outdoor Research)、チャムス(CHUMS)といった多くのアウトドアブランドは、登山やアクティビティに特化した高機能なフェイスマスク(またはフェイスカバー、ネックゲイター)を開発・販売しています。
これらの製品は、ブランド独自の冷却技術(例:コロンビアの「オムニフリーズゼロ」)や、優れた通気性と速乾性を両立させた素材(例:ミレーの「ポーラテックデルタ」)を採用していることが多く、夏の厳しい環境下でも快適性を追求しています。
UVカット機能(UPF50+など)はもちろんのこと、立体裁断によるフィット感の向上、呼吸のしやすさを考慮したデザイン(例:口元に空間ができる構造、メッシュ切り替え)などが特徴です。耳掛けが付いているタイプや、ネックゲイターとしても使える2WAY、3WAY仕様のものも人気があります。
スポーツブランドの通気性重視モデル
ランニングやトレーニング用途の製品を多く手掛けるスポーツブランドからも、夏に適したフェイスマスクが提供されています。これらは特に通気性と軽量性を重視した設計になっているものが多く、メッシュ素材を多用したり、特殊な織り方で空気の通り道を確保したりといった工夫が見られます。
フィット感を調整できるアジャスター付きの耳紐や、運動中のズレを防ぐための工夫が凝らされている製品もあります。
専門メーカーのUVカット・冷感特化モデル
UVケア用品や冷感グッズを専門に扱うメーカーの製品も選択肢に入ります。これらの製品は、非常に高いUVカット率を誇る生地や、接触冷感効果の高い特殊な素材を使用していることが特徴です。デザインも日常使いしやすいシンプルなものから、顔全体をしっかり覆える農作業用に近いような形状のものまで幅広く展開されています。
選ぶ際の一般的なアドバイスとしては、まずレビューや口コミを参考にしつつ、自分の顔のサイズに合うか、どのようなシーンで主に使用したいか(例えば、稜線での強烈な日差し対策か、樹林帯での虫除けや汗対策かなど)を明確にすることが大切です。
そして、求める機能(UVカットレベル、通気性、冷感、肌触りなど)をリストアップし、それに合致する製品を探していくと、失敗が少ないでしょう。
夏の登山用ネックゲイターとフェイスマスク:総括
夏の登山において、ネックゲイターとフェイスマスクは、紫外線対策、体温調節、快適性の維持といった点で非常に重要な役割を果たすアイテムです。これまでの内容を振り返り、そのポイントを以下にまとめます。
・夏山の紫外線は標高と共に強くなり対策が不可欠
・ネックゲイターやフェイスマスクは物理的な日焼け防止に有効
・首元の保護は体温調節に大きく貢献
・夏用ネックゲイターはUVカットや吸汗速乾機能が重要
・ネックウォーマーは防寒、ネックゲイターは多機能性が特徴
・夏用素材はポリエステル等の化繊や薄手メリノウールが主流
・ネックゲイター選びは機能性、形状、フィット感がポイント
・フェイスマスクも通気性、UVカット、吸汗速乾性が鍵
・フェイスカバーはより広範囲を覆えるアイテムを指す場合がある
・口元の呼吸しやすさはフェイスマスク選びで特に重視すべき点
・フィット感やズレにくさも快適な使用には欠かせない
・吸汗速乾素材は汗による不快感や肌トラブルを軽減
・大手アウトドアブランドは高機能な製品を多数展開
・状況に応じた使い分けやこまめなケアも大切
・適切な製品を選び活用することで夏登山はより安全で快適になる