愛犬と挑戦!犬を連れての本格登山でおすすめのコースと安全対策ガイド

シーズン・目的別登山
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大好きな愛犬と一緒に、標高2,000メートルを超えるような絶景の中を歩いてみたい。そんな願いを持つ飼い主さんは多いのではないでしょうか。最近のアウトドアブームもあり、本格的な登山道をワンちゃんと一緒に歩く姿も見かけるようになりました。

しかし、犬連れの本格登山でおすすめのルートを探してみると、意外と法的なハードルや、標高が高い場所ならではの体調管理の難しさに直面します。人間にとってはなんてことのない段差や気圧の変化も、言葉を話せない愛犬にとっては大きな負担になるかもしれません。

この記事では、筆者が調べた実務的なリスク管理や、ルールを守りながら楽しめるおすすめの山域について、等身大の視点で詳しくまとめてみました。

愛犬との登山を成功させるための「知る」「備える」「楽しむ」の3ステップを解説した概念図。
愛犬と挑戦する本格登山:3つのステップ

この記事でわかること

①国立公園や各エリア独自のルールの確認方法
②高山病や低体温症など犬のリスクと対策
③岩場や急登で愛犬をサポートする必須装備
④犬連れでも挑戦しやすい具体的な推奨ルート

犬を連れて本格登山!おすすめの装備と心構え

登山・トレッキング装備完全ガイド:初心者入門イメージ

本格的な山岳地帯へ足を踏み入れる前に、まずは「山でのルール」と「犬の体」について知っておく必要があります。街中の散歩とは全く違う環境だからこそ、事前の準備が愛犬の命を守ることにつながります。

ここでは、法律面と健康面の両方から、最低限押さえておきたいポイントを整理しました。

✅自然公園法に基づく国立公園のルールとリードの重要性
✅ライチョウなどの野生動物保護とペット同伴の自粛要請
✅山小屋の宿泊可否やロープウェイのケージ利用ルール
✅高山病を防ぐための高度順応と犬の生理学的リスク管理
✅負傷時に備えたハンドル付きハーネスと自力搬送の技術

自然公園法に基づく国立公園のルールとリードの重要性

自然公園法による放し飼い禁止と、1.2m〜1.5mの固定式リードの使用を推奨するスライド。
山の掟:自然公園法とリードのルール

日本の本格的な登山の舞台となる山々の多くは、国立公園や国定公園に指定されています。ここでまず知っておきたいのが、自然公園法という法律の存在です。

この法律の第21条では、特に保護が必要な「特別保護地区」において、生態系を乱す恐れのある行為として「動物を放つこと」を厳格に禁止しています。

「えっ、じゃあ犬を連れて行っちゃダメなの?」と不安になるかもしれませんが、環境省の見解によれば、リードを短く持ち、飼い主さんがしっかりと犬をコントロールできている「連れ込み」状態であれば、直ちに違法として罰せられるわけではありません。

ただ、これはあくまで「法的に可能」というだけであって、どんな場所でも自由に歩けるという意味ではないんですね。例えば、貴重な高山植物の群落がある場所や、野生動物の繁殖地などでは、たとえリードがあっても立ち入りが制限されることがあります。

登山で使うべきリードの選択基準

山道では、普段使いの伸縮リード(フレキシリード)は非常に危険かなと思います。岩場や狭い登山道で急に犬が動いた際、ロックが間に合わなかったり、細い紐が他の登山者の足に絡まったりするリスクがあるからです。

本格登山では、1.2メートルから1.5メートル程度の丈夫な固定式リードを使用し、常に自分の手の届く範囲に愛犬を置いておくのが基本中の基本。また、飼い主の両手が空くショルダータイプや、腰に巻くハンズフリータイプも便利ですが、急な斜面で引っ張られた時に転倒する恐れもあるので、状況に応じた使い分けが大切ですね。

(出典:環境省「国立公園内でのマナー」

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ライチョウなどの野生動物保護とペット同伴の自粛要請

法律で直接禁止されていなくても、現場で強く求められているのが「ペット同伴の自粛」です。これには深い理由があります。特に標高の高いエリアには、氷河期の生き残りといわれるライチョウや、カモシカ、シカといった野生動物が暮らしています。

彼らにとって、捕食者(オオカミ)に近い姿をした犬は、存在するだけで猛烈なストレスを与える「心理的な脅威」になってしまうんです。

さらに深刻なのが感染症のリスクです。人間社会で暮らす犬が持っている細菌やウイルス(ジステンパーやパルボウイルスなど)が、野生動物にうつってしまうと、その地域の個体群が絶滅の危機に瀕する可能性もあります。

また、犬の糞尿に含まれる窒素成分は、厳しい環境で育つ高山植物にとって「強すぎる肥料」となり、周囲の植生を枯らしたり外来種を繁殖させたりする原因にもなります。

知っておきたい自粛の背景

  • 野生動物の繁殖行動を妨げないため
  • 犬由来の病原菌が野生動物に感染するのを防ぐため
  • 排泄物による土壌汚染と植生変化を防止するため

特に北アルプス(白馬・立山など)や南アルプスの高標高域では、ライチョウ保護のために非常に厳しい自粛要請が出されています。計画を立てる際は「ここはワンちゃんが入っても大丈夫な山かな?」と事前に公式サイトを調べる癖をつけましょう。

山小屋の宿泊可否やロープウェイのケージ利用ルール

ロープウェイのケージ必須ルールや山小屋の宿泊条件、送迎バスの注意点をまとめた比較表。
山のインフラ利用ガイド:ロープウェイ・山小屋・バス

本格的な登山を楽しむとなると、アプローチにロープウェイを使ったり、山の上で一泊したりすることを考えますよね。でも、ここで大きな壁にぶつかることが多いです。

まずロープウェイですが、ペット乗車を認めている会社でも、ほとんどの場合「ケージや専用バッグへの完全収容(顔が出ない状態)」が条件になります。中型犬・大型犬になると、そもそもケージがゴンドラに入らなかったり、重量オーバーで断られたりすることもあるので注意が必要です。

そして山小屋ですが、日本国内の多くの山小屋では「建物内への犬の立ち入り」は原則禁止されています。宿泊を伴う場合は、テント泊がメインになりますが、そのテント場ですら「ペット不可」としている場所が増えています。

「行ってみたら泊まれなかった!」なんて悲劇を避けるために、最新の受け入れ状況を確認しておくのは必須ですね。

施設・サービス一般的な対応状況飼い主がすべき準備
ロープウェイケージ・バッグ必須(有料)ケージ内で静かに待てる訓練
山小屋(屋内)ほぼ100%不可一部の「ペット同伴専用室」がある小屋を予約
テント場施設により可否が分かれる事前に管理所へ電話確認
送迎バス他客への配慮で不可が多いマイカー規制区間の確認

高山病を防ぐための高度順応と犬の生理学的リスク管理

標高2,000m以上での高度上昇の注意点と、あくびやチアノーゼなどの危険サイン、登山口での休憩(高度順応)を解説する図解
犬の高山病:危険サインと高度順応

筆者が一番心配なのが、犬の体調管理です。実は犬も人間と同じように高山病(高度障害)を発症します。標高2,000メートルを超えると、気圧の低下によって血中の酸素濃度が下がります。

特に、ロープウェイで一気に高度を稼ぐ場合は要注意です。身体が薄い空気に慣れる時間がないまま運動を始めると、重篤な肺水腫や脳浮腫に繋がるリスクがあるからです。

犬は自分の不調を言葉で伝えられません。そのため、飼い主さんが以下のサインを見逃さないことが大切です。

  • やたらとあくびを繰り返す
  • 食欲が急になくなる(大好きなおやつを食べない)
  • 足元がふらついている、歩くリズムがおかしい
  • 呼吸がいつまでも荒く、歯茎の色が紫っぽくなっている(チアノーゼ)

効果的な高度順応のやり方

対策としては、まず標高の高い登山口(またはロープウェイ山頂駅)に到着したら、すぐに歩き出さず、30分から1時間ほどその場で愛犬をリラックスさせて休憩させてください。水分補給をこまめに行い、血流を維持することも大切です。

また、登山中の上昇ペースは「1日300〜500m」くらいに抑えるのが犬にとっては理想的と言われています。もし少しでも様子がおかしいと感じたら、頂上が目の前でもすぐに標高を下げる。

これが、本格登山に愛犬を連れて行く飼い主としての最低限の責任かなと思います。

負傷時に備えたハンドル付きハーネスと自力搬送の技術

ハンドル付きハーネスを装着した犬の写真と、愛犬を背負って下りる自力搬送のイメージイラスト
必須装備と自力搬送の覚悟

本格的な登山道になればなるほど、道は険しくなります。浮石だらけのガレ場、滑りやすい粘土質の急坂、そして人間でも苦労する段差。

そんな場所で、普段散歩で使っている首輪や細いハーネスを使うのは避けましょう。段差で愛犬を引き上げたり、滑落しそうになった時に確保したりするには、背中に頑丈なハンドルがついたタクティカルハーネス救助用ハーネスが必須です。

また、絶対に考えておかなければならないのが「愛犬が怪我をして歩けなくなった時」のことです。山の救助隊やヘリコプターは、原則として人間を救助するためのリソースであり、犬を運んでくれる保証はありません。

<<つまり、自分の犬は自分の力で背負って下りるという覚悟と準備が必要です。>>

救助用装備のチェックリスト

  • ハンドル付きフルボディハーネス(腹部もしっかり支えられるもの)
  • 大型犬の場合は背負子(キャリーハーネス)
  • 人間用のテーピングや包帯(犬の止血にも代用可能)
  • ポイズンリムーバー(マダニやヘビ対策)

筆者のおすすめは、あらかじめ愛犬を背負う練習をしておくこと。20kg、30kgある愛犬を背負って険しい山道を数時間歩けるか?このシミュレーションがリスクマネジメントの第一歩ですね。

犬を連れて本格登山!おすすめしたい厳選の山域とルート

日本地図上に八ヶ岳、谷川岳、北アルプス・白馬の位置を示し、それぞれのルートの特徴を簡潔に記したマップ
犬連れ本格登山のおすすめ山域マップ

ここまで少し厳しい話が続きましたが、ルールを守り、準備を万全にすれば、愛犬との登山は一生の宝物になります。

ここからは、筆者が実際に調べて「ここなら犬と一緒に本格登山の醍醐味を味わえる!」と感じた、おすすめの山域を具体的に紹介していきます。どのルートも素晴らしい景色ですが、当日の天候やワンちゃんの経験値に合わせて選んでみてくださいね。

✅初心者から挑戦できる八ヶ岳の北横岳と硫黄岳ルート
✅岩場が続く谷川岳天神尾根での安全確保と歩行サポート
✅北アルプス白馬エリアの規制区域とゴンドラ利用の注意
✅登山道での排泄物回収と他者への配慮に関するマナー
✅まとめ:犬を連れて本格登山のおすすめ

初心者から挑戦できる八ヶ岳の北横岳と硫黄岳ルート

長野県にある八ヶ岳連峰は、比較的アクセスが良く、犬連れ登山者に非常にフレンドリーな山域として知られています。特に「本格的な高山を体験させてあげたい」という方におすすめなのが、北八ヶ岳の北横岳(2,480m)です。

北八ヶ岳ロープウェイを利用すれば、一気に標高2,237mまで上がることができ、そこから山頂までは片道1時間強。道も比較的整備されており、木道や緩やかな岩場が続くので、ワンちゃんの足への負担も少なめです。

もう少し体力がついてきたら、南八ヶ岳の入口に位置する硫黄岳(2,760m)にチャレンジしてみるのもいいですね。桜平(さくらだいら)登山口からオーレン小屋を経由するルートは、樹林帯の涼しい道が続き、夏場でもワンちゃんがオーバーヒートしにくいのが魅力です。

森林限界を抜けると、目の前にはダイナミックな爆裂火口が広がり、「これぞ本格登山!」という感動を愛犬と分かち合えます。

八ヶ岳での注意ポイント

北横岳の山頂付近は風を遮るものがなく、気温が急激に下がります。また、硫黄岳の山頂は広い砂利場(ザレ場)になっているため、強い日光で地面が熱くなることも。

犬用のウェアや、肉球を保護する準備をしていくと安心ですね。オーレン小屋などはテント泊ならペット同伴可能な場合が多いですが、必ず事前に確認を入れるようにしましょう。

岩場が続く谷川岳天神尾根での安全確保と歩行サポート

登山・トレッキング装備完全ガイド:初心者入門イメージ

「近場でもっと険しい山に行きたい」という方におすすめなのが、群馬県の谷川岳(1,977m)です。

標高こそ2,000mを切りますが、その気象条件は3,000m級に匹敵すると言われる険しい山です。天神尾根ルートはロープウェイの天神平駅からスタートできるため、日帰りでのアタックが可能です。

ただ、このルートは後半がなかなかハード。熊穴沢避難小屋を過ぎたあたりから、大きな岩がゴロゴロした急登や、鎖場に近いような段差が登場します。ここで役立つのが、先ほど紹介したハンドル付きのハーネスです。

中型犬以上のワンちゃんでも、高い段差ではお尻を持ち上げてあげたり、降りる時にハーネスを支えて着地の衝撃を和らげてあげたりするサポートが欠かせません。

谷川岳の岩場は、鋭く尖った石が含まれることがあります。夢中で歩いているうちに肉球を切ってしまうこともあるため、休憩のたびに足の裏をチェックしてあげてください。不安な場合は、滑り止め付きの犬用ブーツを履かせるのも一つの手です。ただし、ブーツに慣れていないと逆に足を挫く原因になるので、平地での練習は必須ですよ。

北アルプス白馬エリアの規制区域とゴンドラ利用の注意

登山者なら誰もが憧れる北アルプス。白馬エリアは、ゴンドラリフトを乗り継いで雲上の世界へ行ける非常に魅力的な場所です。

八方尾根のゴンドラ「アダム」などはペットの乗車も可能で、標高1,800m付近の「八方池」までは、ルールを守れば愛犬と行くことができます。逆さツルギを映す池の景色は、まさに日本を代表する絶景です。

しかし、ここで注意が必要なのは、八方池より上部は中部山岳国立公園の核心部であり、ライチョウの貴重な生息地であるということです。白馬岳や唐松岳を目指す本格的な縦走ルートは、多くの自治体や山岳会がペットの同伴自粛を強く求めています。

北アルプスに関しては、「ピークハント(登頂)」を目的とするのではなく、「高所散策」を楽しむスタンスが、犬連れ登山にはおすすめかなと思います。

栂池(つがいけ)高原なども、ロープウェイで栂池自然園まで行けますが、自然園内はペットの立ち入りが厳格に禁止されています。このように、北アルプスでは「ここまでならOK、ここからはNG」という境界線がはっきりしているので、地図をよく見て計画を立てる必要があります。

登山道での排泄物回収と他者への配慮に関するマナー

排泄物の処理方法(糞の持ち帰り、尿の希釈)と、登山道でのすれ違い時に犬を山側に寄せるマナーを図解したイラスト
山のコミュニティの一員としてのマナー

本格登山道という公共の場において、一番トラブルになりやすいのが「排泄物」と「すれ違い」です。まず、糞の放置は絶対にNGです。街中と違い、高山の気温が低い環境では微生物の活動が鈍いため、糞が分解されるのに長い年月がかかります。

それが水源を汚したり、他の登山者の不快感に繋がったりします。排泄物は必ず専用の袋に入れ、ザックの中に入れずに外付けのポーチなどで密閉して麓まで持ち帰りましょう。

また、おしっこについても、登山道沿いの高山植物に直接かけるのは避けるべきです。高濃度の窒素成分が植物を枯らしてしまうからです。

可能であれば、水でしっかりと洗い流す(希釈する)のがマナー。筆者は、愛犬が用を足した後にたっぷりかけられるよう、500ml程度の水を余分に持つようにしています。

すれ違い時のスマートな振る舞い

山では、誰もが犬好きとは限りません。中には犬に対して強い恐怖心を持っている方や、アレルギーを持っている方もいます。狭い道で人とすれ違う時は、

  • 愛犬を山側(斜面の上側)に寄せる(谷側だと、相手が避けた際に滑落する危険があるため)
  • リードを短く持ち、愛犬を座らせて「待て」をさせる
  • 「こんにちは、お先にどうぞ」と明るく挨拶する

こうした気遣い一つで、犬連れ登山への周囲の目がぐっと温かくなります。山のコミュニティの一員として、愛犬と一緒に素晴らしいマナーを示したいですね。

犬を連れて本格登山!おすすめルート:まとめ

愛犬との本格登山は、素晴らしい思い出になる一方で、飼い主の責任が非常に重いアクティビティです。今回ご紹介した犬連れの本格登山でおすすめのルートや装備、注意点はあくまで一般的な目安に過ぎません。

山の状況は刻一刻と変化しますし、愛犬の体力もその日の体調によって変わります。

本格的な山岳環境では、予期せぬ雷雨や急な気温低下も珍しくありません。人間以上に環境の変化に敏感な犬にとって、山は時に過酷な場所となります。

だからこそ、「せっかくここまで来たから」という気持ちを抑え、愛犬の足取りが少しでも重いと感じたり、息遣いに違和感を覚えたりしたら、迷わず引き返す。その勇気こそが、愛犬を守る最強の装備だと筆者は思っています。

最後に、より詳細なルート状況や現地の最新ルールについては、必ず登山道の管理事務所や各自治体のホームページを確認し、必要であれば直接問い合わせをしてみてください。

安全に配慮し、マナーを守って歩くことで、犬連れ登山がもっとオープンで楽しいものになっていくはずです。大好きなパートナーと一緒に、高嶺の風を感じる最高の山行を楽しんできてくださいね!

「本当のゴールは、登頂ではない。引き返す勇気。それが、愛犬を守る最強の装備です。」というメッセージが書かれたスライド
愛犬を守る最強の装備:引き返す勇気

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