サロモンのXT15や20のレビューを探している方は、その絶妙なサイズ感やトレイルブレイザーとの違いが気になっているのではないでしょうか。実際に購入するとなると、登山やトレランでの使い心地はもちろん、レディースや小柄な人でもフィットするのか、通勤ランでPCは入るのかなど、確認したいポイントがたくさんありますよね。
この記事では、私が実際にフィールドで使い倒した経験をもとに、カタログスペックだけでは見えてこないリアルな使用感を徹底的に深掘りしていきます。
この記事でわかること
①XT15とXT20の決定的な違いと容量の選び方
②トレイルブレイザーと比較した際のメリットとデメリット
③走った時の揺れを抑える正しい調整テクニック
④通勤ランにおけるPC収納の実践的なコツ
サロモンのXT15・XT20のレビューとサイズ感の違い

まずは、多くの人が悩む「15リットルと20リットル、どっちを買えばいいの?」という問題と、他モデルとの違いについて、私が実際に触れて感じたポイントを中心にお話しします。たった5リットルの差ですが、この差がアクティビティの快適性を大きく左右するんです。
✅15と20の容量やサイズ感を徹底比較
✅トレイルブレイザーとXTの違いを解説
✅登山やトレランでの使い心地を検証
✅レディースや小柄な人のフィット感
15と20の容量やサイズ感を徹底比較
↑↑※上記のXT15はメゾン・マルジェラとのコラボ商品です。
XT15とXT20、カタログスペックだけ見ると容量が5リットル違うだけですが、実際の使い勝手にはかなり明確な差があります。私自身、最初は「大は小を兼ねる」で20を選びがちだったんですが、このシリーズに関しては少し事情が異なります。それぞれの特性を理解しないと、「帯に短し襷に長し」になってしまう可能性があるからです。
結論から言うと、この2つのモデル、背負った時の縦横のサイズ(投影面積)はほぼ同じなんです。どちらも背面長は約50cmで統一されています。つまり、後ろ姿のシルエットや背中を覆う面積は変わらないということですね。
決定的な違いは「マチ(奥行き)」の深さ
XT20はメイン気室にしっかりとした厚みがあり、嵩張る荷物を飲み込む力があります。スーパーで買った食材や、冬場のダウンジャケットなどを放り込める懐の深さが魅力です。
対してXT15は非常に薄く、マチが制限されています。荷物が少ない時はペタンコになり、体に張り付くようなフィット感が特徴です。これは「揺れにくさ」に直結します。
具体的な数値で見ると、その差は歴然としています。以下の表にまとめてみました。
| スペック項目 | Salomon XT 15 | Salomon XT 20 |
|---|---|---|
| 容量 | 15 リットル | 20 リットル |
| 重量 | 約 445g | 約 550g |
| メインの特徴 | 薄型で高密着・ランニング寄り | 収納力重視・ハイキング寄り |
| 最適なシーン | 夏の日帰りハイク、長距離ラン | 冬の低山、通勤ラン、温泉セット持参 |
もしあなたが、「着替えや防寒着を持って通勤ランをしたい」「冬の低山ハイクでフリースやバーナーを入れたい」と考えているなら、迷わずXT20を選ぶべきです。特に冬場は衣類のボリュームが増えるので、15リットルではパンパンになり、ジッパーを閉めるのに苦労することになります。
逆に、「必要最低限の水と行動食だけで身軽に走りたい」「ジャケットの下にザックを背負いたい(インナー使い)」というストイックな使い方なら、XT15の薄さが武器になります。空荷に近い状態でもザックの中で荷物が暴れにくく、より「走る」ことに集中できるのは間違いなくXT15の方ですね。
トレイルブレイザーとXTの違いを解説
サロモンの売り場でよく隣に並んでいる「トレイルブレイザー(Trailblazer)」シリーズ。価格が安いので、「こっちでも良いのでは?」と迷いますよね。私も最初はそう思いました。「同じサロモンのリュックで、容量も似ているのに、なんでこんなに値段が違うの?」と疑問に思うのは当然です。
ですが、構造をよく見ると、この2つは全く別物です。例えるなら、トレイルブレイザーは「高性能なナップサック(袋)」であり、XTシリーズは「収納付きのベスト(着るギア)」なんです。
| 比較項目 | XTシリーズ (15/20) | トレイルブレイザー (10/20) |
|---|---|---|
| 設計思想 | Trail Running DNA(走るための構造) | Hiking DNA(歩くための構造) |
| ハーネス形状 | 幅広ベスト型+ポケット多数 | 細身ストラップ+ポケットなし |
| 給水アクセス | 走りながら飲める(フロント収納) | 立ち止まる必要あり(サイド/内部) |
| 安定性 | 面で支えるため揺れにくい | 線で支えるため走りには不向き |
最大の違いにして、XTを選ぶ最大の理由は「給水システム」です。XTシリーズはショルダーハーネスに500mlのソフトフラスクが入る専用ポケットがあり、走りながら手を使わずにサッと水分補給ができます。これは、心拍数が上がっている時や、足を止めたくない時には本当にありがたい機能です。
一方、トレイルブレイザーはリュックを下ろしてサイドポケットのボトルを取るか、背中のハイドレーションパックからチューブを伸ばす必要があります。ウォーキングやハイキングなら問題ありませんが、「走り」が入るとこの動作が大きなストレスになります。
「少しでも走る可能性がある」「いちいちザックを下ろして水を飲むのが面倒」「スマホをすぐに取り出したい」という方は、予算を足してでもXTシリーズを選ぶ価値があります。初期投資は高くなりますが、その後の快適さが段違いですから。
登山やトレランでの使い心地を検証

実際にフィールドで使ってみると、XTシリーズは「スピードハイク(速歩き〜軽いラン)」に最高のパフォーマンスを発揮してくれました。ガチガチの登山装備というよりは、軽快に山を楽しむための現代的なギアという印象です。
従来の登山ザックだと重すぎて走れない、でもランニング専用のベストだと荷物が入らなくて不安…そんな「どっちつかず」なシーンにドンピシャでハマります。特に感動するのが、フロントポケットの利便性です。
行動を止めないフロントアクセス
右側のショルダーストラップには大型のジッパーポケットが付いており、ここにスマホ(iPhone Pro Maxクラスもギリギリ入ります)、行動食のジェル、鍵などを収納できます。登山中に「あ、綺麗な景色!」と思った瞬間、ザックを下ろさずにスマホを取り出して撮影し、すぐにしまって歩き出せる。このスムーズさは一度体験すると戻れません。
また、左側のフラスクポケットも優秀です。飲み口を少し噛んで引っ張るだけで水分補給ができるので、喉が乾く前にこまめに水を飲む習慣がつきます。結果的にバテにくくなり、コースタイムを短縮できるのがこのザックの隠れたメリットですね。

ただし、弱点もあります。あくまで「ハイキングパックの派生」であるため、ポールホルダー(ストックを取り付けるゴム)は簡易的なものです。走るとポールがブラブラと揺れて背中に当たることがあります。本格的に走る場合は、別途ポールベルトを用意するか、バンジーコードを自分でカスタムして固定力を高める工夫が必要でしょう。
ガチのトレランレースには不向きかも
キロ4分台で下りをガンガン攻めるような本格的なトレイルランニングだと、やはり荷物が縦に揺れます。重心がどうしても背中側にあるため、ベスト型とはいえ暴れやすいんです。タイムを競うレース用なら、より体に密着し、荷物を分散させる「ADV SKIN」シリーズの方が幸せになれると思います。
レディースや小柄な人のフィット感

XTシリーズはワンサイズ展開(ユニセックス)です。これが購入時の最大の悩みどころかもしれません。基本的には身長160cm〜180cmくらいの人が最も快適に使えるように設計されていると感じます。
女性の友人に試してもらったところ、「ベスト型なので胸の圧迫感が少なくて楽」というポジティブな意見がありました。一般的な登山ザックの細いショルダーストラップは、バストの外側を強く締め付けることが多く、痛みの原因になりがちです。
しかし、XTシリーズの幅広ハーネスは「面」で荷重を分散するため、特定の箇所に食い込む感覚が少ないのです。
ダブルチェストストラップの恩恵

XTには胸の前で留めるストラップが上下に2本ついています。これらは伸縮性のあるゴム(エラスティックコード)で作られているため、呼吸で胸郭が広がっても苦しくなりません。
女性の場合、ストラップの位置を上下にスライドさせて調整することで、バストトップを避けて固定することができます。この微調整ができる点は非常に評価が高いです。
ただし、注意点もあります。極端に小柄な方(身長150cm前半など)だと、背面長が50cmあるため、ザックの底がお尻に当たってしまう可能性があります。走るたびにお尻をポンポンと叩かれるような状態になり、これはかなりのストレスです。
また、ハーネスが長すぎて、ストラップを限界まで締めてもまだ緩いというケースもあり得ます。購入前に、できれば実店舗で重りを入れた状態でフィッティングしてみることを強くおすすめします。
サロモンのXT15・XT20のレビューで分かる揺れ対策

「走れるザック」として期待されているXTシリーズですが、検索キーワードでも「揺れ」を気にしている人が多いようです。構造上、ADV SKINのような「着る」感覚に近いとはいえ、荷室は背中側に集中しています。ここでは、揺れを最小限にするための具体的なテクニックを紹介します。
✅走ると揺れる原因と正しい調整方法
✅防水性能の限界と雨の日の注意点
✅通勤ランでPCを収納するコツ
✅総括:サロモンのXT15・XT20のレビュー
走ると揺れる原因と正しい調整方法

XTシリーズを使っていて「揺れるな」「暴れるな」と感じたら、調整位置や締め方が間違っている可能性が高いです。普通の通学・通勤リュックのように「肩」で背負うのではなく、「肋骨全体で着る」イメージを持つのが正解です。
揺れを止める3つのステップとコツ
- ウエストベルトの位置:骨盤ではなく、「お腹(腹筋の上、みぞおちの下)」の高い位置で締めてください。ここが支点となり、ザックのボトム部分が左右に振れるのを防ぎます。
- チェストストラップ:2本をしっかり留めますが、締めすぎによる息苦しさに注意。ゴムの伸縮性を活かして「ピタッと張り付く」程度にします。
- コンプレッション(圧縮):これが最も重要です。荷物が少ない時、ザックの中身はスカスカで踊り放題です。サイドの紐(バンジーコード)を限界まで引き絞り、ザック全体をペチャンコに潰してください。
特に重要なのが1番目のウエストベルトです。これを骨盤(腰骨)の位置で留めてしまうと、走る動作(骨盤の回旋)に合わせてザック全体が左右に大きく振られてしまいます。腹筋の上あたりでギュッと締めると、ボトム部分の横振れが嘘のように止まります。
防水性能の限界と雨の日の注意点

XTシリーズのメイン素材には、耐久性と撥水性のあるナイロンが使われていますが、完全防水ではありません。小雨程度なら弾いてくれますが、本降りの雨の中で長時間行動すれば、ジッパーや縫い目から確実に浸水します。
また、意外な盲点なのが雨ではなく「自分の汗」です。背面パネルはEVAフォームとメッシュで作られていますが、通気性が抜群に良いわけではありません。特に夏場や強度の高いランニングでは、背中は汗でびしょ濡れになります。その湿気が背面パネルを通過し、内部の荷物を濡らしてしまうのです。
ドライバッグは必須アイテム
着替えや電子機器を入れる場合は、必ず防水のスタッフバッグ(ドライバッグ)に入れてから収納しましょう。スーパーの袋でも代用できますが、ガサガサ音がうるさいので、Sea to Summitなどのシルナイロン製スタッフバッグがおすすめです。これはXTに限らず、軽量ザックを使う上での鉄則ですね。
メンテナンスに関しても触れておきます。使用後は必ず風通しの良い日陰で乾燥させてください。洗濯する場合は、洗濯機の使用は避けて(バックル破損のリスクがあるため)、ぬるま湯で優しく手洗い(押し洗い)をしましょう。柔軟剤は吸汗速乾機能を低下させるので使用厳禁です。
通勤ランでPCを収納するコツ

「会社帰りに走って帰りたい(Run Commuting)」という通勤ランナーにとって、PCが入るかどうかは死活問題ですよね。XT20はその容量から、通勤ラン用としての需要も非常に高いモデルです。
結論から言うと、13インチ〜14インチ程度のノートPC(MacBook Air/Proなど)なら収納可能です。しかし、このザックにはPC専用の保護パッド付きスリーブはありません。ハイドレーション用の薄いポケットがあるだけです。
そのままPCを入れると、背中のカーブに硬いPCの板が当たり、走るたびに背骨をゴツゴツと攻撃されて痛い思いをします。(※うっかりの経験者です。笑)
快適にPCを運ぶパッキング術
私はいつも以下の手順でパッキングしています。これで揺れと痛みをかなり軽減できます。
- PCを衝撃吸収性のある厚手のスリーブケース(ネオプレン素材など)に入れる。
- メイン気室の一番背中側に入れるのではなく、少し浮かせる。
- 背中とPCの間に、着替えのTシャツやタオルを丁寧に畳んで挟み込む(これがクッションになります)。
- PCの外側(自分から遠い側)に、残りの荷物(お弁当箱やシューズなど)を配置して固定する。
特に15インチ以上の大型PCやゲーミングノートPCは、XT20であっても角がザックの形状を歪ませてしまい、背負い心地が劇的に悪化するので正直おすすめしません。また、PCへの汗濡れ対策として、スリーブごと大きめのビニール袋で包むのも忘れないでください。
総括:サロモンのXT15・XT20のレビュー
最後に、サロモンのXT15・20のレビューをまとめます。このザックは、「登山もランも通勤も、これ一つで全部こなしたい」という欲張りな現代人のニーズに応えてくれる、非常に優秀な相棒です。専門特化したギアには負けますが、その分、対応できるシーンの幅広さは最強クラスと言えるでしょう。
最終的な選び方の指針
- XT15がおすすめな人:
- 荷物を極限まで減らして軽快に動きたい。
- 夏場の使用がメイン。
- ジャケットの下に背負うような使い方もしたい。
- 「走る」比率が高い人。
- XT20がおすすめな人:
- 通勤ランで着替えやシューズを持ち運びたい。
- 冬場のハイクで防寒着やお風呂セットを入れたい。
- 「大は小を兼ねる」で汎用性を重視したい人。
個人的には、迷ったら「XT20」を選んでおけば、後悔することは少ないかなと思います。XT20であっても、サイドのバンジーコードをしっかりと絞れば、XT15のようにスリムに使うことができます。逆に、XT15の容量を後から増やすことはできませんからね。
ぜひ、あなたのスタイルに合ったサイズを選んで、街から山までシームレスに駆け抜けてみてください!サロモンの公式サイトでも詳細なスペックが確認できますので、最終確認としてチェックしてみることをおすすめします(出典:サロモン公式オンラインストア『XT 20』製品ページ)。
※本記事の情報は執筆時点のものです。製品の仕様や価格は変更される場合があります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。また、登山やランニングにおける体感には個人差がありますので、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
























